いい温泉宿、おいしい料理宿

いい温泉宿、おいしい料理宿

再び訪れたいお宿探訪と趣味のブログ

安達屋旅館【福島県 高湯温泉】~白濁とした極みの酸性泉は全ての湯屋で源泉かけ流し、フレンチのような見た目で創作性がくすぐられる極みの囲炉裏和会席~

 吾妻山系にある高湯温泉は400年以上の歴史があるという。白濁の硫黄が薫る温泉に引かれ、東吾妻山の登山客、絶景スカイラインを走るライダーやドライバーが立ち寄り湯として賑わう温泉地です。10軒ほどのお宿がある中、開湯から営業を開始されたいるという安達屋旅館さん。戊辰戦争で焼野になりつつも今日まで営業を続けてこられた高湯温泉では人気の湯宿です。

※記事の内容は宿泊した当時の内容となっていますのでご参考程度に。最新の情報は各々ご確認下さい。

旅情

 宿前に車を着けると外国人のドアマンさんが荷物を取りに来てくれました。外観は2階客室のこじんまりとした様相です。

 訪れたのはGWだったので早期予約で、お部屋をとりましたが当日は予想通り満室で日帰り入浴客も多く来訪していました。

 ロビーからしてJapanスタイル高級旅館の雰囲気です。

 玄関左サイドには選べる色浴衣と売店があります。売店は特産品から地物ジャムなどオリジナル商品に目がいきます。

 フロントから反対側をみると、左方廊下は客室とお風呂への廊下。チェックインの手続きは右にあるロビーでしました。

 ロビーは何となくアジアンテイストでありならも、和の基調を持たせてあるという不思議な空間です。夕食後はBARタイムの会場でもありました。記事をUPした頃には公式HPを見ていると、新しく新設されたラウンジでの提供のようです。

 寒くはない季節ですが夜間は冷えるGW。囲炉裏には炭を焚いておられました。

 ロビーでノンアルコールのシャルドネをサイダーで割った上品なワインドリンクをいただきました。アルコールが無くても楽しめるという工夫は最近では多くのお宿で見られる気づかいです。マジョリティ・マイノリティに合うサービスというのは日本ならではかと思ってしまいます。

 ロビーには日中のティタイムの紅茶、ルイボスティ、朝は麦茶が置かれていました。もちろんfreeでお好みで。

 コーヒーメーカーも自由に利用することもできます。蓋もあるのでto goも可能です。

 客間と風呂に向かう廊下には自動販売機がありました。お値段は一般的な価格設定です。

 飲み物もそうなのですが、近くのコンビニが車で30分ぐらいかかるので、必要な物があれば事前の用意があったほうがいいと思います。

 ロビーを後にして客間と風呂の方面へ足を進めます。

 やがて赤矢印にクラシックラウンジ、青矢印に夕食のお食事処である「囲炉裏端」が見えてきます。

 クラシックラウンジは階段を数段あがった中2階のようになっています。

 こちらではチェックインから夕食前までアルコールやおつまみがいただけます。

 翌朝の朝食会場はこちらでの案内でした。

※2024年3月にはこのラウンジは改修されたようで様相は異なるようです。

 酒酒と意気揚々にお邪魔すると有料でした・・・。

 ただ、新しくなったラウンジでは公式HPを見ると、有料か無料かは不明ですが色々とお楽しみがあるようです。2024年7月では「スパークリングワインやビールなどの日替わりの食前酒とおつまみ」と公式にあります。

 おつまみはfreeですが、吞む方のためという雰囲気でした。

 館内散策に戻り、ラウンジ前にはさらに階段が付いた上2階と言う表現が正しいかはわかりませんが客間が並んでいます。今回宿泊したのはこの2階です。

 さらに奥に進んでいくと男女のトイレがあり、貸切風呂がある場所へ下へ下へと階段を降りていきます。

 階段を下りて行くとお洒落なデザイン床材が見えます。

 埋め込まれたような板間の末に4部屋。

 右手は貸切露天風呂への屋外となります。

 屋外に出る手前には湯上がりどころがあります。

 暖炉もあり冬季は雪が降る地域でもあり火が焚かれるのでしょう。

 湯上がりどころにはレモン水のデトックスウォーターが置いてありました。

 貸切風呂にはさらに屋外の下りのスロープを進んでいきます。

 貸切風呂までは階段も多く結構な道のり。

 貸切風呂は2ヵ所あり隣り合わせとなっています。

 貸切風呂の詳細はお風呂の項目で後程。

 戻ってロビーから上がれる2階の廊下には、10部屋ほどの正面玄関側を臨む客間が並んでいます。

 フロント上に位置する場所には、大浴場へ向かう階段があります。

 階段袂には貸切風呂と同じようにレモン水が用意されていました。

 館内探索は概ねこれで終了です。

 

