いい温泉宿、おいしい料理宿

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再び訪れたいお宿探訪と趣味のブログ

隠庵 ひだ路【岐阜県 福地温泉】~すべてのお部屋に源泉かけ流し露天風呂が付いている、約束された大人のプライベート空間と、季節の郷土食材を磨き上げた料理は、荒廃した心身に花を咲かせるよう~

 奥飛騨温泉郷でも、ひっそりとした福地温泉街に「ひだ路」さんはあります。福地温泉は知る人ぞ知る温泉郷の1つで、正直なところ観光地の上高地や穂高ロープウェイを利用するには、車では不便はなくとも公共交通機関でのアクセスは1つ手間が要ります。ただ、10をわずかに超えるお宿がある温泉郷は、それぞれに個性があり多くはリピーターが多い印象があります。「ひだ路」さんはその中でも特級旅館の位置付けで、名前の通り大人の隠家的な別荘感覚で宿泊することができます。

 「ひだ路」さんに訪れる前に遊んできた「焼岳」の記事もよければ合わせてどうぞ。

旅情

 奥飛騨のメイン街道から一本外れたところに福地温泉はあります。温泉街では派手な看板などを禁止しておられるのか、街灯には宿の名前は掛かっているが素通りしてしまうほど案内が少ないです。

 駐車場にはすでにお迎えの方がおられて、建物前の駐車場を案内してもらい荷物をお願いしました。

 多くの奥飛騨にある旅館さんの門構えは奥飛騨にある田舎のままの風景です。

 奥飛騨ではロビー周辺を土間にしている所も多いのですが、ひだ路さんは上がり框のある玄関。

 ロビー中央には囲炉裏が配され、奥飛騨らしく囲炉裏の煙が上へ抜けれるように天井が高くとられています。

 囲炉裏はインテリアのような飾りかと思っていたら、きちんと炭がくべられ火が入っていました。いい炭なのか煙さは全く感じられず。カモシカとクマの絨毯は奥飛騨の御馴染です。

 囲炉裏処には色浴衣のサービス。

 玄関入って正面奥でお茶をいただきながら、館内の案内が見れるタブレットの使い方の説明を受けました。

 最近はタブレットでの館内案内も増えました。共同の露天風呂の状況が分かるようになっています。

 ウェルカム茶は、ほうじ茶。訪れた時には、このクラスのお宿にしては珍しくも茶菓子は無く。

 囲炉裏を取り囲むようにお土産処とフロントがあります。お土産処にはいわゆる売店というよりは郷土の物が売っている印象です。

 お土産処の隣には籠に盛ってあるfreeの新聞はお部屋に持って帰って読めます。

 売店の横からは浴場への道筋です。

 奥へ進むと浴場があり、手前には湯上がり処があります。

 湯上がり処は客室数からすると広くスペースがとられているのでゆったりと過ごせます。

 雑誌などの読み物やパズルゲームのようなものも置いてありました。ただ、ゆっくりと過ごすには椅子が硬く腰につらい・・・。

 高級旅館にあるフリーラウンジも設置してあります。冷茶やドリップコーヒーが楽しめます。

 湯上がり処の前には客室廊下が続き、最奥には2つの貸切風呂があります。

 ロビーに戻って浴場がある反対側の廊下を行きます。ここには自動販売機とアイスの販売があります。

 アイスはハーゲンダッツと飛騨で造られた手作りのプレミアムアイス。

 自動販売機の奥の廊下はすべて客室となっており、ロビー、お風呂棟、客室棟と分かり易く棟が決まっています。

 迷子になる人には有難くも分かり易い館内でした。

 

お部屋

 案内して頂いたのは「九輪草」というお部屋です。

 お部屋入り口の行灯には手書きの「くりんそう」に明かりが取られていました。

 部屋のあつらえは奥飛騨古民家ですが、建物と内装は新しい近代的な素材です。

 部屋の入り口は2畳程度の踏み込みがあり広くとられています。

 本間は江戸間の10畳と2人では丁度よい大きさ。

 縁に当たるスペースは掘りごたつとなっていますが、こたつの装いにはまだ早いようです。

 縁からは洗面所とトイレがあり、奥には内湯から露天への道。

 内湯は温泉ではなく白湯でした。

 内湯から外に出るとプライベート露天風呂があります。すべてのお部屋に源泉かけ流しの露天風呂が付いているという贅沢!!湯舟の底からゆるりゆるりと捨て湯があるようで、溢れ出しは終始ありませんでした。

