いい温泉宿、おいしい料理宿

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再び訪れたいお宿探訪と趣味のブログ

旬彩の宿 いわゆ【鳥取県 三朝温泉】~山陰にある世界屈指のラジウム泉である三朝温泉、驚きの美食会席と専用露天風呂がある贅沢離れ一棟でまったりタイムを過ごす~

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 この旅でお世話になった「いわゆ」さんは、足湯、飲泉所、ホルスミン効果の外湯、射的場などの娯楽施設などがある、三朝温泉街の中心に位置する好立地なお宿です。

旅情

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 玄関に車を着けると女性の従業員の方が出てこられてました。荷物をあずけて、徒歩30秒程も離れていない三朝温泉街の共営駐車場に車をセルフで停めました。女将さんの言い方だと普段は車のお回しもあるのかもしれません。

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 玄関からお邪魔すると、骨幹は木造建築のようですがモダンな造りに改装された雰囲気のロビーです。

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 湯上がり処にもなる本館のロビーは客室数9部屋からは考えられないほどに広々としています。観光庁の押しである温泉娘の萌えキャラ等身大パネルが飾ってありました。おっきなお友達を呼び込むんですな。全国の温泉地で萌えキャラ押しを推奨して、観光資源としているようです。女将さんが言うには、これが馬鹿にできないぐらいに効果が上がっている所もあるそうです。まぁ・・・政府も色々考えはります。これで温泉地が盛り上がるのなら、私的にはありがたし。

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 温泉街にはお土産屋さんらしきところは少なく、三朝温泉のお宿では館内にあるお土産処が充実しているイメージです。女性には色浴衣のサービスも。近隣観光の書籍も置いてあります。

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 ロビーから手入れされた中庭を望む落ち着いた空間です。決して狭いスペースが悪いというわけではないですが、客室数に対して共有スペースが大きくとられているのは、お宿としての贅沢さを感じられるところかなと思います。

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 ロビーにある赤いコーンが立てられた不思議な入り口。三朝温泉はラドンを多く含み、且つ2mも掘れば温泉が湧くそうです。これを利用して地下に潜ることで、温泉成分のラドンの放射線浴ができるという代物です。しかし、密室になるため、流行り病により使用は中止されていました。

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 併設されている売店にはお土産の菓子類や郷土の物が並びます。

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 売店とフロント前を抜けた一番奥には、重厚な扉がある蔵を改築したお部屋があります。

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 お酒も置いてあったのでBARやラウンジになるのかと思います。訪れた当日は感染症対策のためか、ここでのお酒の提供はありませんでした。壁には訪れた著名人のサインがずらり。

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 冷水を用意してくれてありました。湯上がりにこちらへ寄っていただきました。

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 さて、玄関まで戻って脇に付いていた階段を上がってみます。

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 階段を2階まで上ると内庭の飾りと枝の手すりの趣向。

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 上がりきると1人しか通れなさそうな細い廊下に客室があります。1階は鉄筋コンクリート造のような建物なのに、2階に上がるといきなりの木造建築の情景です。

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 階段はさらに上へと続いており3階に到着すると、2階のように客室はなく廊下にはベンチも置いてあります。

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 最上階にあるのは大広間でした。廊下奥のところが上がってきた階段です。

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 訪れた当日はすでに宴席の用意がされていました。法要後らしいお客さん達が、夜遅くまで大宴会を催していました。

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 大広間を抜けた先に階段があるので再び2階へ降ります。よく見るとさらに1階までの階段が互いに付いています。

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 2階に降りてからの階段周りの一枚。欄干がからなり低いので転落に注意。この立体的な構造はとても味があり秘密基地感がありワクワクします。

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 2階の端にある「桜」と言うお部屋の廊下がとても長く趣きも一変しています。

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 本館のお部屋はトイレ付なので、部屋に洗面がついていそうですが、昔の名残で共同の洗面所があったりします。

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 館内の所々で使われているレトロなガラスは、現在ではもう製造していないのではないでしょうか。