お部屋

 案内して頂いたのは「つつじ」というお部屋です。

 クラシックラウンジがある中2階のさらに2階といったらいいのか3階部分?でもない・・・。

 プランでは8畳スタンダードツイン。この画像をパッと見た感じクラシックホテルか?という印象を受けます。

 ドアを開けるとすぐ踏み込みなどの要素はあるが、玄関スペースにすぐの洗面所です。

 洗面所には高級旅館らしくPOLAの化粧水や乳液などは完備。

 アメニティ類もビジホの物ではないランク上です。

 玄関洗目所反対側にはトイレがあります。水屋が一切なかった客室に、リフォームで水回りをいかにして詰め込むかを考慮した結果なのかと思います。私的には不便はなく。

 お料理は変わらないのであれば部屋は安くとも全く困らない我が家。

 木造屋なので響くものは響きます。が、それもまた旅情と言う物です。

 お茶セットも抜かりなく。

 固定電話はなく今時の連絡用スマホの貸し出しがありました。

 お茶請けのセミドライフルーツは、キウイ、レモン、ピーチ。

 冷蔵庫にはfreeの500mlの天然水。

 正面玄関に上にある部屋だとそれなりに開けた景色があるかと思います。

 つつじの部屋は森林浴な眺望です。そもそも山の中腹かつ森に囲まれているので絶景というよりは山中の静寂を楽しむお宿かと思います。が、東吾妻山に抜ける絶景のスカイラインが目の前にあるので、日中はバイクと車の音が響きます。冬季は閉鎖されるようですが、夏季は朝も早くからモーター音がありました。気になる方は耳栓を持参です。

 

お風呂

 安達屋さんは2024年8月から混浴大露天風呂をリニューアルの予定とされているようです。雰囲気そのものが変わってしまうのかは分かりませんが、内湯と大露天風呂を改修されるようです。

 男女別の内湯が1ヵ所ずつと、混浴の大露天風呂が1つ、貸切内湯1露天2の浴場があります。貸切風呂の利用はチェックインの際の予約時間指定で、夜間以降は自由に利用できるシステムになっています。駐車場に付いた瞬間から硫黄臭が温泉街に漂っている泉質は、酸性-含硫黄-カルシウム・アルミニウム-硫酸塩温泉となっています。現在の表記では「硫黄泉」です。館内のどこにいても硫黄臭という温泉祭りです。源泉は43℃とい熱くも感じるが湯舟に張ると丁度いい湯温です。味見をしてみると、緩いレモン風味のある酸性泉で、サッパリ感に誘われついつい何度も口にしたくなる味です。湯使いは当然のように、極上の源泉かけ流しで湯量がすさまじく、2人分が溢れ出てもすぐさま溢れ出しが始まります。最初の脂質が除かれるまではツルツルとした肌触ですが、湯から上がると酸性泉らしいキシキシとした肌触りは化粧水必須です。

内湯

不動の湯 男性専用

 竹炭の壁にアートのような石積みの壁に囲まれたモダンながらも、天井には大きな梁と和テイストな屋根はレトロな湯屋です。

 見た目からして硫黄泉であると主張する白青色は美しい。お年寄りには厳しいタイプの埋め込み敷きの湯舟ですが、ノスタルジーな感じで最も好きなスタイルです。

 白い湯の花たっぷりの源泉は水深10㎝程度でこの濁りです。

 視覚的効能はかなり高いです。

 水面には白い湯の花が大量に浮遊しています。湯舟から上がるときにこの湯の花が身体に付着する感覚が堪りません。

 切り口から捨てられていく湯は涎が出る程で勿体ない・・・。

 湯口の傍らからも溢れ出しは遠慮がありません。壁にも析出がびっしりです。

 湯口からは噴水のように注ぎこまれる源泉。注ぎ口は透明で硫黄泉らしく空気と混じり酸化すると白濁としてきます。この投入口で全身の皮脂をごっそり落とすと、身体はカッサカサの干物になります。しかし、透明度が高く新鮮湯なのがよく分かります。

