青葉旅館さんは飯坂温泉のメインストリートではなく、温泉街の小さな小道に間口を持つ隠家的なお宿です。木造2階建ての建物は客室数が10部屋と満たない、まとまりのよい空間を過ごすことができる湯宿です。
青葉旅館さんへ訪れる前に東吾妻山に登ってきました。興味がある方はどうぞ。
旅情
昭和初期に造られた数寄屋造りの建物には、職人さんの遊び心が詰まった、巧の技が要所に見ることができます。旅館前のスペースに車を停めて玄関からお邪魔します。
少し手狭な玄関でありながらも、造り込みの装飾美に圧倒されます。恒例作業となっている手指の消毒と検温。荷物をお願いしてお部屋への案内です。
玄関を上がって左手に進むみ振り返ると右側に応接室があります。玄関右手には階段が見え、館内をぐるりと回るとここへ戻ってくる回廊のような造りとなっています。
応接室には近隣の案内やパンフレット類、新聞なども置いてありました。タバコ盆も置いてあり喫煙所としても機能しているようです。
応接室を通り抜けると数段の下り階段がついており、玉砂利に飛び切り株があしらわれた床。飾りの覗き窓からは枯山水が目に入ります。
とても綺麗に手入れされた枯山水は、白砂がとても映え奥には薪ストーブが置かれています。
見上げると天窓があり竹の装飾があしらわれています。材質がとても新しく仕立て直したのでしょうか。昔は屋根のない中庭だったのか・・・。そして、画像右手には広縁が見えます。他のお客さんが往来する廊下に面するこの枯山水を、人目をはばかることなく見下ろせるお部屋があるのにも驚きです。私的には館内の一番の見所。次に機会があればこの部屋を指名したい。
優美な枯山水を通り過ぎると、玉砂利と切り株の廊下が続き、途中途中に客室があります。無料のマッサージチェアに自動販売機と館内設備も充実。
自動販売機前の廊下は奥には、お世話になった別館のお部屋と貸切露天風呂があります。
天井細工もとても面白い。杉皮をのした物や艶光した木目の天板を、竹で抑えて見せてあります。
自動販売機の傍らに階段がついており、生木の竹と桜の木?の手すりがいい味を出しています。
階段傍らには大きくはないですが、舞台付の宴会場もありました。こちらの様相はやや新しい。
宴会場前の玉砂利と切り株廊下を進むとレトロなタイル張りの洗面所が出てきます。画像左手は玄関に通じています。
振り返ると特別室と2カ所の内湯貸切風呂があります。古い建物ですが本当に綺麗にされていて、大事にしておられるのが良く分かります。
枯山水の中庭を中心として館内1周して、印象的な屏風?のある玄関まで戻ってきました。
さて、2階の散策です。訪れた時は流行り病の影響もあってか2階の客室は稼働していない様子でした。
お部屋を覗かせて頂きました。シンプルながらも、木造の数寄屋造りのお部屋は湯治の雰囲気で旅情をそそります。
2階の客室にはトイレと洗面がなく共同使いのようです。とても綺麗にされているので、お料理と温泉を楽しみ、お安く泊まれるなら2階客室でも十分かもしれません。
2階スペースは大きくはなく4部屋。低い欄干廊下を通り、階段は下階の玄関横に通じていました。
お部屋
案内して頂いたのは別館のお部屋です。別館と言っても1部屋だけの特別棟となっています。
ウェルカム茶はお部屋出しです。甘みのあるおいしい煎茶と、自家製のリンゴドライコンポートです。
入口右手には貸切露天風呂があり、専用風呂のように利用できます。廊下には門のような区切りの跡があり、かつては完全な別棟だったのではないでしょうか。1畳程の踏み込みからは次の間を覗きます。
