いい温泉宿、おいしい料理宿

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再び訪れたいお宿探訪と趣味のブログ

あなごの宿 三船亭【愛知県 篠島】~天然トラフグ白子三昧のコース料理は、これまでのトラフグの概念が覆される絶品の透き通る三河湾の無上の白味~

 天然トラフグの漁場である三河湾でも、特に篠島や日間賀島の近海は好漁場だそうです。これまで知多半島でフグをいただいたことがあるのですが、美味いと満足したことはなく・・・。しかし、半島から船で渡る篠島や日間賀島でのフグ料理は、シーズンには必ずと言っていい程白子料理が入った本気度が違うプランがぎっしりです。ただ、一番のネックが船で渡らなければいけないという面倒くさい行程があったので避けていました。さらに温泉もない。シーズンというのにスキーで腓腹筋の部分断裂を受傷、スキーに行けないのならと前より狙っていた三船亭さんが偶然にもキャンセルが出たので、ならばフグフルコース&六種の白子があるのならばと即決予約になりました。

旅情

 さてさて、三船亭さんに行くには篠島に船で渡る必要があります。車を港の駐車場に預けて乗り換えです。日間賀島という隣の島の方が人気はちょい高めです。一時間に2本の便があったので予約なしで乗ることができます。

 日が高いうちは30分毎に船が出ていたのにも関わらず、思った以上に乗船客がいたのにはびっくり。

 往きは思った以上にゆっくりで高速艇かと思うほどに揺らぎはありませんでした。

 大寒波が入り込むということもあり、帰りはとんでもないことになることは、この時は知る由もなし・・・。

 10分ほどすると篠島に到着です。フェリーで車の輸送もできますが、島自体は大きくはなく、失礼ながらも見るところもあまりない・・・荷物はザックに詰め込むのが楽です。

 到着してから三船亭さんに連絡を入れても10分程で迎えが来てくれました。

 三船亭さんは篠島のビーチ沿いにある旅館でロケーションはかなり良いです。

 ビーチ前の道路にひしめくように建っている建物の1つではありますが、色合いから結構目立ちます。夏は海水浴客などで多くなるのかもしれませんが、冬季はひっそりとしてストリートには車も人もほとんどいませんでした。やはり、乗船客はフグを求めて渡ってきた人がほとんどのようです。

 全部屋6室にはとても立派な玄関です。

 ビーチ前ということもあり、サンセットとサンライズの時刻の案内もありました。

ロビーのテーブルでチェックインの手続きをしました。

 ロビーにはウォーターサーバーもあれば、朝食後にはfree coffeeもあります。

 浴衣、色浴衣、作務衣?の三種から好きなものが選べて追加料金もありません。

 玄関から左手は客室に上がる階段があります。

 階段袂には2つの貸切風呂。

 階段の反対側はお食事処と、もう1つの貸切風呂があります。貸切風呂前には男女別のトイレがあります。

 2階の客室はそれぞれに配置されており、2階トイレ・洗面前には階段があります。

 ビーチ側のお部屋ヘは数段の下る階段があり、館内にはエレベーターはないので、

足元が難儀な人が泊まるには大変かと。

 2階にはトイレが1ヵ所だけ。トイレ無しのお部屋は2部屋なので、」幸い混み合うことはなかったですが、1階の男女別トイレと合わせて使うことになります。

 洗面台が無い部屋もあり、さらに2階の1ヵ所しかないため、歯磨きとかは貸し切り風呂の洗面を使わせてもらえば問題はありませんでした。貸切風呂は温泉ではないためか、不思議と混み合うことはありません。

 

お部屋

 案内して頂いたのは「高砂」というお部屋です。

 三船亭さんでは最も安価なお部屋。

 玄関戸は二重になっています。

 階段傍のお部屋は響くという口コミがありましたが、海水浴時期でもないためか子供はおらず全く気にならなかったです。

 お部屋は8畳以上のスペースがあり広々としています。

 スタッフがお部屋に一切入らないということで、お布団もセルフで敷きます。

 このお部屋には洗面とトイレがないので共有の物を使います。

 お茶セットから冷蔵庫、アメニティ類も必要な物は揃っています。

 髭剃りなどはお風呂に用意がありました。

 山の斜面に建っているので、表は裏の階段ビューですが、窓から顔をだすと海も見えました。

 

