いい温泉宿、おいしい料理宿

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再び訪れたいお宿探訪と趣味のブログ

かたくらシルクホテル【長野県 上諏訪温泉】~全ての部屋と源泉かけ流しの湯舟から諏訪湖の眺望が臨める、信州食材でフレンチと鉄板焼き、ホテルメイドパンでもてなす美食と温泉ラグジュアリー極みのスローステイ~

 かつては諏訪湖湖畔に諏訪湖ホテルというお宿がありました。自分が認知した頃には「かたくら諏訪湖ホテル」というお名前で営業されていました。何故に辿り着いたかというと、敷地内に別邸離れの「菊の間」「片倉別邸」という有形文化財を併設されていたことに始まります。発見した当初はこの「菊の間」は宿泊が可能でありました。お値段が10万円を超えるということで躊躇していました。現在は文化財として見学はできますが、宿泊はできず判断を鈍らせたことが悔やまれます。諏訪湖ホテルさんが工事に入ったという情報を得て、買収でもされたのかな・・・これでは文化財も取り壊されるのかと思っていたら、2021年に新しい建物で総部屋数10部屋というこじんまりリオープンと聞き、オープン記念でお安く提供されていたこともありお邪魔させて頂くことになりました。

※記事の内容は宿泊した当時の内容となっていますのでご参考程度に。最新の情報は各々ご確認下さい。

シルクホテルさん往訪前に「白樺湖ロイヤルヒルスキー場」で蓼科周辺では珍しい10mキッカーがあるというので遊んできました。体感的には高度感はなく安全なタイプの8mぐらいでした。積雪が多ければ積極的にパークアイテムや人工コブが造成されているので、中年フリースキーヤーの自分には重宝させて頂いています。

旅情

 シルクホテルさんのルックスはお城のような外観です。

 駐車場に入ると車寄せには、すでにドアマンの女性が待っていて、荷物の受け取りと駐車場を案内してくれました。

 諏訪湖の花火祭打ち上げ会場の目の前で、湖畔にあるためロケーションと立地は申し分ありません。この年は2月に多くの降雪があり敷地内にも雪が残っていました。

 玄関はホテルというより洋館のお屋敷といった雰囲気です。

 玄関戸を入るとフロントとロビーがあります。1階はレストランとエントランスのみとシンプル。如何にもホテルというよりはデスクカウンターのビジネス的な印象です。

 ロビーは吹き抜けになっておりフロントではなくこちらでチェックインの手続きを行いました。ウェルカムドリンクもこちらでいただきました。

 不思議なカップで提供されたカリン茶と土偶のクッキー。甘さがほとんどなく、ほんのり香るカリンだけを楽しむ上品な風味。クッキーは何故に土偶?ですが、お隣の茅野市で縄文時代の土偶が発見されたという由来でしょう。

 1階にはお土産スペースというよりはデパートの化粧品売り場のような品揃え。

 2階は1階からの吹き抜けのスペースに、シルクホテルさんやお隣のある重要文化財の片倉館に纏わる展示物が沢山あります。

 何度も来ている諏訪。しかし、公衆浴場である片倉館に纏わる歴史はよく分からなかったのですが、ここにいるとなるほどと思わされる事が多い。

 2階の客室廊下はシンプルだが高級感があるライトアップ。

 シルクホテルさんもそうですが、部屋数を減らし高級路線に変更したお宿が多くなりました。実際、訪れていた御客さんは夫婦2人と言う方が多かったです。

 3階のラウンジスペースは書庫にフリードリンクが置いてあります。

 訪れた時はQooオレンジ・リンゴジュース、ミネラルウォーター、強炭酸レモン。ビールもあったらなぁ・・・チェックアウト時には空っぽになっていました。我が家も帰路で車中でとミネラルウォーターを2本頂いて帰りました。

