いい温泉宿、おいしい料理宿

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再び訪れたいお宿探訪と趣味のブログ

満天の宿【岐阜県 石徹白峠山温泉(満天の湯)】~トロヌルの源泉が注がれる露天風呂が全ての客室に付いている、スキー場に隣接したリゾート旅館でありながらもプライベート空間と極みの創作会席で演出したワンランク上のステイ~

 岐阜県にあるウィングヒルズ白鳥リゾートに隣接する温泉宿で、スポーツ用品店でもあるアルペンさんが経営するちょっと珍しいお宿です。スキー場のベースにある同経営のホテルヴィラウィングは平成初期の合宿場のような雰囲気ですが、こちらの満天の宿さんは全8部屋のみというプライベートステイを主とした高級旅館となっています。

※記事の内容は宿泊した当時の内容となっていますのでご参考程度に。最新の情報は各々ご確認下さい。

旅情

 日帰り立ち寄り湯である「満天の湯」があるスキー場第2駐車場にお宿は建っています。門の内側には宿泊者専用の駐車場が用意されています。周辺には何もないので、この時期にスキー目当てで利用するのは分かるのですが、公共交通機関でこのお宿に泊まるためにお客さんがきていたことに驚きました。

 雪の季節では雪除けの格子壁が正面玄関に立てられてありました。公式HPの写真を見ると冬季以外はこの壁は取り外してあるようです。壁を回り込むと玄関が見えます。

 壁の裏側には筧(かけひ)があり旅情を感じます。

 二重扉の玄関入って右手には部屋ごとにスキー乾燥室が用意されています。

 ダイアルロックのあるロッカーは安心。

乾燥室の反対側はロビーとフロントとなっています。

 ロビーにはエスプレッソマシーンが置いてあります。

 利用時間内はfreeでお好きなだけ。

 ロビーには周辺のパンフレットやちょっとした書籍なども置いてあります。

 1階には一間だけ客間があります。全8部屋にしてはこちらのお部屋はカウントされていないのは特別な個室食用とかなのでしょうか?

 ロビーにある階段を上がり2階に上がってくると、正面にエレベーターがあり前を右手にはお食事処。左のスロープを上がると2階の客間があります。

 スロープ上がって左に客間が3部屋並びます。ここは2階に相当するようです。

 この廊下をさらに奥に行くと3階の部屋に続きます。

 2階廊下を突き抜けると同じような構造のスロープが付いています。

 青矢印の所には小部屋が1つ。

 小部屋はお酒とソフトドリンクの自動販売機、製氷機もありました。少々お高めの値段設定です。

 スロープを上がりきると5部屋の客間があるのみで突き当りはドン突きとなっています。

 館内はシンプルでロビーと客室廊下だけです。

 

お部屋

 案内して頂いたのは202号室「二峰の間」です。

 入り口に大きな踏み込みがあります。

 入り口から振り返ると飾り棚のような物が設けてあり壺が飾ってありました。 

 現在は分かりませんが訪れたのは流行り病下だったので、高級路線でいきたいが時世柄とマンパワーが足らずといった雰囲気がありました。今なら生花が生けられたりしているのでしょうか。

 本間は琉球畳8畳で京間なら8畳程の大きさです。

 広縁に当たる部分からは露天風呂のある濡縁があります。

 手前には水屋があります。

 量販タイプのパック茶類と電気ポット、冷蔵庫に金庫が置かれています。

 冷蔵庫には天然水が2本サービスで用意されていました。郡上・飛騨地方なのになぜか和歌山熊野のミネラルウォーター。

 広縁からは洗面台とお部屋付きの露天風呂へのアクセスです。

 洗面所脇には最新のシャワートイレ。

 洗面周りは高級旅館仕様となっています。男女別のスキンケアローションに少しお高めのアメニティ類にバスタオルは2枚の用意がありました。

 

お風呂

 部屋に合った古い温泉分析表には石徹白峠山温泉とありました。もしかしたら現在は満天の湯に変わっている可能性もあります。

 館内には大浴場はなく全ての部屋に源泉かけ流しの露天風呂が付いています。大浴場の変わりとして、お宿の目の前にある日帰り温泉施設「満天の湯」も時間内であれば好きなだけ利用することができました。しかも、その日にスキーを終えた後にも利用できるように、チェックアウトの際に無料のチケットまで頂きました。

