野沢温泉の観光スポットである天然記念物の麻釜(おがま)に近く、大正時代に建てられたという木造三階建ての奈良屋旅館さん。築100年を経過した建物は確かな木造の軋みがあり、時代と共にリフォームを重ねていながらも、梁や柱などにはかつての趣きを残す9部屋だけの老舗旅館です。
旅情
訪れた時には厳冬期の始まりでした。車一台が行き交わうには狭い温泉街の路地に面しています。以前、宿泊した「住吉屋」さんと同じ通りにあります。
到着して奈良屋旅館さんの前に車を置いて、玄関から声を掛けると応答はありません。少し早く着いたということもあり、お客さんはまだ到着しないという雰囲気で姿は見えないが奥からは声が聞こえる。旅館前の道路はかなり狭いので、奈良屋旅館さんの屋根付き駐車場にとりあえず避難させてもらいました。
改めて、玄関の呼び鈴を押すと従業員の方が奥から出てこられました。「車を勝手ながら停めさせてもらいました」と、伝えると「気付かずに申し訳ありませんでした」と深々と頭を下げられるのに早く着いたのは自分なので恐縮の思いです。吹き抜けのエントランス正面には客室階への階段があり、その左傍らにはロビーがあります。この建物は築50年が経過しているそうです。
玄関入ってフロント横には地下への階段が付いています。スキー場傍のお宿らしく下階は乾燥室となっています。
階段下の乾燥室です。かなり温かく保温されていました。
扉奥の乾燥室はさらに暖房をガンガンに焚いてありました。ブーツは棚ではなく、斜めに干すタイプです。このスタイルのブーツの干し棚は久しぶりにみたような気がします。
赤矢印の乾燥室からやってきました。水色矢印には広間があります。多人数の宴会に対応した広間のようです。手前の紫の矢印はフロント奥のエントランス棟に上がる階段です。
先程の水色矢印の広間は団体客を受け入れる大きさがあります。当日は6,7名のグループのお客さんで賑わっていました。
お食事の準備前に覗かせて頂くと、広間は時節柄、間仕切りをもって半個室のようにしてあります。
乾燥室前を通り3画像前の紫矢印にある階段を上がっていきます。
ベースメントの探索を終え、緑矢印の奥階段から上がってきました。青矢印には2階に上がる階段もあります。2階へ上がると「椿の間」というお部屋に行くことができます。赤矢印は「ろばた」と名されたロビー兼休憩処になっています。野沢温泉のお宿に泊まるとよく目にする芸術家の渡辺俊明さんの画が多く飾ってあります。どのお宿もお好きだったのでしょうねぇ・・・。
ここからは2階に上がらず、一旦玄関へ折り返します。赤矢印のロビーを覗いてみます。
ロビーの「ろばた」でチェックインの手続きを行いました。特に詳しい説明はなくお部屋に通してもらいました。分からないことはフロントに問い合わせて下さいとのことでした。接触を避けるにはベストアンサーです。ここにはちょっとした書籍もあります。
さて、2階分の高さがある、奈良屋さんのシンボル的吹き抜けエントランスのメイン階段を上がります。
階段を上がりきると踊り場のようなスペースがあり優雅に玄関を見下ろせます。踊り場には、春らしい生花が活けられていました。真冬なのにワンポイントの生花は粋を感じるます。しかし、凄まじく磨き上げられた床板がまぶしい。どこを見ても埃はなくお客さんへの端々のおもてなしを感じます。
階段を上がってすぐ右手には客室が並ぶ廊下があります。その奥にはさらに階段。やはり、床はピカピカに磨き上げられていて、鏡のように天井が反射していました。
古い木造建築のリフォームなので、館内にはエレベーターがないので足元が難儀な方はお問い合わせを。ここからは平成になってから建てられたそうでモダンな感じになっています。
階段を上がって右手はお風呂へと続いています。
浴場前にはちょっとした湯上がり処もあります。暖簾がとても可愛らしい。
湯上り処には、ポットに野沢温泉の湧き水が用意されていました。野沢温泉はとても水が豊富な処で、温泉街には何カ所か湧き水スポットがあり地酒にも使われているようです。口当たりの良い柔らかいお水です。