 ハンモックチェアも置いてあります。

 書籍はこれがなかなかに難しい趣向を選ぶものが多い。

 ハンモックチェアに身をあずけて、ゆらゆらと諏訪湖を眺めるもよし、湯上がりにフリードリンクを楽しむもよしです。

 3階の客室は2階の客室廊下とは壁紙がことなりこちらの方が明るい。

 無駄のない造りでシンプルで食事と風呂をスローステイを楽しむ何もしないスタイル。

 昨今では珍しく屋上にも出ることが出来ます。

 遊覧船が出る諏訪湖方面を眺めてみたり。

 諏訪の市街地を眺めてみたり。

 ホテル館内を後にして、ホテル前にある文化財の見学に向かいます。

 青矢印が菊の間、赤矢印が迎賓館になります。見学されている方はまばら。

 日本古来からある泊まれる文化財などは火災などにより消失している昨今。その目に焼き付けておくのも日本文明発達の軌跡を感じておくのも乙な物。

 以下、見てみたいと思われる物を並べておきます。

 以前、ここに泊まれたのかと思うと・・・後悔が絶たない。

 昭和天皇が実際に使われた食器類。

 訪れるに当たって特別に菊の紋をいれたのでしょうか。

 今まで色々な欄間を拝見しましたが、この欄間の掘り込みは精密でとても細かく3Dプリンタかと思うほどです。

 内縁廊下の天井は新しく見え、網代などを見ていると新しくやりなおされたような様相です。文化財といってもリフォームしてはいけないわけでもなく基準があるんだとか。

調度品の価値は教養足らずで知りえませんが、螺鈿の座卓はかなり古い物のように見えます。

 丸窓を透過させた書院窓。

 その向こうに雪の灯篭を魅せているなど・・・こんなもん和の詫び寂びの神髄の塊ですやんかww 地が出てしまいましたが、真髄私的には言葉で表現するには失礼なぐらいの粋が詰まった一画です。

 さてはて移動すると、古めかしくも違い棚のような水屋がある茶室は趣きが出まくりです。光こそ入りにくいですが、湯釜の炉スペースは見当たらないが、天井は高く一見して茶室にしか見えません。水屋にも小窓。その隣にも小窓。物入れ・物置代にも小窓という、本来であれば閉鎖空間に沢山備えてある小窓。

 専用の浴室もあります。どうみても、最近まで使っていましたよねとツッコミたくなるほどに新しい湯屋です。

 菊の間と迎賓館は廊下が結ばれており、ここから和洋館の雰囲気に様変わりします。

 客間の縁側に相当する場所かと思います。

 建設された恐らく明治期には完全な洋ではなく和建築の要素が残されていることも多い。

 どうみえても応接室の様相です。シャンデリアの上には有形文化財のクラシックホテルでよく見る漆喰の模様が施されていました。

 かつてはどのように使われていたのか・・・プライベートバーカウンターもあります。

 館内には昭和天皇さん、平成天皇さんが訪れた時の写真も展示してあります。

 見方は色々ありますが、これまで皇室の方々が訪れたというお宿に滞在する機会もありましたが、歴史や感慨深いものを感じずにはいられません。

 暖炉がある所謂ダイニングルーム。歴代の天皇陛下さんもここで食事を摂っておられたのか。

 文化財故に色々と見るところがあり、興味があれば宿泊だけでなく、無料なので是非に見学されることをお勧めします。

 

お部屋

 案内して頂いたのは202号室です。

 玄関戸からの踏み込みになる場所からして大きなスペースが確保されています。

 玄関のクローゼットの中にはパジャマ、靴箱には革靴の磨き用にオイルと専用の湯巡りバックまで置いてあります。

 お部屋の大きさは68㎡とかなり広々とています。

 202号室と203号室はシルクホテルさんでは一番小さなお部屋でリーズナブルなのに十分過ぎる広さです。お部屋付きお風呂なども大きさは変わると思いますが、いずれも源泉かけ流しです。お部屋によって特別お料理も変わらないので、毎度我が家はコストカットはお部屋のランクダウンです。

