いい温泉宿、おいしい料理宿

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再び訪れたいお宿探訪と趣味のブログ

三朝館【鳥取県 三朝温泉】~多彩な浴場は全て自家源泉かけ流しの心底温まる三朝のラジウム泉、大型旅館とは思えない丁寧接客と手仕込みの地物料理は予想外のおもてなし~

 開湯八百五十年の三朝温泉は世界規模においても、稀な程にラジウムの含有量が多い温泉が湧出しています。しかも、湧出深度は浅く数メートル掘れば温泉が湧き出すと言われています。これまで訪れた三朝温泉の他旅館さんでも、足元自然湧出の浴槽は地下3メートル以内で熱々の湯が湧き出しています。三朝館さんは足元湧出の浴槽はないですが、大露天風呂では超絶かけ流されていて、三朝温泉街では湯量は半端のないお宿ではないかと思います。

※内容は宿泊した当時の内容となっていますのでご参照程度に。最新の情報は各々でご確認下さい。

 三朝館さんに訪れる前にちょっとしたハイキングをしてきました。その記録もよろしければどうぞ。

旅情

 三朝館さんは西側の温泉街入り口に位置し、足湯がある三徳川に掛かる橋の目の前にあります。端から温泉街を散策するには好立地です。

 チェックイン前にはすでにドアマンの方が待機していました。車寄せに停めると荷物をお願いする一方で、車は流行り病があったので建物裏手にある駐車場までセルフで駐車します。

 玄関自動ドアを抜けると外履きから内履きに履き替えます。三朝館さん規模のお宿だとホテルスタイルが多く履き替えは少ないですが、以前からなのか流行り病のせいなのか外履き内履きを使い分けておられました。

 玄関内戸に入るとロビーが目に入りいます。チェックインした時はスタッフの方々が並んで、「いらっしゃいませ」をしてくれる、今時珍しいマンパワーが贅沢なお出迎えです。何度か三朝温泉ではお世話になっていますが、いつきても三朝館さんと万翠楼さんの玄関にはお出迎えの人が常にいる印象。

 玄関入って左手にあるフロントでまず記帳し、女性は色浴衣が選びます。

 フロントで記帳後は、すぐ横にある「伽羅」というギャラリー手前に置いてある赤い番傘のある色浴衣コーナーへ。

 男性は残念ながら色浴衣はありません。華やかな彩の物が多くありました。

 ギャラリー内はオープンタイプの茶室してあり、陶磁器の展示などがありました。

 ギャラリーとフロントの間には「スコッチ」というクラブと、地下にはゲームコーナーがそれぞれあります。訪れた時は感染予防で休止中でした。

 一旦、ロビーに戻ります。ロビーはとんでもなく広くとられており、中庭はすべてガラス張りにしてあり開放感が素晴らしい。逆光がまぶし過ぎる・・・。

 訪れた時には桜が終わっていました、ロビーの全ての窓ガラスからはこのような景色がずっと続いています。

 ここで今更見取り図ですが、本館の1階と2階はお食事処、浴場、宴会場、フロントロビースペースでそれより上に客室があるようです。実際には他には棟がありますので後程。

 ロビー隣にはラウンジのようなカウンター喫茶スペースと、右廊下を進むと能舞台や披露宴などを催す大広間。画像右手には売店があります。

 カウンターのラウンジスペースは時代を感じる平成初期感の雰囲気があります。

 売店は郷土の物から、お高めの装飾品、菓子類のお土産など全てが揃っています。温泉街にはお土産屋さんがほとんどないので、ありがたい品揃えかと思います。

 売店前には二階への階段があります。これを上がってみます。

 階段を折り返して二階へ上がります。紫色の絨毯は張り替えたばかりなのかとても綺麗に映えます。平成の時代を感じるが清掃は抜かりがありません。

 階段を上がり切るとラウンジカウンターを見下ろす枯山水の一画。

 上がってきて振り返ると右には赤絨毯の中広間があります。

 赤提灯が吊るされ時代を感じます。青年期の頃、連れていかれたお宿の様相が、こんな感じだったように憶えています。ですが、赤絨毯は新しく古き良き宴会場で今にも騒ぎ声と共に宴会が始まりそうです。