上がってきた階段まで戻ると、玄関の上に位置する所まで廊下が付いています。この建物はコンクリート造の駐車場の上にあります。
ところどころに小物が置かれ、ショーウィンドには希少な物なのか展示物も。
廊下を突き当たって「白糸の間」というお部屋を通ると足元には小さな衝立が置いてありました。
床を見ると明らかに年代が違う床材に変わります。右側の年季が入った材質からは玄関がある昔からある棟に変わるようです。
廊下にはフウセンカズラ?フウセントウワタ?の活けがあります。廊下にスキーウェアが入った籠が置かれています。乾燥室での密を避けるため従業員の方が干してくれるサービスを、訪れた時にしていました。
昔の建物らしくやや薄暗い廊下を突き当りまで進み、右手を見ると洗面と勝手口が見えます。昔はお部屋に水回りの物がなかったので、昔ながらのお宿にはこういった共同の洗面所が残っているところも多くあります。
勝手口は出れるのかと思って表を覗いてみると、雪がてんこ盛りになっており、出る処か開けるのも難しそうです。訪れた時にはかなりの降雪がありました。
勝手口の袂には階段があり青矢印の所から2階へ降りてきました。奥の扉は奈良屋旅館さんで最も広いお部屋の「椿の間」です。
上画像から振り返るとロビーへの階段があります。柱には花器に活けられたワンポイントのお花はもちろん生花。向こうには玄関吹き抜けの2階部分が見えています。
少し戻って「椿の間」の隣には、またまた階段があります。こちらにも洗面所があります。
1階まで下りてくると奥はお食事処となります。お食事処の棟は大正時代の建築で100年が経つそうです。
振り返ると水屋があります。この場所が個人的には最も昔の雰囲気がそのままなのかなぁと思わされました。ちょうど帳場の裏側で、画像真ん中の階段は冒頭で巡ってきた乾燥室がある地下へ行くことができます。階段手前を左へ行くと玄関にたどり着きます。
水屋には正月花が活け待ちしておりました。館内の所々に生花が飾られて、くたびれた花が1つもないというきめの細やかさです。
お部屋
案内して頂いたのは「白糸の間」というお部屋です。お風呂に最も近いお部屋なので、風呂好きには都合のいい場所にあります。
間取りは本間8畳+次の間4畳+踏み込み半畳+広縁+ユニットバスです。
踏み込みは斜めに切り取られた変則的な形状です。入ってすぐの所に空の冷蔵庫が備えてあります。冷水もあらかじめ用意してありました。
本間と次の間の障子は取り払われているので広々と過ごせました。古い茶箪笥のような調度品も置いてあり風情があります。
平成に作られたと思わしきお部屋ですが、天井飾りや欄間の引き戸など凝った細工があつらえてあります。鏡台も昔ながらの物の様です。
鏡台には完璧なアメニティセットが揃っていました。
広縁は2畳程の大きさで、ユニットバスへはこちらから行き来します。
訪れた時は厳冬期。さすがに寒かったので広縁で過ごす時間はありませんでした。メインストリートではないので、温泉街の喧騒を楽しむと言うよりは、静かにゆっくりとした時間を楽しむ広縁です。
ユニットバスとなっていますが、混合栓なので温度の調整は簡単なので助かります。トイレも安心のシャワータイプです。
感染症対策のためか「お茶出し」はありませんでした。お部屋には吊り箪笥の中に高級旅館で稀に見るお裁縫セットがあり、当然のようにお布団敷の際には冷水とお茶セットの入れ換えもあって、さすがのおもてなしです。
館内には自動販売機はありませんが、温泉街はお土産屋さん、スーパー、薬局などお店が充実しているので忘れ物があっても困ることはないと思います。
お風呂
露天風呂が併設された男女別の内湯が1つずつあります。男女の入れ替えはなく、露天風呂以外は同じ造りとなっています。野沢温泉のお湯は濁り湯になったり、透明な緑色を呈することがありますが、奈良屋旅館さんの自家源泉は緑色透明です。泉質は含硫黄-ナトリウム・カルシウム-硫酸塩泉で、味も匂いも濃厚な玉子臭の硫黄泉です。源泉は73度もあり、手で触れるだけでも火傷しそうなほどに激熱く、湯使いはもちろんの源泉かけ流しとなっています。湯感はツルツルとしていますが、硫黄泉らしく上がるとお肌のケアはしたほうがよさげです。