 泉質は無味無臭のナトリウム-炭酸水素塩泉となっており、pH7.6とは思えない程の凄まじいヌルヌルとした湯感があり、湯上りはしっとりするかと思いきやガッツリと皮脂をもっていかれます。分析表には134ℓ/分とあり湯量が豊富であることが伺えます。湯使いは源泉の温度は38.7℃なので加温、循環濾過消毒ありですが、加水はしておらず贅沢にもたくさんの源泉を入れた循環放流なので消毒臭も気にならなければ常に新鮮な湯を堪能することができます。そもそも、郡上周辺では源泉の大量の追加投入が有るのが珍しく類見ない極上泉質な湯です。

部屋付の露天風呂

 洗面台があるところから洗い場へ出ます。冬季は豪雪地帯ということもあり、洗い場にガラス戸が設けてあるのは大変ありがたいです。

 洗い場から露天風呂へ出ると開放感はあまりなく。季節が良ければ椅子に座って夕涼みもよいのかもしれませんが冬季にはかなり厳しい外気温。

 部屋付きの露天風呂は循環有と言っても常に溢れ出しがあります。往訪時は吸い込み口のような物の反応はなく噴出口らしき場所も反応はなく掛け流しと思わざるを得ない湯使いでした。

 親密であれば気にならい2人用の湯舟です。子供がいても一緒に入れるぐらいの大きさがあります。

 湯口の蓋をとって拝見すると、湯舟に対する源泉の投入量は申し分なく茶白色の析出物が源泉の濃さを見せています。

 源泉は外側に面する縁全体から、ゆるりゆるりと溢れ出しており大人1人分が溢れても10分もするとすぐに満ちてくるほどの湯量です。

 実は日帰り施設の方は循環濾過加温のようで白い濁りがあるのですが、お部屋付きの露天風呂は湯にへたりがないためか完全な透明色でした。ヌルヌルとし触感に肌を撫でたくなる衝動と細粒の白い湯の花が舞う浴感は至高です。

 何故露天風呂なのに閉塞感があるかというと、建物の外側は日帰り温泉施設とスキー場の駐車場なので目隠しが無ければ丸見えになってしまいます。よほど身長が高くなければ女性でも大事な部位は表からは見えないかと思います。

 浴槽がある一面だけは開閉式になっていて、湯舟に浸かりながらこのような景色を楽しむ事ができます。出るときには閉めてから立つようにしないとやはり丸見えに。

 お風呂からスキー場VIEWもあるので実際に滑っている人も見えます。

 連泊とかするなら雪があれば滑って帰ってこれそうなほどです。優雅なプレイベート別荘スキーリゾートを堪能するのであれば最高のローケーションであると言えます。

満天の湯

 せっかくなので夕食が終えて久しぶりに日帰り施設の方へお邪魔しました。建物の向こうの空は明る。若い頃は時間を忘れて滑っていたナイターの明かりも今では眩しい。

 営業時間終わり際にお邪魔すると・・・「今日の入浴はもう終了です!!」と受付の方にきつめの口調で言われたのですが、連絡が言っていたのか「もしかして『満天の宿』に宿泊の方?」と聞かれYESと答えると「どうぞ、どうぞ!」とVIP対応になりましたww 高級宿のパワーを感じます。

 満天の湯は源泉を注ぎつつ循環濾過加温している循環放流式のようです。ただ、露天風呂に関しては「満天の宿」の露天風呂よりも、ヌルヌルではなくニュルニュル感がとんでもなく、源泉湯口では泡付きもあるという極上泉となっています。良い悪い意味でも酸化が湯感を高め、明らかに源泉の注ぎが部屋露天よりも多いので、源泉湯口の付近は最高潮を迎えます。ただし、入浴客が多い宿命でもある消毒臭があります。郡上一帯では稀すぎる泉質が極まっているので、微弱な消毒臭など気にならないかと思います。

 純粋な新鮮湯はお宿で、源泉の湯量を楽しむなら日帰り湯口が最も有意義な湯楽かと。

 日帰り施設にしては少々お高めですが、このような個室の露天風呂も備えてあります。人目を気にせず、ゆっくり日帰り入浴を楽しみたい方にはありがたく、湯量が豊富だからこそできるサービスです。

 