 お世話になった時はご時世柄、やはり少人数の個室での用意です。インバウンドが再開されるとどうか?ですが、日本人お個人旅行はこういうスタイルが多くなっていくような気もします。お料理の写真が気兼ねなく撮れますw

 さらに奥に行くと大広間スペースがあり、「宴」とあるレストランは複数グループの利用でしたが、「錦」の扉を覗かせてもらったら5,6人に50畳ぐらいのスペース・・・。流行り病が落ち着けば団体客も入るかもしれないが、個人客の収容の舵取りが難しいだろうなぁ。

 さてさて、再び階段を上がって来たところへ戻ります。階段の袂には中庭をぐるりと取り囲むように廊下があり、先には離れ客室と個室のお食事処があります。赤矢印がお食事処と離れへの道標です。

 先ほどの階段袂の赤矢印を進むと、右手には後程登場するマッサージチェアがある湯上がり処を見ます。

 右手には絨毯が敷かれた客室への暖簾。左手は中庭を取り囲むようにあつらえたお食事処への框があります。

 暖簾の奥は恐らく離れの特別室かと思われます。2階建てとなっていて客室に温泉風呂が付いているようです。

 お食事処へは框を上がり中庭を眺めて廊下を進んで行きます。

 途中このような中庭の説明板もあります。

 中庭をぐるっと回る渡り廊下のような個室のお食事処へ延々と廊下が付いています。この間は空調はなく外気を感じ、往訪した初夏には寒気を感じました。夏は暑気があるのかと。

 橋を渡ると琵琶棚のような飾り棚には生花と陶器の飾りで待合所のような雰囲気です。

 20部屋はない程の個室のお食事処があります。離れや特別室の食事処なのかなと思います。2人からの対応を主軸に、中広間の広さも備えてあるようです。

 夕食はこちらで頂戴したのですが、客数が少ないグループへの半個室or個室のプライベートスペースのお食事処なのかなと思います。

 個室のお食事処の裏手には10人ぐらいまでのグループ用の中広間もあります。

 一度ロビーに戻って浴場方面へ向かいます。今では珍しい館内に川が流れている光景。バブリーです。

 奥に進むとマッサージチェアとやや割高の自動販売機があります。橋の先はどうやらエステのようです。

 エステの櫓を取り囲むように川沿いに廊下が付いています。枯山水にせず水を循環しているかと思うので維持が大変そう・・・自然水の水路を招き入れているのならそれはそれで凄い。

 エステのある廊下を抜けて赤矢印からやってきました。ここで館内履きからBearFootの素足で参ります。この湯上がり処は日帰り客にも対応しているのか、軽食やビールなども楽しめるようです。訪れた時は飲み物だけの提供のようでした。青矢印は足湯と大浴場、黄矢印が貸切風呂、飲泉への出口です。

 湯上がり処には黒豆茶のサービスがあります。三朝の湯はあつ湯です。のどが渇き冷たい茶は何杯でも飲めてしまう。ただ黒豆茶は気をつけなければならないのが、飲み過ぎると人に依ってはお腹が下りますのでご注意。分かっていても香ばしい黒豆茶を飲み過ぎてしまう・・・。

 湯上がり処から2画像前の黄色矢印から外に出ると飲泉所があります。三朝温泉では源泉かけ流しであれば、宿や湧出所では口にできる程、新鮮なお湯を味わえます。ゴクリとしっかりと飲み干すと、まろやかな塩味に柔らかい水質。硫黄泉のようなガッツリとした物ではなく、三朝温泉は放射線によるポカポカ効果が魅力です。

 飲泉所横を見ると貸切風呂の「心禅の湯」への入り口があります。

 4つ前の画像の青矢印からは大浴場への廊下が付いています。浴場へ向かうオレンジ矢印には足湯もあります。

 足湯用のタオルもちゃんと用意されてありました。しかし・・・大浴場前にある足湯とは如何に?ここまできたら浴場に向かいそうな物ですが、敢えて全身浴でなく夜気などを楽しみながら、湯上がり処で購入した生ビールをやりながら足を温めるのも悦なのかも。

 庭の湯へ向かう長い廊下はお風呂へ向かうというより離れへといった雰囲気です。

 途中、廊下は川を渡るのですが、奥に滝が見え何やら湯気が上がっていますな・・・。あの滝はどうやら温泉のようで、庭の湯からの捨て湯はこの足元の川に放流されていました。贅沢にも溢れ出たというよりは、この川を造るために、わざわざ温泉を流し込んでいるのでは?という贅沢さ。