 応接セットのソファは、そのままベッドとして寝れそうな大きさです。

 ある一定の水準のお宿に泊まると必ずあるドリップポッドのコーヒーメーカー、有料の冷蔵庫内、感染症渦中だったこともあるのか和茶は粉茶でした。

 ベッドは寝返り打っても安心すぎる1人1台のダブルベッドにふわふわの羽毛布団。

 テラスからは諏訪湖を眺めることができます。花火が上がる日には特等席が用意されています。

 部屋に戻りテレビラックの隣には、右がトイレで左に洗面浴室があります。

 洗面台は高級ホテル仕様で水回りのアメニティが全て揃っています。

 お風呂はお風呂の項目であらためて。

 確かこの大理石の床は床暖だったように記憶しています。

シルクホテルさんの刺繍入りタオル、何度も使えそうな髭剃りや常用できるヘアーブラシ、化粧水などの顔ケアセット類はシルクホテルさんのラベルが貼られています。

 お部屋にある案内冊子には拘りの備品の紹介もあります。

 バスローブが必要であれば、フロントに申し付けるとお部屋までもってきてくれました。高級ホテル・旅館ではお馴染の朝刊のお届もあります。

 駐車場で手洗い洗車のサービスがあります。冬季は高速道路を走ると塩化カルシウムで車が真っ白になるのでとても有難い。もちろんyes/no可能で、大衆車しか乗らない我が家は塩カルを落としてもらうため是非にお願いしました。このサービス今もあるのでしょうか・・・。同日泊のお客さんは外車やら高級車ばかり。高級ホテル・旅館に行くと我が家の車はいろんな意味で目立つww

 

お風呂

部屋付きの内湯

 シルクホテルさんには大浴場が無く、全てのお部屋に源泉かけ流しの湯舟が付いています。洗い場のシャワーは寒くないように内側に、ガラス戸の間仕切りも設けてあります。

 客室は全て諏訪湖向きでお風呂からも湖畔の風景を臨むことができます。

 こちらから見えるということは向こうからも見えるので、目隠しのブラインドを取り付けてありました。湯舟に浸かってから目隠しを開けるのが安心かと。窓も開放できるので半露天で楽しむ事もできます。

 大きさとしては足を伸ばして入れる大きさがあります。2人でも入れますが少々手狭です。

 ツルツルとした美肌の泉質は弱アルカリ性低張性高温泉です。説明には微弱な硫化水素臭とありますが、いわゆる硫黄臭はほとんどなくオイリー+鼻に抜ける石灰臭を感じます。

 湯温はそのままだと熱すぎる程で一般的には加水が必要ですが、温泉好きとしては100%生源泉をそのまま入りたいのは当然のこと。注ぎを最小にしてもガンガンに熱くなるので、湯もみを最大限して窓を全開に外気にさらすと丁度良い温度になりました。源泉の温度が80℃を超えるので入っていても湯舟の上部だけが熱くなってくるので混ぜながら入るという嬉しくも忙しい入浴です。訪れたのは冬季なので外気がかなり減温してくれましたが、夏季だと流石に加水しないと厳しいのではないかと思われます。

外湯 片倉館

 シルクホテルさんの隣には徒歩1分で行ける外湯の「片倉館」があります。

 フロントに声を掛けると無料のチケットがもらえました。

 テルマエ・ロマエのような造形の浴場で、別所温泉花屋さんを思い出すような情景です。日帰りで入浴するには極みの温泉タイムで湯だけでなく、雰囲気においても別世界を体験できること間違いなしです。館内も制限はありますが見学もできるので興味があれば是非に。

 

お料理

 朝夕ともに1階にあるレストラン「ラ・ソワ」でいただきました。ラ・ソワとはフランス語で「絹」という意味だそうで、シルク=絹に由来したシルクホテルさんらしい名称です。シルクホテルさんでは2種の趣向を選ぶことができます。1つは今回いただいた鉄板焼き、もう1つは信州の食材をガッツリ盛り込んだ信州フレンチです。いずれも純フレンチのようなこってりとした物ではなく、地物の素材をこだわりにこだわり抜き素材の味を活かす和風フレンチとなっています。むしろ、和食の中にあるフレンチといったっほうがいいかもしれません。