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 大広間からの階段をそのまま1階まで下りると、フロントとロビーの裏手に下りてきました。中庭の前を通って廊下奥には大浴場とお食事処があります。

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 廊下を端まできました。緑の暖簾が男湯、奥の赤い暖簾が女湯となっています。ここにも階段が付いてあり大広間からそのまま下りてくることもできます。階段奥の赤矢印を進むと個室のお食事処があります。

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 食事処の個室はかつては客間だった趣きがあります。全部で9部屋しかないはずなので、すべてのプランで個室食ではないかと思われます。流行り病の影響で到着のお茶出しはありませんでした。

 

お部屋

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 離れを予約したのですが、予想外の事態にびっくりしました。本館がある同じ敷地内にあるのかと思っていたのですが、本館で「こんにちわ」と伝えると、玄関を出て「いわゆ」さんの後ろにある路地へ。

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 本館玄関から1分程度で、「たけの宿」と書かれた建物に到着です。どうみても古き良き1軒家の面持ち。

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 玄関を開けると完全に木造の平屋です。竹の柱をあしらった装飾がしてあり細工も凝っています。竹のあしらいが多いので、「竹の宿」と名されたのでしょうか。「お上がりください」と勧められてられても、本当に一軒家なのでどちらへやら。

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 上がり框を上がって右手の突き当りにはトイレがあります。その手前に「亀」の表札がかかった小部屋があります。

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 亀のお部屋は畳間となっています。かつては御付きの人の部屋だったのでしょうか。本間も別にあるので2世帯で過ごせる別室です。2人での宿泊だと勿体ないが使うことはなく。

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 框を上がって左手には露天風呂と本間への道筋。赤色矢印が露天、青色が本間への道です。

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 本間の入り口には「鶴」表札を掛けてあります。

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 廊下には有料飲料が入った冷蔵庫が置いてあります。容量に余裕があるので手持ちの飲料等も十分に冷やせます。

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 縁の梁は一本木ではないものの迫力がある立派な太さがありました。

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 本間は違い棚のようなところにテレビの設置、角縁となっているのでとても贅沢な庭景色です。

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 床の間と連結した地袋と書院は完璧セットが揃っていました。床周辺のコンセントが思ったほどないので、これが案外と有難かったりします。

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 6畳の次の間のリラックススペースに、本間8畳と角縁は離れならではの贅沢な空間です。

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 広縁からは専用庭と露天風呂ビューです。2世帯、3世帯で利用ができるようにか、目隠しの葦簀(よしず)の用意もありました。

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 縁には最新のマッサージチェアも置いてあります。

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 露天側でない広縁からは、秋の様相がわずかに感じられるました。

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 さてはて、離れには縁から見た贅沢なほどの露天風呂が付いています。脱衣所に向かう途中、封鎖された引き戸があります。かつての水屋と地下にある源泉風呂の名残りです。つまり、お風呂が2ヵ所あったのか、こちらを閉めて庭を潰して露天風呂を後から造ったのか。

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 表に出てみると屋根に湯気を逃がすための櫓があり湯屋なのは一目瞭然。たまたま戸が開いている時に、覗き込むと2m程下ったところに湯舟がありました。管理が難しいのでしょうか。以前宿泊した木屋旅館や大橋旅館のように、地上より低い位置に湯舟をつくることで、自然湧出の湯を楽しむ事ができます。是非、この湯屋は復活してほしい物です。

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 アメニティ類に不足はなく想像のつくものは全て揃っています。楽天トラベルの予約特典で、女性に色浴衣と、冷蔵庫のソフトドリンクがサービスでいただけました。お布団敷の際にお茶セットの入れ替えもありました。

部屋付露天風呂

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 お部屋の露天風呂の脱衣所には、男女別の化粧水や乳液もあり、シャンプーバーも用意されていました。

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 さてさて、極上のラドン泉を浴びに露天へ。

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 離れの本間を見上げるように入る露天風呂は旅情感のある素晴らしい眺めです。ただ、2世代、3世代で泊まれる広さはありますが、本間から丸見えなので、お婿さんはともかく、お嫁さんは入りづらいか・・・。目隠しを掛けれるように竹の骨組みがあるが、それでも難易度は高いでしょう・・・。