 

お部屋

 案内して頂いたのは515号室です。扉には刺繍が施されたゴージャス感。

 お部屋の前にはミニ枯山水の小庭付です。普段絶対にお泊りしないであろう大型旅館の1室だけの特別室です。離れの棟ができるまでは三朝館では最も格のあるお部屋だったのか。

 扉を入ると右和室は本間で、御影石の左脇はトンボでならされています。トンボは聞きなれない方もいるかもしれない。トンボ、枯山水でググってみて下さい。

 一部屋にここまでするかという手の入れよう。

 御影石の渡り廊下を行くと水屋と紫の絨毯が敷かれた応接間が見えてきます。

 トイレは最新式で向かいには洗面所もあります。

 奥にはレトロなタイルの浴室もありますが、こちらは白湯で温泉ではありません。

 浴室前の洗面所には、アメニティ類が不足なく用意されています。

 トイレと浴室から紫の絨毯を上がると・・・ん~~~昭和&平成の豪華応接間といったお部屋です。古き良きといった感じですが清掃はしっかりと抜かりなく埃の1つもありません。いずれはリフォームされて新しくなるんだろうなぁという鄙びを感じます。

 レトロっぽい時計はご年配の方のお家にお邪魔すると見るようなお品です。

 最新式の足まで揉んでくれるマッサージチェア。どれだけ高くとも、腰下部、臀部、大腿部上部を揉んでくれるマッサージチェアが開発されないのはなぜか・・・。

 この特別室は少々間取りが変わっていて、すでに色々とリフォームが繰り返されたのかなという所がちらほら。本間の和室の間には何故か板間の不思議な空間があります。

 応接間と本間の板間には茶棚のような物がおいてありますが、装飾だけで中身は空っぽです。

 茶棚の反対側を見ると、飾り棚のような物があり応接間と隔たりがない開通した部分もあります。この板の間はかつては無かったのでしょう。二間の和室で2世帯での利用とかできるようにしてあったのかと勝手に想像してみる。

 本間は11畳とかなりの大きさです。コンパクトな方が性に合っているので、広さの贅沢さを使い切れないず居場所に困惑しますw

 反対側を見ると吊り箪笥に右には玄関口の扉があります。

 床には生花が活けられ、花弁から察するに菊と桜の仲間、に吾亦紅だろうか。

 本間和室の欄間にはカエデの彫刻がありました。葉のギザギザ加減がやけに細かい。

 窓からの景色はまずまずで、2021年にお世話になった文化財の旅館大橋さんが見えます。 良ければその時の記事も興味があればどうぞ。

 反対側は山桜が盛りの良景が広がります。三朝館さんの目の前にある、三徳川に掛かる橋にある足湯も見えます。

 特別室なのにお茶出しはなく・・・通常であればウェルカム茶のもありそうですが、訪れた時は感染症対策のためかお茶出しはありませんでした。茶請けに現地の土産菓子が2点。お風呂の用意にはフェイスタオルとバスタオルが2枚ずつ。浴衣はサイズによって選べるように桐の箪笥にそれぞれ用意がありました。女性のアメニティにはPOLAの使い切りのクレンジングや化粧水がありました。

 冷水はあらかじめの用意、冷蔵庫内は有料のドリンク、お茶セットも入れ替えは無く2セットを最初から用意されていました。

 温泉街には24時間ではないですが酒屋兼の商店が1つ、コンビニまでは徒歩だと30分、車だと10分圏内にあります。必要な物は色々と遠く何かと必要な物があれば事前の用意をお勧めします。

 

お風呂

 三朝館さんには趣きの異なる2種の大浴場と、これまた趣向の違う貸切風呂が2つあります。三朝温泉の湧出深度は浅くどこの旅館に泊まっても、「あつ湯」の源泉が多く、三朝館さんの源泉も温度は高温で、季節によっては加水もしているようですが、原則温泉好きには有難い源泉かけ流しとなっています。湯感はツルツルとした美肌湯に微塩味を呈し、ナトリウム-塩化物泉となっていますが、湯上がりはしっとりの後にカサッと脂をもっていかれるので、化粧水必須かと。何がというとやはり三朝温泉の醍醐味はラジウム泉による放射線の温まりと保温力です。三朝の湯は季節に問わずいつ来ても、汗だくになるぐらいの湯上がりでデトックス効果を強く感じます。