 レストラン内は左側にあるレースカーテンでパーテーション仕切りの半個室席と、目の前で鉄板焼き調理をしてくれるカウンター席となっています。

 ドレスコードはなくフォーマルウェアは可もなく不可でもなく、一応、襟のある物を召して行きましたが、カジュアルウェアでも問題はなさそうでした。値段が明記されたドリンクメニューもあれば献立もあります。お部屋のパジャマや短パンTシャツでなければという感じです。

夕食

 「厳選 信州プレミアム牛ステーキコース」なのでカウンター席での案内です。

 席にはシルクホテルさんの刺繍が入ったエプロンをが置かれています。

 高級感があって写真をとってもいいのかドキドキします。

 何と鉄板焼きの担当シェフさんは料理長さんという恐縮ぶりです。本日の食材をお手を自ら持ってきて写真をどうぞと言わんばかりに見せてくれます。でかすぎるホタテはプリプリで濃厚ピンク、信州牛の食欲しかそそらない絶叫の霜降りコントラスト。オマールエビは尾だけ丸めた物。

 

【三種のアミューズ】

・千曲川の水で育った信州サーモンの手毬寿司

 まろりとした信州サーモンは桜チップで柔く燻製にして、トロリとした紅身に意外にもしっかりとした酢飯に合わせた完全に和の先付。穂付?の洋芽ネギのシブレットとベルローズというエディブルフラワー。

・低温で調理した鹿肉のローストと茗荷のわさび和え

 鹿?というにはこれまで口にしたことのある鹿肉の概念が変わりました。少し野性味のある赤身の臭旨味と言う印象でしたが、この低温ローストは甘味が豊かな肉汁ジューシーが凄い。そして、肉質はたくましさの欠片もなく、ゆったり塩味があり歯切れがよくいつまでも口の中で噛み続けて味わっていられます。薬味のミョウガにはワサビが和えてあるそうですがミョウガの風味が強くあまり感じない。薬味は鹿肉と一緒にというよりは、お口直しに丁度よく金魚草を添えた和の彩り。

・信州ブランドの佐久鯉の塩だれ和え

 「一度、湯通しまして、塩だれで和えてあります」と説明があったので、ささっと湯引きにしているのだと思います。八ヶ岳?富士山?の天然水で飼育したのか、泥臭さはなく鯉と言われなければ分からないほどで清過ぎるアジのよう。塩だれはネギ油のような薫りがありさらに麹?とかも使っていそうなまろやかさがあります。

 他にはクルミにスイスチャード?レッドビート?を添え、プレートの真ん中には青ギンナン。

 先付を楽しんでいると目の前で料理長さんのライブキッチンが始まりました。

 最初の鉄板料理はホタテを使った前菜です。

 鉄板焼きでよくある「カンカンカンカン!!」と音を立てたような演出ではなく丁寧且つゆったりとした手さばきです。むしろ無音でいつのまにか料理が出来上がっているという。仕上げにソースが芸術的に配色されます。

【前菜】

・帆立貝のポワレ 善光寺竜眼を使ったヴァンブランソース

・ブドウの枝を使用し焼いた薪石釜バケット添え

 グリーンのソースで羽が生えた様な盛り付けに、お皿の底には焼き上げたチンゲンサイを敷き、切り口もしっかりと焼き上げ最後に白ワインで蒸し焼きにしてお皿に盛られたホタテを上部に盛り付けてあります。

 焼き上げた食材にはヴァンブランソースを。ヴァン=ワイン、ブラン=白いと言う意味で白ワインを使ったクリームソースを言います。グリーンソースはバジルとオリーブオイルのジェノベーゼで爽やかなアクセントに丁度よく。乾燥スライスビーツで赤を添え、鉄板で温めらえたバケットにはオリーブオイルで加風味。このオリーブオイルは度々、色々な食材に多様されるのですが、とんでもなく中性的で薫り付けだけの役割で、油のまってりとした感覚はなく味とも香りともいえる風味と味を醸し出します。