2畳の次の間からは本間に続く襖と、ドレッサー室?控えの間?への2方向。天井には、大きな2枚の天板と杉皮の装飾。
控えの間には雅な埋め込み箪笥があり、本間に繋がっています。ここも材質は同じようですが、異なるデザインの天井で見る目を飽きさせません。
本間は8畳の掘りごたつとなっています。床脇には生花が飾られ天袋と下袋。床の間には違い棚に大きなテレビ。
本間の天井飾りは、端から端まで一枚板と杉皮のあしらい。
本間の横には、すでに布団が敷かれた8畳の寝室があります。お風呂に入ってゴロゴロしたい方にはありがたい。
杉板でしょうか。2畳ぐらいの大きさの板が2枚はめ込まれ、左右にはやはり一枚木の天板がはめ込まれています。
寝室の奥にあるのは玉砂利が敷かれた内庭。興味がなければ目も向けないであろう、内庭の屋根天井には網代と見えないとこへのこだわりを感じます。
本間から内縁にでると、内庭屋根天井の網代が続いています。振り返るとトイレとバスがあります。トイレは安心のシャワートイレです。
大きくはありませんが、内縁からは専用庭があります。縁の屋根も網代に一本梁ではないですが、とても長い木が使用されています。
別館には専用のお風呂が付いています。シャワーの備えあります。湯使いは源泉かけ流しを楽しめます。
湯口には析出物が付着しており、湯舟に対しての源泉量は申し分なく。捨て湯はサイフォン方式で湯舟の下から捨てるこだわりがいい。
お風呂からはちょっとした枯山水の景色が付いています。青葉旅館さんの建物内には、風情のひっそりとした演出が所々に見受けられます。
お部屋の備え等は、一般的なアメニティに加え、お風呂にドライヤー、化粧水やリキッド、沸かし湯ポット、消毒用アルコール、消臭剤、囲碁と将棋、朝刊、等々に加え夕食後にでっかい1リットルぐらいの冷麦茶の用意がありました。
お風呂
青葉旅館さんのお風呂はすべて貸切風呂となっており、各浴場前には瓢箪が描かれた暖簾が風情を出しています。2つの内湯と露天風呂1つで構成され、空いていれば好きな時にいつでも利用できるようになっています。熱めの湯は、ツルツルとした感触があり微塩味無臭の単純温泉です。どの湯舟も湯量が豊富な源泉かけ流しなのがうれしい。
すべての脱衣所には化粧水から乳液まで、お風呂セットが完備されていました。タオルと髭剃りなどはお部屋の備え付けの物を利用しました。
貸切内湯 その1
天井が高くゴツゴツとした岩窟風呂のような浴場です。
3人ぐらいまでなら余裕をもって入れそうな湯舟。なみなみとお湯が張られており、湯温はかなり熱めでした。水道の蛇口がついており、「熱すぎたら水を入れてください」といのこと。
析出物が付着した注ぎ口のお湯はさらに熱い。淵からは注ぎ口以上のオーバーフローが見てとれる。どうやら浴槽内への注入もあるようでした。冬なら身体がすぐに温まりそうです。
貸切内湯 その2
その1の内湯の隣にあって洗い場は大きいが湯舟は少し小さめです。かつては男女別の浴場で、木板の壁から察するに昔は天井で浴室同士が繋がっていたのかな。
こちらにも冷却用の水道栓がありますが、源泉を薄めるのは勿体ないので、気合を入れて湯を楽しみます・・・無理ですわ。熱すぎwさすがに少し加水しました。
こちらも析出物がびっしりと付着しており、注ぎ口が詰まってしまそうです。
貸切露天風呂
暖簾をくぐるとえらく細い廊下が付いていて、奥に行くと脱衣所と洗面があり、そこには一人用サウナが設置されています。感染対策のためかサウナは稼働しておらず。
