いい温泉宿、おいしい料理宿

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再び訪れたいお宿探訪と趣味のブログ

湯元斎藤別館【長野県 白骨温泉】~無積雪期限定営業のレアな宿、源泉かけ流しの濃厚硫黄泉を堪能できる貸切風呂、予想を上回る山の幸しかない溢れんばかりの食材は信州の深みに溶け込んでいくよう~

 白骨温泉街の最奥にある本館は近代的な斎藤旅館として営業しています。その手前にある鄙びの木造屋が湯元斎藤別館さんです。積雪期は営業はしないという季節限定のお宿で、豪雪地帯ゆえに冬に営業するには色々と難があるのでしょう。もともと賓客を迎い入れるために別館として建てたそうで、平成8年の改修後はわずか11部屋で営業するプライベート感がある静かな御宿です。

※記事の内容は宿泊した当時の内容となっていますのでご参考程度に。最新の情報は各々ご確認下さい。

 斎藤別館さんに来る前に西穂高独標までお遊びにいってきました。その時の様子も良ければどうぞ。

旅情

 もとの建物はかなり古く、改修後もひっそりとしたレトロな風情が残されています。白骨温泉でも行き交いが難しい程の道路に面しているので、奥にある本館寄りの駐車場に車を停めました。

 玄関は客室数に相応した、こじんまりとした小宿のフロント周り。満室ではなかったようですが、他のお客さんとの接触はほとんどありませんでした。

 無駄のない昭和と平成の古き良き温泉旅館で、高級でもなく民宿でもなく、有難いほどのほったらかし感は、良い意味で気を使わない実家に帰ったかのような感覚があります。

 建物は山肌に立っているので、ロビーの窓からは切り拓いたと思わしき岩盤が見えます。

 周辺にはお店がないにも関わらず自動販売機は良心的なお値段。

 たくさんのお土産はありませんが、自家製味噌?や羊羹などが販売があります。私的には一般的なお土産よりも、自家製味噌に焦がれ惹かれてしまいます。どんな風味を持っているのやら。

 ロビー奥には赤矢印のところに浴場があり、青矢印は上階への客室となっています。

 男女別の浴場が奥にあり、手前には無料の貸切風呂があります。ここまでくるとすでに硫黄(硫化水素)の匂いがプンプンしています。詳しくはお風呂の項目で。

 お風呂手前にある階段で、客室階の上階へ向かいます。

 階段を上がると3階への階段が付いている部分とそれぞれに廊下が付いています。

 建物は横長なので山肌に沿って客室があります。廊下つなぎ目から先は平成建造なので木造による音が響いたりするのが気になる方は、こちらの棟での宿泊がいいかと思います。

 三階に上がる階段は明るく現代的な様相にリフォームが成されています。木造3階建てで階段に手すりはありますが、エレベーターなどの設備はないので、足元が不自由であるなら事前にお宿に相談された方がいいかと思います。

 三階客室は2階よりも落ち着いた今風の廊下です。

 建物の半面が山なので、客室階はすべて内廊下となっており館内はやや薄暗い。流行り病もあり客室を絞っていたのか省エネモードでした。

 