滝の湯

 傘天井になっている高さのある浴場は綺麗にされています。大規模旅館によくある大浴場の消毒臭は全く感じません。独特の臭いは放射能泉によるものか。放射能泉には匂いはないとされますが特有の香りがあるように思います。

 客室数はかなり多いですが、洗い場は一杯になることはなく、湯舟も大きく他のお客さんがそれなりに入ってきても気になるようなことはありませんでした。

 10人入っても気兼ねの無い大きさの湯舟が源泉かけ流しです。

 内湯のかけ流し口は左画像の様な噴出口が2つあります。ゴテゴテに張り付いた析出物は源泉量の多さを物語っています。右画像の噴き出し口からも勢いよく湯が出ており、さすがに循環のように感じますが、吸い込み口らしい物はなく循環はないということなのでこれも源泉か。ただ、湯舟のお湯は塩素の臭いが若干感じられ・・・ん~~~湯舟を掃除した時に残った臭いかも。翌日には臭いは無くなっていました。

 内湯から露天風呂へ出ると正面に通路、右手に石造りの階段がついています。

 湯舟のある石造りの階段に向かいます。何というゴージャスな湯殿だろうか、これは手入れが大変そうです。

 階段を降り切って振り返ると石造りの露天湯舟は6,7人だと余裕の大きさ。

 石組み縁からは滔々と溢れ出す湯は源泉そのもので淀みはありません。

 何処から持ってきたのか、とんでもない大きさの岩を組み滝と成す注ぎ口です。この滝の湯は全て温泉でとんでもない源泉量です。

 屋根のある湯殿には檜?の湯舟は見た目はオーバーフローはないが、木組みの間から漏れ出ていました。湯舟は奥が小さく、手前が大きい。源泉の投入量も調整されているようで、奥が「極ぬる湯」、手前が「ぬる湯」になっていました。温度分けにされた浴槽から三朝館さんは温泉好きの心をしっかりと掴んでおられる。一方で入ると何故か反対側の湯舟からもザザーーーと溢れる音が・・・出ると反対側の水位が上がるという不思議な現象がありました。この2つの湯舟同士が繋がっているのでしょうか? 

 ぬる湯浴槽からの立体感のある眺めも壮観です。

 逆に石造りの露天から湯殿側を眺めても、その湯殿の造りは素晴らしく殿様気分になります。

 さて、余談も余談ですが露天風呂へ出た際に見た、赤矢印の階段へと向かってみます。

 岩露天のお風呂を回り込むように廊下が付いています。かなり新しく見える。

 湯殿裏の建物に入ったと思いきや階段があります。廊下をさらに進むと・・・

 廊下の先には舞台のような湯殿の裏側にでました。まるで能舞台のような役者の入り口的な廊下です。石の階段は冬は凍結したりするのでその配慮かな。

 さらに余談ですが、アメニティ類はぬかりなく、男性用と女性用に使い分けされたアメニティの用意がありました。流行り病がなければタオルの用意もあったかもしれません。

庭の湯

 庭の湯の内湯も同じような造りではありますが、異なる情景を演出してあります。こちらの天井は、よりモダンな感じの傘天井。「滝の湯」と同じ程度に洗い場が設けてあります。

 滝の湯とは違う形状の内湯ですが、湯使いは変わりなく源泉かけ流し。トロトロと溢れ出す湯の音が響きます。

 湯口は一か所で、がっつりごってりと析出物が付いていますが、そこまでは多くない湯量です。溢れ出しの湯量からすると、湯舟の他の所からお湯の入れ込みがあるのかもしれません。

 露天風呂へ出ると手前に甕の浴槽4つと、露天風呂が見えます。

 源泉の投入量はさほど多くはありません。何年前だろうか日帰りで訪れた際はこの甕のお風呂は、酸味があり酸性泉やレモンのような季節風呂と思いましたが、今回は普通の塩味のラジウム泉。