お料理

 朝夕ともに2階にある御食事処「古今」でいただきました。客室数が限られているので、全てが個室食対応となっています。食事の内容としては、正直なところスキー場経営のアルペンさんが母体のお宿なので、お値段は高いが予約した時から微妙な物が配膳されるだろうと思っていました。ところが・・・旬の良き地物と旬彩を融合した丁寧な手作り会席がサーブされます。食材は飛騨高山の旬にこだわらず、季節の良き物を使用した豪華食材を使用して、主軸は食材を活かす京仕立てのような料亭懐石に仕上げた物となっています

 献立は頂いたお品書きをもとに書いてあります。内容に関しては説明が無かったので、実際口にした感想を交えて記してあります。個人的な感想なのでご参考程度に見ていただければ幸いです。

夕食

最初の配膳には品数の多い前菜が並びます。

 

【酒菜】:鴨ロース蒸し 鮭の砧巻き 鮎有馬煮 利休麩 つの字海老 カマススモーク たぐり湯葉にイクラ 鮟肝オレンジ煮 あぶり鰆のとんぶりポン酢

 ①ひらがなの「つ」を見立てたエビはゆるく塩茹でにプリっとした歯応え。 ②鴨ロースはとても瑞々しくジューシーです。微量な醤油風味で鴨味を閉じ込めてあります。一度漬け置き下味を沁み込ませてから蒸しあげたよう。 ③砧(きぬた)は巻いた料理法を言います。サケはスモークにして燻りの薫りとやさしい甘酢に漬けた大根でロールしてあります。 ④麩を揚げて甘味と醤油で味付した利休麩。弾力良く噛むと滲み出る風味豊かな甘さが強い揚げ麩の味。 ⑤カマスのスモークはこちらも桜チップでしょうか。スモークというよりは炙りに近い風味です。

 ⑥有馬煮は実山椒の佃煮です。山椒の匂いと佃煮醤油は緩やかで、子持ちアユに品よくしっとりと滲みています。 

 生湯葉はトロリとクリーミーです。周りにはカツオ出汁のワサビジュレを掛けトップにはイクラを彩りよく配してあります。これを混ぜてスプーンで食すると、湯葉の豊潤な豆乳にイクラが弾け湯葉がまったりとした味わいになったかと思うと、カツオジュレの山葵がキュッと締める味のUP/DOWNが凄まじい。

 アンコウの肝はネットリとした独特な感じはなくさっぱりとして柔い。台座にオレンジを敷いており、口の中で肝が解ける頃合いになるとオレンジの香りが鼻に抜けいきなりフルーティな感じになります。

 サワラの炙りは焼き香ばしさを足して、旨味を閉じ込めてしっかりとした歯応えがあり新鮮。酸味がほどよいポン酢はどちらかと言うと、醤油が強い餡に仕立てて良く絡みます。畑のキャビアのトンブリは香りよく、プチプチ食感でサワラにアクセント付けています。

 

【吸物】:鴨つくね 蓬麩 菜の花 柚子

 Warmerにいたのではないという証しの、椀の蓋に水を打って配された椀。蓋を開けると水面はギラギラ脂に季節先取りの春の青が映える菜の花。浮いている脂は鴨の物ですが、思っている以上に出汁には鴨が出ず塩加減柔らかなカツオ清汁。柚子香も出汁に浮かべず前に出ないよう引き立て役に徹している気づかいが素晴らしい。

 つくねは箸で崩すには硬く、一度崩れると肉汁が溢れ出し口の中に広がります。鴨を主役にするための緩い塩加減は上品絶妙で噛めば噛むほど旨汁が溢れます。よもぎ麩は形が歪なところがあり、味にもむらがあり手作り?郡上には豆腐屋さんが多くあるようで、拘りのお取り寄せとかでしょうか。

 

【造り】:本鮪(宮城) 天然平目(三重) 烏賊(長崎) ボタン海老(北海道) あしらえ一式

 本マグロは大トロ以下中トロ未満といった脂の乗りとサシです。口に入れると・・・あれ?見た目よりも感じない本マグロの脂甘味。まったく熟されておらず新鮮な故の純な旨味のよう。 逆に平目は熟成したような歯切れの良さとヒラメ味が濃い。醤油に浸すとさらにヒラメ味を感じます。 この季節の長崎のイカはヤリイカ?とにかく肉厚の切り身は歯応えが凄まじく透き通るイカ特有の甘さはやはり新鮮。 ボタン海老はまったりとした甲殻の甘味はなくゴリゴリとした新鮮だからこその噛み心地。ワサビは本山葵に加味は強酸と強塩の変わったお醤油。 いずれも新鮮な造りで山奥で食べる食材とは思えないものばかり。

