淡路島最古のお宿という「やぶ萬」さんは、公式HPを見ると創業は江戸末期。当時は四国や鳴門に渡るための船を待つ「潮待ち客」で賑わったそうです。また、平成7年に養殖が始まった3年トラフグを率先して取り入れてこられたとあります。多くの養殖地では2年出荷が多いのですが、淡路島ではさらに1年我慢してブランド化されました。今回の目的はその3年トラフグなのですが全網羅されたプランが意外にない。そこで、1匹を丸っと、鍋、揚げ、焼き、白子まで、余すことなくいただけるコースがある「やぶ萬」さんに白羽の矢が立ちました。
※記事の内容は宿泊した当時の内容となっていますのでご参考程度に。最新の情報は各々ご確認下さい。
旅情
やぶ萬さんは淡路島でも最南端に近い南あわじにあります。全部屋18部屋という小規模の旅館なので、いかにも漁港の町らしい住宅街や商店街の中に溶け込むようにあります。
屋根付きの玄関は昭和・平成初期の佇まいです。先着順かと思うのですが、屋根のある駐車場が目の前にあるのは便利です。
外観は時代を感じますが内装は新しく改装されています。
こちらのロビーで記帳して館内の案内を受けながらお部屋に通して頂きました。
ロビーでは喫茶もやっているようです。
ラグジュアリーなお土産処にはお酒やジュース、土産菓子など淡路島縁の品々が置いてありました。
売店の冷蔵庫にはお酒だけでなく、淡路島名産のタマネギを使用したドレッシングも販売されています。
建物は奥に向かって長く建っており売店前の廊下からは「ゆ」の文字が見えます。
手前の階段の踊り場には通常価格の自動販売機。
さらに進むと途中にある階段の下には水槽があります。
冬シーズンの水槽にはもちろんトラフグが泳いでます。
なかなかに肥えておいしそうだ・・・夕食が楽しみです。
やぶ萬さんでは活〆にするのか寝かせる熟成か・・・。食事が終わって水槽を見たら、かなりのフグが居なくなっていたので活〆かな?
水槽の前を通り過ぎると一番奥には男女別の浴場がありました。ここにはウォーターサーバーも置いてあるので湯浴み前後に補水ができます。
館内にはエレベーターもありますが、水槽のあった螺旋階段で上階へ。
2階は食事用の個室と宴会場があります。
着々と夕食の準備が進んでいました。
カニとかもそうですが鍋物はゆっくりと食べたいので個室なのはありがたいです。
2階を奥まで進むと宴会場があります。靴箱の昭和な感じがいい。
今宵は8席のグループ客の受け入れのようです。贅沢な空間です。
埋め込まれたブラウン管テレビが時代を感じさせます。
3階に上がると客間ともう1つ大広間があります。
大広間は先ほどの宴会場よりも大きく見えます。しかもこちらは舞台付です。
青い絨毯が映える4階は全て客間となっていました。
建物自体は今時のおしゃれな感じはないですが、館内はすごく綺麗に手入れされています。
お部屋
案内して頂いたのは「おのころ」というお部屋です。
お部屋に案内後のお茶出しです。お茶請けの土産菓子のオレンジ饅頭は餡にオレンジの皮が練り込まれて実に美味しかった。
鉄筋造によくある昔ながらの金属の扉を開けると1畳程の踏み込みがあります。
玄関上がって振り返るとユニットバスがあります。
トイレは安心の洗浄機が付いた物になっていました。脱衣籠には手洗い用の新しいフェイスタオルも用意さえているという気配り。
本間は8畳の広さです。
館内と同じく室内も壁紙などは明るくやり替えてあるようでとても清潔感があります。
床の間にはきちんと生花も活けられてあります。
2畳程の広縁には有料の冷蔵庫と湯沸かし器。
湾となっているため外洋は見えませんが、窓からの景色はよく水門の向こうにクルーズ帆船のマストが見えていました。
これは先ほどから左手を見た景色。やぶ萬さんから徒歩5分の所にある道の駅です。
道の駅の向こうに造船所が見えますが建造?解体中?の船があるという珍しい眺め。
アメニティ類はすごく充実しています。 女性にはPOLAの使い切りフェイスケアセットに加え鏡台の前には化粧水の用意もあります。
