いい温泉宿、おいしい料理宿

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再び訪れたいお宿探訪と趣味のブログ

古名屋ホテル【山梨県 甲府温泉】~山梨市街の中心地にありながらも源泉かけ流しの湯をいただける希少なホテル、街中にあるホテルらしく洋風中華から選べる料理、ブライダルにも利用される安定したサービスは甲州旅一夜ステイの価値がある~

 古名屋ホテルさんの歴史は古く旅館から出発して創業が明治45年。駅前市街地のど真ん中にありながらも源泉掛け流しの湯が頂けるシティホテルです。シティホテルらしく中国料理、フレンチ、スィーツとテーマに合わせた料理が選ぶことができ、ラグジュアリーな館内はリゾートホテルのようでもあり、ウェディングにも力を入れておられます。

※記事の内容は宿泊した当時の内容となっていますのでご参考程度に。最新の情報は各々ご確認下さい。

旅情

 パッと見た感じはホテルというよりは、玄関は竹林があるお洒落なレストランに見えます。

 玄関を入ると一気に異国感があるアジアンテイストな雰囲気に包まれます。

 訪れた時には披露宴が丁度終わった時間だったようでロビーは賑わっていました。

 奥に進んで振り返るとフロントがあります。エントランス正面からフロントが見えないようにしてあるのも演出の1つなのかなと。

 フロント奥にはラウンジがあります。

 ラウンジ横の階段を上がると宴会場があります。たくさんのお客さんがこちらから降りてきたので披露宴はこちらで行われていたようです。

 ラウンジは落ち着いた大人の空間。確かパンフレットに案内があったと思うのですが、館内はタイをイメージしているそうで、クッションはタイシルクを使い、象などの置物が飾られています。

 ラウンジにはクリスマス前ということもありワインボトルのツリーが飾られていました。ラウンジからは洋館にある古風な木造階段があり上はフレンチレストラン、下がチャイニーズレストランになっています。

 創業当時の物なのか古名屋旅館とある看板が置いてありました。

 フロントとラウンジの間にある客室室へ上がるエレベーター前。風変りに引き出しのように詰め込まれた鞄の飾り壁。同じようなのをどこかで見た事があるような無いような・・・。

 客室階は1階とは風景が一変して、普通のシティホテルらしい廊下です。

 8階だけは他階の客室廊下とは内装が異なります。タイというよりは洋風なクラシックホテルのようです。

 CHEDIとあるのはタイ語で「仏塔」だそうです。小さな会議室のような小部屋もあるのですが、同じフロアに客室もあるという不思議な造りです。

 小部屋を除くとすでに会食の準備がされているようでした。

 仏塔には供養塔という意味もあるようで、法事とかに使われたりしているのでしょうか。

 お風呂へは3階の客室前を通っていくのですが、ブライダルの親族待機室もあるので浴衣で移動すると微妙な空気感。この階までは浴衣移動がokとなっています。

 廊下突き当りまで行き、浴場へは一旦外廊下へ出て別棟へ移動します。

 外廊下途中にはアルコールを含む自動販売機と喫煙所があります。

 館内にある自動販売機はここだけですが、街中なので周辺にはコンビニもあるので買い物に不自由することはないかと思います。

 お風呂を頂いて夕食まで時間があったので、徒歩10分程に甲府城跡まで散歩に出かけました。初冬では南アルプスや富士山のsnow capや夜景が無料で楽しめるので時間があれば是非に。

 

お部屋

 用意して頂いたのは502号室です。

 ビジネスホテルと比べると小綺麗にされていて絨毯はふかふかです。

 古名屋ホテルではスタンダードなツインルームで26㎡と少々手狭な感じです。

 狭く感じるのは大きさがしっかりとあるセミダブルのベッドによるものです。枕以外にも3つのクッションがあり寝る際のポジション取りに。

 こじんまりとした船窓のような窓。景色は南アルプスが見えるような見えないような、目の前は警察署、市役所、裁判所という何とも言えないビュー。これはこれで面白くもあります。

 水回りはユニットバスとなっています。アメニティ類は高級な物ではありませんが過不足なく揃えてあります。

 空の冷蔵庫に、ミネラルウオーターは500ml×二本、お茶セットもホテル茶パック、お風呂セットの籠、お風呂の往復に浴衣と丹前があるのはありがたいです。

 びっくりするほどにルームサービスが充実しています。レストランからの直送です。

 朝食前にお風呂に行こうとしたらドア下から朝刊の差し込みがありました。

 お願いしなくても当たり前のように新聞サービスがある。ネットで事足りる情報社会ですが、求めなくても目に止まる情報を流せるというのは新聞ならでは。時間のない旅先であると大変ありがたいサービスの1つです。

 

