いい温泉宿、おいしい料理宿

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再び訪れたいお宿探訪と趣味のブログ

焼岳【長野県 新中の湯ルート】~初心者ハイカーでも挑める百名山、日帰りで上高地を見下ろす絶景と活火山の様相を楽しめる5時間行程の半分は山頂見え見えの極楽登山~【2021年9月】

既に周回遅れになっている記事ではありますが、2021年9月の焼岳の登山記録を。

いつもお世話になっているヤマケイさんの地図を拝借。少し見やすく上高地をいれて広域の地図を入れてみました。ヤマケイさんのタイムコースでは登りが2時間50分、降りは2時間10分と計5時間の山行です。登山口すぐに駐車できれば標高差900mぐらいで、まぁまぁタフな感じですが、登り返しなどがないので実質まっすぐ900m上がるといったところ。往路いずれも上高地に下りるコース取りもできるのですが、車を取りに行くために舗装路は歩きたくないので毎度のピストンです。

西からの遠征なので、東海北陸道「ひるがの高原SA」車中泊で翌朝5時に出発、中の湯登山口に到着したのは6時半過ぎだったが、駐車場は車がすでに車道へ溢れ出ていました。準備を整えて登山を開始したのは7時。画像真ん中の赤矢印が登山口なのでアクセス抜群の駐車場です。

焼岳は日本百名山に選ばれた山ですが、今回のルートは初心者でも時間を掛ければ登頂は可能とあります。我々にぴったり。ひたすら上るので体力勝負ですが、終盤は絶景があるので疲れはさほど感じなくなるかも。

9月の気温は15度あるかないかぐらいだったか、とてもひんやりとしていたので上着を一枚羽織って上り始める。

山麗はまだ木々の色付きはない。気温は低いが風はなくモイスチャーですぐに汗だくになり、上着を脱いで誰も来ないうちにタイツも脱いでしまう。

「場合によったら噴火しまっせ~」という案内板があります。何年前だったか「ちょっと危ないよ~」という時期があり、警戒レベルが上がった時期があったような無かったような。隣には登山の装備はちゃんとしてねという注意書きも。

最初は道路にそって登山道が付いており、これだけ見ると低山の雰囲気ですが標高は1500m付近からのスタート。

周辺の熊笹などの低木は身丈ほどに高くなってきます。

樹林が深くなり始めると葛籠折りの標高稼ぎが始まります。

葛籠折りの合間に空が開けるところがあったり階段が付いていたりします。

石道とダートが交互に入れ替わります。しかし、無風で9月の高山とは思えない暑さ。

最初のキノコはブナハリタケとか?

空は時折明るくなるが開ける様子はなく黙々と上がっていく。

まだ1700m付近だが、このあたりの登りが最も楽と言えば楽で、急登もあれば緩登の繰り返し。上り返しがないのはある意味足の負担が少なくてこのコースは好きです。

足元はかなりヌカるんでいるがほぼ平坦です。序盤の葛籠に比べると身体への負担は少ない。

空を見上げるとブナの隙間から見える青空と緑が心地よい。

数百年?は生きたかと思われる幹の太さ。前回、上がって来た時はこんな朽ちた木があったかな?

傍らには天然の苔リウム。

無茶苦茶きつい登りはないがモイスチャーで景色がないとやはり疲弊が始まります。

自分らが遅いのか速いのかは分かりませんが、まったく気配がなかったところへ、他の登山者さん達に追いつきました。

一度だけある下り。

実際、視覚的に下りるのはこの程度で標高差的には20mもないかと。

下るともちろん登り返します。足を振り上げて登らないところがないのは初心者にはやさしい。

登り返すと出発から1時間ちょっとで1860m。

時々平坦になりこのような足元が悪いところには丸太を渡してくれています。

ヌカるみの蹄の跡はカモシカかな?

