2020年最後のUPは9月に訪れた福島県東吾妻山の登山です。本当は2018年に予定していたのですが、噴火の恐れがあるとして立ち入りできませんでした。危険区域が解除されたので、気合を入れて仕事終わらせて、関西からぶっ飛ばして、新潟県の米山SAに6時間かけて24時着。4時間程寝て、3時間半運転して浄土平ビジターセンターに到着は9時前。ヘロヘロですが念願の東吾妻山へGO。上りが赤線、下りは青線のコース取りです。地図はいつもお世話になっているヤマケイさんからのスクリーンショットを拝借。本当は吾妻小富士のお鉢巡りもしてみたかったのですが時間足らずで断念。ヤマケイさんのコースタイムは4時間10分。休憩や写真とったりは計1時間余剰に、急ぎもせずペースを落とすわけでもなく、ほとんどコースタイム通りに歩けました。アップダウンはあっても、標高差も400m無い程なのに大冒険ができるお得なお山です。
浄土平ビジターセンターの駐車場へ車を停めました。歩き始めたのは9時過ぎ。平日なのに結構な数の車が停まっていました。出発の準備をしていると次から次に車が到着します。ほんまに平日か!?近隣のナンバーが多く親しまれた山なんですねぇ~。
ビジターセンターの脇についている木道から出発です。丁寧な案内板が設置されてあり、とても整備されています。
浄土平湿原の成り立ちを記した案内板。この湿原だけを歩きに来られた観光客も多く見受けられました。
向かう先には本日の1つ目のピークである東吾妻山が見えます。「まじであそこまで行くん・・・?」というぐらい遠くに見える。
火口からはモクモクと火山ガスが沸き立っています。硫黄の匂いが漂ってきます。2年前に来た時は登山予定日直前に火山性地震が頻発。御嶽山の事もあって、その後すぐに立ち入り禁止になってしまい、この度は念願叶っての山行です。
吾妻小富士方面を見ると空がとても近い。小川の砂は火山灰なのかとてもキメの細かい泥のよう。気持ちのいい湿原歩き。
木道脇には多くはないが花がちらほらと。左はウドの仲間かな?右はヤマハハコ。
木道は周遊できるようになっていますが登山道方面へ。
駐車場から直接登山道に入る道に合流。分岐には登山届のポストが設置されていますが、ビジターセンターでも受け付けています。ガレガレの道をしばらく進みます。
言ってる間にすぐに樹林帯に突入。この年は9月からすぐに気温が低下。涼しくなるのが早かったので、樹林帯でもそこまで暑くはないが無風だと汗は滝のように噴きます。
最初の分岐に到着です。まず「東吾妻山」のピークを踏みたいので進路は左へ。
木道の階段が延々と続きます。土流れを防ぐため階段になっているのは分かるも、上りも下りもありがたくも、人工物が一番こたえます。
そしてソフトボールとバレーボールぐらいの石を避けるtightな道。
吾妻小富士を背に頭の上が開けてきました。
脇に目をやると早咲きつぼみのリンドウ、湿原で見たヤマハハコがひっそり。
間の空いた階段が続くので急登はなく、ゆるりゆるりと標高を上げていきます。さほど疲労感はなく周りの景色を楽しみながら上がれます。
空には高い山の景色はなく。おや?木道が見えてきたぞ。
木道に差し掛かると一気に開けます。蝦ヶ原の湿原に出ました。風が通るようになり涼しい。
木道傍らには浄土平と同じような火山灰の小川がサラサラ。
道なき道の岩がゴロゴロの分岐に到着です。向かう右は釜沼、左が東吾妻山です。
向かう東吾妻山への木道。
さてと、のっぺらい山容の頂きにお邪魔します。近くに見えて全然近づかない40分の道のりは本当に遠いw
ハイマツが木道にせり出して行く道を遮ります。でも、植生の邪魔は極力控え、おじゃましたい。
ハイマツをすりすりしながら抜けた先には右手は「鎌沼」、左手は「東吾妻山」、正面は「谷地平(やぢたいら)避難小屋」からのルート分岐。
進路左の東吾妻山方面に向かいます。いつも「どっち?」て聞く相方が、全く迷いのない舵取り。奇跡というか偶然というか、突然のとまどいに「どこに向かってるかわかってる?」と尋ねると、「本能がこっちだと言うてる」 ・・・は?いや、正解ルートなんだけども、とんちんかんな感性が正解を言うと不安になる。
東吾妻山の山頂までは、これまでのユル登山ではなく、登山らしい道に突入。急登ではないが、ぬかるみと木造階段の歩きにくい道。ぬかるみのある面倒な道を40分程進みます。
樹林帯を抜けると急に空が開け山頂への道しるべ。
右へ振り返ると蝦ヶ原分岐から往く、西吾妻山に繋がる谷地平(やぢだいら)が見えました。西吾妻山も良かったなぁ・・・。また登ってみたい山だ。
山頂手前の山頂の標。山頂でもないのに何故ここに・・・。
今度は左を振り返ると雲海の絶景に、下山路の「鎌沼」と帰りに寄る「一切経山(いっさいきょうざん)」が一望できます。雲海が良きかな。距離感がおかしくなるので、えらく遠くあるように感じられます。
そして山頂。ヤマケイさんのコースタイムより5分早く到着1時間35分。