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 6,7人は入れそうな湯舟は子供が喜びそうなほどに広い。自分は自然に任せて浮いて浮浴を楽しみ、相方はswimしてました。

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 ツルツル感が最高潮で3ヶ所から投入されるお湯は、岩から竹から湯舟へ直接とたっぷりの湯量です。秋の露天は温度が下がるので、右上の画像は源泉のホースと塩ビの加温吸い込み口をわざわざ近づけてありました。循環加温のようですが実質は加温源泉かけ流しです。

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 捨て湯口への湯量は並々と、加温はあってもほぼ100%源泉かけ流しで贅を極めます。

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 夜の露天風呂の雰囲気も申し分なく。場合によっては部屋からダイブできるぐらいなので、すぐに入れるということもあって、10分ぐらいの入浴を5回ぐらい繰り返し入ってしまいました。ラドン効能による血流改善で腰痛が和らぎ、肌もしっとりと潤いまくりでした。画像には移ってないですがシャワーの備えもありました。

 

お風呂

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 三朝温泉は世界屈指のラドン含有量が多い温泉とされています。また、源泉層がとても浅く数メートル掘削するだけで自然に湧出するそうです。いわゆさんの浴場は男女別で1カ所ずつあり入れ替えはありません。無臭ですが弱塩気が感じられるお湯は、含弱放射能-ナトリウム-塩化物泉となっています。とてもツルツルとした肌触りがあり美肌のお湯でもあります。そして、湯使いは湯量豊富な源泉100%かけ流しです。ラドンの効果で湯上がりはポカポカになりすぎるぐらいで、汗もかいてデトックス状態となります。源泉67度でかけ流されており、かなりの「あつ湯」となっています。

男湯

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 脱衣所から中2階に上がった所に浴室があります。脱衣所には櫛と男性用の化粧水類が置いてありました。

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 浴場に入ると蒸気により、すでにサウナのように温かくラドンパワーが感じられます。湯船は歪な形をしており客室数からすると密接するような感じはありませんでした。1/3程度は水深が浅く寝湯のようになっています。

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 析出物がゴテゴテに付着している所では、びっくり源泉量が浴槽内へ直接注入されています。

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 溢れ出しも相当量でしたが、しばらくするとピタッと止まって、ゆるゆるとした溢れ出しになりました。源泉の温度がかなり高いので、湯舟の温度を調節するため定期的に湯量を調節しているのかもしれません。

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 湯屋の雰囲気は何とも味があります。残念ながら向かいの建物から丸見えなので目隠しは高々としています。窓を開けると、これまた中が丸見えなので男女の入れ替えがないのはこのせいかもしれません。

女湯

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 女湯は男湯とは逆に半地下に潜るようになっています。湯舟は3人ぐらいで丁度良いぐらいの大きさです。

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 源泉は男湯と同様に塩ビ管で湯舟の底へ。男湯と違って常に程よい量の源泉が注がれていたようです。熱くなりすぎるためか加水栓がちゃんとあります。

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 女湯の捨て湯口にも、ごてごての析出物が付着しています。常時この溢れ出しだったようで凄い源泉量です。

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 男湯の黒塗りの壁や天井に対して、女湯はピンクの大理石で明るいイメージです。地下にあることで、気化されたラドンとラジウムを吸い込みやすく、ホルミシス効果が高まるのだとか。

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 脱衣所には化粧水類が男女別にあり、ドライヤーなどの備品もしっかりと揃っていました。

 

お料理

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 感染症対策に一品出しではなく、極力接触を避けるため最小限での配膳ということでした。朝夕ともに本館へ移動しての個室食となっています。夕食は季節の物、地の物を使い細かな仕事、装飾が盛り込まれた至高の創作料理が配されます。2019年5月に「旅サラダ」という番組で紹介された会席料理だそうです。

