岡山県立森林公園から上る千軒平へおじゃましてきました。何故に山や岳ではなく平という名前が付いてるのでしょう。山行時間は休憩時間を除いて3時間、標高差350mぐらいのコース取りです。Google mapで下調べして良いとこだけ見れるように歩いてみました。往路が赤線、帰路が青線で歩きました。
流行り病のため自然と触れ合うような場所は、人がごった返していたので懸念していました。しかし、思っていた以上に人は少なく一番近い駐車場に停めることができました。
駐車場には赤い実が乾燥して越冬の準備。ウメモドキかなぁ・・と思ったのですが、幹が違うような。
足元のリンドウは、ぱっくりと華を開いていました。
スタートから、えらくしんどそうに歩く相方。到着するまで寝てたので、まだ起きてないようです。
先人達のどの記録を見ても、掲載されている名物案内標識。キャンプ場ではないので当たり前の事が記載されているのでルールを守って楽しみます。
数分して公園の管理センターに到着しました。
館内に入ると森林公園に生息する動植物の紹介版の展示があります。なんと!赤矢印にあるアカショウビンも訪れるようです。
公園で見られる花・実・蝶々も写真付きで紹介されているという手の込みようです。
動物の剥製や昆虫採集の展示などもあり、好きな人なら半日は過ごせそう・・・。訪れたなら散策する前に訪れることをお勧めします。
さて、山行へ復帰します。この山には毒性のあるカエンタケが生えるそうです。初夏から秋にかけて生息するようなので注意しましょう。
山登りとは無縁の平坦な公園内の自然散策路の整備路を行きます。
途中、開ききったオオツリバナかな。確実に季節は秋に向いている。
最初の分岐です。左に行くと「まゆみ園地」、右路は今回の下山路で下ってくる道です。
川は完璧に治水されています。
橋を渡ると園地のような場所があります。駐車場にあったウメモドキに似た赤い実をならす樹。
園地を進むと分岐があり、中央園路方面へ。
マムシ草の実を傍らに歩みを進めます。失礼ながらも花は地味ですが、実は派手なインパクトがあります。
山間部では熊注意はよくありますが、熊の注意喚起はなく古いマムシの注意板。
園地との三叉路の分岐到達しました。
来た道は「まゆみ園地」、行く道は木道階段の「北展望台」です。
木造階段を登っていくと、またまた標識が見えてきました。
この三叉路を北展望台方面へ、つづらに折り返します。
足元の白い茸の群生を横目に、丸太階段を上がっていきます。
そんなにきつい上りはなく、すぐに北展望台に到着しました。
展望台というわりには木々がお生い茂っていて、眺望はほとんどありませんでした。
上ってきたのに、行く道は下りとテンションも同時に下がります。
下り切った所にある道しるべの「おたからこう湿原」方面へ。
やがて木道が現れ水の流れる音が聞こえてきました。
湿原には花の彩りはなく。まぁ、10月だし雪も積もるかもしれないので、湿原のお手入れも冬が開けてからかな。
木道の湿原を渡り切ると、管理センターからの砂利鋪装の道に出ます。
敢えて展望台に寄らなければ、管理センターからの鋪装路で楽々と上がってこれます。
明らかに車が通っているダブルトラックの歩きやすい道を進みます。
さらに歩きやすい道が続きます。小川をまたぐ橋が掛けられた散歩道。
と、思っていると少しずつ登りが強くなってきました。
いよいよ登山道らしくなってきましたが、整備の行き届きは抜かりがないので歩きやすい。
道の脇には岩肌を滑り落ちるように小さな川があります。
足元をよく見ると石の上にバッタがちょこんと乗っていました。旬の生き物ではありますが、気温は下がってきているので生き抜くには厳しい季節だろうな。寒さのせいか動く気配がない。
歩みを進めていると千軒平の案内が登場しました。あと1450mだそうです。もみじ滝も50mと近いので寄ってみますか。
地図でみると「現在地」とある所まで来たようです。
「きたけ峰」と書かれた標の前を通り抜けて少しだけ上ります。
5分もしないうちに「もじみ滝」に着きました。小振りのかわいらしい滝。水量がもう少しあれば見応えありか。
足元のシダ系のヒカゲやカズラに似た群生は目に優しい。
分岐まで戻って千軒平を目指します。
途中、カエルにも出会い。種は何だろう?調べるとタゴガエルという日本固有種のようです。なかなか勇まし出で立ちですが、そろそろ冬眠時期か。
つづら折りの上りが続き標高を上げていきます。
倒木には猿の腰掛。ん~ブナサルノコシカケでしょうか。倒木の種類が分からない・・・。
ゴールかと思う開けた所に出ました。尾根に出た様ですが、標高はまだゴールではない。
しかし、茸と生き物が賑やかな山です。
道しるべ通りに歩んでいくと・・・何で下っとんねん!!つづらの下り道が登場です。尾根歩きになるとアップダウンは当たり前なのですが、視覚的にかなり下まで降ろされると萎え萎えになります。