お風呂

 部屋数が6部屋しかないのに貸切風呂が3カ所あります。それぞれ大きさと利用時間が異なります。陶器の湯舟のみ24時間利用することができます。白湯なので温泉の詳細はなにのでご容赦を。朝風呂でスッキリしたい方にはうれしく、朝食後も朝風呂がオープンしています。

 乳液や化粧水類、その他アメニティも充実しています。

 月見というこの浴場が最も大きな湯舟で大人4人ぐらいは入れます。

 翌朝には水位が下がっていたので湯を張り替えて?くれているのかもしれません。

 満海という名前の浴室ですが、親密な大人2人なら入れますが基本は1人用の大きさです。

 24時間利用できる陶器の湯舟は深海という浴室です。

 水位が低いですが、どっぷりと浸かりたい方は、どの浴場でも足し湯もできました。

 

お料理

 朝夕ともに1階のお食事処でいただきました。

 三船亭さんでは通年としてアナゴのフルコース、夏はハモ、冬季は天然トラフグのフルコースを多彩な献立で出しておられます。この度は天然トラフグをいただきにお邪魔したのですが、まず都心では口にすることができない白子料理に、これでもかと並ぶトラフグの品々。やはり養殖とは違い天然フグならではの硬弾力と噛むほどに透き通るようなトラフグの旨みを一年分充電することができます。

 献立は頂いたお品書きをもとに書いてあります。内容に関しては説明して頂いたものと、実際口にした感想を交えて記してあります。個人的な感想なのでご参考程度に見ていただければ幸いです。

夕食

 お食事処はパーテーションやブラインドで仕切ったほぼ個室となっています。

 テーブルには食前酒、先付、前菜、鍋物が用意されていました。

 鍋はパエリアに使うような珍しい浅い鍋に昆布が一切れ。薬味には刻み葱と紅葉卸しと加味のポン酢です。

 

【食前酒】:梅酒

 少し焼ける?ような感触はありましたが、酒度は恐らくありません。酸味と甘味はしっかりとありますが、とてもマイルドな口当たりで後を引かない口当たりです。

 

 ヒレ酒は配膳時に気化したアルコールを飛ばすという演出から入ります。

 ひれ酒の磯の香とマッチのリンが燃える匂いが混ざりあうと何とも哀愁があります。

【ひれ酒又はソフトドリンク

 言わずと知れたフグを楽しむなら必須のひれ酒。建物前に停めてあったトラックの荷台で天日干しにされていました。酒が苦手な方にはソフトドリンクの用意があるようです。かなり香ばしく焼いてあり蒸らすとさらにフグ海鮮の香りが沁みだしてきます。幼い頃は苦手な匂いも、大人になると焼ける磯臭さが癖になる不思議。程よいところで揚げて取り置きます。献立内のヒレ酒は90mlぐらいの半合で、継ぎ酒を頼むとしっかりと一合の熱燗が配されました。

 

【先付け】:ふぐ皮 自家製ポン酢(てっぴ) チョジャン

 先付けは味に変化を持たせた2種の鉄皮です。1つは「ジャン掛けです」と説明がありました。チョジャンはコチュジャン、砂糖、ニンニクなどを合わせた韓国料理のソースだそうで、スルメイカなどに合わせるとチャンジャのようになると思うのですが、その鉄皮版です。

 混ぜ合わせて口にいれると辛味は程よいがコテコテのジャンではなく、鉄皮の歯切れのよいコラーゲンであるゼラチン質の甘味を辛味が丁寧に引き出しています。シャキっとした玉ねぎのアクセントに唐辛子の風味はあるが塩味は控えて鉄皮の美味しい所を上手に支えています。

 もう1つは自家製ポン酢を使った物です。こちらもタマネギを使った食感の変化に焼き海苔の香ばしさと辛味が無い唐辛子の風味だけの紅葉卸しの和テイストです。コリコリというよりはグニグニとしているが歯切れがよく、ポン酢が完熟スダチ??を使ったような、とにかく酸味と塩味マイルドで鉄皮の本来のゼラチンが楽しるテイストに仕上げてあります。

 