 総部屋数からすると少ない洗い場で少々不安でしたが、宿泊者が全て温泉好きというわけでもないので、GWなのに浴場であったお客さんは1組だけでした。

 この湯屋も2024年8月以降から順次改修予定だそうです。鄙び感は今の時代にはそぐわないのか・・・。どのように変化するかは分からないので期待しつつも、この湯舟に浸ってみたい方はお急ぎ往訪してみるのも良いかもしれません。

姫の湯 女性専用

 女性側の内湯はこの画像から見て取れるもの・・・湯舟全体からのオーバーフローが凄まじい。しかも湯がヘタる暇がないのか透明度が高く見えます。女性側は石造りではなくヒノキ?造りのようです。

 明らかに男性側の湯口よりも勢いがあり湯量も多く見て取れます。

 湯はやはりここが最も良かったと相方が言っておりました。

 脱衣所からは大露天風呂へ移動できるのですが、男性サイドから見えない所には女性専用のスペースを設けてあったそうです。これはこれで贅沢スペースです。

 湯口も2ヵ所あり大露天風呂よりも明らかに透明度が高く湯が新鮮かつ投入量に遠慮がありません。開放感を除けばここが一番いいじゃないですか?ww

 女性専用エリアには物凄く雑多な感じの野趣あふれる寝湯もあります。

 ここから先は混浴エリアになるのでちゃんと注意書きもありました。

大露天風呂 大気の湯 混浴

 男湯の脱衣所からは混浴である大露天風呂への通路が伸びています。

 男女の入り口が交錯する部分でもあり目隠し囲いが沢山ありました。

 赤矢印が女性側の露天に繋がった入り口になっています。女性タイムもあり、混浴露天風呂はバスタオル、湯浴み着OKで敷居低めの混浴でしたが時世の流れでしょう。

 2024年8月以降はこの混浴露天風呂も改修されるそうです。男女共に利用はしずらいとはいえ、この風情が無くなるのは至極残念です。趣きはそのままと公式HPにはあり、完全時間区切りのゲートのような物ができるかも?とはいえ、どのように化けるかはまだ分かりません。公式HPでは男女別の露天風呂に改装されるとあるので混浴そのものは無くなるような書記。

 実際には訪れた時には女性は全く訪れる気配はありませんでした。当方すっぽんぽんで、浴衣姿の相方が視察に来ていたぐらい。また、熟女ガール様が「男の人が入ってる~~!!」と冷やかしに来たぐらいか・・・。混浴の存続そのものが色々と難しい昨今、改修に至るのも仕方なしでしょうか。

 全ての湯が流れ着く端には吸い込みの捨て湯口がありました。

 湯舟の総面積は広くはないものの、これまで訪れた大露天の中では庭も含めた敷地面積が最も大きいのではないでしょうか。

 大露天の最奥には腰丈の湯舟と滝源泉がある贅沢な空間。

 白い湯の花の浮遊はないのですが、内湯よりも透明感の高いゼリーのようなエメラルドグリーン。

 白骨温泉「泡の湯」さんとも泉質が似ていますが、いずれが先かは分かりませんが、うたせ湯のような演出もそっくりです。

 滝湯だけではく袂にも湯口が二つありありえない源泉量が投入されています。

 湯舟の大きさに対しては多くはないのですが、湯量としては贅沢過ぎます。そして、源泉の温度がむちゃくちゃ熱いので、この周辺はかなりの「あつ湯」となっていました。

 白骨温泉の泡の湯さんにも負けず取らずの投入量!