お部屋

 案内して頂いたのは、昭和レトロな玄関の上にある「315」号室です。

 間取りは本間8畳+踏み込み3畳+バス+トイレ+広縁です。

 木造棟ですが、古い建物や文化財のような感じでもなく、古めかしさはなく綺麗にリフォームされています。

 グラスが入った小箪笥の下に空の冷蔵庫。

 踏み込みの板間からは3畳の廊下が付いており奥に本間が見えます。3畳廊下を振り返ると洗面とバストイレがあります。

 洗面にはアメニティ類一式と、POLAの化粧水や乳液など備えはハイクラスの御宿です。ドライヤーは昔ながらの壁掛けの弱いタイプなので気になる方は問い合わせを。

 トイレは安心のシャワータイプで、バスは付いてはいますが温泉ではありません。

 本間にはすでにお布団が敷かれている、従業員の方が部屋に極力お邪魔しない流行り病スタイルです。晩秋のお部屋にはすでに石油ストーブが置いてありました。

 木造ですがお部屋は丁寧に手入れがされており、古さを感じることなく過ごせます。違い棚、地袋、襖などは新しく張り替えてあります。

 書院の組子は欠けはなく綺麗な状態にあり新しく仕立てた物でしょうか。古い建物だと、建物自体が傾いて開閉が難しかったりするのですが、欄間戸はきちんと開き歪みもなくスムーズに開閉します。

 角部屋で予約したので角縁が付いています。本当は10畳での予約だったのですが、10畳間の角部屋はカメムシさんが処理しても追いつかなかったそうで、8畳のこちらのお部屋になりました。カメムシとはさすがに一晩仲良くは難しいので仕方なし。

 障子に組み込まれたガラス窓は今では作られていないであろう菊?椿?を模したと思わしき物。角間温泉の越後屋さんでも同じような障子に入ったガラス窓を見ました。欄間額は古めかしさがある書。

 窓からは玄関前を見下ろします。有名な山々は見えませんが、晩秋の山容と紅葉が楽しめました。

 お値段は中堅クラスですが、サービスはハイクラスで、玄米茶と緑茶の2種、就寝時に冷水の用意、着物には足袋もあります。

 建物から歩いてすぐに気帰り温泉施設にちょっとしお土産やお菓子もあったと思いますが、車でも近くにはお店がないので事前準備はしっかりとしておくことをお勧めします。

 

お風呂

 館内には男女別浴室と貸切内湯の計3か所の浴場があります。館内の浴場以外にも徒歩1分のところにある、日帰り入浴施設「煤香庵」を利用することができます。さらに徒歩1分の姉妹館である斎藤旅館本館のお風呂もいただけます。この3カ所の湯巡りができるのは斎藤別館さんの宿泊客だけです。

 斎藤別館さんの白濁湯の泉質は含硫黄-カルシウム・マグネシウム・ナトリウム-炭酸水素塩泉で、ツルスベっとした優しいシルキーな肌触りです。白骨温泉の中でも希少源泉が使用され、湧出口は50度で湯舟に注ぎこまれる時には40~42度という絶妙な湯加減になっているとのこと。さらに、飲泉もできます。口に含むと強烈な硫化水素(硫黄)臭を最初に感じ、後口は苦味?エグ味?は炭酸の風味です。湯使いはもちろん極楽硫黄の源泉をかけ流し。宿の規模からすると湯の使いは最高のパフォーマンスです。完全な湯の入れ替えは3日に1回と、ちゃんと表記があるのは良心を感じます。外湯、本館湯、別館湯では利用時間が異なるのでセルフチェックを。

別館 男湯

 男女別の内湯に大きな差はないようで、客室数も多くはないので洗い場はシャワー3つでも混み合うことはありませんでした。そもそも他のお客さんと重なったのは1回だけ。

 天井は高くとられており湯気を逃がす造りとなっています。夜に入りにいくと、静寂の中で天井を眺めてボサっとしながら、ぬる湯をいつまでも楽しんでいられます。

 他人様と入るには2人が限界か? 3人はとても気まずいぐらいの大きさの湯舟です。

 湯使いは源泉かけ流し、飲泉も可能で注ぎ口には升も置いてありました。時間によって酸性泉のような酸味があったり、炭酸のエグ味が強かったりと環境に左右されるのかもしれません。かけ流し口を見ていると炭酸成分なのか水面がプチプチと弾けています。

 濁りは50㎝沈むと見えなくなるぐらいの透明度です。よく見ていただくと水面には白い湯の花が多量に浮いているのが見て取れ、濃厚泉質であることを物語っています。しばらく腕を浸けていると、毛に泡が付着するほどに炭酸成分があるのが分かります。