【前菜】:季節の彩り

 前菜は左からバイ貝、枝豆、赤車海老、鰯醤油煮、フグ皮ゼリー寄せ

 バイ貝はコッテリと炊き上げてあるように見えて醤油よりもバイ貝の味が立っていて、いわゆるワタの部分が巻貝特有の臭みがなく、むしろ肝ソースとしての役割を担っています。 アカシャエビは愛知県三河湾で水揚げ量が多い海老だそうです。殻ごと食べることができるほどに柔いです。いわゆるソフトシェルなのですが、口に残るどころか脱皮仕立て?のように噛め、エビ味よりもエビ味噌の上品すぎる甘磯はとてもクリアな初味な甲殻味。 イワシはがっつりと身崩れがない醤油煮にしてあります。

 フグ皮ゼリーは「お早目にお召し上がりください」とのご説明だったので、寒天ではなくゼラチン寄せでしょうか。いや煮凝りかな?舌で崩せるほどに柔く、皮を炊き込んでから冷やし、フグ皮特有のコリコリ食感は意外になく、昆布だし?と鰹だし?の寄せで優しく上品な味わい。こちらも塩や醤油はうっすらで出汁とフグ皮をさっぱりと味わう仕立て。

 

【お造り】:とらふぐ薄造り(てっさ) ぶつ切り

 花造りに飾られたてっさは所謂薄造りには見えない分厚さです。

 中央には湯引きも用意されていて、こちらは歯切れよく生とは違うタンパクが楽しめます。しかも、養殖だとほろほろとしていますが、流石天然物湯引きもグモグモとフグ味の濃厚白身を感じます。

 てっさは4枚から5枚をまとめて食するという所が多い中、4枚以上を掬いあげてしまうと強反発のてっさはいつまでも噛み切れないヘビー級のハードグミのよう。三船亭さんのてっさは一枚でも楽しめるのですが、3枚ぐらい纏めてモキュモキュと唾液に絡めて噛んでいるとフグ特有の品のある甘みと旨みが感じられます。これぞTHE天然FUGU!! ポン酢は完熟柚子?スダチ?を使っているのか、これまでの前菜と同じく酸味と塩味がサッパリ過ぎる程で、てっさとの相性がよくフグ味を引き立てるもの、とこの時は思っていました・・・。

 ブツ切りは別皿で用意されるという込み様です。こちらはポン酢ジュレ掛けにわけぎの散らしです。ブツ切りなのにてっさとは違いとても軽快な歯の入りで腹身?の部分とかになるのでしょうか。身が塊なのでジュレが絡まないww ジュレは酸味よりも甘味が勝っているテイスト。フグには脂身がほとんどないのですが、こちらは脂のような甘味を強く感じ、辛味のない紅葉卸しを合わせればさらに甘味が増長され、てっさより歯切れが良い。

 

【寿司】:とらふぐ握り

 フグは捌いたことがないので部位がよく分かりません。ただ、てっさよりも筋肉質ではなく一口食べると、きっちりと身は噛みほぐれるので一人歩きせずしっかりとシャリとの融合が抜群です。配膳時には何も説明がなかったのですが、テーブルには醤油、ポン酢を合わせるのか??と思っていたのですが、とりあえず加味せず放り込むと・・・酢飯に持たせた塩が咀嚼が進むたびにジワリジワリと押しだされて、米の炭水化物甘さとフグの上品な旨甘味を見事に纏め上げます。2貫目は醤油でいただいたのですが、予想した通りフグ味が殺されてしまう感じがあったのでそのままが美味です。添えのガリを1貫目と2貫目の間でリセットすることで2度楽しめます。

 

【酒肴】:白子料理3品

【旬の一品】:蒸し牡蠣(篠島産)

 白子料理は6品から選択することができます。2人で3品かと思っていたのですが、1人3品頼めるで6品全てをお願いました。三船亭さんを選んだのはフグ料理に加え白子料理がとにかく豊富であったことです。その1品目は白子の刺し身です。実のところ生白子はこれまで食べた事がなかったので、その味はいかがなものかと眉唾でいただきました。これ、どうみても二人前ですよね??この時は2人で6品は無理なのかと思っていたのですが、これで一人前のゴージャス盛り。

 ん~~~・・・何これww 生白子ってこんなにも丈夫な物なんか??っていうぐらいで、焼き白子を連想していると、ぷるぷるはしているがドロッとと溶けてしまうのではなく「普通に掴めます」。加味の指定はなかったのですが、やはりポン酢が馴染みます。でも塩でも味わってみたい。そのお味は・・・熱を入れるとミルキーさが増し増しになるのに・・・生だとタラの白子よりも乳感はなく、まろ過ぎる生クリームのような風味です。タラの白子が豆乳なら、知多の白子は京豆腐です。ポン酢で白子の甘味も増すが、ジャンキーに溶かしバターとかに付けても絶対に美味しいと思います。次に訪れたときにはリクエストしてみようww