当たり前のように下ったら必ず上り返しが待っています。ここまで来たなら行くしかねぇ。
上り切るとしばらくフラットな尾根歩きになります。尾根はやっぱりこういう道ですよ。
一か所だけ泥沼のようになっている場所を通ります。
ふむ・・・。動物の足跡がたくさん付いています。蹄があるようなのでシカかイノシシか。泥浴みの後がないのでシカかな。
木階段についたシメジのような小振りのキノコ。
森の間から見える空の光はゴールの予感。
手入れされた庭園のような所を抜けていきます。かなりの安心登山です。
やってきました。本日のビクトリーロード。
ん~・・・。登る前から天候が悪いのは知っていたので期待はしていなかったのですが、ガスがかなり出ていてvictory感よりもlooser感のほうが強い。
取り敢えず登頂です。標高差も少なく整備された道は歩きやすく疲労は全く感じません。
終わりを迎えるマツムシソウの姿が足元に。
山頂は大勢で賑わうと、すぐに一杯になってしまいそうな広さです。
パノラマで獲ってみましたが、景色がないと迫力に欠けます。
相方が景色の良い所に腰を据え始めました。どうやら、昼飯を催促しているようです。ここから2年前に登った「泉山」が本来なら見えているのか。
本日の手抜き昼ごはん。気温は高くないので、温かい物を食べるため火器を持って上がってきました。お手製おにぎり、非常食のスティックパン、ラーメン、春雨スープ。
体力使うとシンプルにおにぎりが一番美味い。
麓では開いているリンドウも、標高差300m程度だが高度が上がるとツボミは硬い。
食事を摂ったら尾根沿いに下山開始です。
やっぱり秋は茸が盛んです。調べても全然分からない・・・。
こいつは・・・調べるとベニタケの一種のようで、口にはしない方がいいようです・・・。
若干の下りと平面歩きを繰り返しながら標高が下がります・・・。
下がりきると、またまた上り返しです。きつくはなく、尾根道歩きを楽しみます。眺望があれば上げ下げも楽しさも増しますが、素朴な低山での山行もいいもの。
明確な標識のある散歩道としては、地元の方がとてもうらやましい。
園地のような「もみじ平」に到着です。標高1000mにありながらも庭のように植木職人さんの仕上がりです。
丸太のロッジ造りの避難小屋がありますが、使用されている様子はありませんでした。むしろ朽ちそう・・・。縦走登山者や天体観測での利用が、かつてはあったのでしょうか。
避難小屋を横手に尾根道を行きます。可否はわかりませんが、テントやチェルトを持って上がって張れそうな程に整備は行き届いています。木々は覆い茂っていましたが、天体観測を主とする方々なら、いい画がとれるかも。
整備された尾根筋の笹原のど真ん中をお邪魔しました。刈り込みが素晴らしく野生動物への対応も万全です。ガスっていたので眺望がなかったのは残念。車両侵入はダメですが、マウンテンバイクで走ると絶対面白い。
途中、何かを見つけたようで、ストックでいじりはじめる相方。まぁ、キノコでしょ。ストックで押すと胞子が噴き出すやつです。
安直に下山していると、「うお!!」笹の藪からニョロリとでてきたのは蛇。マムシではない?シマヘビの黒個体にも見える。下山途中にみた蛇は3匹。
背の高い樹林を抜けて行きます。
ちいさな小屋に到着です。
トイレのようですが使用はできず。ここから園路へ下山を開始します。
上りと同じように葛籠下りに緩やかな勾配で標高を落としていきます。
アワブキでしょうか。秋の彩りを先行していました。
傾斜が出て来たので木の根と丸太の階段を慎重に下っていきます。
行きついた先には案内標識とベンチがある平坦なところにでました。奥には管理道の園路も見えるので下山してきたようです。
振り返ると、管理センターの反対側に熊押し滝の案内があります。すぐなので、寄ってみました。
段々状になっている滝で、滝の上までハイクアップすることが出来ます。熊押しの語源はどこから来たのか。屈強な熊さんは押せなさそうではある。
砂利道を管理センターへ戻っていきましょう。
途中、渡渉する所があります。橋が架かっているのに敢えて、川ポチャコースに挑む相方。残念にもポチャすることなく渡り切ってしまいました。そして、渡りきった相方はドヤ顔。ちっ・・・。
ふむ・・・ヒラタケやナラタケの仲間のようにも見える。
左が管理センターに通じる道、右が「おたからこう湿原」への分岐。
そして、最後は最初に渡った橋のところまで周遊してきました。橋を渡ると「まゆみ園地」、正面が管理センターです。景色があれば尚良かったのですが、ハイキングには丁度いいお山です。生き物観察には最高のスポットで、お好きな方は1日しっぽりと楽しめそうです。
さてさて、常時ひんやりとした山行でした。冷えた体を温めに本日のお宿「三朝温泉 旅館大橋」さんへ向かいます。