 

【温物】:鮭の北海蒸し

 こちらは熱々での配膳です。椀を開けるとバター?とサケの豊満な匂いに襲われます。それ以外にも貝類?かと思われる風味も感じるのは気のせいか。下に敷いてあるのはキャベツ、その上にサケを乗せた蒸し物のようです。調理後に青色に菜の花のお浸しを添えてあります。

 サケには白味噌を掛けてあり「ちゃんちゃん焼き」ならぬ「ちゃんちゃん蒸し」と言った感じで、白味噌はやけにクリーミーでバター?ホタテの出汁?椀の底に残ったお出汁を味わってみるが、ん~分からない。そして、サケの紅味がコク旨の冬の海鮮味覚。

 

【台物】:特選飛騨牛陶板焼き 赤パプリカ エリンギ ズッキーニ じゃが芋 ポン酢 藻塩

 配膳された特選牛肉は最初はロースぽく見えた霜降り具合でしたが、改めて見てみるとロースにしては鮮やかすぎるピンク色。部位はどこですかと聞いてみると「希少部位のバラ三角です」とのご回答。加味には白ポン酢と藻塩です。

 焼き始めると一瞬にして陶板の上に肉汁が溢れ出し脂まみれになります。確かにロースではこの脂加減では出ない。その脂を付け添えの野菜とキノコに吸わせると無駄なく美味しく。

 美味しいが脂加減が強すぎて旨味が分かりにくいと思っていたら、白ポン酢でいただくとスーパーさっぱり感により脂を抑えて美味さがしっかり味わえます。白ポン酢は風味はユズかと思えば酸味はレモンのよう。やはり脂の強い肉質には塩が実に合います。藻塩は海藻の旨みが強靭で脂を中和するように、肉の良い所だけを名残惜しく残してくれるという代物。造りで取り置いたワサビとの定番コラボも脂が多いと余計に馴染みがよい。

【焼物】:あまごの塩焼き もずく酢 酢取茗荷 酢だち

 焼きたてというぐらい熱々で配されたアマゴはびっくりの大きさです。お皿もかなり温められている配慮がありがたい。ワタを抜いて頭から尻尾まで丸っと食せる焼き加減で、頭からかぶりつくと骨の抵抗感を感じません。ほっこりとした身には塩加減はうっすら、アマゴの本来のおいしさを味わえるようになっています。

 丁寧にワタを取り除いてあるので淡水魚独特の苔臭さや泥臭さは全くなく、べたつくほどに甘々に仕上げたもずく酢で味変すると、アユの蓼酢ようにアマゴ味がさらに際立ちます。付け添えの爽やかなミョウガは上品な酢に浸けてあるのかこれもまた美味い。

【揚物】:穴子(長崎)と野菜の吹き寄せ盛り

 吹き寄せ盛りとは風に吹かれたように集められた様を言います。寄せられた野菜は油がしみ込んだジューシーな末広に切られたナス、さっくさっくのレンコン、青のしし唐です。天盛りにはたっぷりのネギとミョウガの刻み、さらに摺りゴマを散らして香ばしく、配膳されてすぐに香ってきたのはこの胡麻です。

 野菜の後ろにはアナゴが隠れています。フワっとした食べ口ですが意外にも口溶けはなくしっかりとしている。蒸して味を閉じ込めてから揚げてあるのか。野菜もそうですが、天婦羅の衣はサックサックで、カツオとゴマが香る濃い味の餡に絡めると至極です。餡は単体で口にすると塩辛いぐらいの天つゆ代わりで揚げ出し風に仕立ててあります。造りで使っていた醤油を使っているのか、これまでのお品の中では珍しい濃い目の味付です。

 これで終わりではなく最下層には、飛騨地方の伝統保存食である寒干し大根らしい食材が台座として盛られてありました。冬季の寒い時期に軒で凍みるように大根を干しうま味を濃縮させた物です。さらにそれを煮て風呂吹き大根?のように下味をつけてから揚げたような感じです。箸で用意に割け、とろとろなっており持ち上げるのが難しいほどの柔さです。