 ここで献立の最後にあった「旬の一品」は、篠島産の養殖真牡蠣がやってきました。チェックインの時にも「旬の牡蠣がでますが、大丈夫ですか?」とのご説明がありました。1つぐらいかなと思っていたので1人前3つも盛りにはびっくり。

 広島、厚岸、鳥取、伊勢湾といろいろな養殖場で口にしてきた牡蠣。貝臭さが欲しい人は広島産が好きな方も多く、厚岸産では汽水域ならではの海と淡水が両立した旨みもあります。臭みや歯応えクリーミーさと色々感じるところはありましたが、篠島産はどのバロメーターにも引っかからない丸みしかない中性度で、恐らく形を変えて調理したら貝類が嫌いな方でも気づかないのではないでしょうか。牡蠣としての深みはあるが薫りはとんでもなく抑えてある今までに口にしたことのないタイプです。しかも、熱々提供なので撮影はほどよくスルリスルリと流し込むように食べてしまいました。

 白子の2品目は蒸しポン酢あんかけです。茶碗蒸しのように蓋付で配膳されました。蓋を開けると強酸味のポン酢の薫りが沸き立ちます。薬味はシンプルで寿司などと同じく、辛味の無い唐辛子風味だけの紅葉卸しに刻みわけぎです。

 てっさと同じサッパリポン酢と思っていたのですが、餡になり加温されると酸味と塩味がブーストされ、クリアな味わいから一気にどっしりとした激ポン酢の変化に困惑します。正直なところを申し上げますと・・・酔いもあったのか、ポン酢が強すぎてせっかくの白子が豆腐レベルにしか旨みを感じれず・・・その時の白子の具合にも依るのか・・・。

 まだまだ、吟味は続くトラフグ白子料理。3品目は定番の塩焼きです。表面は幕を張ったかのように薄皮を纏った一口サイズには、完熟スダチの味変。

 裂いてみると表面はセロハンテープのように箸に纏わりついてくるのに中身はとろとろのグラタンのようになっています。表面も焼かれてグランタンのチーズの様にコクが固まっており、王道の塩焼きは白子料理では最も美味しくいただける調理法だと改めて感じました。養殖だとミルクですが、天然トラフグの塩焼きは生クリームです。まったりと口中でへばりつく乳テイストで、養殖の物よりも明らかに濃厚で、是非にフグ肉と一緒にまさにフグのチーズフォンデュやロッシーニ風に楽しんでみたいです。

 余談ながらも一口目はそのままに、二口目は完熟スダチを掛けると、酸味により白子の濃厚さがさらに強調されるので味変も必至のお勧めです。

 とても好みが分かれるが一度は味わってみたい「白子酒」です。もちろん酒度があります。ベースは日本酒かと思われます。一合ほどある白子酒の一口目は風味としてはヨーグルトのような甘さ・・・だが、「どぶろく」のようでもない発酵の酸味はなく新しい乳飲料だが酒だ。生白子を食した後なので、なるほどhmmと思う味わいで白子風味は確かにというよりはむっちゃあります。生白子を食していなければ、白子風味だと気付かなず珍味で終わる酒なのに、生白子を知ってしまうと口を当てるとトラフグの白子味がちらちら。癖になるか?と問われると、珍味としての中毒性はあるが、私的好みとしてはヒレ酒に手を上げてしまうかも。

 次に配されたのは白子のフライです。ソースはこれまでと同じ自家製ポン酢の餡仕立てです。ポン酢が続いてしまうので、フライはさすがにとんかつソース類でもと思いましたが・・・味そのもは白子ポン酢と同じ物です。

 割り裂いてみると溶けだしてくるのかと思いきやフグ身のようにぎっちりと締まりきっています。そう・・・白子のくせに硬く弾みのある歯応えは何様でしょうか!?身よりはタンパクな感じではないのに白子特有の乳っぽい感じも微力にあるという。絶品かというと明らかにフグ身のカツの方が顕著に美味しいと思うが、白子カツはポン酢餡でなければ味わいは違ったのか??美味いがわだかまりのある一品。やはりソースで食べてみたい・・・。