 丸太から注がれる源泉はそこまでは多くはないものの、常に新鮮な湯をいただけるのはありがたい。

 小さな無数の湯の花が湯舟の中を泳いでしました。熱くもなく温くもない初秋には気持ちのいい湯温です。

 訪れた時には秋の入り口で緑のカーテンが目隠しとなっていました。

 さて、アメニティ類ですが洗面台には、抜けがない化粧水類の用意。

 浴衣は2枚の用意があり、虫対策グッズがこれでもかというほどに充実しています。虫さんは明かりと温もりに吸い寄せられるので、山のお宿に泊まるなら覚悟するべきところだと、口コミを見ていると思ふ。

 冷蔵庫は見事なラインナップですが有料です。ここをインクルーシブにすると客層が変わるのだろうか・・・宿泊料金からすると品数を減らして含み料金でもいいかと思うですけど。

 拘りタオルに館内の蛇口はすべて天然水です。お部屋には天然水の冷水もチェックインした時にはすでに用意してありました。

 アメニティに関しては高級旅館なので無い物を探す方が難しいぐらいにあります。夕食中のお布団敷では冷水とお茶セットの入れ換えは当たり前のようにあります。

 あると嬉しい牛乳引換券がお部屋に置いてありました。現物はフロントで交換してもらえます。奥飛騨に来ると必ずいただく飛騨牛乳。私的にはパインが好みです。

 ただ、今回は湯上がり処でドリップコーヒーがいただけるので、プレーンの濃ゆい牛乳をチョイスしてカフェラテに仕上げ、残りは冷蔵庫で取り置いて滞在中は2杯のラテをいただきました。

 

お風呂

 ひだ路さんには男女別の露天風呂があります。訪れた時には流行り病のため、オールタイムで貸切用となっていましたが、記事をしたためた際に公式HPを見ると、時間帯によって男女別の時間と貸切の時間を分けておられるようです。全てのお部屋に洗い場のある源泉かけ流しの露天風呂が付いているので、洗い場のない共同浴場の利用は好みによるものかと思います。湯は温泉街の共同源泉のようで温度調整のため加水・加温、分析泉質は単純温泉とありますが、口に含むと鉄錆の臭いがほのかにあり、アルカリ性のツルツルとした肌触りと温めの優しい肌当たりのマイルドな湯となっています。

岩風呂

 2ヵ所ある露天風呂はいずれも野趣が溢れる造りとなっています。落葉樹に包まれているので、秋になり紅葉が進むと最高の入浴ができそうです。

 貸切にするとかなり贅沢な大きさの湯舟です。部屋の露天風呂と同じく小さな茶色い湯の花が無数に泳いでおり湯感効果を相乗させています。

 湯舟の大きさに対して湯量はやや少なく感じましたが、切り口を見ると勿体ない程の量が溢れ出ています。

 部屋に源泉かけ流しの露天風呂があるので、他のお客さんが入った形跡はほとんどありませんでした。しかし、湯は新鮮で開放感の大きな湯舟に浸かりたいという方にはお勧めです。

檜風呂

 岩風呂の壁を挟んだ反対側に檜の湯舟があります。こちらの方が景色に木々の繁りは少なく視界が通るようになっていました。

 岩風呂に比べると一回り小さな湯舟で、貸切で利用するにはこれぐらいが丁度よく。

 源泉の投入量は岩風呂とさして変わらないように見えます。湯舟が小さいのでお湯の入れ替わりが早く、こちらのほうが新鮮湯を楽しめるかもしれません。 お部屋の露天風呂もいいですが、開放感を求めて朝一にもこちらを利用しました。景色があるほうが、ゆったりまったりと湯を楽しめます。

 湯舟からは川を見下ろすことができます。標高が高いため既に色好き始めている木々もありますが、紅葉にはまだ時間がかかりそうでした。

 遠望は当日登ってきた焼岳を見ます。外気が冷たくなってきた季節では、丁度いい湯加減でいつまでも入っていられます。

 