福住の湯
男湯
浴場に入ると桧(ひのき)と硫黄(硫化水素)の匂いに包まれます。往訪したときは奈良屋旅館さんの浴場はリフォームされたばかりでとても綺麗でした。
内湯は5,6人入ってもまだまだ余裕がありそうな大きさです。分析表には無色透明とあるが少し緑掛かって見える。
湯口の源泉は手では受けれないほどの熱さで、すべての源泉を注いでしまうと湯船の温度が適温に保てないため、一部のお湯を樋で逃がしてありました。湯口の箱の中にもお湯が溜めれるようになっており、恐らくこれも湯冷ましのための仕掛けなのではないかと。また、箱内には湯の花を濾してあったので浴槽内への浮遊はほとんどありませんでした。せっかくの湯の花を濾すのは何となく勿体ない気がします。中には汚れが浮いていると思う方もいるようなので難しいところですね。
湯船の縁からは気持ちがいいほどにオーバーフローが見て取れます。身体を湯船に沈めると「ザバ、ザババババアバアァーーー」とお湯が溢れ出し至福の時間です。
お宿のキャパシティからすると十分な洗い場があります。野沢温泉の湯屋らしく、かなり天井を高くとってあるので開放感もすばらしい。
露天風呂へは内湯から5段ほど階段を下ったところにあります。
源泉の投入量は多くはないですが、気温の低い冬には外気温で湯が冷めて入りやすくなっていました。こちらはオーバーフローではなく岩の間にある塩ビ管からお湯が捨てられていました。
白い湯の花がたっぷりと浮遊しており、湯の花を濾さずに掛け流しているようでした。
女湯
女湯の浴場は対照的な造りとなっていてほとんど同じです。
露天風呂へ出るとしっかりと目隠しをしてあります。裏山の雪景色もいいですな。
男湯と一点だけ違うところは露天風呂の大きさです。こちらの方は倍ぐらいの大きさがあります。男女の入れ替えはないので、男性はこちらの露天風呂を利用できないのは残念です。
お料理
朝夕共に1階最奥にある100年建築のお食事処での案内でした。時間になるとお部屋に電話がかかってきて、お迎えの方が来られます。個室ではないですが2組で1部屋の利用です。
夕食
睦月の献立には「お料理には野沢温泉・北信州産の地野菜を主に使用しております」と書かれています。献立にあるように実に長野らしい野沢らしい郷土の素材をふんだんに使った内容となっていました。すこし素朴に感じる料理ですが田舎の濃い味でなく優しく味付がなされており、出汁、薬味、風味付けと一緒にいただくと、それぞれの食材の味が際立ちます。最初の配膳は前菜、台物、郷土の小鉢2品、香の物。
献立は頂いたお品書きをもとに書いてあります。内容に関しては説明して頂いたものと、実際口にした感想を交えて記してあります。個人的な感想なのでご参考程度に見ていただければ幸いです。
【食前酒】:スイートロゼワイン
まろやかな口当たりのワインは、銘柄は分かりませんが信州産でしょう。程よい甘さと透明感のある葡萄の香りはフルーティ。酒度はなくアルコールは煮切って飛ばしてあるようでした。
【郷土料理】:芋なます、わらび田舎煮
北信地方に伝わる郷土料理の「芋なます」と「わらび田舎煮」。エグ味のあるでんぷん質を取り除くため、長時間水にさらすのだそうです。奈良屋さんの物は無駄な味は加えない、芋の旨味とわずかな塩だけの素材本来のまま。糸唐辛子を添えて白がより映えます。 わらびは塩漬けにして保存食として浸け置いたものかと。水にさらして塩抜きをして、糸こんにゃく、ニンジンと醤油辛く炊き油揚げから沁み出した出汁が香ばしい一品です。
【前菜】:吹き寄せ盛り
①長芋玉子寄せ ②銀杏 ③鯉鱗せんべい抹茶塩 ④柿白和え ⑤野沢菜寿司 生姜酢漬け ⑥田作りごまめ ⑦なめたけ