そして、酒飲みにはうれしい升でいただく青葉旅館さんラベルの日本酒サービス。小鉢にはおつまみの梅干し。
脱衣所から外へでると小気味のよい小さな庭園がある露天風呂です。
瓢箪型の湯舟は4,5人ぐらいが入れそうな大きさ。ファミリーでも余裕がありそうです。内湯はどうしても熱がこもり易いので、初秋の季節では露天風呂が最も入りやすかったです。
石の割れ目から大量の新しい源泉が注がれます。オーバーフローはなく、ここでもサイフォン方式で湯舟の底からお湯が入れ替わる有難いシステム。
サービスのお酒は夕食後も置いてありました。一日の最後に露天で体を休めながらいただく一杯(実際は1杯ではすまないw)は、一日の労をねぎらう至福の味です。
お料理
食事は朝夕共にお部屋出しです。青葉旅館さんを訪れた理由の1番は、手作りの一口小鉢がずらりと並ぶお料理を楽しむためです。しかも、一品一品こだわりの味付けがあるそうで、その時の食材により献立が異なります。自家農園から採れる季節の物と、ご主人さん自ら山から採ってきた物を使用しているとのこと。特別室でないと食べれないメニューもあります。器の配置も決まっているそうで並べるのが大変です。献立はありませんが、配膳後に係の方から説明して頂くことができます。が、全てではないので、食べた感触を交えて記述しております。品数が多いため不確かな物もあるので参考程度に見て下さい。
夕食
これが全て並べ終えた時の図です。パッと数えて30品以上!うれしくも忙しい味見の始まりです。
【前菜小鉢】
①炒り豆 ②あかしやの花酢漬け
③玉こんにゃく ④胡瓜の甘露煮
⑤あんこう肝和え ⑥蟹ピリ辛和え
⑦イカのくちばし(とんび) ⑧自家製農園のミョウガとコリンキーの酢和え
①とても香ばしく炒った濃い味の大豆。 ②あかしやの花ってどんなのか調べてみると。これは見たことがあります。食べれることにびっくり。酢漬けというよりは酸味は控えめに甘味を強く持たせた甘酢。 ③鯖節で炊いてあるのか青魚の出汁風味が薫ります。さっぱり醤油味。 ④これがもともとキュウリなのかと思うほどの甘々甘露です。それなのに、ザクリとした食べ心地が残っているという。 ⑤ただでさえアン肝はまったりとした感があるのに、さらにコッテリとした肝で追い和えてあるという代物。でも、クドさはまったくなく臭みもない。お味噌でまろりと包んだかのような優しさがあります。 ⑥カニ身は一口で丁度の量をラー油中華風味で。 ⑦味付けは並ぶ小鉢の中では最も優しい。ほんのり酸味に甘みとイカのお出汁。軟骨のようなコリコリ食感はなくプリスルリと柔く炊いた珍味。 ⑧塩をかなり強く持たせてあり、お酢はほんのり。煮というよりは塩でもんであるのかな。新鮮な食感が残り隠し味はごま油。
⑨国産クルミ飴 ⑩自家製農園 南京茶巾
⑪ししとうの佃煮 ⑫大豆と昆布の煮物
⑬カボチャ素麺 ⑭烏賊とミズコブ雲丹和え(自家採取
⑨砂糖を炒って溶かしたものを絡めたような砂糖菓子風。 ⑩甘味が強く滑らかな舌触りのカボチャを茶巾に絞り、へたは南瓜の種で模し。 ⑪砂糖甘みをかなり強く煮てあり、ししとうの青臭さは抑え込んで苦みと辛味をやんわり残してあります。 ⑫豆は甘納豆のように一度干したような食感とコクがあります。甘味は強く昆布の風味が重なると、さらに深みがでます。 ⑬カボチャを針状に刻んで鶏のササミと合わせて胡麻ダレで仕上げてあります。タレも自家製と思われるふわり風味。 ⑭イカはとても柔く醤油で炊いてあり、ミズコブの塩茹でをウニで和えてあります。ただ脂ぽさもあり謎が深まる味。