お料理

 朝夕共に個室のいフロント横にある個室のお食事処でいただきました。時間になりフロントへ行くと今宵の食卓へ案内してくれます。

 飛騨らしい囲炉裏の座卓に並ぶ料理は、奥飛騨の名産と山の幸がふんだんに盛り込まれ、田舎料理というには失礼なほどに、品よく味付された品々が並びます。奥飛騨で宿泊すると、どの宿でも季節外れの春の山菜を口にすることができます。特別な保存方法とかあるのでしょうか。例にもれず「ひだ路」さんでもお料理に組み込まれています。本当にこれでもかという程に山菜から川魚、メインの飛騨牛まで奥飛騨が堪能できる内容となっています。

 献立は頂いたお品書きをもとに書いてあります。内容に関しては説明して頂いたものと、実際口にした感想を交えて記してあります。個人的な感想なのでご参考程度に見ていただければ幸いです。

夕食

 最初の配膳は前菜、先付、小鉢、郷土料理、お造り、に加え囲炉裏の焼物です。

 

【本日の山実酒】:紫蘇酒

 席に着くと氷を1つ入れた「紫蘇酒」が配されます。飲み口は紫蘇の渋みはあるがエグさはなく、爽やかな甘さと共に鼻の奥でやんわりと薫るような風味です。酒度はなく紫蘇ジュース?かなりフルーティなので葡萄酒ですと言われても色合い的にも間違えそうな酸味に角がない。

 

【奥飛騨の五品盛り】:①地物茗荷黄身酢掛け ②地物花山葵醤油漬け ③みずこぶ ④こしあぶら・湯葉 ⑤飛騨牛レア・ステーキのにぎり 

 ①晩夏、初秋の茗荷は旬終わりの時期ですが、香りはよくゆっくり甘酢漬けにしてあり、さらに黄身酢でまろやかに包み込んであります。 ②花ワサビは春の野菜です。秋始めの食卓には場違いですが、岐阜や信州では季節を問わず生山葵がでることも。保存食として手を加えたもののように見えますが、醤油は緩やかに少しピリリとワサビらしい辛みが漂い、醤油漬けというよりはこちらはお浸しのような仕立てです。 ③ミズコブは初秋の珍品です。これもお浸しのようにカツオ出汁で緩く炊いてあります。 どれも塩加減に嫌味がなく日本酒が進んで、しょうがない当てのお品。

 ④お浸しにされたコシアブラは春の山菜です。湯葉の枕にされていますが、しっかりと風味を残してありシャクシャクと新鮮な噛み応えは主役の湯葉に劣りません。 生地の層ががっちりの湯葉は、これでもかと出汁巻きのように幾層にも薄く重ねて自家製でしょうか?美味い大豆のの結晶には香り高い粉山椒を振ってあります。

 ⑤とにかく最初に目に行くのは、照り艶の飛騨牛のレア握りしかありません。口に引っ掛かるスジのような感触がなく口に残るものもない。マグロで言うと究極の上トロ。最強の飛騨牛A5ランク極上部位のロースやサーロインのような一品。酢飯の酸味は穏やかで、味付けは軽く荒塩のあしらい。極上の肉質をいつまでも口腔内で味わっていたいが、儚くも噛めば噛むほど溶けていく絶品の肉感。醤油ではなく塩がやはり絶妙な旨味を引き出しています。都心で1貫2000円と言われてもおかしくはない・・・。

 

【野の幸】:天然こごみのお浸し

 コゴミも春の山菜ですがシャッキシャッキで緑が鮮やかです。10月に食べれるものではないですが保存や塩抜きに特殊な方法があるのかな。奥飛騨の他のお宿でも季節外れでシャッキリした物を食べたことがあります。甘味をよく持たせた醤油とカツオのお出汁に、香ばしい擦りエゴマを散らしてあります。

 

【田舎盛り】:わらび田舎煮 ばあちゃんのころ芋 飛騨かぶ漬け

 郷土の3品ですが味付けは料亭です。 ワラビも春山菜ですが秋にもいただける薄味でカツオ節も相まってか煮汁がカツオです。塩味はほとんどなく出汁とワラビだけの風味で郷土の小鉢だが上品。 ジャガイモ小芋を蒸かしてから脂で揚げてハチミツと醤油で煮た物です。長野上信でも同じような郷土料理があります。外皮はプリっと弾けて中身はホクりとしたジャガイモに、ハチミツの濃厚煮汁をたっぷり絡ませるとオヤツになりそうな美味さです。 香の物に当たる名産品の飛騨赤カブは「赤かぶなが漬け」、それに「ゆず大根」「蕪(かぶ)の軸の古醤油漬け」が付け添えてあります。

 

