初春や初夏には高山は雪が残りスキーにも不十分で登山初心者にはつらい季節です。西南は初夏に近いと雪はなく、シンボルになる山を眺める低山の楽しみを再発見することができます。
三平山は漢字からすると「さんぺいさん」と呼びたくなります。実の読み方は「みひらやま」です。この山を選んだのには理由があり、百名山の大山を臨み、昨年登った蒜山と、その高原を一望できるという山陰でも取り分け豪華景色が拝めるというのです。全国的にはマイナーな山でありながらも、大山と蒜山高原が一望できるというならばと是非に上がってみる価値があるのではと歩みを進めました。
アクセスはとてもよく蒜山ICからわずかに10分程度で登山口に到着します。
わずか1時間で1000mの頂で最高の景色が眺められるという、近くに住んでいたら毎日登ってしまいそうww
駐車スペースは多くはなく、画像の登山口に近いスペースに6,7台、さらに下にも6,7台停めれる駐車スペースがあります。訪れた時は満車。しばらく待っていると、朝一番の登山者との入れ替えで何とか駐車スペースを確保できました。地元ナンバーも多いが関西ナンバーもちらほら。高山にはまだ季節が早く、知る人ぞ知る低山に人が集まっているような感じです。
下の駐車スペースから登山口までは舗装路を少し上ります。スタート地点はだいたい700mで、標高差300mぐらいの山頂を目指します。1時間の山行なので遅い到着で、登り始めたのは10時半を過ぎていました。
舗装路の道路から唐突に現れた登り口。整備が完璧で地元の方に愛された山なんだと痛感します。
舗装路を少し進むとトイレもあり、新造されてたように新しい。トイレが造られるぐらいなので、訪れる人が多く環境への配慮でしょう。チップ箱がなく是非にチップを取って頂きたい。
登り始めはダートの緩い葛籠折りで標高を上げていきます。最初は針葉樹が出迎えてくれます。
登山道というよりは山の整備道のようで、軽トラックが上がっているんじゃないかというダブルトラックの様な跡が着いています。
傍らに芽吹く若葉なんでしょう?分からんですな・・・。三つ葉ツツジ?にしてはまだ早い。
ここまで上がってくるとダブルトラックの跡はない。空が開けてきて尾根の予感もするが、まだ峠までは遠いようにも見える。
駐車場からまだ100mも上がってない残り200m以上ある。1/3も登っていない。尾根はまだ遠いようです。
手入れされた針葉樹の間からは蒜山高原が少し垣間見えます。
葛籠折りも含め急登はなく、乾いたダートの優しい道をぼちぼちと歩きます。
針葉樹の上に出ると蒜山高原が目に入ってきます。
とりあえず標高を上げるので葛籠折りを幾度か越えて平坦になったかと思うと葛籠をグッと堪えて上ります。
10分程で50mの標高を上がりました。気温は高くなく、むしろフリースを着てるぐらいで丁度いい。
850mを超えるとやけに空が広くなってきて、足元はさらに歩きやすい公園のような道です。
下界では旬が終わったアセビが、900m付近では真っ盛りでした。自然に咲いているにしては花の付きがとても良く誰かが世話をしているのかな。
ここからはどんどん視界が広げて見通しが良くなってきます。自然のままだと確実にアマゾンの様な樹林帯になるが、人の手が入っているで山の様相が維持されており感謝です。
三平山名物の土塁に到着です。軍馬を飼育するために、馬が逃げないように土塁を積んだ跡だそうです。標高1000m近くに馬囲いの土を積むなど現在では考えられない感覚です。むしろ、現存していることにも驚きです。
重要文化財にもなりそうですが、自然の物と一体化した物なので、いずれは朽ちていくでしょう。土塁の上にある登山道を失礼ながら進みます。
笹原からは蒜山の景色が一望できるようになってきました。
大山を見ると少し雪の残る箇所もあるが、その様相は夏山に向けての準備が始まっています。
最後の上りを、ゆっくりとまったりと山頂へ。
「下から見る山頂は山頂ではない」はスタンダードで、行程1時間ないが全然近づかない山頂。足は速めずペースを乱さず進みます。が、早く到着して休憩したい相方は突然のスピードアップ!!それ、あかんやつやでww 山頂見えてるのに加速するなや!!ww というが聞く耳持たず加速する相方・・・
標高が上がると蕾がまだ硬いアセビに、大山を背景に黄色の蕾は何だろうか。見た目は蝋梅(ろうばい)のようにも見える。
ようやく登頂です。開けた山頂は周囲が見渡せる360度のパノラマ。
相方が意味不明のラストスパートをするもんで、
「ハァハァ!!ハァハァ!!しんどいわ、だいぶしんどい、もう無理」という始末
そら、あなたゴールが近づくといつもペースアップし過ぎだわw 毎度のコントを繰り返す。
大山と日本海方面。
蒜山と高原のショット。
島根方面を見た日本海。登ってくるハイカーは自分らと同じくご夫婦ばかり。どこのお山もソロとカップルの登山客が多くなりました。
写真を撮り終わって、登頂してランチタイムです。大山と日本海を眺めながら湯を沸かして、ラーメンとおにぎりで炭水化物をチャージ。止まると寒気が強く温かい物が美味しい。
食事を摂ったらすぐ下山の我が家。蒜山高原を眺めながら帰路につきます。下山路の景色の方が素晴らしく高度感もあります。
土塁まで降りてくると大山に向かって一直線に進んで行きます。背の高い木はないのですが、葉が盛んになってくると景色は損なわれてしまうので、若葉が生えないぐらいの季節の方が眺望はよさげです。
下山時に見たアセビに留まる蝶々。他の人が見たら蛾というかもしれません。しかし、蛾と蝶の隔ての分類は明確には無いそうです。昆虫や花は多様性があり過ぎてよく分かりません。調べてみると恐らくですが、蝶々でもシジミチョウ科という科目に属するコツバメという名称。どこにでもいる品種で、夏から春まで蛹で過ごし、初春の2か月ほどだけ成虫で過ごすという・・・何とピークが短い生き物でしょう・・・。最近は虫やら花やら調べてみると「へ~~」「ほほぅ~~」と思うことが多くあります。
足元にはスミレの花が咲き春が始まろうとしていました。
樹林帯の葛籠を下りきると登山口に到着です。久々の登山だったので、わずか1時間でもかなり堪えました。冬シーズンは流行り病のおかげでスキーも満足に滑れておらず、完全な運動不足です。
下山後、三朝温泉へ向かう途中に開けた場所から三平山を見返してみました。名前の通り確かに3つの平らな場所があるようにも見える・・・。周囲には連なる山はなく確かに独立峰です。近所にあるとちょい上りで絶景が楽しめる最高のお山です。
汗を流しに三朝温泉にある三朝館さんへ向かうとします。