 赤矢汁からも滝湯の注ぎがあり、どこから源泉の入れ込みがあるか分からないほどにそこら中から。これに加え洞窟風呂もあるというアドベンチャー。

 洞窟内にも源泉の注ぎがあります。白い硫黄の析出物がびっしり。

 洞窟は2way。

 冬場はこの洞窟内の方が温かいのかもしれませんね。

 露天風呂には湧き水があり「のみ水」とあります。

 柔らかい美味しい天然水です。

 腰丈程の深さに身を沈めると、確かに他にはないこの泉質で野趣あるれる露天風呂は安達屋旅館だけでしか味わうことが出来ない時間だと思います。しかも、この規模での源泉かけ流しという。

貸切風呂

薬師の湯 壱の湯

 二つある貸切露天風呂の「一」から。

 訪れた時には天気もよく少し朧げに見える月が美しい。

 昔は男女別の露天風呂だったのかなと思わせる5人ぐらい入れる大きさです。

 脱衣所に振り返っても何とも言えない野湯のような風情を感じます。

 湯量は申し分なくダバダバと惜しみなく注がれ湯感はMAXです。

 同じ量の源泉が溢れだし、とにかく勿体なく感じながらも、有難く身を沈めて自然の恩恵を頂きます。

薬師の湯 弐の湯

 ファミリーで貸切にするにしても大きすぎる露天風呂は、大露天風呂が混浴なので、かつては「一」と合わせて男女別の露天風呂だったのかも。木々に囲まれたとても雰囲気の良い露天風呂は長湯必至です。

 ソラマメのような形状の湯舟は、壱の湯と同じ並んで入ると5人ぐらいのキャパシティでしょうか。

 脱衣所も開放的で野天風呂のようになっています。

 湯口は内湯よりも多くはない感じですが、源泉かけ流しとしての湯量は有難さを感じる程です。

 湧出量が少ない温泉資源の使い方もあるのかと思いますが、自然湧出量が多すぎる長野県渋温泉にある金具屋さんでは、源泉を出し惜しみしていると詰まる破裂が起こると教えて頂きました。安達屋さんは自然湧出?惜しみがありません。

 切り口からの捨て湯は申し分なく溢れ出る天然資源に感謝。

 天然資源に感謝といった手前、湯量は抑えきれず反対側では耐え切れずオーバーフロー。贅沢の極み。

 一番風呂を頂いたこの露天貸切では淀みにあった湯の花は大陸を作っていました。

 貸切露天風呂には一つだけ洗い場がありました。

 浴場内には湧き水でしょうか。飲める天然水?がありました。

 大露天風呂にもあった湧き水かと思います。

ひめさ湯り

 夜にはライトアップされた中庭を眺めながら入ることができる内湯の貸切風呂です。

 湯舟は2人で一杯と小振りです。

 この湯舟ももちろん源泉かけ流しです。

 湯舟大きさ対する湯量は十二分ですが、他の湯舟への投入量が多すぎるので少なく見えてしまいます。湧出量が少ない温泉地であれば贅沢過ぎる湯使いで感覚が麻痺しています。

 洗い場には1つだけシャワーがあります。

 隠家的なプライベートを重視しながければ、大浴場でゆったり入る方が気持ちが良く入浴できるかな。

 

お料理

 朝は前日ラウンジスペースで、夕食は囲炉裏処での案内でした。囲炉裏をベースとした料理に、基本は郷土と高級食材を使った創作和会席となっています。しかし、見た目はフレンチのように見えるが・・・和基調という見た目と実食のギャップも楽しめる創作性と食材の選定と囲炉裏料理の体験型の食べ方も融合して全てにおいて楽しみが詰まっています。

 献立はテーブルにあった献立をもとに書いてあります。ただ、内容に関しては多くの説明はなく・・・大変悩ましいところですが、実際口にした感想を交えて記してあります。個人的な感想なのでご参考程度に見ていただければ幸いです。

夕食

 ほとんど個室仕様となっているパーテーションで区切りを設けてあるお食事処です。

 ナイフとフォークが用意されてナプキンも組み上げてあり、これから洋食をいただくような雰囲気を演出しています。しかし、テーブルの中央には囲炉裏と一気に和になる空間演出。

 

