いい温泉宿、おいしい料理宿

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再び訪れたいお宿探訪と趣味のブログ

かがり火の宿 有楽【鳥取県 三朝温泉】~料理にステータスを全振りしたかのような美食のお宿、料理も良いが温泉街の外れにある静かな様相の佇まい、日本一の含有量を誇るラドンはどれも憩いのタイム~

 有楽さんは三朝温泉街の中心から離れた東側にあるこじんまりとしたお宿です。冬になれば活けカニを提供するプランなどもあり、お料理と良泉の口コミが高評価のお宿です。 

 三朝温泉には古風でゆるりと過ごせる素敵なお宿はたくさんありますが、有楽さんも大きな敷地に総数13部屋だけという、ゆったりとした空間を演出されています。

※記事の内容は宿泊した当時の内容となっていますのでご参考程度に。最新の情報は各々ご確認下さい。

  有楽さんに訪れる前に30分程離れた「三ヶ上」で登山をしてきたので、こちらの記事もよろしければどうぞ。

旅情

 大きなお宿ではないですが、建て構えは交差点の一角にドーンとあり大きく見えます。パッと見た感じはお宿というよりは豪邸の一軒家のようです。

 玄関前に車を停めるとお宿のご主人らしき方が出てこられました。宿の前の駐車スペースに車を停めて荷物をあずけます。

 玄関間口は客室数に相応にこじんまりとしていますが、ロビーは広くとても綺麗にされています。

 ロビーには畳敷きの腰掛と、ちょっとしたお土産菓子などが置いてある売店、周辺観光のパンフレット類が置いてありました。

 玄関上がって左手にフロントがあります。生花がいけられている中央のスペースでチェックインの手続きを行いました。

 玄関上がって右手には個室のお食事処があります。

 ロビー奥には大広間と大浴場の案内があります。

 ロビーには選べる色浴衣。

 大広間と大浴場への分岐があり、途中二階客室への階段、やがて1階客室の前を通ります。この辺りは玄関周りとは違い、昭和や平成初期のような雰囲気が漂います。

 やがて行きついた先には女湯と湯上がりコーナーがあります。自動販売機もありお値段は通常価格でした。

 女湯の隣の階段を上がると2階にある男湯へのアクセスです。

 階段を上がってくるとすぐに男湯です。

 男湯前を通って廊下の突き当りまでくると玄関へ戻る廊下が伸びています。レトロな1階に対してモダンな雰囲気で新しくも見えます。

 途中、具足の展示物があったりします。さすがに先祖代々というほどの古さはなく最近のものかとは思います。

 ぐるっと大広間の階段のところまで周回してきました。玄関に近いお部屋になると大浴場は結構遠いです。

 新しく綺麗にされていますが、客室の扉は昭和レトロ感があります。

 一般客室棟からフロントとロビーのある本館へ4段ほどの階段を下りていきます。

 フロント前の階段に行きつきました。昭和から一気に平成後期から令和にリノベーションされているようでした。この棟のお部屋もリフォームされていそうです。

 多くはない部屋数ですがとても新しい。公式HPを見ていると今風にリフォームされている感じです。

 この棟には「はなつばき」という1室だけ玄関のある部屋があり、入り口からして特別感が漂っております。

 階段を下りてくると無事フロント前に戻ってきました。

 しかし、敷地の大きさに対して客室が13部屋という贅沢な造りとなっていて、満室ではなかったのですが、他のお客さんとの接触はほとんどありませんでした。

 

お部屋

 案内して頂いたのは2階の「石楠花(しゃくなげ)」というお部屋です。お部屋に空きがあったということで温泉付きのお部屋にグレードアップして頂きました。

 間取りは本間8畳+広縁4畳程度+踏み込み3畳程度+トイレ+バス+洗面です。

 斜めに切られた上がり框の奥が本間で左手前に洗面所、トイレ、バスがあります。

 トイレは安心のシャワートイレです。最近は古い旅館でもトイレ周りだけは綺麗にされているようになってきました。

 今まで見た事のない斬新な光景です。

 昔の設置型ドライヤーの跡には、ちゃんと乾く物に置き換えられていました。

 バスは何の変哲もない普通の浴室ですが温泉が出ます。大浴場は循環されているので純粋な源泉かけ流しを楽しむには、有楽さんでは温泉付きのお部屋に泊まるか有料の貸切風呂を利用必要があります。