 陶器の甕のお風呂の横には大浴場に落ちる打たせ湯があります。

 露天風呂は滝の湯よりも大きく見え、空も大きくとられて開放的です。

 他にも湯口があるのかもしれませんが、顕著に分かるのはこの湯口だけでした。滝の湯に比べると湯量は少ないので湯温も低く入りやすく長湯ができます。

 捨て湯口の向こうには、歩いてきた廊下から見えていた滝が見えました。私的にはこちらの大浴場のほうがゆっくりと入れました。

 庭の湯にはもう1つ湯船があります。檜と思わしき湯船は女性タイムではバラ風呂になるようです。男性タイムはイベントはなく、他の湯船に比べるとやや地味な場所にあります。

 湯船の大きさに対する源泉の注ぎはなかなかの量です。

貸切風呂 神禅の湯

 貸切風呂は奥が大露天の「神禅の湯」、右の扉は小さな檜の「玉湯楽」となっています。1回無料で貸切風呂が利用できるプランだったので大露天をチョイスしました。温泉分析表を見ていると大浴場と同じ混合泉を使用していますが、分析表の中身が少し異なっていました。

 石畳みを進むと・・・「!!?」何ですかとんでもない大きさの貸し切り露天は!?

 何という開放感で植木の手入れも良くしてあり風情の詰まった情景に癒されます。

 貸切風呂で一体何人入るんですがという大きさで、かつては貸切風呂ではなく共同の露天風呂だったのではないでしょうか。浴槽内は2段になっており、手前は浅く寝湯のように入れます。

 振り返ると本館の建物が見えます。客室からは見えないように工夫されてあるようでしたが、気になる方はもしかしたら「玉湯楽」の方を選ぶかもしれませんね。脱衣所にも隔たりがありません。この空の広さなので寝湯は最高です。開放的な入浴を楽しむなら「神禅の湯」一択でしょう。

 湯船の奥に注ぎ口がありました。目にも贅沢なほど源泉が注ぎ込まれて、湯船を構成する岩にはゴツゴツの析出物が付いています。他の浴場と同じく湯口付近はかなり熱い。

 脱衣所の隣にはシャワーブースもあり、貸切風呂だけでも入浴と洗髪洗体ができるようになっています。

 

お料理

 夕食は料亭街「宵待茶屋」の個室でいただきました。朝はコンベンションホールの「平安」での用意です。泊まったのが特別室だったからか、もともと献立の内容がそうだったのかは不明です。大型旅館なので正直なところ内容に関しては期待度は低かったのは事実。しかし、どれもこれも素晴らしい新鮮素材を使い、高級素材を中心とした良い物を出していただいたというのが感想です。

 献立は頂いたお品書きをもとに書いてあります。内容に関しては説明して頂いたものと、実際口にした感想を交えて記してあります。個人的な感想なのでご参考程度に見ていただければ幸いです。

夕食

 個室に入るとテーブルには乾燥と埃避けに覆いが掛けてありました。

 最初の配膳は、食前酒、前菜、台の物、強肴、お造り、冷やし鉢とほとんどの料理が出揃っていて、温かい物は後に配されます。

【食前酒】:梨ワイン 鳥取県産二十世紀梨100%

 酒度はほとんど感じられず煮切ってあるのか、三朝館さんの所で合せてあるのか、梨とワインの風味を楽しむための甘さ控え目大人味。

 

【前菜】:烏賊の沖漬け、季節のお寿司、あご焼き板、大山鶏の香草焼き、長芋とがごめ昆布の和え物、豚角奉書巻き、百合根包み、他

 前菜は実際には献立と若干内容が異なりました。

 左から。こちらも献立にある「あごの焼き板」です。ぐもぐもとしたしっかりとした噛み心地に濃ゆい味のカマボコ。 山形県の「のし梅」ならぬ、桜バージョンの「のし桜」でサクラ餡を包み込んだ茶菓子のような春の一品。 大山鶏はどこで食べても味が濃くシルキーな舌触り。バジル?の風味を加え塩は浅く。オレンジの彩りと移り香。

 「長芋とがごめ昆布の和え物」は献立のまま。ガゴメ昆布とは籠の目調の模様があることからその名前があるようで、ヌメリ成分が濃いのだとか、さらにオクラの粘りを加えて、緩い酢物のに仕立てシジミの佃煮を添え付けて。 春旬のホタルイカを旨口の醤油で漬け込んだコリプリの触感。