 お品書がなかったので、給仕係の方からの説明は皆無で、軽い説明で配膳して置いて出ていくという、感染症対応スタイルだったので、実際に食べた感触から献立を作っています。個人的な感想なのでご参考程度に見ていただければ幸いです。

夕食

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 最初の配膳は先付、前菜、酢の物、焼物です。

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【食前酒】:日本酒

【先付】:チーズ豆腐

 銘柄分かりませんが、朱の杯には本物日本酒が注がれています。こういう場合は察するにおすすめの地酒かな。 先付はクリームチーズのような風味。ややもっちりとした箸の触りと、濃厚な乳酸菌の薫りがする豆腐です。これを相性の良いカツオ餡のお出汁に絡めるとコクがとても増します。装飾に☆オクラ、シメジ、扇パプリカ、甘エビ、クコの実、紅葉人参、山葵を、手作りの飾り切りで添え付けてあります。

 

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【前菜】:賑わいの前菜・八寸は贅沢な仕立て

 とにかく品数の多い前菜や八寸はワクワク感が止まりません。 ①バイ貝つぼ焼き:醤油しっかりバイ貝の風味は豊かにふわりと炊き。 ②チーズとリンゴの博多:プロセスチーズとリンゴのサンド。 ③栗甘露チョコ仕立て:鬼渋皮を剥いて甘露にしてから鬼皮の疑似にチョコを纏わせて、底にはケシの実をあしらい。栗を剥いたのにチョコとケシで鬼皮の再現で手仕込み。 ④里芋柿:姫サトイモにカボチャのペーストを塗って柿色を出し、昆布の軸と葉っぱで柿のヘタを模してある職人の一品。 ⑤うずらの白兎:茹でウズラ卵に因幡のウサギの飾り付け。 ⑥丸十レモン煮はサツマイモと色落ちしないようにレモンと炊いた物。 ⑦蟹かまぼこは地物。 ⑧松葉銀杏は季節の物を。 ⑨海老塩焼きとろろ昆布。 ⑩イチョウ練り切り。 ⑪鰻八幡巻き。 ⑫辛子とキュウリ、サーモンの燻製をパンで挟んだサンドウィッチ。

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⑬豆の和え:柿の器には黒豆、大豆、枝豆、赤豆を彩りよく盛り込んであります。味付けはトロミのある和え。お出汁の原料はなんだろう。

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⑭めかぶ酢:高座のグラスには酸味程よくコリコリのめかぶにパプリカと山芋を彩りに。

 

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【椀物】:蓮根饅頭西京味噌仕立て

 とても大きな椀で配膳されました。見た目は完全にナメコ味噌汁です。蓋を開けると湯気が沸き立ち最初に目に入るのが薄切り大根に辛子と柚子皮の添え付け。大根をめくると紅葉生麩と青色のカイワレが現れます。その下には汁が絡みやすいように打ち粉された蓮根饅頭が鎮座しています。

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 箸を入れるとやや抵抗感があるしっかり生地。シャクシャク食感を残すため細かい刻みレンコンも練り込んで、鶏のそぼろを中身に仕込んであります。これを揚げて香ばしくレンコンが旨い。ナメコを浮かした汁は西京味噌らしい甘味が強くとても上品で舌触りも滑らか。

 

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【向付】:5種盛り

 配膳時に部屋を暗くしてロウソクの演出から始まります。ロウソクには大根のかつらむきが巻いてあります。完全に同じ温泉街にある大橋旅館さんの以前の趣向料理と同じ演出です。いわゆさんの料理長さんはお若く、かつては大橋旅館さんで働いていた?盛り込みが実に似ています。

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 さらに演出があり竹筒に差してある笹を抜くと、ドライアイスが竹筒の底の水と触れ合って白い煙が噴き出すというギミックです。竹筒の切込みから白い靄が溢れお盆に雲海が広がります。徳利の一輪差しには秋らしくススキの飾りも。