【サーモンのコンフィ 野菜のマリネ】

 お野菜のマリネには一工夫があるようで、マリネの酢加減がそれぞれ異なります。パプリカは酸味が強く、アスパラやオクラはとても優しい酢加減で、もしかしたらビネガーの種類も使い分けているのかも。炊き合わせならぬマリネ合わせです。黄色のソースにはワサビマヨネーズの加味とディルの飾り付け。

 コンフィは低温の油でじっくりと煮る保存調理方法をいいます。ですが、油っぽい加減はほとんどなく、水分は程よく抜けてその身はとても柔くなっています。自家製ではなく良い物お取り寄せなのか・・・。紅身は丸みの味に仕上がっており、「自家製のワサビマヨネーズでどうぞ」とのご説明。マヨネーズは恐らく黄身とハチミツを使った濃密仕立てで、ワサビということでしたが、バカ舌は辛子を使ったハニーマスタードのように感じました。キャビアは塩はなく深みを持たせるアクセント。

 

【里山の囲炉裏焼 壱】

 壱とあるように、弐もあります。壱には海老芋、ニシン、伊達鶏の3種です。海老芋とニシンはあらかじめ熱を入れて下拵えしてあります。

 手が空いたところで囲炉裏で炙っていきます。ニシンは福島県郷土料理である山椒漬けにしてあり、じわりと焼き上げると表面はパリッと中はジューシーに濃い味のニシン汁が滲みだします。

 海老芋と伊達鶏には加味の山椒味噌を付けていただきました。海老芋も表面はカリカリに焼くと中はほっこりねっとりとした芋の甘と味噌のコンビネーションが炭火の薫りと共に美味い。

 伊達鶏は福島県や宮城県で流通するブランド地鶏のようで、モモ肉と思わしき肉質はとんでもなくたくましい弾力は平飼いの野性味があります。甘味を加えたこってり味噌ながらも山椒が良い仕事をしていて後口爽やかな切れ具合。

 

【筍真薯 空豆仕立て】

 帽子のような変わった椀蓋を開けると、ソラマメの青味が立ち上ってきました。初夏の青味がたまらん・・・。海老の赤身が映える黄緑色の擦り流しにはタケノコの真薯を浮かべています。蓮?菊?をもしたピンクと黄色は落雁のようなサクサク感です。まるで硫黄泉の極楽浄土を表現したかのようです。

 真薯はもっちりとした感触があり、小さく刻んだサクサクのタケノコが芽を出しますが、タケノコに突出した風味はありません。もともと新鮮な若筍風味は上品、色合いからすると擦ったりして真薯に混ぜ込んであるのかもしれません。衣も変わっており米粉を使ってあるのか揚げ上がりはもっちりで、滑らかなソラマメが香りまくる摺り流しというよりはソースに浸したものかと。

 

【春のスペシャリテ】

 スペシャリテは肉三昧、炙りマグロ、和牛すき焼き、ローストポークの贅沢3種盛りです。

 献立の立て方が完全に洋ですねぇ・・・。和では組み肴かなぁ・・・和洋いずれにしても豪華すぎる中継ぎです。

 見た目は洋でも内容はやはり和です。

 マグロ脂の刺しは鮮や過ぎる中トロピンク。表面を炙りにしたタタキ風の焼き香ばしさは肉と化し、中心部に美しすぎるレアで二重の旨みを閉じ込めてあり、口当たりにスジは少し感じるがマグロのトロミと肉質は究極の中トロに近い。ジュレ醤油は塩分をかなり控えめにしたカツオが香る出汁醤油です。ジュレ醤油だけでは何かとマグロには頼りないのが素材の旨みを引き出します。普段、ワサビは本来の味が分からなくなるので加味を避けるのですが、この炙りマグロには足すという感覚で使用するほうがマグロの赤身と脂を強調します。

 和牛すき焼というご説明でしたがタレで炊くものではなく、焼き香ばしさが強くあり、どちらかというと鉄板すき焼に近い感じです。和牛脂のクセは強くなくさっぱりとした肉質に生ウニとカイワレをトッピングし、底には韓国のりが敷いてあります。

 お寿司の様に海苔でロールアップして口に入れると、なるほど・・・韓国のりで和牛を包むと焦げた脂の香ばしさがさらに増し、生ウニが生卵の役目を果たしているようになり、マイルド&クリーミーに仕上がる新しい感覚。