 最後の6品目は揚げ物が続きます。これまた王道である白子の天婦羅です。加味は知多半島の美浜塩でしょうか。ミネラルがとても濃い。酸味には説明はなかったですが、恐らく完熟スダチかと。

 カツと同じく身が締まっているのかと思いきや、天婦羅はむちゃくちゃトロトロのクリームコロッケタイプでした。塩焼きの薄皮の部分を衣が請負い、中身は生を維持しています。しかも、揚げの油が白子にジャンキーを足してあるのでクリームシチューからフグのカルボナーラ―に昇格です。締まりのあるカツ、半生食の天婦羅は好みを分けますが、トラフグの白子を味わい尽くすなら天婦羅一強というお味です。

 ここで白子料理の総括です。いずれも逸品でしかない構成です。ただ、次に三船亭さんにお邪魔するなら、生白子、塩焼き、天婦羅ですが、名残あると言えばカツを中濃ソースで味わってみたいです。

 

【焼物】:魚醤焼き

 トラフグの焼きと言えば他所では塩焼きが主流ですが、知多半島では郷土料理であるトラフグの魚醤焼きです。三船亭さんでは荒身を使い天然物は筋肉質なので良い意味で身離れがよくない。噛みつくと強弾力だが醤油効果によるものか、口の中に入ってしまうと不思議と身は解れていきます。てっさのような「肉」の部分とは違う味深さがあり、部位は背骨とあばら&カマで骨をいつまでも噛みむさぼってしまいます。知多半島ではイワシを使った魚醤が多いようですが、魚特有の臭みなどはなく見た目は濃い口のように見えても、意外にも薄口で癖なくフグ味を引き立てる匙加減です。赤い点々はジャンですが、唐辛子?かと思うのですが辛味は全く感じずマイルドなアクセントに仕上げてあります。

 

【揚げ物】:とらふぐ唐揚げ

 揚げも焼きと同じアラを使っており、自分の揚げは肋骨部位の中落と背骨です。南知多名物のタコ唐も添えてあるというご配慮。タコは衣に閉じ込められたタコ汁がとてもジューシーで味が濃い。フグの中落ちと聞くとカルビなどを想像しますが、こちらも焼きと同じく脂は皆無ですごい噛み応えです。筋肉上等な天然物なのに衣に閉じ込められたフグ汁はこれまでにない脂の乗ったフグを演出してます。衣にもあらかじめ魚醤のような下味があり、この味加減が濃くなくフグ味を前に押し出しています。薬味の完熟スダチは引き締め効果があり、これまでの料理と同じく淡白なフグ肉が際立たせるので一口目から追いスダチはした方が良いと付記しておきます。

 

【鍋物】:とらふぐ水炊き 自家製ポン酢(てっちり)

 魚醤焼きのタイミングで、てっちりの具材が配膳されました。こちらには口の部位であるクチバシの兜割り、背骨を中心としたアラ、あとは腹身&腹に近い背骨アラ?、皮膚・皮下である「とうとうみ」も一枚ずつ、あばらの部分が半身入っていました。

 あばらの使用が3枚なので2人前で2.5匹のコースかと思います??

野菜は白菜、エノキ、桜ニンジン、水菜、シイタケと食べ切りの量でありがたいです。

 鍋物もおおむねはアラなのですが、フグ皮なども盛り込んでありそれぞれの部位を楽しめるようになっています。淡路の三年トラフグでは皮下脂肪が多くなるためか、鍋にゼラチン質の塊が浮いていました。天然物ではゼラチンの塊のような物は全く浮いてこず灰汁らしい灰汁はでません。脂肪ではないですが、養殖だと運動量がへるので皮下にゼラチン室が溜りやすくなるのでしょう。

 恐らく生でも食せるその身はさっと熱をいれて自家製ポン酢でいただきます。アラはしっかりと火を通して旨みを引き出しました。焼きや揚げと同じように食せる部位は多くはないのに、お腹がかなり膨れてきます。これまで使用されてきた自家製ポン酢は全て同じものだと思います。調理によって味の主張が異なり、てっちりになるとびっくりするほどに醤油と酸味の強度増し増しに押してきます。私的には養殖は焼きが最も旨みを感じられましたが、ポン酢効果も加味されて天然物は鍋が最もフグ味を舌が明確に検知していました。もともとトラフグは鍋が主であったように、古来の人々が天然物は鍋がもっとも簡易で美味かったと感じていたのかもと思いを馳せる。