 今回のグレードアップは本当に嬉しいサービスです。

 洗面台には温泉分析表もきちんと置かれてありました。

 三朝温泉の源泉はとてつもなく熱い!!なので、チェックインをしたら、あらかじめ源泉を張っておきます。冷めてから源泉をゆっくりと注げば掛け流しを味わうことができます。ラドンの効果なのか湯が全然冷めなかったので難儀しました。

 改装されたのか新しい琉球畳を敷いてあります。

 流行り病以降多くなった、あらかじめ布団が敷かれたスタイルです。

 広縁はかなり広くとってあり4畳近い大きさがあります。

 広縁の冷蔵庫には鳥取県の銘品である梨ゼリーが冷やされていました。

 お茶出しは無かったのですが、こういう一手間におもてなしを感じます。

 お部屋の窓からは正面玄関の隙間を見下ろします。

 アメニティ類は男性には髭剃り、女性にはシャワーキャップ、バスタオルとフェイスタオルは1枚ずつ、広縁にあらかじめの冷水の用意、湯沸かしポット等、基本的な物は全て揃っています。

 館内には自動販売機があり温泉街にはミニスーパーもあります。ただ、夜遅くまでは営業しておらずコンビニも徒歩30分なので、日中に必要な物は買い揃えておく方がいいかと思います。

 

お風呂

 有楽さんには男女別の大浴場が1ヵ所ずつあり露天風呂がそれぞれ併設されています。加水・加温・循環濾過・消毒ありと温泉好きには寂しい湯使いではあります。源泉が温泉街保有の共同泉なので、自家源泉のように自由に使えないというのもあるのでしょう。浴場にはいると消毒臭はありますが、すぐに慣れて気にならなくなる程度です。

 大浴場の他にも貸切風呂があり、他のお宿に比べると安値で利用することができます。利用はしませんでしたが、公式HPでは1回の利用ごとに湯を張り替えるという贅沢な湯使いとなっているようです。

男湯

 男湯と女湯は若干の景色は異なりますが、おおよそ同じような造りとなっています。

 洗い場の数も宿の規模からすると申し分ない数です。

 湯口は循環湯です。やはり、湯が混ざり合う場所は消毒臭が若干気になります。

 露天風呂に出ると雰囲気の良い湯屋です。かつては露天風呂らしく開放感を楽しむため目隠しがなかったのではないかと思います。勝手な想像ながらも、昨今はいろいろとあるので、どこのお宿も絶景露天風呂の風情が失われていきます。

 足元から循環湯が噴き出しています。

 公式HPを見ていると「放流・循環」とありましたが、溢れ出しはなく捨て湯口らしき物も見当たらず。露天風呂の析出物を見ると水位も低く、かつては溢れ出していたような形跡があります。かつては源泉の投入量も多かったのかなぁ。

 翌日は1㎝ぐらい水位が高くなっているような・・・という感じでしたが、やはり溢れ出しは確認できませんでした。

女湯

 1階にある女湯の方には庭があるので、明らかに雰囲気の良さはこちら上です。

 ほぼほぼ同じ造りの浴場です。ただ、青矢印の漏れ出しが気になるところです。湯舟の縁の隙間から温泉が漏れ出しているようにも見えます。明確な湯の流れは目に見えませんが微量に放流?はされているのかも。