別館 女湯

 湯舟の大きさは男湯との差はなさそうです。女性側も横並びに2人ならお互いに気にならない大きさがあります。

 注がれる湯量も同じ程度にありますが、女湯の方は析出物が除去される前なのか、ごってりとした温泉成分がこびりついています。硫黄泉特有の白いもこもこ。

 やはり水面には浮き上がってくる湯の花で被膜ができます。男女別内湯は、ややぬるめでいつまでも入っていられるが、冬季は湯舟からは出れなくなりそうです。冬季は温泉の温度管理が難しいので休館になるのかもしれませんね。

 女湯側はシャワーは2基と少ないのは男性のお客さんが多いから?

 脱衣所の備えはシンプルで女性側にはドライヤーと化粧水類と乳液?が置いてあるだけでした。

貸切風呂

 男女別の内湯と並んである貸切風呂も同じような湯屋です。

 貸切風呂はカップル2人で入るには丁度よい。子供がいて家族でとなるとかなり手狭。

 湯口は男女別の浴場と同じぐらいの湯量が注がれており、湯舟が小さい事もあってか湯温は高めで、長湯をすると汗をかくほどに暑く感じるほどです。

 湯舟の大きさと源泉の注がれる量からすると最も新鮮湯かなと思います。滞在中は終始この貸切風呂で楽しませてもらいました。

 貸切風呂内にもシャワーが一基あります。意外にも温泉を楽しみに来てるお客が多いのかと思いきや、温泉目当てではなかったのか貸切風呂はいつでも利用できました。私的には嬉しい限りでした。

本館 露天風呂

 本館のお風呂もいただきましたので少しだけ。

 本館は中型旅館なので湯舟はかなり大きくとられているので、加温かけ流しとなっているようです。

 野天風呂は20人ぐらいは入れるのでは?という大きさがあります。2ヵ所男女入れ替えのようで、もらい湯した際の男湯は建物に目隠しをしてあり開放感はなく。

 ダバダバと注がれる源泉は加温+源泉のようで湯口が2つありました。目隠しが高くあるものの、雪が舞うと硫黄臭をツマミに酒をあおりながら浸かりたくなります。

本館 内湯

 別館とは違い宿泊人数が多いので洗い場はかなり多く備えてあります。内湯も男女入れ替えのようで、こちらは小さめ?の湯舟の浴場かと。

 内湯には露天風呂も併設されており、夜景はライトアップされていますが、景色は日がある明るい時間帯の方が良さげです。

 別館に比べると湯温は高めです。本館は一般客層、別館はマニア?向けという感じがします。

日帰り野天風呂 煤香庵

 温泉街の中心にある日帰り公衆浴場「煤香庵」は、1泊につき1回無料のチケットが付いていました。お土産処とお食事処も併設されているので、登山客、スキー客、地元客の拠り所として利用されているようです。

 湯使いは源泉かけ流しのようで外気に晒されることもあってか白濁が強い。訪れた時には晩秋。いつまでも入っていられる湯温です。

 日帰り風呂の良いところは、パイプから注がれる源泉の量ではないでしょうか。

 他の温泉地からすると贅沢な投入量があり、それを求めてか地元の松本ナンバーが次から次に入れ替わり立ち代わりにやってきます。市街地から日帰りで訪れる人も多いのではないかと見受けられます。こんな湯があるなら多少離れていても足を伸ばしたくあるのも頷けます。

 

お料理

 朝夕共に2階のお食事処でいただきました。

 1室2組と大きく空間をとって、流行り病の対策としてテーブルの間にはビニールのカーテンで仕切りが付けてありました。

 料理の内容は、山奥にありながらも田舎料理ではなく、地の物を中心とした山の幸をふんだんに盛り込んだ豪華な内容となっています。味付けも雪国らしからぬ旬の物を引き立てた京風のような仕立てとなっています。

 お品書がなかったので、給仕係の方から聞いた内容と、実際に食べた感触から献立を作っています。個人的な感想なのでご参考程度に見ていただければ幸いです。

夕食

 テーブルには概ねの料理が並んでいます。後ほど椀物、焼き物、揚物が熱々で配膳されます。

【食前酒】:リンゴ酒

 とても薫りのよいリンゴ酒は、後ほどデザートで出てくるシナノゴールドではないかと思います。少し甘味を持たせてあるが焼酎で漬けたような大人味は恐らく自家製か?