【囲炉裏】:子持ち鮎塩焼 五平餅えごま味噌

 最初から囲炉裏に刺し込まれている2品。

 鮎は子持ちブリブリで丸々と肥えています。かぶりつくとプチプチとした食感があり、たっぷりと卵を抱えていました。魚に限らず食材は子を宿すと、生育に栄養がいくので身はいま一つという事が多いですが、たくさんエサを貰えているのか身までしっかりと旨味があります。炭で保温してありましたが、囲炉裏に入ってから時間が経過していたのか熱々ではありませんでした。鮎は骨が硬くないので直前焼きでの提供でもいいのでは?と思ってみる。

 郷土料理の1つである五平餅は、炭火に近かったこともあってか、こちらはあっつあっつで口を添えるのに難儀するほどです。エゴマ味噌は色づきからすると味噌こってりの様に見えますが、反して味噌主張は少なく、もち米の炭水化物の甘味の方が強い。しっかり焼かれた表面はカリカリの焦がし味噌になっており、中身はほっくほっくのもっちもっちで豪華な半殺しの濡れ煎餅のようです。

 

【山さとの恵み】:大根ときのこの豆乳酢

 器の底には紅白なますが入り、上に細かい豆乳白和えにエゴマを混ぜた物を掛けてあります。その上に、ムカゴ、シメジ、ブラウンエノキ、彩りの枝豆、菊花、紅葉ニンジンを盛ってあります。紅白なますの甘味が強い甘酢に白和えが馴染むととてもまろやかになり、他の食材と混ぜ合わせて食べても食材の一つ一つの味わいに絡み合います。そして、エゴマが香ばしさを増すように豆乳酢味を際立たせます。

 

【清流の恵み】:川魚のお造り 大ます 川ふぐ ちぢみ蒟蒻 ソーメン蒟蒻

 飛騨名物のこんにゃく、大ます、川フグのお造り3種です。どこかで食べた大マスは脂がトロリとのったトロサーモンのようでしたが、ひだ路さんで用意されたものは脂よりも紅身の締まりが肉厚でゴリップリっとしたものです。大きな3切れが盛られ食べ応えがあります。 ちぢみこんにゃくはコンニャクを乾燥させたものです。最初は口に入れた時は全く分からなかったのですが、干しからもどす過程で恐らく梅酢を使っているのだと思います。爽やかな酸味と上品なウメの香りにコリコリとした噛み心地。 ソーメンこんにゃくは薄っすらカツオと昆布の合わせに新鮮な摺りショウガがピリリと舌に響きさっぱりと。お口直しのコンニャクの二品。

 フグと聞くとついついトラフグを連想しますが、飛騨地方ではナマズを指します。苦手な方もいるかもしれませんが、アルプスの天然水で飼育されているので、その身は清らかで食べた感じはタンパクだが程よい脂甘味がありトラフグよりも柔い。器には朱の金魚草、紅芯大根、キュウリの彩。 醤油はカツオの出汁溜まりに薬味には本ワサビです。

 大マスが盛られた小鉢の下には海藻クリスタルが敷いてあるという細かい仕事。

 

【のくとまり】:松茸土瓶蒸し

 のくとまりとは飛騨の方言で「温まる」という意味だそうで、土瓶蒸しで暖まりましょうということでしょう。テーブル調理ではなく厨房で温めたものを配膳してくれます。

 蓋を開けるとぶわ~~とマツタケしかない湯気が顔を撫でていきます。出し汁がおちょこ4杯近くなみなみと入っていました。 具材に白身魚が入れ込んであり、最初ムツかと思ったのですが脂加減は恐らくタラです。しかも、丁寧に葛も打ってあり出汁が沁み込み美味。具材の銀杏も歪感があり季節的にも水煮ではなく生ギンナンかと。他には百合根、マツタケは3切れなのにとんでもない香りです。間違いなく国産の香り高さです。そういえば、ひだ路さんに訪れる前にマツタケの露天販売を見かけました。

 

【季節の寄せ物】:野菜のふくさ寄せ

 メインの飛騨牛の前に「箸休めにどうぞ」と配膳されたのがこの「ふくさ寄せ」です。本来は重ね合わせた物や、袱紗で包んだようなものを言います。が、ここでの袱紗は「「2種類以上の何か」を混ぜた料理を指しているのかと。魚摺り身と鶏卵を合わせたものを称しています。寄せにはキノコ、ニンジン、ギンナン等たくさんの具材が練り込んでありました。味付は実に奥飛騨らしいまったりとした濃い甘辛味噌は、田楽味噌のように滑らかで、卵黄を混ぜているのかコクが深い。添え付けには瑞々しい生キクラゲ、色付けにはスライスミニトマトにオクラの叩き。 器も変わっています。