 最後はフグ皮と「とうとうみ」を、自分は「とうとうみ」、相方がフグ皮をいただきました。コラーゲンである「とうとうみ」は本来皮下脂肪の位置づけですが脂は全くでません。ですが、妙な甘味があるのは脂ではないが皮下脂肪の一種なんだと思わざるをえません。鯛などはどこの部位をとっても鯛味は変わらないですが、トラフグってどこの部位を食べても食感や微妙な味わいが異なる不思議な魚だなと思ってしまいます。

 

【雑炊・香の物】

 雑炊をお願いすると、一端鍋が引かれてやってきたのはこれです。

 「白子入りの雑炊です!」と、お返しされたました。いや~・・・これミルク系のリゾットですよね??焼き白子が6切れ・・・恐らく裏ごし白子のクリームを2カ所と回し掛けしてありませんか??おかしいでしょww ワケギを散らし中央に焼き海苔をトッピングしてあり、玉子までしっかりと雑炊仕立てにしてあります。

 丁度お茶碗4杯分で2人なら2杯に揃えてある分量。裏ごし白子と思うところをパクリといくと、半生の黄身が合いまり完全な乳製品の生クリームリゾットで「洋食やんけ!!」となりましたが、これが焼き海苔を混ぜると「和テイストにボディチェンジしてるわw」となります。これは混ぜるのが正解なのか、焼き白子や白子ペーストを局所的に悩みまくる采配が要求されます。淡路の3年トラフグ「やぶ萬」さんでも大概究極雑炊と思いましたが、これは別次元の食べ物でしょう・・・。漬物は白菜白菜浅漬け、大根桜漬けで関西では味わったことのない地物?いや・・・自家製ぽい。

 

【デザート】

 デザートはミルクプリン黄桃ソースです。

 牛乳味がまろやかなプリンですが、かなり生地がしっかりとしているのでゼラチンではなく寒天?という食感です。酸味と甘味が濃厚な黄桃はさすがにお取り寄せかと思う調った味です。

 目覚めの朝食前の宿前ビーチでは天候はよくサンライズロードが出来ていました。

 この時はまだ海は穏やかに見えます。

朝食

 朝食は7時半でお願いしていました。しかし、お宿側では8時となっていたのに、10分ほどで配膳を完了していただきました。

・サラダ タコ アカシャ海老

・シラス大根

・ヒジキと大根の煮物

・海老と茎ワカメの佃煮 ちりめん山椒

 サラダはタコと殻が柔い脱皮海老で篠島特産を盛り込んであります。ドレッシングは紫蘇和風だったかと・・・。 シラスも知多半島では名産の1つで大根おろしに出汁風味の和え。 コッテリタイプで大豆はかなり柔めの醤油味のヒジキ煮物。 佃煮類は調い過ぎてお取り寄せ?とおもうが、主張は自家製?と思うほどの味わい。

・茶碗蒸し 

 脂が浮いているのは出汁からでしょうか。具材は鉄皮を中心としたフグだし。と言いたいのですが、鰹の合わせのお出汁ひたひたの柔い地に、具材には鉄皮、椎茸、海老、生麩、三つ葉です。もちろん熱々です。

・まぐろ造り 大葉 大根けん

 色合いとお味からするとビンナガマグロかなと思います。本マグロのような赤身の深みはありませんが、みずみずしいトロリとした赤身の新鮮な味わいです。

・イワシの煮付け

 10㎝ぐらいの小振りなやつですが、この煮付け何と!!暖かい配膳です。冷たくないのでほっくりぷりぷりで醤油濃く炊き上げてあるので、白米との相性が抜群です。

・一夜干しの焼きアナゴ 蒸しアナゴ 海苔の佃煮

 後から焼物が参りますのでと待っていたら、魚料理がくるのかと思いきやアナゴ料理でした。本来はアナゴ料理宿である三船亭さん。アナゴでないかなぁと思っていたので朝食で出たのは嬉しいサービスです。恐らくアナゴ一夜干しの山椒煮と蒸しアナゴです。山椒煮はモキュモキュとした歯応えがあり、こちらも白米が進む一品です。蒸しアナゴもいわゆる寿司で味わうよりもかなり締まりがある旨みを閉じ込めた物です。