お風呂

 古名屋ホテルさんでは露天風呂が併設された男女別の浴場が1カ所ずつあります。男女別の湯屋は内湯の形が違ったりとほとんど同じ造りとなっています。

 市街地の中心にありながらも、黄緑色の源泉を毎分45リットルで掛け流しされています。湯温は45度とやや熱めの泉質はナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉で、しっかりとしたツルスベ感のあり、ややオイリーな臭いを感じるがほとんど無味無臭で、白い湯の花が泳ぎ少しだけ白い濁りがあります。ただ、湯量や泉質によるものなのか、消毒は有となっています。

男湯

 脱衣所にはドライヤーのみ。タオルの籠を見るとフェイスタオルがぐらいは置いていそうな様相で、訪れた際は流行り病があったのでその影響でしょう。公式HPにの写真にはタオルが乗っています。

 瓢箪型の変わった湯舟には真ん中に橋が渡してあります。橋は区切りではなく下では両方の湯舟が繋がっています。ただ、源泉かけ流しならがらも、この内湯はそれなりの消毒臭がありました。

 洗い場もシャワーが4基と全客室数からすると少な目です。

 注ぎ口には白い析出物が付き、捨て湯口と同等の湯量が注ぎこまれていました。湯量は毎分45Lですが、男湯と女湯に分けてもそれぞれ22.5Lで露天風呂も考えると、客室数も踏まえて消毒は致し方ないのかなと勝手に思う。

 シティホテルだけに温泉目的で訪れるお客さんが少ないのか、浴場では滞在中に合ったのは1人だけでした。だれも入らない夜間はオーバーフローも見てとれました。

 内湯から露天風呂へでると、確実に1人用の甕と四角い湯舟があります。

 露天風呂とは言うものの、やはり地方都市部の中心にあるので開放的とはいかないようです。秘境の鳥、風、地元民の日常の話し声ではく、車とバイクのエンジン音、酔っぱらった若者の叫び声が聞こえる湯屋。元気でなにより嫌いではない都の喧噪です。

 知らない同士2人が入るには気まず過ぎる1人用の湯舟は源泉かけ流し。こちらの湯舟は「ぬる湯」でとても入り易く長湯好きには丁度良く。

 捨て湯口と湯口の見た目上の湯量は相応で、思っていたよりも豊富です。

 四角湯舟の反対側にある丸い甕は「あつ湯」となっていて、寒くなってきた季節には、どっぷりと入りたくなる湯温です。

 甕の湯舟には他の湯舟よりも一層多く湯の花の浮遊があったように思います。

 注がれる源泉は申し分なく、涎のでるほどに溢れ出しがあり身体を沈めると轟々と溢れだす湯は贅沢しかありません。屋外ということもあってか内湯よりも消毒臭は弱かったです。

 風呂タイムは、都会の騒がしい人音と機械音、街中の中心にありながら源泉かけ流しというギャップを楽しみに、この甕風呂に入り浸ってしまいました。

 

お料理

 フレンチと中国料理から食事を選択することができます。やはりホテルと言えば洋食が食べたくなるのでフレンチを選びました。朝夕共に2階にあるレストラン「ザ・ベンジャロン」でいただきました。ベンジャロンはタイの伝統磁器の呼び名だそうです。レストランに入ってから一品一品テーブルの状態を見てコース料理が運ばれてきます。スタンダードでありながら、ベースは洋のフレンチですが仕立ては和の要素も混ぜ込まれた物となっています。

 メニューはテーブルには置いてなかったので、文中の献立はレストラン前のメニュー表を元に献立を書いています。ただ、配膳されたときの説明とは若干異なりましたので、参考程度に見て頂ければ幸いです。恐らく8470円の「シェフのおすすめコース」がもとになっているかと思います。

夕食

 ナイフとフォーク以外に、お箸も置いてあり一皿ごとにフォークとナイフを取り換えないスタイルとなっています。

 箸、フォークの4つの穂先の受け口、ナイフが置ける箸置きはどこかでも見たような。

 予約した本人が忘れていたプランに付いていたというグラスワイン。ロゼと白をお願いしました。

 

【前菜】:サーモンとクリームチーズのクレープ包み

 見た目はデザートのようしか見えないクレープの前菜です。色彩豊かなソースは根野菜ではなくほうれん草の仲間であるビーツと、黄色のマンゴー、白いフレンチドレッシングです。いずれのソースもベースは微酸味のフレンチドレッシングかと。ワンポイントにはイクラとチャービル。