 ホタテは焦げが着くまでしっかりと焼き上げて香ばしく、鉄板の高温で旨味を閉じ込めてありホタテの肉汁がソースと絡んで極みの美味。 

 ヴァンブランソースに使用されている白ワインの元になる善光寺竜眼は、県産白ワインを作るためだけに改良された葡萄だそうです。龍の瞳をブドウに例える粋な名前で、長野県松本にある善光寺さんにあやかった名称もかっこいい。トロリとしたソースには生クリームを加えて、さらにチーズを溶かし込んだような乳濃厚さが強くあります。調べてみると本来魚類ベース出汁を使うようですが、自分の舌には甲殻風味が感じらました。添え付けのバケットとの馴染がよく、このソースでパスタと食べても絶対美味しいと脳内再生されました。

 

【スープ】:紅はるかを使ったさつま芋のスープ

 火傷しそうなほどあっつあっつで配膳されます。芋のザラっとした食感が残されており、細粒に裏漉ししたような滑らかさではない。爽やかな口当たりなのに、スープの一口目はサツマイモの甘旨さが鼻を突き抜け嗅細胞から離れず薫り続けます。焼き蒸しにして旨味を凝縮してから牛乳と生クリームでミキサーポタージュのように仕上げてあるのか。サツマイモと乳製品でこってりとしているのに、発酵バターなのか妙な深みもあり、ポテトの甘味を損なわないようにか塩味は控えめ。素材に繊細さがあるのか全体がクリーミーなのにまろやかで八ヶ岳周辺の牧場お取り寄せか・・・。

 野菜を練り込んだクラッカーも実は脇役としてはとても優秀なアクセントで、後口には胡椒のようなほのかな辛味は、乳とサツマイモの甘味を引き立て役は絶妙なコラボレーションです。

 

 我が家は画像撮影と吟味しながら食するので毎度ゆっくりペースの食事です。

 スープをゆるりゆるりと味わっていると鉄板はemptyですが、飲み終わる頃を見計らってオマールエビが投入されました。殻ごと鉄板の上に乗せられる海老はオレンジ色の豊色に変わっていきます。食べる速さに合わせた配膳が素晴らしく嬉しい。

 鉄板の脇を見ると、どう見てもサラダ仕立て。あらためて献立をみるとサラダ仕立てとあります。Hmm.

【魚料理】

・オマール海老のポワレ 地元の野菜を使用したサラダ仕立て

・安曇野産バルサミコ酢で作ったソース

 焼きあがると殻から外されてグリーンサラダに一尾分盛り付けらます。半身はよくあるのですが一尾です。オマールエビの頭部分はなく、前菜のヴァンブランソースの出汁に使用した?でもそれならアメリケーノソースになるのでは?と考えていると・・・お皿から薫ってくるのはバルサミコ酢の熟された酸味。サラダには紫の色にはトレビス、青にはレタスとフリルレタス、春野菜のブロッコリーとスナップエンドウ。「全体に塩コショウをしておりますので、少し混ぜながらお食べ下さい」との一言。なるほど献立の通り混ぜる方が全体として馴染が良いサラダ仕立てとはよく言ったものです。

 オマールエビはホタテと同じように仕上げに白ワインで焼き蒸しにして、プリプリゴリゴリとした筋肉質な食べ心地に。ほろ苦くも甘味が融合したバルサミコ酢のドレッシングで海老の甘旨味を殺さず生かさず良い具合に引き立てた甲殻風味が躍ります。いずれにせよ、このサイズのオマールエビは他所では口にできない・・・。

 

【お口直し】:リンゴの氷菓

 長野県産のリンゴを使ったグラニテです。和で言うならかき氷です。加糖なく果汁だけを凍らしたようで、ソルベではなく氷の粒も大きくグラニテ仕上げです。酸味はなく甘味だけのリンゴを口直しをして、いよいよスーパーメインデッシュの信州牛に突入です。