到着するなり相方は一望することもなくモグモグタイムへ。取り合えずお腹が減っていたので、間食タイムでコンビニおにぎりをサクサクッと詰め込みます。
磐梯山山頂には少し雲が掛かり、猪苗代湖(いなわしろこ)と湖岸の街並みが一望できます。登頂した日はガスが多く遠望はなく・・・。山頂は広場のように開けています。
山頂の広場に一株だけ、ひっそりと咲く花はなんでしょう・・・。調べても分かりませんでした。大事にされている感じはしますが、皆さんの登山記録には触れられておらず。
お腹を少し満たして傾いた山頂標識をくぐって、蝦ヶ原まで戻ります。
十字路まで戻ってきました。右手は来た道、左手は山頂から見えていた谷地平(やぢだいら)、正面は「鎌沼」です。往くのは鎌沼なので直進。
先ほど上った東吾妻山をバックに木道を進んで行きます。
5分もせず、しばらく進むと鎌沼の湖畔に差し掛かります。ん~景色にワクワクしてきます。
そして木道は西吾妻山への谷地平(やぢたいら)と酸ヶ平(すがたいら)の分岐に着きます。進路は酸ヶ平方面へ。
整備された木道は延々と続き、鎌沼が近づいてきます。整備しまくりで迷いがなく安心です。
鎌沼周遊コースと、酸ヶ平(すがたいら)方面の分岐を直進します。平坦な鎌沼周遊のハイキングコースはしっかりと整備され、ライトにハイキングを楽しみたい方にはとてもありがたい。うちはライトとヘビーの間、ミドル登山が多いかな・・・。
鎌沼の湖畔を眺めながら、一切経山のとりつきまでハイキングを楽しみます。
リンドウがたくさん顔を出してくれます。
東吾妻山の反対に位置する湖畔にたどり着いた時には、雲が張り出して圧迫感が半端なく。水際には水辺を楽しむ方もちらほらと。Day-campなのかテントを張っている方もいました。
湖畔を横手に木道を進みます。本日2つ目のハイライト、一切経山が見えてきました。
左手山頂への分岐。右手は下山路になる浄土平ビジターセンター方面。
もちろん一切経山に向かうべく歩みを進めます。
途中、とても立派な酸ヶ平避難小屋を経由します。ここには綺麗に整備されたトイレもあります。
ピントがボケボケですが、内部は清潔に保たれています。駐車場から40分、一切経山の山頂まで40分と、一泊してサンライズやサンセット、星空を楽しむにはとても立地がよさそうです。
山頂へは避難小屋の後ろへ周ります。
最後の登りです。雲が張り出してきたので天候がもってほしい・・・。
すれ違う方に「眺め最高よ~~!」と励ましのお言葉を頂く。
東吾妻山と酸ヶ平の湿原の全容が後ろに広がってきます。実は足元がガレガレでかなり歩きにくいのです。
頂上への道しるべには0.6kmここからは緩やかな上りです。
のろりのろりと歩いていると、左に見える吾妻小富士の火口がくっきりと見えました。
絵にかいたような火山火口。雲がなければ尚良いのでしょうが、このお山は見所がたくさんであって飽きがきません。
間もなく山頂のケルンが見えてきました。でっかいケルンやで・・・。
山頂の全容です。とても広い。大晴天なら爽快な360度青色パノラマなのでしょう。かなりきつい風の中、おばさま達がケルン傍でランチを楽しんでおられました。
山頂の碑には1948m。
反対側に回るとお目当ての「魔女の瞳」が丸見えでした。曇ってなくてよかった・・・。ここは際まで降りていくことができるようです。
パノラマで撮ってみました。大きさ比較に相方が左に立っています。スケールが大きい。近所にこんな山があるのって最高だろうなぁ・・・。
名残惜しくも下山へ。酸ヶ平方面を眺めながら標高を下げていきます。
早々に浄土平と酸ヶ平の分岐まで戻ってきました。
浄土平方面へ。1.7㎞か。
木道下にはビオトープのような一面も。
木道から木階段とガレの道に変わりました。
ススキの穂はまだ硬く、見頃にはまだ早い。
下山路にはシラタマノキが咲いています。調べるとサロメチールの匂い?がするんだとか。
浄土平湿原にも咲いていたヤマハハコの群生。シラタマノキと同じく下山路でたくさん見かけました。
左手を見ると、駐車場から見えていた噴煙が上がる火口が見えます。やはり、硫黄(硫化水素)の臭いが漂ってきます。
避難小屋分岐から20分ほどすると駐車場が見えてきました。ここから駐車場の10分が、やたら遠く感じます。
やれやれと思いながら木造階段を下ります。いったん駐車場は見えなくなり・・・。
下がり再び駐車場が見えてくるが、全然近づけへんやん!!w 足が疲れてるから余計なんだろうけど、相方も「見えてんのに全然近くならんやん!聞いてないわ!どうなっとんねん!!」とキレ始めたwww
まぁ、キレても下るしかないわけで・・・。何とか無事に登山届のポストがある道まで戻ってきました。
あぁ・・・良い山だった。としながらも、山登りの後は、ねぎらいの温泉宿「飯坂温泉 青葉旅館」さんへ一目散に向かいます。青葉旅館さんにご興味がある方は下記事も合わせてどうぞ。