 露天風呂も女性側が明らかに風情があります。こちらは如実に赤矢印の所に茶褐色の析出物があります。

 露天風呂の湯口は循環湯だと思うのですが、析出物の付き方は渓流の流れのようにごてついています。

 有楽さんはお風呂に関しては女性側のほうがエンターテインメントとしては優遇されているように思います。

 脱衣室の洗面台には化粧水類などが備えてあり、冷水の用意もありました。

貸切風呂

 利用はしていないのですが貸切風呂もあります。予約の組ごとに湯を張り替えるという拘りで、大浴場の湯に満足が出来ない場合はこちらの利用がよいのではないかと思います。見た感じでは、こちらは源泉を足しながら入れそうではあります。

 いずれにしても、有楽さんで源泉を楽しむなら温泉付きのお部屋をとるのが確実だと思います。

 

お料理

 朝夕共に大広間でいただきました。旬の物を使いながらも素材の新鮮さに加え、基本のプランなのに想像を越える創作会席となっています。一品一品の盛り込みは賑やかで鮮やかな配色も素晴らしく視覚的にも楽しめる内容で、2度おいしくいただけるものとなっています。。

 献立は頂いたお品書きをもとに書いてあります。内容に関しては説明して頂いたものと、実際口にした感想を交えて記してあります。個人的な感想なのでご参考程度に見ていただければ幸いです。

夕食

 献立が達筆すぎるので一部献立の表記は異なるかもしれません。

 この文字どこかのお宿の献立でも見たことがあるのですが・・・思い出せません。有楽さんのパンフレットを見ていると、スタッフの集合写真に写っている料理長さんらしきお人。同じ三朝温泉にある大橋旅館さんの前料理長にとても似ている・・・。

 事前にテーブルに用意されているのは食前酒、先付、前菜、台物です。

 

【食前酒】:梅酒

 献立には載っていない自家製の梅酒です。酒度は感じられず、甘味は強く梅酒というよりは、煮切りワインのように仕上げてあります。そして、入れ込んだ青色の小梅は爽やかな口当たりだが濃い甘口。

 

【先付】:長芋豆腐

 こちらも献立には乗っていない一品です。先付とさせていただいたのは、長芋を卵白で寄せたような緩く淡い豆腐。長芋らしいヌルりとした滑らかな舌触りに、ほんのりと長芋の土の香りを、ジュンサイを泳がせた塩と酢が強めのカツオ出汁に浸してあります。豆腐には薬味のワサビを添え、強味のお出汁に溶くと豆腐にとても馴染みます。

 

【膳菜】:夏の旬彩

団扇進丈 西瓜小メロン 朝顔海老 もろこしチーズ 合鴨セロリ その他各種いろいろ

 さてなんとも素晴らしいわくわくする前菜です。しかし、毎度毎度のことですが、「その他各種いろいろ」はとても困ります。取り敢えず味見して確かめるしかありません。しかも季節の演出に加えギミックがある遊び心満載の前菜となっています。

 ①ウナギの押し寿司は肉厚の蒲焼で、酢飯はウナギの旨味を支えるるゆったり酸味。 ②魚肉を練って弾力のあるカマボコとし黄身を塗って焼きで仕上げてあります。なんと火鉢で焼いているそうで、焦げ黄身が白身の味を際立たせています。扇状に模してウチワを再現しているのも粋です。 ③ふわっふわっでしっとりとした濃厚卵の蒸し寄せでした。寄せというよりは甘さを感じる完全に玉子ケーキやカステラの食べ口です。 ④見た目は完全にスイカですが、スイカの果肉部分は明太子?が使用されており、皮の部分は大きくなる前の間引きメロンを使っているようです。食べれないのかと思うと、間引きメロンの皮は漬物のようにしてあり丸っと食べれます。 ⑤エグ味と臭みは除いた酢漬けのようなセロリをカモ肉で巻き上げてあります。セロリはあまりにもクセがないのでズイキかと思うほどでした。これは酒の当てにもう一口欲しくなるお品。 ⑥これが実に面白い演出で、茹で海老に素揚げした青唐をタヘとして被せてあります。海老の先に真っ赤な梅肉をつけて朝顔の蕾を演出した夏仕様の一品です。 ⑦えんどう豆のジュレ寄せです。ジュレ自体にほとんど味はなくわずかにショウガが漂い、えんどう豆を爽やかに引き立てる健やかな夏の風味。