 熟したトロリとした生サーモンを、クリームチーズと共にしっとりとしたクレープ生地で巻き上げてあります。細かな隠し味としてクレープ包みの下にはクリーミーで上品なマヨネーズを敷いてありました。クリームチーズは八ヶ岳産とかでしょうか。まろりとしたチーズ独特の風味は濃厚で、クレープ生地はほんのりとした卵の甘味。ビーツソースやフレンチドレッシングに合わせるとカルパッチョの様だが、マンゴーソースだとフルーティなデザート的なクレープ風という、変化の選択肢がたくさんある2度3度楽しめる前菜です。

 

【温前菜】:鮑のグリル プロバンス風

 ほんのりと温かさがあるアワビは胡椒をよく効かし、白ワインで蒸し焼きにしてあるようです。プロバンスとはトマト、ニンニク、オリーブオイルを使った料理を言います。ですが、「プロバンス風」とありオリーブオイルではなくバターのような風味がしました。弾力を残して歯切れが良い食べ応えに仕上げてあるので噛むたびに旨みが滲みでます。旨みに合わせてあるトマトソースには角切りの赤黄パプリカとズッキーニです。アワビの後ろには蕪を煮たものを配してあり、柔いのに繊維質はしっかりとして、付け添えのビネガーワインのソースとの相性も良く蕪味が引き立ちます。

 

【スープ】:シェフのきまぐれ

 きまぐれのスープは野菜のコンソメスープです。テーブルに到着すると最初に香ってくるのはタマネギ風味。器の底には茶色の細粒があり焦がしタマネギとか揚げタマネギとかでしょうか。

 琥珀のスープの出汁はチキンとタマネギかな? お野菜はたっぷりとタマネギ、ニンジン、セロリ、肉にはベーコンで燻香ばしい。ベーコンが入っていたのにチキンの味がしたのは気のせい? スープにはセロリの匂いはほとんど感じないが時折口の中で青味を足しにやってきます。洋スープですが彩りの青はワケギで、これがスープにとても馴染みます。

 

【パン又はライス】

 メニューにはライスもありましたが、最初の時点で伝えておく必要があるのかもしれません。パンは2種でライ麦とプチパンです。熱々で配膳してくれます。おかわりをすると同じように熱々で配してくれました。日本人好みのもっちりとした食感に、フワフワなのでお皿に残ったソースに付けても沁み入りがよく。バターは厳選ではなく使い切りのパックでした。

 

【魚料理】:うろこをまとった甘鯛のパリパリ揚げ アクアパッツァ風

 レストラン前の献立ではアマダイですがお料理をもってきていただいた際は「マダイ」とのこと。確かに身が締まっていて皮にはピンクはなくアマダイではない?胡椒と塩を程よく持たせ和風でいうなら松笠揚げの様に油を掛け流すように揚げてあるものかと。

 やはり瑞々しい緩い肉質はアマダイでマダイではないような。アクアパッツァ風とあるように白ワインでアサリの出汁を抽出してソースとてあります。しかし、ソースの薬味はワケギと和風。揚げてあるのでタイを香ばしく押し出し、カラリと揚がったウロコや皮は水分が飛び、スポンジのようにソースを吸い上げて魚介の宴が始まります。タイはタンパクでアサリの方が風味が強く、ただタイの風味もまろやかで主役がどちらか分からなくなる饗宴。

 

【肉料理】:牛フィレとフォアグラのロッシーニ仕立て

 ロッシーニ仕立ては肉料理にトリュフやフォアグラなどを組み合わせた料理を言います。

 和牛の上にはでっかいフォアグラを鎮座させてあります。濃熟されたガチョウ肝であるフォアグラはカリカリに焼き揚げのようにしてあるのか表面はパリっとして中身はしっとりふわり。血の臭さを全く感じさせず、まったりとした肝味にはフォンドボーのソースが美味しい。彩りの野菜に、ペコロス素揚げ、バターたっぷりのマッシュポテト、ナスグラタンブロッコリー添えです。

 ナスグラタンは素揚げにしたナスの果肉を抜き、豚そぼろのミートソースを入れ込んでチーズで蓋をしてブロッコリーを挿してあるという手の込み様です。

 牛フィレは口の中で躍らせると次から次に滲み出る肉汁は、和牛の透き通る赤身の旨味は美味いの一言。フォンドボーのソースには飴やハチミツのようを使ってあるのか、こってりとした甘味がありながらも、焦がし醤油のようなほろ苦みがある絶妙な味わい。これがミディアムレアの焼き加減に実にマッチングしていました。

 

【デザート】:バニラアイス キャラメルケーキ

【飲み物】:コーヒー又は紅茶

 バニラアイスはかなり硬くジェラートではなく、やはりアイス。バニラビーンズを練り込んでありますが、バニラ風味はほどほどで卵とミルクがとても濃い。これにはクラッシュビスケットがとんでもなく織り合いイチゴソースを絡めると絶品のケーキアイスに。 