 季節のお寿司は高菜です。旬青味の高菜を混ぜ込んだ微酸味の酢飯には、さらに高菜を巻き上げて高菜尽くし。 桜餅には塩漬けの桜葉を巻き、中は粒あんで絶妙な塩加減が甘味を引き出します。はんごろしの餅も歯切れは良いのにもっちもち。 マグロ大根砧巻き(きぬたまき)だと思います。大根でマグロを包みこんでから甘醤油に炊き上げて、菜花のあしらい。

 

【お造り】:隠岐の島栄螺、鰤、鮪、甘海老、サーモン ~地元醸造本舗のたまり醤油で~

 新鮮しかない日本海の海の幸は下地に氷を敷いて冷たく保温されています。栄螺は生け簀から揚げたてのようで、サザエがコクコリコリ噛めば噛むほどにうま味が濃い。 マグロは活かっており肉厚の本マグロは赤身が濃厚です。 そろそろ旬が終わりの寒ブリの身の締まりはゴリゴリとしながらも脂の乗りはまさにトロ。新鮮で脂の加減が最高なので切り口は照り照りと輝いています。 サーモンが謎の一品。どちらかというと淡水サーモンのよう。いわゆるトロリとした身ではなく、ゴリュという抵抗感のある歯応えがあり紅身は爽やか。近い味では飛騨サーモンや信州サーモンのようで海の物とは違うマス? 味付けのたまり醤油は山陰で良く見る、出汁醤油の「うまくち」だが甘味加減とトロッとして造りに絡みます。つまと薬味は大葉、大根けん、金魚草、三朝館射抜き昆布、山葵。

 

【冷し鉢】:山海の幸の盛り合わせ 鳥取県産ねばりっこ、南瓜、トマト、蛸、特製ジュレ添え

 春なのに完全に初夏の鉢が配せれました。蛸はとても上品に醤油と砂糖で炊き上げて、南瓜はホクッとした感触を残しつつとても甘い。トマトは湯剥きにしてこちらも甘味が強く噛むとトマトのジュースが溢れてきました。ねばりっことはヤマイモの仲間で、ヤマイモのシャクとした触感ではなく軽く火を入れてあるのか、ふかしたジャガイモと生のヤマイモの間をとったような食べ口。特製とあるジュレはカツオのようだが、鳥取県といえばやはり飛魚(アゴ)かも。これに加味の酢橘の香りが混ざると完全に夏の予感しかありません。

 

【焼き物】:日本海産ノドグロの柚庵焼き

 白身なのにトロ脂しかないノドグロの柚庵焼きは、旨汁が溢れ乗せられた杉板に滲み出てきています。さらに箸を入れると脂が滴り出てきます。柚庵の漬け地はなんでしょうか。ノドグロ脂自体の甘味が強いのですが、酒の甘味が強く醤油は控えて、みりんを多く使っているように思えます。こちらは熱々で配してくれます。付け添えはオクラ、ヤマイモをカツオ節と梅を合わせて漬け込んだ山海漬け、酢橘の香り。

 オクラは開くと中に春の訪れ「とうもろこし真丈」を入れ込んでありました。ん~芸が細かい。オクラはワタを抜いてから真丈地を入れて蒸しあげた物かと。

 

【強肴】:鳥取和牛の陶板焼き

 かつては全国NO1の和牛に輝いたことのある鳥取牛のミニステーキです。サシの入り方はとても食をそそる見た目です。部位は脂が多い肩ロースな感じです。

 盛り付けのまま火を入れると硬くなりすぎたり、ムラができるのでお野菜の上に切り身を避難させながら一枚一枚好みの加減に焼き上げていきます。脂の出加減は優しく、見た目以上に赤身の締める割合が多い。相方のは脂がジュルジュルと出て付け添えのナスが素揚げされるほどでしたww 同じ部位でも何処に依るかによって脂加減は変わります。お野菜は赤黄のパプリカ、グラッセ人参、ナス、インゲン、エリンギ。

 ウェルダンで三朝館特製ステーキソース、ミディアムレアで山葵紅塩、レアでお造りの加味だった「たまり醤油」でそれぞれいただきました。吟味の結果、三朝館さん鳥取牛は火を良く入れて、ニンニクとタマネギの甘味が出た、ポン酢風の三朝館ステーキソースが最も美味しかったです。

 