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 5種は赤エビ、イカ、サーモン、鯛、サザエです。生け簀から今揚げたんじゃないかと思うぐらいに味は濃くコリコリと新鮮。エビはプリふわで時間が立つと出てくる独特の臭みが全くありません。海老味噌まで嫌味がない。イカはコリスルリとグモグモ・・・イカの甘旨みが強いスルメイカかな。サーモンはトロリと下で切れるほどのトロ。タイは死後硬直のような歯応えに水臭さが全くない。

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 また、加味にはたまり醤油以外にも、ブロック状の弾力のある泡醤油も好みで。つまは大根けん、ハスイモ、みずな、紅芯大根、かぼす?、菊花、蓼、ワサビ。

 

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【焼物】:和牛のフリッター鉄板焼き

 ボリュームのある赤身はフィレでしょうか。品種は地元の鳥取牛?あらかじめ衣をつけて表面だけ軽く揚げてあるのか、オーブンに入れて低温調理のようにしてあるのか。パリパリとして旨味を閉じ込めてあります。器も何の葉でしょうか、面白い。

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 まるで、たたきのようにされた赤身は、そのままでも食せそうです。鉄板にはバターが敷かいてあり、好みの火加減でそれぞれにいただきます。

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 とんでもなく柔く簡単に噛み切れてしまうこの赤身はなんだ!本当に赤身が濃密なので脂のクドさはなく、バターと合わせてもあっさりと食べれます。味付けはニンニク、ゴマ、昆布を効かした特製味噌だれ。お造りのワサビと泡しょうゆをとっておいて食べても美味い。

 

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【お凌ぎ】:茶蕎麦、生麩

 地物の茶そばでしょうか。味醂が効いたとろとろのカツオ餡に浸されています。器もとても秋らしい。

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 ほろほろに蒸しあげてあるタンパクな魚は穴子か。揚物で穴子がでるので別の魚かな。 上に盛られたのは、もちもちの不思議食感は恐らく生麩。自家製だろうか。最後は薬味の紅葉おろし、ねぎ、トロロ芋を混ぜてちょうだいします。底には薄い輪切りの大根の仕込みも。細かいです。

 

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【揚物】:穴子の東寺揚げ、田楽野菜

 アナゴは湯葉を衣にしてパリパリに揚げた物だと思います。東寺とは湯葉を衣に使用して揚げた物を言うので料理名とさせて頂きました。最初口にした時はふっくらジューシーな食べ口にウナギ?と感じましたが脂はさっぱり。仲居さんに改めて聞くと「アナゴ」との回答。焼いてから揚げることで旨味を締めてふんわりと仕上がるのだそうです。でも、焼目はなく、焼くと旨味がこぼれてしまうので、焼きではなく恐らく蒸しか炙り? ほんのりと塩を持たせてあり加味は不要。お野菜の蕪は緩く炊き、柿は焼き、秋ナスは素揚げに金山寺味噌のような薫りに甘味が強い田楽味噌を回し掛けてあります。付け合わせは小松菜、大根酢漬け、レモン、はじかみです。

 

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【酢の物】:新鮮野菜と果物の海鮮カルパッチョ

 最初から配膳されていましたが、酢の物としてこの位置へ。宝石のように細かく切られた野菜と果物が散りばめられています。オレンジ、キウイ、ゆで卵、ミニトマト、紫キャベツ、海藻クリスタル、スプラウト、菊花、ピンクペッパーでとても華やか。これまた三日月の器が楽しみを添えてくれますが、料理が器によって覆われて・・・肩を細めて、ちょっと食べにくい。

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 盛り山をかき分けると出てきたのは、しっかり酢の〆サバ、歯応えタップリに軽く湯に潜らせたエビ、ふわっとしたホタテ。そして、それぞれの食材の間に梨の薄切りを介したミルフィーユのようにしてあります。全体の味を調えるのは甘味のある梅のドレッシング。

 

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【食事】:白米、味噌汁、香の物

 白米はよく立つ硬めに炊かれた好きな食感です。味噌汁は揚げと豆腐に、山陰特有の甘みと塩加減が丁度良い麦麹。香の物は茄子生姜、柴漬け、白菜浅漬けです。

 