吹き寄せ盛りとは、秋風で落ち葉などが吹き寄せられた様相の表現を言うようです。この前菜ではお皿に季節の物を散らすようにという意味でしょうか。 ①長芋は小さく刻んで卵に入れ込み、ふんわりしっとりと柔く寄せて蒸しあげてあります。 ②大きなギンナンは炒ってから少し時間が経っていたのかやや硬い装飾の品。 ③珍味のコイのウロコをパリパリに揚げて抹茶塩で加味。ばらばらにならないように何で繋いであるのか。 ④自家製と思われる干し柿は僅かに甘く白和えによりクリーミーな仕上げです。 ⑤野沢菜のお寿司は軸を中心に巻き、葉で包み込んであります。酢飯は微量な酸味とゴマ。 ⑥田作りは正月の一品。こちらは献立にはありませんでした。 ⑦これも献立への記載はありません。エノキを煮詰めた自家製のなめたけです。
【椀物】:野沢菜餅みぞれ仕立て、香り柚子
黒光りした椀の蓋を開けると、最初に薫ってくるのは大根と柚子。お出汁はなんでしょう・・・大根の風味が強かったので分からず、相性が良いのは昆布の旨出汁かな? 大根をおろした「みぞれ」をお出汁に溶かし込み三つ葉と梅人参を泳がせています。
椀の真ん中にいる餅は刻んだ野沢菜とシャクっとした芋を一緒に包んでありました。ん~菊芋とかの食感です。包んだ餅に葛を打って揚げてあるのか、揚げ香ばしさにみぞれ出汁がよく絡みます。お出汁を多めに口に多含むとユズと甘い冬大根が調和します。
【向付】:信州サーモン 鯉あらい酢味噌
信州サーモンはニジマスとトラウトサーモンとのブランド交配種です。まろりとした甘味と紅身の濃さが特徴的です。海物と違い淡水だけで育ててあるので、荒味が全くない信州の名物となっています。綺麗なピンク色は鯉のあらいです。薄造りにして氷で締めてコリコリ食感にしてあります。
分厚い洗いは食べたことがありますが、コイ独特の風味が残るものが多い印象です。しかし、薄造りの洗いには独特な味はなく、コイの旨さに信州白味噌の甘さと辛子が効いた酢味噌がとても合う。もう1つの味付けは薄口の生醤油。つまは大葉、大根けん、こよりニンジン、蛇目キュウリ、本ワサビ、紫大根。
【焼き物】:湯沢川の清流で育った、岩魚塩焼き
水揚げされたかのように籠に盛られてやってきました。岩魚の下には炭が入っており、テーブル一面に炭の香りが充満します。野沢温泉村に流れる湯沢川の岩魚です。どこかの旅館で、村内に養殖されている方がいると聞いたことがあります。
焼き上げてから炭火か遠赤外線で保温されていたのか、熱々ではないですがしっかりと温かい。特徴としては川魚独特の苔臭さがなく、ほっくりとした身振りには塩加減は控えてあります。付け添えのレモンで追い味すると、塩加減を抑えてある事で岩魚風味がより増します。
【台物】:信州黒毛和牛の陶板焼き
調理前の御姿はピンク色の霜降りの様相で、このクラスになると普通に生食ができそうな色合いです。野菜にはパプリカ、タマネギ、かぼちゃ、シイタケ、エリンギ。
焼きが入ってくると脂が滲み出てきて一気に和牛の匂いを放ちます。レアで口に放り込むとスルスルと歯が入り。ハハハ、こりゃ牛トロの刺しですわ。ミディアムレアだとどうだろうか。トロトロトロ・・・と融解。部位はどこでしょう。トロトロと融解した先にある脂のサシ具合や口の中での解け具合は、私的にはA5ランクのロースやサーロイン当たりに感じます。
熱がはいってもサシの入り具合が目に見えるという・・・酸味が強い酢橘ポン酢、煎り塩と本ワサビのいずれで食べても、さっぱりと肉の旨さと脂を弾ませてくれます。
【箸休め】:胡麻豆腐
もっちりモチモチの胡麻豆腐は、切り分けようとすると箸に纏わりつくモッチモッチ感です。生地には粘りが強い山の芋でも練り込んであるかの様です。一口目は胡麻感をほとんど感じない。ところが、カツオが薫るトロっとした浸し出汁と、添え付けのワサビ・クコの実と一緒に口で咀嚼するとゴマが突然主張し始め濃密。器の形状も変わっていて「あやめ」とかのイメージでしょうか。
【揚物】:舞茸、虹鱒磯部、ししとう、抹茶塩
キノコとニジマスの天婦羅には、献立には載っていないシメジとエノキの盛り込みもありました。
キノコ王国信州だけあって、どれもこれもキノコ風味が濃ゆい。ニジマスには海苔を乗せて磯辺揚げにしてあります。どこかで川と海のコラボ揚げを口にしましたが、海苔の磯風味には川魚のモチベーションを上げる何かがあります。奈良屋さんはニジマスで攻めておられ、マス味のコクを後押ししているようです。彩りのししとうは青々しく、味付けの抹茶塩は色からしてdeep greenで抹茶風味に遠慮がありません。