⑮中華サラダ ⑯さしみこんにゃく柚子味噌
⑰順才酢とタピオカ ⑱タコの柔らか煮
⑲ミズコブのキムチ和え ⑳自家製柴漬け
㉑鮑肝和え ㉒人魚茸バター炒め
⑮クラゲ、胡瓜、ニンジンを使ったよくある中華サラダです。ただ、ゴマがよく効いたドレッシングは自家製か。 ⑯もっちりとろりと口の中で解けるほどの柔らかさだが、こんにゃく味はしっかりとあります。わらび餅やところてんのような食感に、ゆるりと薫る柚子味噌はまろやか上品。 ⑰微量な酸味出汁にジュンサイにタピオカを入れ込みます。味というよりは食感と涼を楽しむ一品。タピオカの大きさもまばらでこれも自家製!? ⑱しっとりと炊き上げたタコは歯ごたえを残しつつ歯切れが良い。やはり甘味を強く持せて、旨味がグッと入り込み噛めばタコの旨味が滲み出ます。これに針生姜を添えてさっぱりと。 ⑲ニンニクが香る中華ナムルのような一品。やはりここにも季節限定の希少なミズコブが盛り込まれニラとキュウリ、フキ?と混ぜてゆるりと漂うキムチ。 ⑳強梅酢にキュウリを漬け込んで香り付けはミョウガ。梅、酢、ミョウガの酸味3兄弟的なさっぱりとしたお口をリセットのお品。 ㉑とても滑らかに伸したキモは臭みはなく磯の風味が濃厚。これにプリスルルとした食感の鮑薄造りを潜らせて食べると口に旨味が広がります。 ㉒キノコらしくないカリコリとしたしっかり食感はメンマのよう。キクラゲのような風味はバター醤油で味付け。
㉓無花果の赤ワイン煮(初物 ㉔自家製シーチキン
㉕茄子と甘唐の味噌衣揚げ ㉖ヒラタケの煮物
㉗いわき名物メヒカリの南蛮漬
㉓旬のイチジクを赤ワインで似た物ですが、コンポートというよりはかなり甘く完熟蜜煮。歯をいれると赤ワインの蜜と無花果の薫りが滲み出てきました。 ㉔自家製ほぐしマグロとキクラゲをマヨネーズ和えにしてあります。自家製ということもあって柔い口当たりにキクラゲはコリコリで食感も楽しめる。さらに乾燥桜エビを入れ込んであるので甲殻香ばしさが加わり風味がとても賑やか。 ㉕スタンダードな物がでないのが青葉旅館さんです。衣に味噌を練り込んであるか。味噌で漬けてから唐揚げにしてあるのか。揚げると味噌風味がさわやかな麹。 ㉖ヒラタケの他、人参、ごぼう、練り物が入っています。一緒に炊くことでそれぞれの旨みが沁み込んだ煮物です。濃い味の練り物は小ぶりですが、もっちりしっとりと、これまた自家製と思われるもの。 ㉗広く分布する「目光(めひか)」は福島県では古くから親しまれた魚。名前の通り目が光る魚のようです。塩が強めの醤油と酸味が弱い漬け地。タンパクでも味がしっかりとしたソールフードのメヒカリは地が絡むとフワフワの仕上がりです。
籠盛の中には3種のお品。
㉘米沢牛の燻製
㉙穴子煮
㉚にしん山椒漬け(会津名物
㉘牛燻製は歯ごたえカリカリのジャーキーのようです。桜チップでスモークしてあり和牛の旨味を閉じ込めてあります。 ㉙穴子はとてもふっくらと炊いてあります。蒸してから甘ダレに絡めてあるのかな。これに針葱を添えてあります。 ㉚ニシンの山椒漬けは、エグイ山椒ではなく健やかな緩い風味で、思っている程塩味も強くなく保存食にしてはとても食べやすく仕上げてあります。
【蒸物】:㉛茶碗蒸し
ふわふわのお出汁タップリの玉子地は椎茸旨味のゴールドスタンダード。別の味もしたのだが・・・鶏かな。具材はシンプルに椎茸、エビ、三つ葉。エビがとても大振りでプリプリでジューシー。
【向付】:㉜旬魚4種盛り