 

 添えの焼き野菜を急ぐでもないですが、丁寧に盛り付けていく料理長さん。

 敏速ではないが丁寧で、とにかく音が無いという上品さは、鉄板をカンカンされる演出よりも落ち着いて食べることができます。

 席に着いた時に「肉料理の種類はどうしましょうか?」というお尋ねがありました。せっかくなのでフィレとサーロインを1つずつとお願いすると「取り分けますか?」という計らいもありました。

 最後に残ったとんでも肉厚のフィレとサーロインが盛り待ち状態。最後にブランデーでフランベをして仕上げです。「フランベにしますが、お写真撮られますか」と料理長さんサービス精神旺盛です。ありがたや!肉は最後にフランベの演出ですが、最後まで鉄板を叩くようなことはなく静かに厳かに。

【肉料理】

・黒毛和牛A5ランクの信州プレミアム牛 フィレ肉100g又はサーロイン120g

・季節の焼き野菜

 焼きあがった野菜からお皿に盛られ、野菜の焼きにはマイルドすぎる絶頂のオリーブオイルを使い味付は塩コショウとシンプルに仕上げてあります。左にシイタケ、紅芯大根、黄パプリカ、山芋、新タマネギを。右には薬味の刻みワサビ、ニンニクチップ、粒胡椒、クリスマス島塩。

 焼き加減は和牛の脂と赤身が最も最高に達する私的感覚のミディアムレアで。 

 フィレ肉は思った以上に脂が乗っており、サーロインは思った以上に脂が乗っていない。これが悪いわけではなく、これまで食べた信州牛では最も美味かったと脳が言っていました。やはり高温鉄板で焼いたというのが大きいのと、肉質に引っ掛かりが全くありません。柔さ硬さにムラが一切なく、一律の口触りと味加減に感動です。フィレはもしかしてシャトーブリアンだったんじゃなかろうか。最好みであった但馬を超えた・・・。和牛の最強はシルクホテルさんに上書きされました。やはり鉄板で焼くというのが大きいような気もします。

 ワサビは粘りが強くヤマイモと和えてあるのかと問うと「いえいえ、擦りワサビと刻みワサビだけです」とのこと。シャクっとした茎の食感と、ワサビの自然の甘ツン強刺激がたまらない。タマネギベースと思わしきシルクホテルさんの特製ステーキソース。料理長さんお勧めの食べ方はワサビと特製ソースの合わせだそうで、お勧め通りこれが最も美味しくいただけた食べ方でした。

 

【お食事】(お好みで)

1.茅野市米沢米を使用したガーリックライスとお味噌汁

2.シルクパウダーを使用したホテルオリジナルシルクカレー

3.信州産のそば粉を100%使用したお蕎麦

 選べる食事は変わったラインナップの3種です。蕎麦も変化球がありそうな感じがしますが、ガーリックライスとカレーをお願いしました。

 鉄板では早くもなく遅くもなく上品な手さばきでガーリックライスが炒められます。大量の刻みガーリックオイルを鉄板で炒り始めたので「凄い量のガーリック!」とびっくりしていると、料理長さんがくすりと笑い「半分はタマネギなんです」と説明してくださいました。

 塩コショウと薄口醤油に振りネギというシンプルな味付けだが、鉄板で焼き上げた焦がし醤油味と凄まじいニンニク香味とタマネギの甘味でジャンキーな美味さがたまりません。塩が穏やかな味噌汁には伊那の名産である寒天とナメコです。野沢菜とセロリの香の物も緩やかな塩と風味。

 絹から取ったシルクパウダーを混ぜ込んだ白カレーだそうです。見た目以上にスパイシーな味わいがあり、ガラムマサラのようなカレー風味とココナッツミルク?が絡みつくミルキー感が豊かで、まろやかにピリッとした辛さもあります。色合いからしてターメリック、サフラン、パプリカあたりの量を抑えてあるのかな。最後のお食事にカレーで締めると腹満杯です。

