いい温泉宿、おいしい料理宿

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再び訪れたいお宿探訪と趣味のブログ

小澤屋【長野県 渋温泉】~2つの貸切風呂に2種の源泉が注ぎこまれる。良質な地産素材で造られた料理は納得のお値段~

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 渋温泉には当時の趣きが残る木造の温泉宿が多くあります。小澤屋さんもまた鄙びの木造風情を現在まで引き継いでおられます。

 この日は志賀高原にある志賀山プチトレッキングをしてお邪魔致しました。よろしければ旅の情報にどうぞ。

 

旅情

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 小澤屋さんは温泉街中心より少し離れた渋温泉入り口側にあります。いかにも昭和感が溢れる懐かしい外観です。画像右が小澤屋さんの駐車場となっています。渋温泉は狭いメインストリートにひしめき合うようにお宿が立ち並んでいるので、お宿のすぐ傍に駐車場があるのは珍しいです。

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 内装も昭和スタイルです。玄関に入ると大女将さんらしき女性に対応してもらいました。帳場で記帳をしてチェックインです。従業員さんもお客さんもマスク着用で、流行り病をうつしうつされないようにマナーを守ります。館内には所々に消毒用アルコールが置いてあります。

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 1階の奥に進むと大浴場の「石の湯」があります。また、ここには地下への階段があり降りていくと大広間があります。食事はそちらでいただきます。

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 玄関の正面階段を上がると何とも変わった欄干といっていいのか、跳ね上げられた細工?螺旋階段のように3階まで続いた階段が着いています。部屋や階段周りは建築当初のままの雰囲気が残っておりノスタルジーを感じます。

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 館内は古き良き懐かしい雰囲気が漂っており、当日は若いお客さんもいましたが、今の若い方には返って斬新に思うかもしれません。

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 客室にはトイレと洗面がなく共同での使用となります。古さはありますが、とても綺麗にされています。2階フロアの真ん中に洗面と「檜の湯」があります。

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 2階奥に進むと3階に上がる階段があり・・・

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 3階のお部屋の配置は、おおよそ2階と同じです。洗面も2階と同じようにフロアの中心にあります。この画像の位置から2階に降りてることができ、館内を周回できる造りとなっています。

 

お部屋

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 案内して頂いたのは「花園」というお部屋です。

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 間取りは本間6畳+踏み込み1畳程度。小澤屋さんでは最も小さいお部屋だと思います。小澤屋旅館さんのお部屋は各部屋のあつらえが異なります。大きな間取りのお部屋もあったのですが、この天井装飾が見たくてお部屋指定をすると、希望通りに通して頂きました。ありがたいことです。

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 花園のお部屋だけ引き戸になっていたと思います。すりガラス、霞ガラスの組み合わせてある変わった玄関戸。

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 玄関戸を開けると、玉砂利と切り株を埋め込んだ踏み込みに、桜と竹で装飾した天井。渋・湯田中温泉のお宿でこの飾りはよく目にします。年代や職人さんが同じなのでしょうか。

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 手狭なお部屋には必要な物がすべて詰め込まれた文化人が好みそうなお部屋です。地袋や埋め込みの箪笥。小さいながらも床の間もあります。冷蔵庫とガスストーブが乗っておりますが・・・。

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 床の間横の「ちんくぐり」に当たる部分でしょうか。立派な桜の床柱に見たことがない唐竹に割った竹が施されています。そして、お部屋の隅にある「炉」。昔は茶室のように使われていたのか。なんとも味のあるお部屋です。

 お部屋にはトイレと洗面がなく共同の物を使用します。共同のトイレはとても新しいシャワートイレです。お部屋には冷蔵庫とお茶セットがあります。ウェルカム茶はありませんが、お布団敷きの際にお茶セットの入れ替えがあります。さらに朝起きると部屋の前に新しいお茶セットの用意。アメニティ類は不足ありませんが、化粧水などの用意はありません。女性の方はセルフでご用意を。また、冷水等のサービスはないので事前に用意するか、渋温泉街にある酒屋さんで買い求めるのが良いと思います。最寄りのコンビニは徒歩20分と少し遠い。

 

お風呂

 小澤屋さんには男女別の浴場が1ヵ所ずつあります。しかし、訪れた日は19:00から翌朝まで貸し切り利用のみとなっていました。小さな旅館なのに源泉を2つも引いており、それぞれ違う湯を楽しむことができるという贅沢さ。また、それぞれの湯舟では、うれしくも源泉掛け流しとなっています。

檜の湯

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 2階にある浴場は、湯舟の淵は御影石、内張りはタイルに壁は檜と新しい。

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 湯舟は3人ぐらいでちょうどの大きさです。硫黄(硫化水素)の匂いは浴感を高揚させます。

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 分析表がなかったので正確な泉質名は分かりませんが、確かな硫黄泉はツルツルとした浴感が特徴的で、湯上がりはしっとりと潤います。オーバフローはなく塩ビ管から湯が捨てられています。塩ビ管の口が上に向いていると、湯舟になみなみに浸されるのですが、くるくると回りすぐに下を向くので水位がどうしても下がってしまいます。小澤屋さん塩ビ管を上向き固定でお願いします!投入量は申し分なくお湯は常に新鮮湯で入浴できます。