 ⑧茹でトウモロコシかと思っていると、中心部の芯に当たる部分はチーズとトウモロコシを練り込んだ真丈になっていました。これとんでもなくないですか?真丈の生地を作ってから、ほぐしたトウモロコシの実を一個一個真丈に突きさすという超地味作業を職人さん達がしているという。この仕事・・・大橋旅館さんの前料理長さんの香りがプンプンします。    

 違ってたらごめんなさい。

 

【煮物】:松茸土瓶蒸し、白魚、若鳥、海老、三ツ葉、百合根、酢橘

 夏はまだ終わりかけというのに、松茸とはかなりの早物です。お山を保有していると自家製の物が手に入りそうですが・・・。

 松茸は1/8カット程なのに、香りはとんでもなく強く嗅覚を刺激します。ベースのお出汁はカツオですが、松茸の薫りを邪魔せず塩加減も絶妙に調えてあります。

 お出汁も遠慮なく嬉しくもたっぷりです。具材も献立にあるようにたっぷりですが、やはり松茸を前面に出すように素材の主張を抑えてあります。相方の土瓶には何故か前菜の黄身焼真丈が何故か入っていました。盛り間違いにしては・・・当たりクジ的な何かでしょうかw これにスダチを絞るとキュッと味が締まりお出汁が濃く感じられ2度違う味を楽しめます。

 

【割鮮】:湯けむり造里、そのひの水揚げ魚

 電気が消され有楽さんでもやっぱりこの演出か!!という程に、三朝温泉の他の旅館でも同様の演出がよく見られます。前回の大橋旅館さんでも同じ演出があり、「いわゆ」さんでも同じ方法での提供でした。

 三朝温泉のお宿は何故にこのスタイルが多いのか・・・有楽さんでやっとこさ判明いたしました。「いさり火で漁をする」ということに、あやかった物なんだそうですで、ドライアイスから溢れる煙は三朝温泉の湯気を表現しているのだとか。

 さて火を収めて、お造りはタイ、オニ海老、アジ、本マグロ赤身の4種盛です。どれもコリコリのプリプリで、さすがその日の水揚げと言ったものです。

 味付けは酸味控えめの自家製ぽん酢、薄口のたまり、蓼、本山葵、紅葉おろしです。つまは南瓜けん、紫蘇花。

 どれも旨いのですが、一番おいしかったのはオニ海老です。甲羅から実を外すと、ズルズルとエビ味噌まで全て出てきます。モサエビもそうですが、カニ味噌より甘く深みがあり私的にはカニ味噌より濃厚美味。身もプツッぎゅぎゅと歯応えもあり、オニエビやモサエビの特徴的なジャンキーなエビ風味に慣れると、甘エビが頼りなく想えるほどです。

 

【名物】:鳥取和牛

 献立が読めないので名物としました。

 ランクは4以上間違いのない肩やロースのようなサシの入りです。これまでと食べた鳥取和牛と同じように、脂はしっかりと乗るが脂のもたれがない不思議な和牛です。

 火が入って「バターが溶けたらお野菜から焼いて下さい」とのことで、野菜から焼き始め火力がかなり高いので、お肉も一気にダイブさせます。前述したように脂はあるが、さっぱりとした食べ口の鳥取和牛は、生に近いよりもミディアムレアが美味しくいただけるように思います。野菜に肉の脂を塗り塗りすると負けず劣らずかなり美味しくなります。

 標準の味付けはおろし黄身ポン酢です。黄身により全体がまろやかに仕上がって、野菜にも和牛にも良くマッチします。黄身をポン酢に溶いてまろやかな味変としては旨面白い。お造りで取り置いた本山葵と醤油やポン酢で合わせてもさっぱりと美味でした。