 見た目は完全にチキンの色合いです。この白いローストポークには添えてあるローズマリーの移り香がしっかりとありました。実際には調理の段階でローズマリーを使ってあるのでしょう。ローストなので燻し香はないのですが食感と風味はまさにハムです。しっとりとした湿潤がありながらも硬さと軟さが調和した肉質にはロース肉と思わしき美味が凝縮されています。ソースはトマトピューレにオリーブオイルと粉パルメザンチーズを合わせたような甘味ソースです。付け添えにヤングコーンとローストしたマッシュルーム。

 

【里山の囲炉裏焼 弐】

 囲炉裏端第2段は鮎、川俣シャモの鶏つくね、烏賊です。アユはあらかじめ塩を振って焼いてあり、つくねはしゃもじの黒い変色を見ると燻製にしてあるようです。イカは一夜干し?いや瑞々しく見える。

 つくねは下に向けて焼いて下さいとのこと。

 焼きが進んでくるとワタを取ったアユからは肉汁がプチプチと溢れ出てきます。旬始めというのもあるのかジューシーな肉汁に骨がとても柔く脂の乗りも多い。

 つくねの川俣シャモは福島県の川俣町のブランド地鶏です。葱と鶏肉が半々ぐらいの練りにしてあります。コリコリとした軟骨を交えながらも、ネギのシャリシャリとした繊維たっぷりの食感です。燻製効果によるものか、炙りが入ると流石のシャモ肉は物凄くワイルドな旨さと強弾力肉質に変身します。

 イカはスルメのようで美味しそうに反り返ってきます。イカは味付はなく一夜干しの旨味のままなので、壱でも仕様した甘々の山椒味噌を合わせると美味しく。

 

【和牛ロースト 小松菜のムース】

 和牛のサーロインと配膳されました。お楽しみの味付けには、小松菜のソース、バルサミコ酢、フラワーソルトをお好みでいただきます。彩りには小松菜のグラッセ?と季節のソラマメ、クレソンのお口直しです。

 サーロインにしては、かなり赤身が強く低温熟成にしたかのような、フィレのように込み上げてくる赤身が溢れる深みの美味しさ。小松菜のソースはペースト状の物で、小松菜のほのかな苦味に確かな青味を感じるが口腔内は脂々はなくとても爽やかです。小松菜の自然味はそのままなのですが、自分には塩がやや不足しているので、フラワーソルトを微量に合わせると丁度良い味加減でした。

 バルサミコ酢はよくある強酸味ではなく、ワインで溶いてあるのかライトに仕立て口にし易くしてありました。小松菜ソースとは違い、おとなしい酸味はサーロインの脂を引っ張り出すかのように前に出ます。と、思っていたら口腔内調理では脂は鎮静し、和牛らしい赤身の方が勝つという味の変化が激しい加味です。

 スタンダードの加味には、スミレやパンジーのようなドライエディブルフラワーと岩塩を合わせたソルトで。花の薫りに塩が最も味が分かり易く、やはり熟成肉らしくもサーロインの脂はしっかりと乗っているのが分かります。

 同じ部位でも味付けを変えると、違う肉質を楽しんでいるように感じられます。画像左奥にある切り身は脂の塊に近い物です。ギットリとした感じではなく脂和牛の甘味が詰まったものですが、これは好みが分かれそうです。

 

 白米と香の物と一緒に配膳されたのが、春鍋と献立にある中サイズの鉄鍋です。

 かなりお腹が膨れた状態での、このサイズの汁物はかなりきつい。

【県産コシヒカリ 香の物 春鍋】

 ピンピンでコシヒカリのような粘りのある炭水化物の甘味が強いお米は純銀色に光っています。香の物は大根と昆布を合わせた淡い醤油漬けは、糸生姜のアクセントがある自家製っぽいです。野沢菜も浅漬けで塩をかなり控えた物。

 春鍋とあるのはどのあたりなのか・・・食べ進めて行く過程で気が付いたのです。揚げ、ゴボウ、ネギ、ワラビ、三つ葉、フキ、タケノコ、鶏ととんでもなく具沢山で1人器2.5杯分です。揚げはalmost豆腐のようで、春山菜がもりもりと豊かに泳いでおり、汁は鶏ガラのような風味です。