 

【ごっつを】:飛騨牛サイコロステーキの溶岩焼き 焼き野菜 きのこ

 献立の「ごっつを」は「ごちそう」が変化した飛騨の言葉です。

 付け合わせのキノコには飛騨の「ジャンボなめこ」、舞茸はお隣の長野県からのお取り寄せと思わしき香味最高の「黒舞茸」の選りすぐり。お野菜は「ししとう」「エシャロット」です。

 見事なサシの入った飛騨牛です。まさにご馳走で肉厚でステーキのブロック肉は150gぐらいありそうです。

 取り敢えず焼かないことには食べれないので溶岩プレートのような物に乗せていきます。キノコと野菜は飛騨牛の脂が滲み出てきたら、脂を塗り塗りして牛脂の香り付けをすると付け合わせもまた美味い。

 レア、ミディアムレア、ウェルダンと焼き方を変えても、口に残るようなスジは1つもありません。部位は・・・ロース?サーロイン?もちろん色付きからするとランクはA5じゃないでしょうか・・・。他の色々焼いてみましたが、脂が多いので少し強めに火を入れたミディアムぐらいの方が脂が引き立つ味で好みでした。レアだと上品過ぎて脂の甘味が弱く、ウェルダンだと赤身が少ないので旨味が頼りない。レアに近い状態で食べるなら赤身のフィレが人気な理由がよくわかります。

 加味は醤油と上品柑橘大根おろしポン酢に、ミル挽き岩塩です。造りで取り置いた本ワサビと出汁醤油で食してもバリエーション豊かに楽しめます。ひだ路さんの飛騨牛にはポン酢に卸しを溶いて乗せていただくのが最もおいしく感じました。

 

【御飯 汁物】:飛騨こしひかり 味噌汁赤味噌仕立て

 御飯は御ひつに、味噌汁は残った炭火に掛けられました。とにかく御ひつには1人に軽く2.5膳、味噌汁も同じく2.5杯です。

 味噌汁は赤味噌なのですが、京らしい赤でもなく飛騨らしい赤でもなく、色は濃いのに深みがあり塩は控えめで純な赤味噌だけが残るなんとも飲み口のよい汁です。2.5杯飲み干してしまいました。具材はたくましい厚揚げに、青い小松菜、ナメコです。 米は美味くお造りのワサビを取り置いてワサビ飯にしても良し、飛騨のカブ漬けが香の物としての扱いなのでそれでいただいても良く。 

 

【結び】:桃シャーベット わらび餅二種

 最後のデザートは蓋つきの陶器の重箱で。

 蓋を開けるとこれはこれは・・・何とも配色豊かな甘味。 モモのシャーベット自家製でしょうか・・・。アイス部分は甘さ控えめで健やかな桃風味を持たせながらも、コンポートのように別調理した刻みモモが混ぜ込んであり、これを噛むと桃風味と甘味が一気に拡がります。高山とかにある有名スィーツ店の物か?と思ってしまいます。 わらび餅は「きな粉」「抹茶」の2種で、餅にもそれぞれ練り込んであります。かなりたくましい弾力はグミ菓子のような反発力です。しかし、甘味は控えめにありながらも、餅にもしっかりと味? いいえ、風味だけを持たせてあります。甘味が少ないので、桃アイスの前に食べた方がいいかと思います。

 

【夜食】:おにぎり

 「お夜食にどうぞ」と籠を持たさせてくれます。

 カリカリ梅のおにぎりでした。これは流石にお取り寄せふりかけ混ぜご飯でしょう。飛騨古川の八ツ三館さんで似たようなオニギリをお夜食にいただきました。手頃なサイズで夜の風呂上り後の小腹やおつまみに丁度良く。