 

【先付】:卸なめこ

 緩い醤油味の浸し出汁にナメコを浮かべて、軽く絞ったおろし秋甘大根と、青い刻み柚子皮のあしらいです。そのまま食べてもいいですが、この盛りだとやはり混ぜて食べるのが美味。新柚子が香り高くナメコと大根の卸しは相性が良くいい仕事をしています。

 

【前菜】:7種

 説明は「ニジマスの卵です、食感をお楽しみ下さい」とだけ、献立はないのでさてさて・・・。 ①稚ワカサギの唐揚げ:パリパリに香ばしく揚げて酒のつまに6尾と程よく盛ってあります。 ②穂紫蘇の佃煮:醤油を強めに甘辛く炊いてあり、ワカサギと同じくお酒の当てに進みます。 ③ニジマスの卵を緩醤油で漬けてあります。イクラのようにプチっドロリとした物ではなく、プツン!じゅわ!と卵の被膜にかなりの張りがあり、イクラのこってり感はなく爽やかな風味だけを感じます。 ④蒸し地鶏:低温調理でじっくり蒸し焼いたかのような、ふわふわで歯切れはよくジューシー。仕上げは柚子香。 ⑤鱈南蛮:酢と甘さはかなり控えた品のあるタマネギ南蛮酢でしっかりと炊き上げてあります。 ⑥いぎす豆腐:きな粉のように大豆の香りが豊満な豆腐地はしっとりと箸が入ります。緑の混ぜ込みは海藻のイギスです。 ⑦ずいき白和え:ずいきにはほんのりと酢を持たせてあり、白和えは豆乳クリーミーのえごま風味。

 

【向付】:虹鱒、信州サーモン、岩魚の姿造り

 3連のお重にはマスと信州サーモンです。生は生でもコリコリ、プリプリとよりは昆布締めにしてあるような熟し加減がありました。余計な脂と泥臭さは感じず健やかな旨味がありむしろフルーティな感じです。信州サーモンはニジマスと鮭(ブラウントラウト)をかけ合わせた信州ブランドの淡水マスです。これを薄口醤油のたまりに少しだけ浸していただきます。つまはイタリアンパセリ、大根けん、大葉、本山葵、菊花。

 豪華にも大振りのイワナの姿造りも付いていました。川魚は天然物だと逆に苔の青臭さがあったりしますが、養殖故に、身振りは大きく脂の乗りも抜群で旨さが増します。3枚おろしにしてなお、かなりの肉厚に食べ応えがあります。彩りには、こよりニンジンを中央に配して、イタリアンパセリ、大根けん、大葉、紅葉カエデ。

 

【椀物】:真丈、はなびらたけ

 蓋を開けると湯気の中から現れたのは、白と黒のコントラストが映える、漆黒椀の中に浮かぶ白い真丈とハナビラタケです。真丈は白身魚のすり身とイモ類?の何かと合わせてあるような舌触り。まったりとしたデンプン質にほんのりと甘く薄味のサツマイモ?長芋?、普段から食べているような味だが思い出せない。カツオが香る澄ましと塩味が程よく馴染みます。尋ねてみると山芋とすり身にシメジを練り込んだものだそうです。山芋であんなに濃熟に仕上がるのか?と思っていたら、自然薯、山の芋、大和芋のような品種であれば確かにと後から気づきました。

 