・白米

・味噌汁

・お新香 梅干し

 島には水田が無いので白米は本土の物ですが艶々で美味しかったです。 生ワカメが入った味噌汁は新鮮コリコリ食感に、味噌の塩は優しく八丁味噌ではなく、まろい大豆?の味噌です。

・ヨーグルト バナナ

 至って普通のヨーグルトに完熟バナナでした。

水産物の加工などはしてそうですが、ヨーグルトなどの加工品は輸送量が高くなりそうなので、逆にお取り寄せが並ばないのもうなずけます。

・食後のコーヒー

 朝食後はロビーにあるコーヒーメーカーに電源が入っていました。

 こちらは帰りの船からの景色です。冒頭の往きの海の状態と比較していただけると、どれだけ海が荒れているのかが分かります。高速船が行きと変わらずガンガン飛ばすので大丈夫かと焦るほどに波に乗り上げて落ちてを繰り返すアトラクション状態に冷や汗。船内からキャーワーとお客さんの悲鳴が轟きます。この日は最強寒波が入ってくるということで日本海側は大雪だったそうな。太平洋側にも影響がでて、お隣の日間賀島と伊良湖線は欠航。車に伊良湖入りで欠航すると、知多半島と渥美半島をぐるりと回るが大変だと女将さんも言っていました。特に篠島-伊良湖航路は欠航しやすいそうなので天候のチェックは必須です。

 

まとめ

 自分の調べでは知多半島で天然トラフグのあれこれをいただけるお宿はたくさんあります。しかし、半島では白子は別料金で、あっても塩焼きだけのところがほとんどです。島に渡って白子付きプランになっても、いずれも白子塩焼きがせいぜいで雑炊にまで白子が入るのは三船亭さんだけでしょう。予約時には三船亭さんは空きが無く、同じ篠島の「ギフヤ旅館」さんの白子3種も気になり、日間賀島の「とく川」さんの白子茶碗蒸し、白子軍艦、塩焼きに、いずれもフグ寿司が付いており、ギフヤ旅館さんは若干安め、とく川さんは同じ値段帯という2択で悩んでいました。直前になり三船亭さんに空きが出たので本命にお邪魔することになりました。次はとく川さんか・・・と思いつつ。

 さて、フグの味見評価ですが多くは養殖が出回るなか、天然物のトラフグを食したのは何十年ぶりかと。最もたる違いはやはり身の締まり具合。いわゆる荒波で泳いだかどうかです。これは他の魚にも言えることで、養殖まぐろは全身トロというほどに泳がないので脂がのります。トラフグはもともと脂という概念はコラーゲンになっているので、養殖は身もかなり緩くなっており歯切れよいコラーゲンの甘味を感じます。一方で天然物は筋肉が締まり過ぎてグリグリといつまでも噛んでいられるほどに身が潰れません。養殖が5回咀嚼するのに対して、10回ぐらい噛むがコラーゲンが薄いのか甘味は強くありませんが、フグの白身風味が滲みだし旨みは濃潤。いや、濃くはないが繊細かつクリアな白身フグ独特の極上の味が堪能できます。脂は浮かないが養殖物は、鉄皮にしても身にしても運動量が少ない脂?コラーゲン?特有の甘味が出るのかなと感じました。この当たりは好みかなぁと思いつつ双方の美味しさがあるんだと思います。来年もフグは篠島か日間賀島で味わいたく睨めっこです。

 三船亭さんの本命であるアナゴ料理も物凄く気になるので、アナゴ料理のフルコースを是非に味わいに訪れたくなりました。

宿泊料金

 じゃらんのブロンズ会員で10%OFFとゴールド会員のクーポン割引となっています。会計時に常連らしきお客さんは同じコースプランに70000円近く支払っていたので、かなり格安で泊まらせて頂いていると思います。我が家の家計からすると美味しくいただけたなと思います。

宿泊日:2026/冬

旅行サイト:じゃらん

プラン:【天然とらふぐ懐石-極-】熟成天然とらふぐ+天然とらふぐ白子三昧

部屋のタイプ:山側のお部屋~高砂~

合計料金:61380円(2人)ブロンズ会員以上10%off適応

クーポン:ゴールド会員限定クーポン8000円

支払い料金:53380円

加算ポイント:1839p

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