【蓋物】:鱈白子の玉地蒸し

 いわゆる茶碗蒸しなのですが味付けがとにかく変わっていて今までに無い発想です。蒸された玉子地の上に餡ではなく、ひたひたにお出汁が浸されています。

 玉子地はシンプルで真ん中に白子が鎮座しているだけで他の具材はありません。スムーズな舌触りの地は、まろい玉子の薫り良いが特徴はない。と思っていると、ひたひたのお出汁と思っていたものが酸っぱい!?酸っぱいな?そうなんです。台物の飛騨牛で使われていた白ポン酢のように酸味が強く、同じ物を使っているのか温かくなるとユズを強く感じます。しかし、不思議なのが玉子地と白ポン酢?を一緒に食すると酸味はほとんど感じない、ポン酢と茶碗地の2in1で楽しめる不思議な蓋物です。

 

【食事】:美濃古地鶏炊き込み御飯

【止椀】:八丁味噌仕立て

【香の物】:盛り合わせ

 奥美濃古地鶏(おくみのこじどり)を使った炊き込み御飯です。元をたどると天然記念物の岐阜地鶏から交配種の掛け合わせで誕生した食用のブランド鶏のようです。味はいわゆるニワトリさんではなく、放牧鶏のようなたくましい高たんぱくな筋肉質の味わいです。ゴボウの盛り込みもありますが、土風味はなく炊き込みなのに米は白い。地鶏に塩をメインに下味調理してから、炊き込んであるのかなと思います。程よく旨さが滲んだ白米の塩加減は濃くなく薄くなく絶妙な鶏出汁。

 止めは塩味を感じないまろやかな赤味噌したてで鼻に抜けるのは麹だけの香しさ。具材は青さ海苔。香の物は味が調い過ぎているのでさすがにお取り寄せか・・・みぶな・大根浅漬け、飛騨高山名産の赤カブ漬けです。

 

【水菓子】:マスクメロン チーズケーキブリュレ ほうじ茶クリーム寄せ

 最後の最後まで逸品の会席です。マスクメロンはメロンジュースのように滴る果汁で、シャクシャクとした歯応えで完熟ではないのに高甘度のメロンは高そう・・・。

 チーズケーキとあるブリュレは、スポンジ生地を下地にして中間層には微酸味のクリームチーズと生クリームを主にした生地は濃厚乳で甘味も強く持たせてあります。しかし、ジャンキーな棘のある濃い味の乳甘さではなく、小麦粉だと思うのようですが芋のような炭水化物の旨味のように味全体が丸いのです。地元食材を使っているとあるので、お隣のひるがの高原産でしょうか。表面にはカラメルを塗って焼き上げたのかというカラメル焼き香ばしさも加わり、甘味菓子にあまり嗜好がない自分ですが、これは気が済むまで頬張りたいと思いました。

 私的感覚ですが、ほうじ茶を雑なく低温で濃く抽出?クリーム要素を言うと牛乳ではなく生クリームをベースにして合わせて、甘味を持たせて寒天で仕上げた物なんだと思います。やはり丁寧で雑はなく、最初は??で味はない。次に美味しいほうじ茶のほろ苦さがを感じた直後、唾液と混ざるとほうじ茶が香る香る。甘味も抑えてミルキーに香りだけの中性的で真ん中に落ち着く品しかない味わいです。甘くない豆味だけを残し艶のある黒豆も粋な丁寧味。

朝食

 朝食も同じ個室でいただきました。席に着く前と付いた後での品数の違いには、乾燥や温かい物は直前にという気づかいが感じられます。夕食と同じく手作り感満載ですが、朝食では白米に合うように塩味が強い。さらに、味覚では満天の湯さんは全体としては甘味が多いのに、何故か喉が乾かない不思議な味付けにしてあります。

・ニンジンジュース

・朴葉味噌(マイタケ、シメジ、ネギ)

 ニンジンは自然のままの風味甘味のジュースにしてあります。季節的には雪下の熟成人参を使ったものでしょうか。 飛騨高山の郷土料理の朴葉味噌にはゴマが混ぜ込んであり、塩辛いものではなく熟甘に仕上げてパンに塗っても美味しそうです。焦げる前に丁度消えるぐらいの固形燃料で上手に調整してありました。他の旅館とかでは混ぜ続けないと焦げ付いてしますことが多く絶妙な配慮です。