【台の物】:鳥取和牛のとろたますき焼き ~地元養鶏場の新鮮卵と長芋とろろと共に~

 鳥取牛のもう一品はすき焼です。ステーキ肉よりも脂身の分布が広いお肉。

 火を入れていただいて、白菜、白ネギ、春菊、桜花人参、エノキ、原木椎茸、豆腐のお野菜類を入れ込み沸き立つのを待ちます。

 和牛は一枚と少ないがお相撲さんの手のひらサイズ。脂の付き具合からするとサーロインか肩ロース。

 割り下は砂糖を一切使っていないそうです。なのに甘さが相当な甘さがありこってりとしています。酒を煮詰めたのか飴を使ったのか・・・。三朝館さんのお料理はお醤油の具合が不思議で、醤油は強くなくねっとりとした「お酒の甘さ」「みりん」が強いように思えます。

 味付けの「とろたま」は擦ったヤマイモトロロと黄身を混ぜ合わせた物です。この加味もまるで甘さを感じない品のあるミルクセーキのような味わい。お肉に軽く火が通ると「とろたま」に絡ませ潜らせると絶品のまろやかさ。こちらもどちらかというと半生と火をしっかり入れて食べましたが、しっかりと火を入れたほうが美味しく感じました。

 

【蒸し物】:今市たまごの茶碗蒸し

 鳥取県今市のプルンプルン黄身が濃厚な贅沢卵。椀の蓋を開けると蟹風味がまず鼻を衝いて卵の甘味が後から漂ってきます。お出汁はそこまでひたひたではないが、玉子地はまろっとしており、口に運ぶとシルキーな舌触りと卵味が濃厚で、まるで蟹プリンです。具材はカニ以外に百合根、銀杏、椎茸と定番に。正直なところカニと卵の存在感が強く、ある意味上品でないが、蟹と卵を食べてろよ!!と主張しており、嫌いではなくただ美味しい。椎茸は別に甘醤油に味付けしてあるのかという手の込み様。

 

【油物】:海老の天婦羅 胡麻豆腐あられ揚げ ~世界最古のヒマラヤ岩塩で~

 エビを食べているときは普通の天婦羅だなと思いつつ・・・次に手を付けたのが海老天の枕に盛られたゴボウ。食べて驚きゴボウは含め煮にして下味が付いてあるという手の入れ様です。味付けには岩塩。

 さらにピンクのあられ着物の衣に包まれたゴマ豆腐に箸を着けると何とも楽しい変わり揚げ。揚げられたゴマ豆腐はもっちりとした弾みがあり、衣はエビを練り込んだ「あられ」のようで甲殻香ばしい。もちっとした柔らかさと、カリサクッとした「あられ」の触感の対比も楽しい。これは岩塩の加味はいらず風味だけで食べてしまいました。

 

 炊き込みご飯とあったので、釜飯が来るのか、お茶碗に盛ってくるのかと想像していたら御櫃できました。蓋を開けるとカニとおお揚げのガッツリ香味の蟹飯です。少ないと言われるより多いと言われるほうが良いのは分かりますが、沢山の具材と共に一括して焚き上げて御櫃でというのも贅沢。

【お食事】:季節の炊き込みご飯 ~三朝コシヒカリ特選米~

【留椀】:地元味噌 ~白壁の町ヒシクラ味噌~

【香の物】:ヒシクラ味噌漬大根、芝漬け、高菜漬け

 旬終わりに近いカニ飯は少し柔めの炊き込みです。 止椀には、お隣の倉吉市にあるヒシクラさんの味噌を使ったものです。醤油なども扱っている蔵元さんのようです。赤出汁は京赤味噌のようだが、とにかくまろやかではあるが、ほろ渋み苦さがあり山陰の味噌らしくもあります。焼きナスとあおさ海苔を入れ込み磯と焼きの香ばしさが絶品。香の物も地元産の物でしょうか。大根味噌漬けは売店に売っていたものかな。お酒にとにかく合います。

 

【甘味】季節のデザート

 季節のデザートは春の初物と思われる酢橘ゼリーです。イチゴの切り口放物線が華やかさに、生クリームと昭和懐かしいカラフルチョコの彩り。鳥取県でスダチ獲れるのかと聞いてみたところ、やはり県内にはスダチ農家はなく、徳島県の名産お取り寄せだそうです。このゼリーは正直なところ生クリームはイチゴと食して、ゼリーには付けずに食べる方が美味しかった。柑橘の酸味と苦味は除き甘さもほとんど加えず、透き通る爽やかなスダチの風味だけをゼリーにしてあり、余計な味付けがないシンプルな中に品のある好きな味です。