まぐろ、ボタンエビ、イカ、アジの4種。マグロは本マグロではなさそう・・・。脂の乗りは程よい。ボタンエビもとても大きく食べ応えがあり身が締まっています。海老味噌も多い!アジもイカもプリプリで新鮮。これを甘味と塩気が強いたまり醤油で。
【焼物】㉝和牛陶磁器焼き
和牛は福島牛でしょうか。素晴らしいサシです。付け合わせの黒もちトウモロコシは、びっくりするぐらい身離れはよいが味は今一つ。古代由来の珍品。トウモロコシの横には甘みのあるホクホクの紫色のジャガイモ。珍しい物が出てくるとワクワクします。他に青唐、トマトバジル、パプリカ赤・黄、焼ズッキーニとナス味噌です。
1㎝以上ある肉厚なのにとろけてしまいます・・・。表面はこんがりと中はミディアムレアで、口の中で踊らせると和牛の肉汁と旨味は幸せ味。味付けはタマネギの甘みを活かした自家製タレ。
【煮物】:㉞カラス茸の飛龍頭
手作り飛龍頭はしっかりと揚げられており、ホクッとしているが水気は少なく食べ口はパサリ。実はこの触感とパサパサ感によって、お出汁が沁み込み美味くなります。カラス茸のコリコリ触感とお出汁はカツオ?に、摺りショウガも添えてありますが、お出汁にはショウガの搾り汁がすでに入っているような風味。
【揚物】:㉟ミズコブ、マイタケ、トマト、南瓜、オクラ、インゲン、大海老
熱々で配膳してくださいます。ここにもミズコブが盛ってあります。この時期にしか楽しめない山菜。玉になっているのが弾けてツル状になると食べごろで、その間が1週間しかないので、その瞬間、その時の食べ物なんだとか。ご主人さんが山に行って採取されてた物。
食材はどれも新鮮ですが、なにがすごいって海老の大きさです。箸で持ち上げて改めて見ると、で、でかい・・・。大げさではなく一番太い部分で直径2.5㎝ぐらいあり長さも20㎝近くありそうです。歯を立てるとサクッ・・プリプリリッ、じゅわーとエビ汁が漏れてきて、口いっぱいに頬張る海老天なんて初めてですwこれを後口が爽やかなショウガ塩で。
【食事、止椀】:㊱舞茸御飯、㊲平目真丈おすまし
口にすると油揚げの匂いがまず鼻を抜け、醤油風味が追いかけてきて、最後に舞茸が乗ってきます。油揚げの油がお米をパラパラにしており舞茸の上品和チャーハンのようです。 止椀は、粗さが全くなく崩れてしまいそうな、ふわっふわっのヒラメ真丈は旨さが凝縮され口に入れるとほろほろ。もとのお出汁はなんだろ?泳がせた海苔の風味が豊かで塩はほんのりと、とても品がある磯の清汁。
【水菓子】:㊳葡萄、梨
38品目になる生菓子のブドウと梨です。ブドウはピオーネとシャインマスカット。ピオーネは皮をむいて、シャインマスカットは皮のまま。梨は豊水のような瑞々しさがある品種。飯坂温泉に往訪するまでに、たくさんの果樹園の間を通ってきました。ブドウも梨もとても甘い。この年は気温が熱過ぎて、どこのフルーツも水臭く感じました。しかし、青葉旅館さんの果実はどれも厳選されたとても甘いものでした。
朝食
青葉旅館さんのお楽しみは夕食だけではありません。朝食も30品を超える品々。簡単な料理の説明はありますが、全体の説明はなかったので口にした食感を。確かな手作り感は素晴らしいが、どこまで手作りなのか迷うほどに丁寧な仕上げ。
①カラスカレイの煮付け
②お手製飛龍頭
カレイは脂がたっぷりとのっており、濃い甘辛醤油味は夕食向けの一品。がんも(飛龍頭)はニンジンとゴボウが薫る揚げが香ばしくフワフワ。
③トマトイタリアンサラダ
④山芋お浸し
⑤烏賊の塩辛黄身わた?