 

【温物】:夏野菜の三徳蒸し 栃餅 ふり柚子

 高座の盃のような器に盛られたのはボリューミーな茶碗蒸しです。玉子地の上には栃餅を乗せてあり、さらにカツオ餡を被せて微風味の擦り柚子と、えんどう豆を散らしてあります。ご説明を聞いていると、どうやら有楽さんの自慢の一品のようです。

 栃餅も自家製なのか、とても栃の実風味が深く香ります。「玉子地と絡めるとまろやかな味わいでいただけます」ということなのですが、栃餅は硬い粘りなのに玉子地はほろほろと砕けてしまうほどに柔く全然絡まないww

 具材はエビ、百合根、銀杏、三つ葉で、土瓶蒸しと被る具材が多い茶碗蒸しです。ただ、同じ食材であっても使い方が違うので気にならず。ここも調理法の一工夫でしょうか。

 底から出てきたのはミニトマト!!??このトマトが変わった仕事をしておりまして、トマトの酸味が広がると一気にイタリアンなオムレツのような料理になりました。しかも、火が入ってぐにゃっとなっているのではなくシャキシャキしているのも不思議です。献立の「夏野菜ってどこやねん」と思っていたので起電の発想とは正にこのことです。

 

【焼物】:茄子グラタン焼 海老 ホタテ 牛 その他

 黒塗りの変わった皿で配膳された丸ナスを器としたグラタンです。自分の知っているナスグラタンとはなんとなく様相が違います。田楽風に仕上げた同じような盛りをこれまで幾度か見てきましたが、見た目からしてとにかくシンプルではありません。

 黒い漆器皿には餡が溜まっているので不思議だなと思っていたら、グラタンを焼き上げた後に甘酢を回し掛けているようです。普通グラタン焼いた後に餡を掛けないでしょ・・・。

 そして、トッピングには刻みトマトに、極細切りの芋けんぴです。とにかく色々おかしいナスグラタンで創作性が豊かすぎて困り果て、やっぱり大橋旅館さんの前料理長でしょ!?と問いたくなります。

 濃熟クリームソースと刻みトマトに弾けるエビ、旨味が凝縮されたホタテ、牛スジを盛り込みチーズはプロセスかな。キクラゲで食感の変化も楽しみます。刻みの芋けんぴがお役立ちでクリームソースと相性が良いので混ざると甘味とコクが増します。ナスの上で海鮮クリームピッチァが展開されたようです。いやでもグラタンか?

 

【留肴】:季節の一品?

 これも献立の文字が読めず勘です。季節としたのは夏に日本海で水揚げされる白イカが連想されました。前々から食べては見たいと思いつつ、実は極新鮮な白イカを口にしたのは始めてです。

 加味はソーメンに合わせてカツオが薫る上品薄味仕立ての麺つゆです。薬味のショウガを溶いて、ソーメンのようにタップリとつゆに浸して口へ運びます。透明感のある甘味とゴリゴリの噛み心地は、噛めば噛むほどに上品な旨甘味が滲み出てきます。そして、いつまでも残る繊維感は新鮮さによるものですが、飲み込むタイミングが分からず噛めば噛む程に美味く喉に送るのが勿体ない味わいです。

 

【食事】:白米、味噌汁、香の物

 白米は北国のようなもっちり艶々というのではなく、ぱっさりホクホクという違った旨さがあります。山陰で口にするお米は同じような食感の事が多い。三朝米でしょうか。味噌汁は山陰の赤味噌のようで、あおさ海苔、豆腐の具に粉山椒で風味付してありました。香の物は大根、白菜、野沢菜です。

 

【水菓子】:抹茶プリン

 これも献立解明できず・・・。なので、実物まんまの抹茶プリンです。抹茶の真緑の色合いに、甘さをゆったり品のあるさらりとした黒蜜、豪華に蜜には金箔を浮かべてあります。