 まだまだ、隠し味があり器の底に残ったのは麦??ではなく蕎麦の実。若干とろみがあったのは蕎麦の実によるものでしょう。水に蕎麦のみを浸すとトロミが出るのでます。さらに探っていると春の代名詞であるフキノトウの欠片が・・・改めて汁を啜ってみると鶏スープの中に感じるフキノトウのエキス。澄ましではありますが、最後に少量のフキノトウ味噌でも溶いてあるかのような美味しさで、お腹一杯としながらも完食です。

【甘味】

「ほうじ茶とほうじ茶プリンです」と配膳された「ほうじ茶尽くし」のデザートです。見た目は明らかにプリンぽくないカクテル。果実オレンジに加糖してワイン煮で浸けたサングリア?カンパリで炊いたカンパリオレンジ?ん~よく分からないが美味しいオレンジソースを掛けてあります。

 プリンは2層になっていて、プリン地はかなりハードでスプーンを挿れる力加減はプリンではなく硬い蒟蒻ゼリー。2層の差に味の変化はさほど感じられなかったのですが、オレンジのソースと混ざり合うとカラメルorキャラメルのようなテイスティングになりほうじ茶はどこへ?飲み込んだ後に喉から鼻に抜ける後味は、香ばしすぎる「ほうじ茶」の苦味と煎りが豊満です。キャラメルプリンですって出させると間違いなく信じてしまう程に、キャラメが強くも焦がしたような後味はほうじ茶とは思わないでしょう。

 食後はロビーのラウンジ灯でfreeドリンクをいただけます。

 チェックイン時のコーヒーや紅茶などもそのままに。

※2024年7月記事をしたためた時点では、このfreeラウンジはロビーではなく、新設の「THE LOUNGE -Hêtre- " エートゥル "」に移行されているようです。公式より。

 ナッツ類のおつまみなどは無く、甘味のホームパイと焼きチョコBAKEという庶民的な安心感。

 お待ちかねのお酒は、ウィスキーには「シーバス」、福島県地酒のそば焼酎「出逢い」、フランス産のシャトーバスという渋めのロゼワイン。いづれも自分が普段吞んでいる庶民酒よりもグレードが高いお酒。

 パソコンを持ち込み夕食を回帰しながら記事を打ち、3種のお酒をちびちびと時間制限いっぱい頂戴しました。時間は22時まででしたが、我が家以外にも飲んだくれ客が2組おり、何か強い仲間意識を感じます。ただ、お酒を引くでもなく追い出すでもなく22時半ぐらいまで楽しませて頂きました。酒のみには本当に有難いサービスです。

朝食

 朝食はチェックイン時にバーラウンジだった場所での提供でした。

※公式HPでは2024年3月にはラウンジがリニューアルされているため、夕食と同じ囲炉裏端での提供のようです。明確ではありませんのでご確認下さい。

 どう見ても書庫でいただく食事で隣には本棚。

 テーブルにはすでに概ねの料理が出揃っています。

 テーブルの献立には夕食よりも具体的な内容が記載されていました。

-木箱-

・ミニ豆腐 ・法蓮草おひたし

・本日のお刺身 ・香の物二種

 豆腐は型に入れて作ってあるのかと思いますがピンポン玉のように丸々としています。本日のお刺身にはスルメイカです。薬味にはワサビとショウガという両刀添え。香の物は白菜と梅干し。夕食からして自家製かと思うのですが中性的な味わい。ほうれん草のお浸しはお手製は間違いなく醤油は多く浸してカツオを振ってあります。

・焼き魚 ・わさび漬け ・厚焼き玉子

・ローストビーフ ・ポテトサラダ

 メインになる木箱には、焼き肴は紅サケではなくハラス(トロ)のような脂がしっかり乗ったものに紅白の酢レンコンと大根おろし。献立には厚焼き玉子とあったのですが、木箱に入っていたのは大学芋でした。安達屋さんは肉の使いが多く、ボリュームを持たせるローストビーフにはフライドガーリックと和ソース。