 キャラメルケーキは三層になっており、最下層はカフェモカのようなスポンジ生地にマカデミアンナッツを混ぜ込んであります。中段はキャラメルムースで口の中で溶け消え・・・ない!?極しっかり地なのにキメの細かいムースには、プルプルのキャラメルゼリーがいつまでも口の中で濃密なキャラメルが薫ります。フルーツは完熟メロンとイチゴ、ブルーベリー。

 キャラメルケーキの裏にはドライラズベリーが隠れていました。しっとりしたタイプではなくカリカリで砕けるほどのドライ感。フリーズドライ製法だろうか。いつまでもポリポリ食べれてしまいます。登山の行動食に欲しい・・・。

朝食

 朝食も夕食と同じレストラン「ザ・ベンジャロン」で。

 往訪時は洋食と和食が選ぶことができましたが。和食の提供は2021年12月で終了されたそうです。

和食

・ずいきのピリ辛炒め ・玉子焼 ・ポテトサラダ

・ちりめん山椒 ・辛子明太子 ・柴漬け

・納豆 ・焼き海苔 ・鶏大根煮

・アジの一夜干し ・白米 ・味噌汁(ワカメ、麩)

 ぱっと見た目はバイキングなどにある安価なお取り寄せかなと思ったのですが、玉子焼は甘々の焼きがしっかり入ったもので、ちりめんはピリッとした山椒の辛味があります。アジは後から配膳されるのですが、脂が乗って美味しいが冷たくなっていたのでこれはちょっと寂しいところ。とり大根は熱々でトロトロに炊いた大根でこちらも酒の甘味が強くご飯に合います。白米は艶々に炊かれおかわりなしに一杯に盛られていました。

 お手製では無さそうですが、それなりに良い物を選定したシティホテルの和定食と言った感じでした。

洋食

 洋食は色々と選択肢があります。こちらがメインなのでしょう。

・パイナップルジュース

・サラダ(サニーレタス、キュウリ、トマト、カボチャサラダ、フレンチドレッシング)

・パン2種(クロワッサン,ホテルブレッド、ジャム3種、バターの)

・ベーコン、スクランブルエッグ、マッシュポテト

 サラダに入っていた南瓜のマヨネーズ和えは自家製で和食との格差を感じるw フレンチドレッシングも夕食の物と同じで酸味は控えたこれも自家製かな? パンは温かく配膳されバター風味は抑えたあっさりタイプで朝の胃袋には丁度良く。

 ほんのりバターのスクランブルエッグの下には、小さなホテルブレッドが仕込まれておりフレンチトースト風な仕上がりです。ベーコンも自家製でないにしてもシティホテルクラスの物が用意されていました。

・ヨーグルト

・紅茶

 古名屋ホテルさんの乳製品は少し変わっていて、ヨーグルトもまったりねっとりとした濃さがありバニラヨーグルトのようでイチゴソースを添えてありました。甲州や南信にくると乳製品は八ヶ岳産じゃないのと思ってしまいます。

 和食にはコーヒーも無いので、常連さんとかだと全て洋食オーダーになるのかもしれません。和食が無くなるのもなんとなく納得できる内容でした。

 

まとめ

 山梨県の市街真ん中にありながら、源泉かけ流しの湯が入れるホテルがあるというのはずっと前から気にはなっていました。シティホテルとあったので、温泉の管理や料理はいかほどかと悩んでいたところ山梨県の高額クーポンに押されて往訪することに。

 比重としては温泉>料理>ステイといったところかと。交通不便な温泉地にいかなくても入れる温泉としては、消毒はあれど街中中心で源泉かけ流しの温泉はとても希少だと思います。

 料理に関しては夕食のフレンチは値段からすると、値段相応の手の込んだ物をいただけたと思います。朝食は和食が提供中止になるということで、和洋選べなくなるのは少し残念な気もします。といっても、立地は最高ですし館内で食事をとらなくても周辺には飲食店多数なので二次会にも出かけられるし朝食の買い付けも可能です。多様なステイが楽しめるのは古名屋ホテルさんの最も良い利便性なのかもしれません。

宿泊料金

 料理の内容からして定価では相応よりも安く見えてしまうお値段。そこへ、山梨県のクーポン利用で破格の値段なので参考にはなりませんが、街中中心地のホテルに一泊して1人1万円、料理が朝夕1人1万円と思えば温泉好きなら悪くないお値段のステイだと思います。

宿泊日:2021/冬

旅行サイト:楽天トラベル

プラン:【フレンチ◇グレードアップ】二食付

部屋のタイプ:ツインルーム★禁煙

合計料金:42900円(2人)

山梨県ご当地クーポン:20500円

支払い料金:22400円

加算ポイント:224p

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