石の湯

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 小澤屋さんにある古来からの大浴場である「石の湯」。大正・昭和と創業当初からの湯屋でレトロな鄙の空間がたまらない。

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 浴場に入ると何とも愛らしい瓢箪型の湯舟に心躍ります。瓢箪頭の部分は浴槽は浅く寝湯のようになっており、ボディの部分は深く座ると丁度肩ほどの深さ。何となく形が歪(いびつ)なので不自然に身の置き場に困る・・・。

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 泉質はナトリウム・カルシウム-硫酸泉・塩化物泉です。析出物の茶褐色から想像できる鉄錆のような苦みを感じます。見えてる湯口の投入量からすると溢れ出しの方が多い。と思っていると湯舟に直接流し込む湯口もありました。客室が少ないこともあってか常にオーバーフローしていて気持ちがよかった。

外湯(綿の湯)

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 渋温泉には9カ所の外湯があり、渋温泉街に宿泊すると外湯に入るための鍵を借りることができます。宿泊客だけの特権ですね。「綿の湯」は小澤屋旅館さんから20m?ぐらいの所にあり、「外湯はちょっと・・・」という方でも、気楽に行ける距離にあります。

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 泉質は鉄錆香る「石の湯」と同じ泉質かな?入浴者がいなければ激熱になってしまう外湯。上手に水でうめながら入ります。それぞれの湯屋は独特の雰囲気があるので、渋温泉の外湯文化に触れて見るのもいいかもしれません。

 

お料理

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 朝夕共に「石の湯」傍らにある階段を下った地下にある大広間で頂きます。

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 コロナ予防のためか、とても大きな衝立で間仕切りをしてくれています。また、セルフの冷水の横にアルコールティッシュが置いてあり、徐コロナ対策がしてありました。

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 お料理は事前配膳のお膳料理が主です。しかし、温かい物は温かく冷たい物は冷たく提供して下さいます。配膳はやや早いので忙しい食事のようにも感じましたが、むしろ早く食べないと途中でお腹いっぱいになって食べきれない量が出てきます。地産地消と思われる食材に、いかにも信州らしいラインナップのお料理が並びます。

 お品書がなかったので、仲居さんから聞いた内容と、実際に食べた感触から献立を作っています。個人的な感想なのでご参考程度に見ていただければ幸いです。

夕食

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【前菜】:もずく酢、鴨ロースのたたき、ラデッシュともろみ、タコわさ

 左から。もずく酢は刻み生姜とオクラで夏らしい合わせ方です。酢はやさしく生姜の辛味でキリッとすっきり味。 鴨ロースは炙りが強く、たくましい歯ごたえは自家製でしょうか。カイワレ大根の彩と「ネギ塩ごま油ダレ」にミョウガを合わせて薬味の風味豊か。ラデッシュは変わった飾り切りに「もろみ醤油」を添えてあります。このもろみは見たことがない鮮やかなピンク色。甘味のある口当たりに酸味は控えてまろやか。 タコわさはコリコリと生タコに、ツーンとくるぐらいの本山葵の搾り汁?で浸してあり手作りの味。

 

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【椀物】:梅素麺のおすまし

 塩加減が丁度良い混じり気のないカツオ出汁には梅素麺、毬麩、玉子豆腐に三つ葉で香りをとってあります。どの具材もお出汁を邪魔しないものばかりなのでお口直しにピッタリ。最初から配膳されたので椀物としましたが、本来なら留め椀でしょうか。

 

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【焼物】:岩魚の塩焼き

 「焼き魚でーす」ともってこられたのがこいつです。さて、何の種類か・・・難しい。これまで食べた感触ではイワナかなと思います。なかなかの大振りで焼き立てといった感じではないものの熱々で配していただけます。ほっくりというよりはしっとりとした食感で飾り塩が少ないので塩加減は丁度良く。食べやすくワタも抜いてあるので苦手な方も口にしやすい。はじかみに、きゃら蕗の付け添え。

 

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【温物】:茶碗蒸し

 ゴールドスタンダードな茶碗蒸し。多くを語る必要はない柔い玉子地にお出汁がひたひたのタイプです。具材は海老、エノキ、しいたけ、かまぼこ、三つ葉です。とても量が多い。

 

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【お造り】:3種盛

 恐らくですがビンチョウマグロ、タイ、甘エビです。定番の物ですが可もなく不可もなく普通のおいしさ。これを薄口しょうゆで加味します。つまは大根けん、大葉、わさびです。本物わさびだったのか物凄く辛く甘い。

 

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【御凌ぎ】:イタリアン風信州サラダ蕎麦

 冷たい蕎麦を椀いっぱいにガッツリと蕎麦を敷き、その上からフリルレタスと紫ほうれん草で蓋をしてあります。ここまでなら蕎麦サラダとは変わっているなと感じます。自分は分からなかったのですが、相方がいうにはお出汁のベースは麺つゆ。サラダにイタリアンドレッシングを回し掛けています。口に入れるまでは頭は和テイストの蕎麦と認識しているのですが、ニンニクやコショウの香辛料によって一気に和から洋にテイストチェンジ。ですが、このコラボはお互いの強い所を抑え込んで、やけにマイルドに仕上がっているという不思議。和出汁や醤油ベースに洋を足してみるのも面白いと思わせてくれる一品でした。