 

【デザート】:各種デザート ワゴンサービス

 デザートタイムになるとデザートワゴンの登場です。どの種類でもお好きなだけいただけるそうで、中には1種類を何個も食べる方がいるそうです。まぁ確かに好みがありますし、そうなってもおかしくはない。

 取り敢えず全てのデザートを1種類ずつお願いしました。①ぶどうワインゼリーで大人風味で甘さ控えめのお口直しにバラの花びらの彩り。 ②シルクプリンは自慢のシルクパウダーを練り込んであり、舌触りが究極の滑らかさに濃厚ミルクのコク深さがたまらないデザート。なんと黄身が白い希少な卵を使っているのだとか。 ③苺のケーキは苺ムースとスポンジを層状に積み、苺シロップをトップシートにしてありました。見た目は安っぽく見えてしまうのですが口の中は密濃苺しかありません。 ④抹茶のケーキはしっとりと生地は硬めでブラウニーのように仕立てて抹茶が熟密しています。 ⑤地元の八百屋さんが作ったというジェラートはこちらも旬の苺。農家さんがしているジェラートショップとかでしょうか。 ⑥チョコレートケーキはティラミスのように層にはなっているが、チョコスポンジにはお酒?、白スポンジはカスタード?いずれもふんわりというよりはしっとり。トップシートには融点がとんでもなく低い濃厚カカオチョコにクラッシュアーモンドを混ぜてあります。 ⑦あんずのコンポートは白ワイン煮かな。彩には季節の苺を。

 デザートにはとても美味しいコーヒーもしくは紅茶を。お替りも入れていただけました。

朝食

 朝食はテーブル席での用意です。

 朝食は和食と洋食から選ぶことができます。席に着くと順次、おかずが配膳されてきます。

【和洋共通メニュー】

・フレッシュフルーツのカジュッタ製生ジュース

 丸っと1個の柑橘を使ったジュースなのですが、カジュッタという特製の器具で中身を搾り取ってあります。柑橘の形状からするとオレンジのようですが、独特のエグ味や酸味はなく、和オレンジテイストでとてもまろやかな品種です。

・長野県産の野菜サラダ

 朝のシャキシャキサラダはグリーンリーフ、フリルレタス、スナップエンドウ、スライスラディッシュ、トマト、ブロッコリー。クリーミーなドレッシングはパルメザンチーズがっつりのシーサーサラダ。

和食

・和食信州の美味しいいろいろを少しずつ 小鉢6種

 青味がうまいほうれん草のお浸しにはカツオ節。出汁巻玉子は出汁を巻いたというよりは厚焼き玉子のような甘々にしっかりと焼き上げて大根お卸しと紫蘇花を一輪。鶏のほぐし身には胡麻ドレですが胡麻が濃く練りゴマ風。

 緩めの甘醤油のゴボウと人参のきんぴら。鯉の南蛮漬けは甘酢にしっかりと浸さています。ホテルの目の前で水揚げされた諏訪湖産のワカサギの天婦羅にはほんのり塩。

・ところてん

 寒天の里とも言われるお隣の茅野産からと思われます。ところてんはマイルドなお酢に浸して練りからしを添えてあります。真ん中には青さ海苔が振ってあり、酢の物としてのおかずの一品です。

・ゆり根の茶碗蒸し

・アルプスサーモンの味噌漬け焼き

 茶碗蒸しの地は濃厚卵に控えめな出汁で品よく。茶碗の下にはたっぷりの季節のゆり根を入れ込んでありました。

 西京味噌よりも甘さを感じない味噌漬けは、塩分もほとんど感じない信州サーモンの旨味だけを閉じ込めた焼きです。ご飯にはもう少し塩加減が欲しいな私的には感じました。

・具だくさんの味噌汁

・白米 または お粥

・唐辛子味噌 漬物

 とても口にしやすい塩加減の味噌汁には、大根、人参、タマネギがゴロゴロ入っています。おかずも一口ずつで、ちょうど1膳で事足りるほどのお米です。付け合わせの唐辛子味噌がピリ辛でこれが米によく合います。漬物は人参と胡瓜のぬか漬けの浸かり具合も絶妙でした。