【焼物】:岩魚の塩焼き

 直前焼きの熱々配膳です。頭から尾まで食せますが、身振りが大きいので若干骨が掛かります。ふっくらホロっとした身にかぶりつくと、肉汁が溢れ出し保温された物ではないことを物語っています。大きな身振りとジューシーさにより、塩が多めにふってあるが丁度良く。ワタは抜き食べやすく仕込んであり、お口直しにはレモンとはじかみを。

 

【台物】:和牛すきやき

 斎藤別館さんの食材からすると地産の信州牛?かなと思います。肩ロースと思わしき肉質はいい色合いです。霜降りは具合はどちらかと言うと赤身寄りです。部位にもよるのかと思いますがランクはA4はないかもぐらい?

 出汁・みりん・醤油のバランスが絶妙で、少し薄めのように感じる割り下にお肉を浮かべると、じんわりと脂が滲み出てお野菜にもよく脂が絡み美味しい。食感はとろけるというよりは噛めば程よく融解します。こってり甘醤油のすき焼きが好きな方には少し物足りないかもしれませんが、薄口であるが故に和牛の旨味をより楽しめるよになっています。良い物であるほど薄味のほうが好みです。とろける和牛には、白菜、菊菜、白ネギ、花ニンジン、しらたき、焼き豆腐、シメジ、ブラウンエノキを添えてあります。

 

【御凌ぎ】:栗おこわ

 名残り秋の味覚である栗と、赤色のおこわには主色になる小豆の姿はなく。赤米というわけでもないと思うのですが・・・。ホクホクのたっぷり栗の秋味に、おこわ独特のもっちり感と黒ゴマの香ばしさを楽しむ箸休めです。

 

【揚物】:わかさぎの天婦羅

 焼き物のイワナと同じく、揚場から揚げたてサクサクで直送されました。「あまり珍しくもないですが」と配されました。長野県のスーパーには普通に陳列されていたりしますが、都心の一般家庭で並ぶ食材ではないとは思うのですが・・・。旬始めや先取りのワカサギは何処産でしょうか。近隣の物なのか、ベタに諏訪湖産? ほっくりふっくらと揚げられており、川魚とはまた違った味わいは酒によく合います。お野菜はパプリカ、マイタケ、タラ?、カボチャです。

 

【炊合い】:飛龍頭、蕪、軸

 最初からの配膳でしたが、わずかに温かさがありました。柔すぎず硬すぎず、ほろほろに炊き上げたカブにはしっかりと醤油出汁が沁み込んでいます。飛龍頭は別名「がんもどき」です。これもじゅんわりと出汁が滲みております。しかし、カブのお出汁とは異なり、「炊合い」としたように薄口に別々に炊いた物です。飛龍頭は自家製か豆腐屋さんからのお取り寄せのようなふわふわ感。浸し出汁はカブの物を使用しているようで、彩りの添え付けであるカブの軸も別に煮てある手の込み様。

 

【食事】:ゆかりご飯、赤出汁、香物

 他のおかずと一緒に食べれるようにか、最初からお米は配膳されていました。甘味の強い北国の米は水も美味しく相乗効果でさらにうまい。赤出汁は京風滑らかエグ味と酸味のないまろい風味に巻麩とナメコの具材。香の物は長野県定番の野沢菜ですが塩気があまりなく健康的な自家漬け?もしくは塩を抜いてあるのか。 赤カブは隣の飛騨高山の名産品です。

 

【水物】:3点

 リンゴは食前酒の素になったと思われるシナノゴールドです。パリッと弾けてシャックシャックで、酸味はほとんどなく風味は良いが甘さは控えめです。久しぶりに口すると純な品のあるリンゴ味を再確認。 シャインマスカットは小振りだが瑞々しく丸みのある甘さ。 そして、紫のゼリーはぶどうです。ワインゼリーみたいなものかと口に入れてみると・・・これは・・・。単刀直入にいうとブドウの果汁のみを寄せたよう。加糖もなければ濃縮したものでもなく素材本来の味を楽しむような菓子でした。