【食事】:野沢温泉こしひかり
【止椀】:なめこ豆腐味噌汁
【香の物】:野沢菜
野沢温泉村には棚田があり、いつ訪れても美味しいお米を食べさせてもらえます。直火釜炊きでしょうか。食感にムラがあるように感じました。ご飯にはなめ茸のトッピングですが、前菜の物とは異なる味付けのようです。味噌汁はナメコによりトロミを持った信州味噌仕立て。豆腐は野沢温泉の村内にあるお店のを使っておられるのかな。絹と木綿の間のようで大豆の深みがあります。野沢菜は浅漬けお好みでお醤油で。向付と台物の本ワサビを取り置いてあったので、なめ茸・本ワサビ飯にして食しました。
【デザート】:豆乳プリン、黒蜜、きなこ
豆乳プリンは寒天で仕上げてあるのか、スプーンですくってもネットリとして切れが悪い。いや、良すぎるのか、するりするりとスプーンから逃げていく。プリン単体では豆乳感は無く。糸が引くぐらいに粘度が高い濃厚黒蜜ときな粉をプリン全体に馴染ませます。蜜が絡まると、あら不思議・・・豆乳やな・・・濃い豆乳だ。とにかく絡まる黒蜜ときな粉のハーモニーは、上品な豆乳わらび餅のようです。餅プルに黒蜜と大豆の風味がたまらない一品です。
朝食
・リンゴジュース
・温泉玉子
・リンゴ、オレンジ、ヨーグルト
・車麩の煮浸し(絹さや、人参)
・蒟蒻と揚げの煮物
・焼き鮭、佃煮昆布
・湯豆腐(白菜、人参、麩、えのき、ポン酢、刻み葱、紅葉おろし)
朝食も同じ席でいただきました。後から配されるのはお味噌汁のみで、最初から全てのおかずが出揃っていました。車麩のお浸しは、あっさり甘味出汁で絹さやと人参の色付けが鮮やかです。細切りのコンニャクと揚げにはシイタケの戻し汁?と濃い醤油で白米にもいけます。焼き鮭は事前に焼いてあり温配膳ではないが塩加減は丁度良く。信州定番のリンゴジュースは酸味は程よく甘味が強い。温泉玉子はカツオ出汁で風味豊かに黄身がトロトロです。湯豆腐は席に着く直前から火が入り、着席したらもう食べごろです。湯豆腐のポン酢は夕食の和牛と同じ物かな。薬味は刻みネギと紅葉おろし。
・白米
・ワカメと豆腐の味噌汁
・野沢菜漬け、鰹梅
夕食の白米よりもツルうるで、朝食の方が好みかも。やはり水と土がいいので信州の米は美味い。味噌汁は信州みそ仕立てで、夕食の止椀よりも味が濃ゆく朝にはいいお味です。
朝食後はロビーの「ろばた」でコーヒーのサービスがありました。食後に立ち寄って、ゆっくりといただいてチェックアウトの準備をしました。
まとめ
野沢温泉ではハイクラスのお宿になる奈良屋旅館さんです。お風呂は湯量豊富な自家源泉のかけ流しで淀みのない新鮮湯は喜びの一言です。季節にも依るのかもしれませんが、お料理は派手さはないものの、郷土素材を使用した丁寧な手仕込みは違う季節にも是非に食してみたい。ご時世柄、フルサービスとはいかないものの、お茶セットの入れ替えのような高級旅館らしいサービスなど、出来る限りのおもてなしは有難いことです。野沢温泉の人気宿である住吉屋さんに負けず劣らずの双璧です。
宿泊料金
使用できるクーポンの性質上、メインを信州牛にしたので少し値段が高くなっています。基本プランだと公式HPを見ていると、「信州牛」が「みゆきポーク」とかになるのかもしれません。簡単に調べた感じだと、信州牛に変更しても1人当たり1500円ぐらいでアップグレードできそうなので、肉質からすると私的にはお得に感じました。普段からあまり安くお部屋を売っておられない印象なので、セール時期の「じゃらん」の全てのお宿に使えるクーポンが割引率が高そうです。
宿泊日:2021/冬
旅行サイト:じゃらん
プラン:【お料理グレードUP】メインのお料理を変更『信州黒毛和牛』プラン
部屋タイプ:和室8+4帖 白糸の間 3階(バス・トイレ付)【麻釜通り側】
合計料金:51700円(2人)
クーポン:8000円(冬セール)
支払い料金:43700円
加算ポイント:1551p