ヌカるみの道を進んで行くと

「!!」

何か見えてきましたよ。

登り初めておおよそ1時間30分。

こういう景色が現れると疲れを忘れるワクワク感は、おじさん・おばさんになっても童心回帰が止まりません。

登山道横にはナナカマドの色付きの始まり。

ゴールが見えてしまう広場に到着。すぐに着きそうな距離に思うが、これを許してくれない「見えていても近づかない現象」。

この広場で小休憩をとっている人が多い。

ん~山事情と腹具合は難しい。このルートはトイレが無い。「携帯トイレを常備せよ」は実感的に難しい。腹の具合によっては第1波を携帯トイレでやり過ごしても、腹というやつは2波もやってくる。山の中でもお腹の調子が悪い時あるもの。でも、せめて埋めるか、使用したティッシュは持って帰るようにしないと、この場所は大変なことになりそう・・・。

自分もお世話になること事もあるので、むしろ料金とってトイレ設置の方が簡単明快だが税金とかどうとかありそうで・・・まぁまぁ意味深な言葉ですが、ご察し下さい。

杞憂はさておいてテンションが上がる景色に向かい疲れ知らずに進みます。

相方は「前も登ってるし、焼岳も見たし今日のゴールはここでいいでしょ!?」という始末。いやいやいや、この晴天で登頂以外の選択肢はないやろww

と、言いつつも相方も歩みは止まることはなく口とは裏腹に足は山頂へ吸い込まれていきます。

少し上ると葉ではなくナナカマドの身が真っ赤に色付いています。

標高は1900m越えてきました。出発から1時間30分ほど。

樹林帯は続きますが、紅葉というには黄葉の初秋のトンネルが迎えてくれます。

ナナカマドの植生が強く実が真っ赤。

相方は何か発見したのか観察中。

何かあったん?と問うと、

「見たことのない虫がいたとかどうのこうの・・・」

見た事のない虫を何で素手で触るんやww

後から腫れた、痒い、イボが出来たという言うんだからwww

足場はガレガレの歩きにくい登山道で、自分は一番嫌いな足元です。

いよいよ天が拓けた。登山道からは焼岳の山容が見えてきます。空の白は雲ではなく火山の噴煙です。

さてさて、ここからはルート内では最も急登が続きます。

振り返るとかつては火砕流が流れたような谷筋が見える。その向こうには乗鞍岳。実際にはきつい上りで、たくさんの人が多く休憩していました。

山頂は見えているのに全く近づかない。絶景も堪能できるがしんどい!!

まぁ、ゆっくり行こうや (´Д`)

山頂の左をみると笹原が開放的に広がります。

核心部に向けて少しずつ迫っていきます。見ているが近づかないゴールはいつも通りで、だいぶ歩いたやろ!? と時計を見ても時間の経過は数分程度。

樹林帯を抜けてからはゴロゴロ石に挫かないように急登をゆるりゆるりと進みます。

あともうちょっとなんだけどねぇ・・・近づかないよねぇ・・・

山頂は2450mとあるが、2070mの標高は恐らく誤差でしょう。登り始めから2時間ちょっと。

くそ~~~~・・・見えてるのに全然近づけへんやんけ!!

ヤマハハコ、オンタデ、オトギリソウのような黄色の花はなんだろ?

 2回目であっても期待値はマックス、気持ちはクライマックス。でも全然近づかない。いや近づいているが到着しない。

左を見ると笹原だけでなく火山でえぐれた跡に、ほそぼそと植生が復活している景色。

何十年もかけて再生するんだろうなぁ。

これを見ていると御嶽山や浅間山定期的に噴火しているところは再生する栄養もないのだろうと思う。

あともうちょっと・・・時間は数分程度だが体感的には30分ぐらい経過している精神疲労。雲が出て来たなぁ・・・

登り切るとかつての火口には池が出来ています。

旧火口の反対側をみると現在も活火山である象徴に、高濃度の硫黄の香りを噴き出す現役の火口があります。前回はガス中毒注意の看板があって「速く通り抜けろ!」と案内があったような。