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【水菓子】:白葡萄、無花果、梨ムースゼリー

 ブドウを口に入れると皮ごといけるシャインマスカット。しかし、シャインらしい酸味がなく緩さがある。そして色が黄色い。他の品種かもしれませんが、調べてみると10月までの収穫のものを12月まで木に下げていると熟して黄色になるのだとか。甘さが増して酸味がとれたのはそのためか。イチジクも完熟で舌で潰せそうで風味が濃い。ゼリーは2層になっていて、下が寒天で固めた梨ゼリー、上がふんわりムース地となっています。甘味は控えて梨風味は豊で美味い。素材が分からなかかったのですが、型抜きされた因幡の白兎にはカラーチョコ。

朝食

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・マカロニサラダ(フリルレタス、紫キャベツ、ミニトマト、ニンジン、コーン)

・飛龍頭(カイワレ、紅葉生麩)  ・カレイの一夜干し(きゃらぶき)

・珍味3品(シジミの佃煮、もろみ、岩海苔)

・湯豆腐(豆苗、エノキ、佃煮ポン酢)

・大豆とひじきの煮物  ・出汁巻き卵(らっきょ、大根おろし、はじかみ)

・焼きのり       ・香の物(蜂蜜梅、お新香、佃煮昆布)

・温泉粥、白米     ・麩と豆腐の味噌汁

 一品の量は少しずつ丁度良い加減のおかずです。マカロニまできっちりとした手作りのサラダです。がんも(飛龍頭)は生地と醤油味はしっかりめ。カレイの塩加減は強めで御飯が進みます。珍味はさすがに地物産かな。変わっているのは湯豆腐のポン酢に、昆布の佃煮を入れて甘露風に。ひじきは大豆と甘辛く炊いたこれもお手製で、出汁巻き卵はグッと巻いてあるタイプです。添え付けは地物砂丘ラッキョでしょう。温泉粥は源泉と同じほんのり塩味。お粥の他にも白米をおかわりできます。スタンダードだけど手作りの料理は美味しく、適量で腹八分で美味しくいただけました。
 本来であれば宿泊日に蒜山縦走予定でしたが、あいにくの雨天となり宿泊だけのプランでした。しかし、翌日には晴天という登山にありありの展開。「来年はあるか分からない、今行かなくて何時(いつ)いくのか」という相方の進言。まさにその通り、蒜山の良い所だけを楽しみに出かけます。

まとめ

 三朝温泉で泊まりたいお宿の1つに「いわゆ」さんの離れがありました。さすがに本館の敷地内に建物があるだろうと思っていたら、チェックインの手続きを済ませて、屋外への移動でびっくりしました。2部屋あるので2,3世代でのお泊りに適していると思います。かけ流しの専用露天も申し分なく最高で、プライベート感を求めるなら離れ一択です。ただ、お値段はります。お料理は良い素材をふんだんに使い細かな仕込みや飾りを見ていると、特に前菜盛り込みと造りのろうそくの演出などは、大橋旅館の先代さんのお料理を連想させられました。今回の料理は型の決まった会席のようなので、次は旬彩料理を是非に味わってみたい。

宿泊料金

 旅行サイトでクーポンやセールなどに積極的に参加されておらえる印象です。今回も楽天スーパーセールに出店されておられました。驚きの割引で離れのお部屋が激安で売りに出ていたので速攻予約。通常料金50%offに加えポイント10倍というびっくりの内容で定価66000円ほどが33000円に。さらにスーパーセールの3000円クーポンも利用できるということもあり、とんでもなくお安く泊まらせて頂きました。

宿泊日:2020/11

旅行サイト:楽天トラベル

プラン:【楽天スーパーSALE】50%OFF【ポイント10倍】【1泊2食】巧の技を贅沢に食す特選創作会席

部屋タイプ:【禁煙【1日1室限定・離れ竹の宿】庭園露天風呂付客室

合計料金:33550円(2人)

クーポン:3000円

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