 プリンというにはババロアのようなムース地は、抹茶の豊潤なほろ苦さだけがあり単体では食べにくい。しかし、底には玉子と合わせたようなプリン地も敷いた2層となっており、プリン地と黒蜜を合わせると一体感のある京菓子に豹変します。ただ、抹茶がかなり強かったのでプリン地が押されている感はあります。むしろそれを楽しむ菓子のような気もします。

朝食

 夕食と同じテーブル席での案内です。最初からほとんどの献立は配膳されていました。五徳の湯豆腐は席についてから火を入れてもらいます。

・オレンジジュース

・キャベツ、レッドキャベツ、水菜、貝割、トマト、ポテトサラダ、シーサーサラダドレッシング

・メカブと紫蘇花和え

・蟹身と豆のちくわ

・紅鮭塩焼き

・出汁巻き玉子

・牛スジの煮込み

・イカ素麺 本山葵

・焼海苔

・湯豆腐 水菜 白葱

・白米 蜆の味噌汁 香の物

 夕食からするとかなりシンプル。地物のお取り寄せから手作りの品々で構成されたバランスのよい献立となっています。 メカブの珍味はシソの香りが高くこれは酒が恋しくなります。 山陰、近畿の日本海側に来ると朝ごはんに必ず並ぶ豆腐ちくわ。 巻き簀で丁寧に締めた出汁巻きは層状になっており出汁が少ないタイプでしょうか。こちらは温かく巻き立ての配膳です。 牛スジはピリリと唐辛子のような辛味の万願寺とナスと一緒煮込んで少量美味で朝からの贅の白米のお供です。 夕食は白イカ、朝食はたぶんスルメイカのソーメンのようで、歯切れがよく醤油をそのまま掛けていただきます。 湯豆腐は絹というよりは荒さが残る大豆が豊潤な手作り様で、大きさも朝食には丁度良くポン酢に浸していただきます。 お隣の宍道湖産でしょうか。10粒たっぷりのシジミが入った山陰の白味噌椀は胃にやさしくお腹が満たされました。

 

まとめ

 大浴場はどうやら完全な循環式もしくは、女性風呂をみているとわずかながらに源泉の投入があるのかないのか。ただ、温泉に関して言えることは、お湯にこだわるなら源泉風呂付のお部屋をお勧めします。プランは温泉風呂付でない予約だったので本当に有難いご配慮でした。ただ、ユニットバスのようなお風呂なので風情はなく単純に湯を楽しみました。

 有楽さんの最もたる注目点は料理です。先付や前菜から始まる演出と悩ましい調理、外さない季節名物である白イカ、創作性の高い茶碗蒸しやグラタンは若者の胃袋にも満足、肉料理の鳥取牛もA4,A5ランクの良い物を使っておられると思います。口コミでも夕食の評価が高くあるのは頷けます。

 私的には盛り・飾り・構成が、同三朝温泉にある大橋旅館さんの前料理長さんの趣向にしか思えない・・とだけ付記しておいきたい。

 総合的には普通の旅館ステイだが料理は特級で、次はグレードアップの会席とやはり温泉付きの部屋で再訪したいと思わされました。

宿泊料金

 どこを重きに置くかというと難しい旅館です。風呂というと大浴場は頼りないが、お部屋に温泉があると頼もしい。料理は値段から間違いの無い物を提供してもらったのは確かです。どこに比重を置くかに依りますが、源泉風呂があるお部屋で創作性の高い料理+定番の地物料理を定価39000円だと安すぎるに尽きるかと思います。三朝温泉の地域クーポンでの宿泊です。

宿泊日:2021/晩夏

旅行サイト:楽天トラベル

プラン:【基本会席】季節の旬食材を使用した創作会席!!

部屋のタイプ:【和室モダン客室】本間8畳 禁煙

合計料金:39600円(2人)

クーポン:7000円

支払い料金:32600円

加算ポイント:320p

三朝温泉 かがり火の宿 有楽 宿泊予約

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