煙が上がる新しい火の縁に登山道が付いています。

かなり狭い登山道はすれ違いが難しい幅。右側はいつの時代か分からぬ火口があります。

煙がでている噴火口を巻きながら頂上へ向かいます。後ろには火口外縁を造る南峰が見えます。

振り返ると上がってくるハイカーさん達。流行り病の影響もありアウトドアのアクティビティは盛況さを増しているそうです。装備の新しい登山客がとても多い。

かなり使い古した我が家からすると羨ましいほどの装備ww

我が家は何年も同じウェアのプア登山ww

快適性があれば恰好なんていいのですわ。

現在の噴火口を巻いて山頂に取り付きます。

あと150mかと思いきや山頂付近に到着していました。protrekあるあるの誤差。

休憩込々で3時間ぐらいで登頂です。

山頂は平たく大きい。昼時なので多くの登山客が思い思いに食事やお茶、撮影を楽しんでいました。

取り敢えず我が家も上高地をバックに登頂のワンショット。

2回目ということもあるのか、相方の顔にも余裕があり元気。

珍しくぼやきもなければまっすぐ上がってきたのだが・・・

山頂碑を押し倒すというアクシデントをしでかしました。

さすが相方だわ。ただでは終わらんww

倒れると周辺にいた登山客の方々が集まってきて皆で立て直してくれました。

皆さんご迷惑をおかけしました・・・

というか、山頂碑は地面に刺さってないのかよ!!w

山頂付近からは観光地である上高地を見下ろすことができるのは登頂者の特権です。左上のオレンジの矢印は西穂高への縦走路です。青矢印にある梓川沿いに谷を進むと涸沢カールや槍ヶ岳、蝶ヶ岳へのアクセス。黄色の楕円は梓川に掛かる河童橋がある観光ハイキング道です。

下には穂高温泉街が広がっており、西穂ロープウェイが見えます。槍は見えないけど、正面には笠ヶ岳が鎮座している。

上高地方面の反対側は上がってきたお鉢を見下ろします。

噴煙が噴き出す火口も見下ろすことができます。蒸気が流れてくると温かく濃厚硫黄臭は硫黄泉に入りたくなります。

噴火口から振り返ると皆はランチタイム。我が家も軽量重視で湯を沸かしてカップ麺とコンビニオニギリを頬張り雲も出てきたので下山。

画像右端にある赤矢印、山頂端には飛び出た場所があり根性があれば立つことができる。

下山時に山頂付近を振り返ると、矢印が飛び出た部分。落ちたら大怪我かあの世行きですが、記念に足をプルプルしながら立っときました。撮った画像はなぜかない・・・。

往路では気付かなかったが更に古そうな険しい旧火口が真ん中にありました。ここも、いつ御嶽山のように噴火してもおかしくない山ですなぁ。

雲が張り出して景色が無くなってきたので早々に下山開始。

山頂付近には雲が掛かり始め、奥飛騨温泉郷や白骨温泉に泊まるなら最も気軽にこれるのでまたいずれ。

ナナカマドの紅葉を楽しみつつ。

登山道が整備され尽くしてあるので下山は足の負担少なく。

森林限界は終わり樹林帯の中へ。

トイレ事情が大変な広場まで戻ってきました。これから登ってくる方もいましたが、下山は上高地へ下りる人が多いのか、時間的な事もあるのか、こちらを帰路にするハイカーは少ないようです。

昼からは雲が出るのは天気予報通りで景色があるうちに登頂できたのは良かった。

何故か一輪だけあったのはリンドウかな?

足がパンパンになってきた終盤。まだかまだかと最後の葛籠折りで駐車場を目指す。

舗装路が見えてきたところで一安心して歩みを緩めて、のそりのそりと足の負担を減らして休めながら一息。

下山は2時間はかからず駐車場に到着。車はちらほらと抜けはあったが、入れ換えはなかったようです。ハイカーさん達は、山頂でゆっくりしているのか、上高地方面へ下りたのか。上高地に下りてもいいのだけど、最寄りバス停から30分舗装路を上がってくる熱意は今の年になるとないですな・・・なのでピストンがやはり主。上高地へ下りるならタクシーで戻ってくるという手もあります。

 

さてさて、足の労を癒しに本日のお宿、奥飛騨温泉郷にある「福地温泉 ひだ路」さんへ向かいます。

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