-鍋-

・鶏肉の親子鍋

 席に着くと焜炉に火が入ります。夕食の串料理と同じシャモの伊達鶏モモ肉の卵綴じです。たくましいモモ肉はごりごりとした歯応えです。すでに朝ごはんというよりは、昼ごはんになってきました。朝食親子丼は城崎温泉の小林屋さんを思い出しました。

 煮立ってきたらたまごを溶いて回し入れます。再び蒸気が立ってきたら完成です。朝から親子丼にしてもよし、おかずとして食べてもよし、甘口のお出汁がとても美味しかったです。ちなみに親子丼にするのであれば、卵に2/3の熱が通れば火から離したほうが本格的親子丼になります。

 固形燃料が消えるまで待つとクタクタになっていました。

-サラダ-

・本日のサラダ 二種のドレッシング

 サラダは3口程度のレタス、水菜、グリーンリーフ、赤黄パプリカと少量なのにドレッシングは2種もあります。胡麻ドレッシングはマヨが強いタイプで、フレンチドレッシングは妙なレモンのような後味さっぱり感。

・生卵 焼き海苔

 スタンダードとしては卵を落とすための生卵ですが。玉子掛け御飯も好みで選択可能です。焼き海苔も玉子掛け御飯に巻いてもよし、親子丼に千切りいれてもよし。

-お食事-

・県産コシヒカリ ・お味噌汁

 食事はお粥と白米とで選べます。両方頼んでいたお客さんもいました。北国のお米はとても甘くもっちりとして美味い。硫黄臭はなく温泉粥ではなさそうでした。味噌汁は塩分控えめでほっこりとマイルドで豆腐とナメコがゴロゴロ入っていました。

-甘味-

ヨーグルト マンゴーソースとグラノーラ

 ヨーグルトは無糖プレーンにピスタチオ、ベリー、グラノーラのドライフルーツをトップに。味付けはこれだけには終わらない・・・

 グラスの底にはマンゴーソースが潜んでおり安達屋さんの料理に対する拘りと手抜きがありません。

 朝はパン派と言う方や食べ足りないという方のためにパンの用意もありました。ボロニア・デニッシュ、フランスパン、丸パンの3種。いずれも自家製なのかなと思うほどに安っぽい感じがないのは好印象です。

 バターだけでなくジャムも、ブルーベリー、洋ナシ、イチゴ、もも、さくらんぼ、りんごの6種の豊富さ。

 ドリンクはコーヒー、ほうじ茶、牛乳、オレンジジュースです。

 

 朝食を早々にいただいて、向かうのは2回目の安達太良山。機会があればその様相も。

 

まとめ

 訪れたのは2023年のGWです。恐らく最高値になる時期ですが、流行り病の影響もあり控えめな値段設定だったのかも。記事をしたためてみると、他にはない温泉と料理をいただけたのは間違いありません。建物は木造なので、昔ながらの旅館を楽しみながらも、モダンにリフォームされた快適さが融合されていました。大人の湯宿といった雰囲気で、とても静かに過ごせました。

 温泉は全ての湯舟で潤沢な硫黄泉を掛け流しされており、満室のようでしたが混み合うことが一切なかった大浴場と貸切風呂への分散も工夫されています。改修で大露天がどのようになるかは分かりませんが女性が露天風呂を利用しやすくはなりそうな予感。

 料理は和洋折衷ですが盛り付けで洋の装いが強くなる趣向もさることながら、しっかりとした味付けなのに食材が活きて、洋と和の調理をバランスよく昇華しながら郷土感も忘れないという絶妙感。難しい狭間に落とした和フレンチ会席といってもよいかと。

 観光やアクティビティも周辺には多く、私的には安達太良山、吾妻山、磐梯山の登山やスキーが楽しめるのもポイントが高いかと思います。

宿泊日:2023/GW

旅行サイト:じゃらん

プラン:【スタンダードプラン】★囲炉裏焼きと台論風呂を満喫★

部屋のタイプ【禁煙】8畳スンダードツイン

合計料金:46700円(2人)

クーポン:ゴールド会員6000円クーポン

支払い料金:40700円

加算ポイント:1401p

高湯温泉 安達屋旅館 宿泊予約

『じゃらん』

『楽天トラベル』

『YAHOOトラベル』

免責事項、プライバシーポリシー
お問い合わせ