⑥ミズコブの中華和え
湯剥きしたミニトマトにイタリアンドレッシングを。 山芋は食感はそのままにお浸しに。 イカのワタと黄身を合わた、ユッケの様なまろやかなイカ塩辛。 水コブはミョウガとカツオ節で和えて触感を楽しみます。
⑦鱈子
⑧ホロホロふかし南瓜
⑨昆布と??味噌和え
⑩ミズコブの酢物
タラコは一口。 かぼちゃは口に含むとホックホックで甘味が詰まっています。 昆布と何かを味噌で和えてあるのですが分からず。食感的には筍? 再度、ミズコブが登場。優しい酢にはニンジンとズッキーニ。
⑪大豆の煮物(茎ワカメ、筍、ごぼう、蒟蒻
⑫ハート・星型の胡瓜と赤黄のトマトサラダ 胡麻ドレッシング
⑬人参、胡瓜、大根の香の物
⑭シーチキンとキュウリのマヨ和え
⑮フキと自家製練り物の油煮
大豆、茎ワカメ、タケノコ、ゴボウ、コンニャクを筑前煮風で。キュウリは型にはめて成型しているそうです。胡麻ドレも自家製? 香の物はあっさりとした浅漬けとぬか漬け。 みんな大好きマヨシーチキン。 甘辛醤油と脂で煮た自家製練り物は酒が欲しくなる味です。
⑯キュウリの醤油漬け
⑰南瓜油炒め
⑱蕗のバジル風味
⑲高菜とちりめんじゃこ胡麻油炒め
⑳岩海苔
ここまでくると自家製がどこどこまでか分かりませんw キュウリは酢醤油とショウガでみんなが知ってるQちゃん風に。 かぼちゃを細切りにしてシャクシャクと食感を残して油で炒めてあります。 蕗はバジルでエスニック風味。 じゃこと高菜を胡麻風味に香ばしく。 岩のりはさすがにお取り寄せか。
㉑味噌紫蘇巻き
㉒ひじきの煮物(人参、揚げ、蒟蒻、グリーンピース
㉓胡瓜と茄子の南蛮煮??
㉔牛蒡の鰯和え
㉕金時豆甘煮
主に山形で見る東北の郷土料理。甘い味噌を紫蘇で巻いて揚げ焼きにしてある酒の当てのような一品。 ヒジキとえんどう豆を甘辛く炊き上げた朝食の定番。 ㉓が特に分からない。やわらかな酸味と甘みがあり、やさしい甘酢漬けの様。 ゴボウとイワシ水煮の和え物。 金時豆はねっとりと甘く。
㉖温泉玉子
㉗素揚げ茄子
ナスは焼きナス風に揚げてショウガ醤油で。朝食の献立というよりは料亭の一品。温泉玉子は器に割り入れるとびっくり黄身が丸々とした姿。温玉とハードボイルドの間のような、黄身の熟し具合が最高潮です。
㉘白米
㉙新鮮ナメコ澄し汁
脂がギラギラしたお澄ましには、ナメコと鮮魚の盛り込みは気兼ねがない味。
㉚珈琲、ヨーグルト
コーヒーは酸味がないエスプレッソのような濃厚なコーヒーを。 粘度の高い自家製のカスピ海ヨーグルトと思われるヨーグルトにはブルベリーのソース。大きな実を器の真ん中に。最後まで丁寧な食でした。
まとめ
青葉旅館さんの小鉢料理を食してみたいと思い、3年が経ちようやく辿り着きました。よくぞ、この品数を手作りでやっておられるのは感服致します。品数が多く解説がえらかったw しかも、手作り感が満載で手抜きはなく、出汁、たれ、ドレッシングに至るまで既製品は使っておられないのではないかというお味です。温泉も貸切の源泉かけ流しで、客室数に対して3カ所は十分な湯舟の数です。熱いながらも誰にでも入れる優しい泉質はありがたく。宿泊するまで分からなかった、木造回廊造りの建物はノスタルジーな情緒満載の館内は居心地がいい。季節によって小鉢料理がどのように変化するのか、また往訪して食してみたいものです。
宿泊料金
特別室でしか味わえない特別膳がある、ということで別館の特別室で宿泊しました。特に変わった割引はなくgotoの割引利用だけで泊まっています。じゃらんの季節旅クーポン、楽天のスーパーセールなどにも出店されているのを見かけたことがあるので、その時期に合わせて予約するのがお得かも泊まれるかもしれません。宿泊料金は通年通して同じ値段帯でやっておられるのかなという印象です。
宿泊日:2020/9
旅行サイト:じゃらん
プラン:上質志向のステイライフ~温泉付客室×特別膳でゆとり泊~特別室【別館】【お部屋食】
部屋タイプ:温泉付き特別室 別館
合計料金:48400(2人)
クーポン:16940円(Go Toトラベルクーポン)
支払い料金:31460円
加算ポイント:1210p