洋食

・信州で採れたいろいろ野菜のミネストローネ風スープ

 口当たりは良く知るトマトベースのミネストローネではなく、タマネギが良く香るコンソメスープのようにも感じるがトマト酸味もある。「風」となっているのは、湯剥きミニトマトが具材に入っていたからかな?いろいろ野菜には人参と白菜も。

・フルーツヨーグルト

 ほどよい酸味があるヨーグルトは、長野県にある某スーパーで売っている地産の物に風味が似ている。味付にはブルーベリーとラズベリーの2種に加えマンゴーソースも合わせたバリエーションが豊富です。

・科乃豚のソーセージと八ヶ岳山麗の卵とチーズを使ったそば粉のガレット

 ソバ風味が豊かなもちっとしたガレットの上に、黄身がプリンと反り立つsunnyサイド。その両横に信濃地方の「しなの」と掛けた、地物の科乃豚のソーセージと彩り生野菜。

 黄身を割ってガレットとソーセージに塗り塗りと食べるのもコクが出て美味しい。

・特製フレンチトースト

 プレートが置かれるとメイプルシロップの豊潤な薫りに満たされます。卵とミルクがひたひたになったフレンチトーストかと思いきや、しっかり・もっちりとしたパン生地は米粉由来だそうで食べ応えがあります。味付もこってりとしておらず軽く食べれるのもありがたい。

和洋の飲み物

・コーヒー又は、紅茶

 夕食と同じコーヒーと紅茶でした。朝はミルクと砂糖をいただきました。コーヒーには牛乳ではなく生クリームを合わせてきます。

 

まとめ

 結論から言うと必ず再訪したいお宿の1つとなりました。料理・風呂のバロメーターが突出しており、一番安いお部屋でも居住スペースが広い。

 次回はフレンチでお願いしたいところですが、料理長さん効果もあってか鉄板焼きが実に美味しく、再訪するならまた鉄板焼きになりそう・・・。重要なのがホテルからわざわざ料理長が変わりましたとDMを頂きまして、料理の趣向は現在は異なるかもしれません。

 大浴場が好きな方は隣の文化財の片倉館が使えます。部屋のお風呂は熱すぎる自家源泉も冬季でないと加水が必要になりそうか、もしくは源泉を何らかしらの形で逃がさないと源泉かけ流しは厳しいかもしれません。それでも湯量が豊富すぎるプラーベートバスの価値は高い。

 高級ホテルで従業員さんの接客も厳かですが、レストランは襟付きのカジュアルでも全く問題はないかと思います。当日はジャケットまで着ているお客さんはおらず、自分も襟付きのワイシャツでお邪魔しました。テーブルの状況をみて配膳調理する気配りは物凄くうれしい。

 全体としては甲乙つけがたく攻守もある。お値段的にはアルコールを含めたフリー冷蔵庫があれば申し分ないかな。

宿泊料金

 訪れた2022年ではオープン記念などもしていたので、かなり格安には泊まっています。2024年は大人2人で10万円に届かないほどの値段設定です。2025年現在でも冬季などは客足が少なくなるのか、10万を辛うじて切るプランもありました。恐らく下記の値段で泊まれることは今後もうないかと思います。

宿泊日:2022/厳冬期

旅行サイト:じゃらん

プラン:【冬季限定12~2月】冬しか出会い内信州の絶景<最大30%OFF>信州プレミアム牛鉄板ステーキ

部屋のタイプ:202【SHUSU-繻子】露天風呂付洋室/68平米

合計料金:75900円(2人)

クーポン:7000円冬セールがお得になるクーポン

支払い料金:68900円

加算ポイント:2277p

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