朝食

 2階にある朝食会場である「平安」でのバイキングとなっています。パックや冷凍もあれば、手作り感のある混合の朝食です。このへんは大型旅館らしい朝食で好みにも依ります。

 朝食会場は衝立に分けた個別ブースとなっています。

 大型旅館のバイキングにしてはなかなかの品揃えで、海傍の郷土感のある物も口にすることが出来ます。めかぶと納豆のパック、飛魚ちくわ、酒の当てのような、山葵海苔やイカの麹漬けなど。

 職人さんが巻く、焼き立ての出汁巻きコーナーのライブキッチンも。

 サラダ類の種類は多くありませんが生野菜の用意もあります。

 春巻き、ナポリタン、ししゃも、シュウマイ4種。

 ドリンクには地物お大山牛乳やオレンジジュース、コーヒー等々。

 パン派のためにクロワッサンなどのパン3種。

【実食】

 取り敢えず目に見える物を全て持って行きます。

 全てを口にしたい卑しさがりますが、とにかく品数が多く全ては憶えていない。

・出汁巻き ・南京煮物 ・ざる豆腐 ・鶏唐揚げ ・きんぴらゴボウ ・里芋と筍煮 

・サラダ一式 ・山芋トロロ? ・鶏ほぐし煮 ・ほうれん草胡麻和え

・海藻寒天寄せ摺り生姜 ・ナス揚げびたし

・茹でウィンナー、スクランブルエッグ ・麻婆豆腐 ・春巻き ・ナポリタンパスタ

・シュウマイ4種 ・ししゃも ・塩辛? ・岩海苔 ・たらこ ・めかぶ 

・飛魚ちくわ ・納豆 ・オレンジジュース ・白バラ牛乳

・フレーク類、ヨーグルト ・鳥取牛カレー ・しじみの味噌汁

・フルーツポンチ ・香の物、砂丘ラッキョ ・白米

・コーヒー ・ほうじ茶 ・コーヒーゼリー

 全て食べてみたかったのですが、とにかく種類が多く全ての実食は困難でした。大型旅館のバイキングらしくも、冷凍や取り寄せの物もありますが、粘りが強い海藻の寄せなどの郷土の物もあったりします。手作り感がある奴豆腐、ナス揚げ浸し、お出汁が沁み出すような手巻きの出汁巻きパフォーマンスで本物がいただけます。朝からの鳥取牛のカレーがやはり美味かったです。このカレーをパンに浸しても、白米に掛けても。最後に白バラ牛乳を浸したコーヒーゼリーをいただきました。

 

まとめ

 三朝館さんは大型旅館でも大衆から高級までというイメージです。大型旅館でBIGスケールの大浴場のすべてが、湯量豊富な源泉かけ流しというのも凄く珍しい。料理はプランに依存するのか、そういう会席料理としてあるのかは不明ですが、お値段に負けない内容で豪華な食材とちょっとした手の込み様は大変満足のいくものでした。ただ、宿泊した特別室は特別感はなく、ただ広いお部屋に泊まったという感じです。宿泊料金からすると冷蔵庫内ぐらいはフリードリンクでもいいのではといったところです。他のプランでの口コミも悪くないようで、料金相応にバランスよく満足できるのではないかと思います。

宿泊料金 

 各セールには積極的に参加されているお宿で、何も考えず最安プランを狙うなら、それぞれのセール時の予約がお得に泊まれるのではないかと思います。今回の宿泊は楽天スーパーDEALの40%ポイント還元に加え、5の付く日クーポンを使った最安値ではないかと。ポイントが返ってくるのが分かっているので、手持ちのポイントを利用しました。これまで見た中では、楽天のスーパーセール時期を狙うのが手軽に安くお部屋を抑えれそうです。

宿泊日:2021/初春

旅行サイト:楽天トラベル

プラン:【楽天スーパーDEAL】1日1組の特別室&肉質日本一の鳥取和牛を味わう【貸切露天風呂付】

部屋タイプ:和室10畳+リビング

合計料金:64900円(2人)

5の付く日クーポン:7245円

ポイント利用:15000p

支払い料金:42655円

加算ポイント:23062p(スーパーDEAL40%還元)