朝食

 朝食も夕食と同じ席でいただきました。

・サラダ(レタス、黄パプリカ、紅葉ニンジン、イタリアンパセリ、ミニトマト、胡麻ドレッシング)

・鰆柚庵焼き、昆布佃煮山椒

・山芋しゃぶしゃぶ 摺り生姜

・小松菜お浸し フキノトウ味噌 茗荷の酢漬け

・山芋豆腐

・わらびの煮浸し 高野豆腐 いんげん

・オレンジ

・温泉玉子

・香の物(野沢菜、お新香)

・温泉粥

・味噌汁

・海苔佃煮 梅干し

 朝食も何から何まで手作りではないかと思うお品ばかりで、味付はやはり田舎料理ではなく地物を使いながらも京仕立てにしてあります。 サラダの紅葉を型どったニンジンは手彫りのようで、ドレッシングも塩は優しく酸味のあるものでこれも自家製? 変わっていたのが山芋のしゃぶしゃぶですが、よくある山芋ではなく夕食の真丈で使われたと思わしき、粘りがかなり強い山の芋品種で線維が強くシャッキ!シャッキ!です。しゃぶ出汁もカツオ薄味上品。 珍味もどれも丁寧な味付にしてあり、季節外れのフキノトウ味噌は早物ではなく今年の保存物でしょうか。 山芋豆腐も山の芋由来のようで深い芋のコクがあり、浸してある醤油出汁は麺つゆのようにみりんが効いた物です。 そして定番の温泉粥は硫黄の薫りで胃に沁み入り、どのおかずにもそっと合います。

・コーヒー

 食後にはコーヒーのサービスもありました。

 

まとめ

 斎藤別館さんに泊まるに当たり悩んでいた要素は食事です。先人方のブログを見ていると料理は・・・といった第一印象でした。泊まりたいお宿の1つだったので、取り敢えずクーポンもお得に使えるので3か月半前に予約。それでも、迷っていたのですが、西穂高ロープウェイが随分お得に乗れると相方がテンション上々だったので、お日柄もよく往訪することになりました。お料理はアップグレードしたものの、郷土の素材や味は外さず、熱いものは熱く他のハイクラスのお宿に負けない「このお値段でいいんでっか!?」という内容でした。料理に関しては杞憂に終わりました。

 白骨温泉の湯を源泉掛け流しでじっくりと入れるのはやはり悦を極めます。レトロな木造建築と昔ながらの旅館風情はそのままに、湯治のように滞在したい方にはコストパフォーマンスは最強クラスかと思います。ただ、エレベーターなどはなく足元が不便な方は、本館の斎藤旅館さんでの宿泊をお勧めします。

宿泊料金

 スタンダードプランの料理内容は分かりませんが、料理アップグレードプランで「おもてなし・料理・風呂」を総合的に考慮して、私的には5万円を越える価値があったと思っています。お風呂の利用状況と源泉の管理、料理内容の配膳のタイミング等々は、料金にもっと反映されてもいいのかなと思いました。一点だけ・・・木造建築のプライベートの音・声が響くというのが苦手な方は総合的にマイナス点も多いとだけ付記しておきます。 

 それもまた旅情と言える方は快適なステイが出来るのではないかと。

宿泊日:2021/秋

旅行サイト:じゃらん

プラン:【スペシャルプラン】お料理グレードアップ◆姉妹店への湯巡りできます◆お部屋は角部屋

部屋タイプ:【禁煙】昭和レトロ客室◇和室10畳+洗面所・バス・トイレ

合計料金:41800円(2人)

夏セールがお得になるクーポン:4000円

支払い料金:37800円

加算ポイント:1254p

☆斎藤別館さんは冬季の予約は止まっています。雪解けの初夏から晩秋に予約サイトに出品されます。その際に当記事を参考にして頂ければ幸いです。

白骨温泉 湯元斎藤別館 宿泊予約

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