・甘納豆

・豆腐、泡醤油

・茶葉?お浸し

・榎梅肉漬け

 豆腐は大袈裟に言うとチーズかと思うほどに、まったりと舌に絡みつき大豆が濃厚です。これをつくる豆腐屋さんがあるのか自家製なのか。味付けにはやんわり塩の泡醤油。薬味器の左側なんですが、ゴマ油のような味があり、葉物はどこかで味わったことはあるが思い出せない。恐らく茶葉ではないかと推測します。不思議な一口です。

・筑前煮(椎茸、鶏、椎茸、人参、ゴボウ)

 こちらは席についてすぐにもってきてくれた温かい煮物です。鶏は炊き込みごはんに入っていた地鶏ではないかと思うほどの旨味に加え歯応えが凄い。いずれも強く柔く甘く炊き上げてある甘露の煮物。

・鮎の一夜干し

・飛騨サーモン?紅鮭?

 焼き立てで「アユの一夜干しです」と配膳されました。もう一方の紅身はサケ?にしてはまろやかな味で、飛騨サーモンを粕漬けにしてあるのか。塩加減も辛すぎず旨味がよく感じられます。2種の焼物が出るのは珍しい。しかも双方ともに熱々の焼き立てです。

・ほうれん草のお浸し

・鮪山掛け

・温泉玉子

 シャキシャキのほうれん草には練り物と油揚げで程よい味加減。山にありながらも赤身の本マグロに恐らく摺りエゴマ?を合したトロロ山芋には醤油を垂らしてあります。温泉玉子の出汁は玉子の味を楽しむための薄味です。

・サラダ(ズッキーニ、南京、胡瓜、ブロッコリー、ミニトマト、明宝ハム)

・和風タマネギドレッシング

 レタスなどの葉物ではなく形がしっかりとある野菜のサラダです。名産の明宝ハムも盛り込まれ、タマネギ甘味がずっしりと香るドレッシングが美味しい。

・白米

・味噌汁(タマネギ、大根、豆腐)

・香の物(奈良漬け、ちりめん山椒、佃煮昆布)

 奈良漬けも塩加減は適度に漬け込んだ物で酒粕風味もとてもマイルドです。ちりめん山椒は生シラスを使ってあるのかふんわり瑞々しく醤油は濃くなく実山椒が絶妙に香っていました。お味噌は郡上味噌?のような感じではなく塩加減は程よっく柔らかな口当たりは自家製? 白米は真っ白に輝いて北国の米は美味い。おかずの品数は多いですが、あっ真美が強いものが多いが味付けが濃くないという食べ口は、丁度大盛1膳で足りる程で食べ過ぎず腹具合がいいです。

・マンゴー

 最後に完熟のトロトロのマンゴーをいただいてご馳走さまです。さすがに生マンゴーではないかと思いますが・・・

 

まとめ

 流行り病下での往訪だったのでサービス面では変化があるかと思います。当時の感想として参考までに。チェックインの時間が遅くなると夕食開始時間の選択肢が狭くなる、当時はマンパワーもなかったのか接客は食事処以外では民宿のよう・・・高級旅館にあるようなお茶セット入れ換えや冷水の用意はなく、サービス面ではお値段からすると少々残念。ただ、現在の口コミではサービスは評価も高く、記事をしたためた2024年9月では改善されていそうです。また、ペットと泊まれるグランピング施設も新たに増設されているようです。

 一方で源泉かけ流しのお部屋のお風呂や日帰り施設の利用が自由というのは泉質も含めて申し分ありません。スキーするよりも温泉をいかに楽しむかに注力したくなるお宿かもしれません。料理も宿泊した際は割に合わないかなぁ・・・と思いつつも改めて文章に起こしてみると遜色のない内容で、手が込んで美味い物をその時の最も良いタイミングで味わっていましたw申し訳ない・・・ 無二なのですが、現地食材を楽しみたい方からすると路線が外れるかもしれません。リゾートステイの料理という意味では十二分すぎるほどです。ウィングヒルズスキー場でリゾートスキー・リゾートアクティビティに合わせて、温泉も料理もという客層なら間違いなく合致するお宿であると思います。

宿泊料金

宿泊日:2022/冬季

旅行サイト:じゃらん

プラン:【温泉・飛騨牛】露天風呂付き客室 1泊2食付 和室10畳

部屋のタイプ:Aタイプ54㎡ 露天風呂付 和室10畳

合計料金:64480円(2人)ブロンズ会員10%OFF

クーポン:夏セールがお得になる5000円クーポン(予約:2021年8月11日)

支払い料金:64480円

加算ポイント:2082p

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