朝食

 朝食も夕食と同じ個室でいただきました。席に着くと順次温かいものが運ばれてきました。

・人参ジュース

・自家製豆腐 出汁醤油 生姜 葱

 人参ジュースはとても熟された濃厚仕立てです。

 感覚としては茶碗蒸しのようですが、味は大豆がたまらないプリンのような豆腐です。まろやかに、みりんと酒が効いた合わせ出汁醤油で大豆風味が際立ちます。

・朴葉味噌 椎茸 白葱

 飛騨地方の郷土の味である強甘口味噌に椎茸とネギを合わせた朴葉味噌は白米にサーブするしかない。

【籠盛】

・こも豆腐、蕗煎り煮、花豆甘露煮、ゆばこんにゃく、法蓮草おひたし

・煮物(寒干し大根、信田巻き、ブロッコリー)

 前菜の「こも豆腐」も地物名産ですが、パサッとしたものではなくしっとり潤うジューシー。煮物というにはそれぞれに炊いて合わせたもので、信田巻きのお出汁に浸してあります。

・焼き塩鱒、出汁巻玉子、卸し、はじかみ 

 焼肴はほんのり暖かく提供され、紅味が優しく脂の乗りはと献立をみるとやはりマスの味わい。出汁巻き卵は出汁が染み出るものではなく甘口の少し硬め卵焼き風です。

・蒸し野菜(白菜、ヤングコーン、南瓜、オクラ、ミニトマト、付けダレ)

 蒸し野菜は熱々でさらに保温できるように蒸し器の下に蒸気がでるように工夫されています。付けダレには酸味のあるごまだれです。

・生野菜(レタス、サニーレタス、トレビス、ニンジン、ドレッシング)

 生野菜のドレッシングにはエゴマと醤油ベース和風ドレッシングを。一人前ではなく2人分を取り分けます。

・漬物(大根漬け、野沢菜漬け)

 こちらも2人前を取り分けです。大根の漬かりが素晴らしい。

・お味噌汁 大根汁 葱 水菜

・白米 飛騨のこしひかり

 夕食と同じように囲炉裏に味噌汁が鍋ごと掛けられます。白味噌仕立てで、1人2杯ほどありますが塩気を抑えてあるのでしっかり飲み干せます。

・ヨーグルト ブルーベリーソース

 ヨーグルトは少しねっとりとした濃い目のミルク味。地元のヨーグルトでしょうか。

 うれしくも山の物しかないお野菜盛り盛りの健康的な朝食でした。

 

まとめ

 福地温泉にはハイクラスのお宿は他にもありますが、大人空間を演出しているという意味では、ひだ路さんが最もゆったりと過ごせるのではないかと思います。他のお宿がゆっくりとできない訳ではなく、公式HPには「小学生以下の子供の予約は致しかねます」とあり、大人slow timeを満喫するなら「ひだ路」さん一択です。ただ、お値段も近隣では最も高いです。

 ひだ路さんの大人宿は値段的にどうかというと、館内図では客室数はわずかに12部屋で、共同露天風呂以外の共有スペースでのお客さんとの接触はほとんどありません。実際のところ、訪れた時は湯上がり処のfreeのコーヒーやお茶をいただきに行った際に他のお客さんと遭遇したぐらいです。お部屋に源泉かけ流しの露天風呂があるので、お部屋でゆっくりステイというのが基本なのかもしれません。食事処も個室食となっているので別荘感覚でリピーターの方も多いのではないかと思います。むしろ、料金の多くは年齢制限などの空間代が大きいのかもしれません。

 料理に関しては奥飛騨しかない内容ですが、季節に合ったもの、温かい物は温かく、山菜などの保存食的な山の楽しみを、雪国の郷土の濃い味ではなく、食前酒からデザートまで塩味を上手に調整して、くどくならない様に仕上げてありました。強いていうならばアユの塩焼きは直前焼きのあっつあっつで味わいたく思いました。

宿泊料金

 すべてのお部屋に源泉かけ流しの露天風呂があるので、客室にはあまり拘りはなく最も安いプランで予約しました。それでも70000円~です。食事はおいしく季節感もありますが、子供の受け入れをしていないことなど、時間と空間への代金かなと思います。記事をしたためた時点では、現在では利用できないクーポンを使ってYahooトラベルで予約しました。ご参考までに。

宿泊日:2021/秋

旅行サイト:Yahooトラベル

プラン:【ベーシック】温泉露天風呂付き客室プラン

部屋タイプ:温泉露天風呂付客室(和室)

合計料金:72600円(2人)

クーポン:5000円

ポイント:6760p(即時利用)

支払い料金:60840円

加算ポイント:608p

福地温泉 隠庵ひだ路 宿泊予約

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