 

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【台の物】:和牛のすきやき

 お酒の甘みが強めの「割り下」にあらかじめ具材がセットされています。モモと思われる和牛の赤身は一枚がとんでもなく大きい。普通に食べるなら4,5枚に分けて食べる量を2枚で食べます。

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 これを生卵でまろっとお口に運ぶと、この宿泊料金でこれを出しても大丈夫なのかという和牛の旨味が広がります。プラン名には「とろける」とありますが、肉厚の赤身なので「とろける」というよりは、しっかりと頬張って赤身を楽しむといったほうが美味い感じです。お野菜も豊富でシイタケ、エノキ、シメジ、生麩、白葱、菊菜、白菜です。

 

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【揚物】:天ぷら5種

 5種盛はナス、さやえんどう、赤パプリカ、エビ、シメジ。熱々の揚げたてで配してくれるのがとてもうれしい。他のお宿で良く変わり揚げを口にしますが、王道の天ぷらを食したのは久しぶりかもしれません。油が良いのかギットリ感は全くなく、さくさくの揚げられ素材の味が油により立っています。味付けはカツオ香る天つゆで。薬味は卸ショウガと大根おろしです。

 

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【食事】:白米、香の物

 おかずと一緒にお米を食べたい人のために、着席するとおひつを持ってきてくれます。見た目以上に一品一品にボリュームがあるので、肉体系の方でないとお米を食べるとかなり苦しいかもしれません。お米はツルつやで、もちろん美味い北国味。香の物は野沢菜に自家製かな?大根桜漬け。

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【水物】:西瓜

 夏季のフルーツ「すいか」です。最初から配膳されていますが、デザートに最後までとっておきました。口にすると「あま~~ぃ」瑞々しさも相まって、流行り病対策に換気が行き届いたお食事処はやや暑く、汗を滲ませていただく夏の涼。これも一人前の大きさがでかい・・・。本当にお腹いっぱいになりました。

朝食

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・ハムサラダ、フレンチドレッシング

・焼き鮭、蕗の佃煮 ・おぼろ豆腐

・きんぴらごぼう ・温泉玉子

・香の物 ・焼きのり

・エノキとわかめのお味噌汁 ・木島平産白米

・ヨーグルト

 すべて事前配膳の朝食はとても手作り感がある品々です。ハムは手切りなのか厚みが不揃いで厚い。焼き鮭は温かさが残っており、きんぴらごぼうは胡麻の風味を抑えた優しい口当たり。おぼろ豆腐が中華風で胡麻油と醤油を合わせたねぎソースに、ミョウガ、かいわれで爽やかに豆腐に絡みます。夕食の前菜にあった鴨と同じソースかな。胡瓜も深く使っており梅干しは自家製の味でお米がすすみます。デザートのヨーグルトにはバナナ。これを杏子のソースで包みます。このソースも自家製ジャムのような味わいがあり美味。

 

 雨天だったため予定していた登山は中止して、お風呂を楽しんでゆっくりとチェックアウト。相方と相談して雨でも歩けそうな志賀高原お池巡りをすることに。まず、お花が見頃の「田ノ原湿原」に向かうことにしました。

www.siwasu-cat.com

まとめ

 渋温泉は大衆旅館から高級旅館まで様々な形態のお宿があります。小澤屋さんはどちらかというと大衆旅館になると思います。大衆だからと侮るなかれ、2種類の源泉かけ流しのお湯が楽しめ、高級旅館と同じく外湯めぐりも可能です。お料理も、きちんとした出汁取り、温かいものは温かく、冷たいものは冷たく、基本だけど日常ではめんどうな手間を惜しまず丁寧な仕上げです。過剰なサービスではなく、申し出ればして頂けるといったスタイルで良い意味でほったらかしタイプです。ご年配の方には昔懐かしい風情、若い方には意外と新鮮な田舎の雰囲気が味わえ、温泉と旅をのんびり楽しみたい方には最適ではないかと思います。

宿泊料金

 小澤屋さんは通常22000~25000円ぐらいの値段帯のお宿です。年末年始で25000円~と少々お値段が上がります。7月の4連休で、源泉かけ流しの内湯に、お料理の手の入れ方からすると、お値段以上の宿泊をしたといったところです。じゃらん期間限定ポイントが溜まっていたので使用して19000円とかなり格安での宿泊です。

宿泊日:2020/7

旅行サイト:じゃらん 

プラン:《2種類の貸切風呂特典》とろける♪『信州牛のすき焼き』×郷土料理プラン

部屋タイプ:昔ながらの寛ぎの和室(6畳~10畳)

合計料金:24200円

ポイント:5200P

支払い料金:19000円

獲得ポイント:532P

渋温泉 小澤屋旅館 宿泊予約

『じゃらん』

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