一般的なアメニティはお部屋に備え、シャワーキャップ、髭剃り、櫛は大浴場にあります。お布団敷きの際にはお茶セットの入れ替えと冷水の用意もありました。
朝には朝刊の挿し込みもありサービスは高級旅館並です。
お風呂
1階に男女別の浴場が1カ所ずつあります。浴場の入れ換えはなく構造は対称的な湯屋となっています。源泉名に「潮崎温泉スタンド」とあるので恐らく運び湯ではないかと思われます。そのためか、湯使いは完全循環式となっています。だが、侮れないのが循環としても、ヌルンヌルン肌触りの凄まじい湯力。訪れたのは乾燥する冬季でしたが、湯あがりはしっとりと化粧水いらずです。泉質はナトリウム-炭酸水素塩泉となっており、海の傍なので塩味が強いのかというと、そうでもなく極わずかに感じる程度というのも不思議です。
浴室の扉を開けると「何だかオイリーな臭いがする!」と思ったのも束の間、正体はボイラーによる臭いのようでした。
お宿の規模からすると少々手狭な大きさの湯船は5人並ぶと丁度ぐらいの大きさ。湯の色が緑色に見えますが、実は湯船のタイルの色で温泉自体は無色です。
湯船に入る時に気をつけないといけないのが、浴槽内も温泉成分が付いているのでヌルりが凄く転ばないように注意しましょう。完全に全身ローション状態です。
湯口はもちろん循環湯なのですが、ヌルヌル度がとにかく纏わりついて、ついつい肌をこすりたくなる衝動にかられます。少し熱めに加温されていましたが、冬季だと入りやすい温度設定でした。
完全循環なので消毒臭も若干あるものの、ヌメりと小庭の景色が良くあまり気にならず。
脱衣所には化粧水から髭剃り等々アメニティ類が充実しています。
お料理
お食事処の前に掲載されていた写真で大きさ比較。3年トラフグは淡路島にある他のお宿でも提供されているのですが、是非に「やぶ萬」さんで食べたいと思っていました。何故なら、一本食いの11品からなるコース料理はトラフグの全てが網羅されています。しかも、目の前の福良湾にある養殖場から最も近い宿なんだとか。
淡路島でしか味わえない冬の味覚である三年トラフグ。仕入れの際に漁業組合から証明書が発行されるそうで、チェックインの時にその証明書をいただけます。まるで和牛の等級の様で淡路の押しの強さを感じます。
さて、本題のお料理です。
朝夕共に同じ個室のお食事処でいただきました。
夕食
テーブルにはてっちりの用意、てっぴ、食前酒が並びます。ほどなくして「てっさ」が配膳されます。3年トラフグが旨いのは当然ですが、自家製のポン酢や土佐醤油はそのまま飲めそうな調合で美味しく、辛味を抑えた紅葉卸などのアクセントも絶妙な加減で華を添えてくれます。
お品書がなかったので献立は給仕係の方から聞いた内容と旅行サイトから引用しました。味に関しては、実際に食べた感触から個人的な感想を述べております。ご参考程度に見ていただければ幸いです。
【食前酒】:梅酒
「梅酒を炭酸で割ったものです」とのご説明。元々の梅酒は甘い物だと思うのですが、炭酸で割ることでさっぱりとした口当たりで渋みや甘さは残りません。アルコールは飛ばしてあるようで苦手な方でも安心して口にできるようにしてあります。
【先付】:てっぴ
鉄皮とかいて「てっぴ」と呼びます。あらかじめポン酢に浸してあり、歯切れがよい湯引きにしてあります。コラーゲンと共にコリコリとした食感は、噛めば噛むほどに甘味が増して酒が進みます。ポン酢には僅かに甘味を持たせてあります。鍋とてっさも同じポン酢でいただくのですが、食べる料理によって味が異なるように感じます。薬味には紅葉卸しと刻みネギ。モミジ卸しは唐辛子の風味はあるが辛味はなく、フグ旨味を壊さないよう絶妙に仕上げてあります。
【造里】:てっさ
フグの薄造りは、てっぴとは対極で歯切れが悪いほどにも程がある。もちろん良い意味で。新鮮過ぎる噛み切れない剛弾力です。噛み切れない分しっかりと口の中で噛み泳がせているとフグ旨みと甘汁が滲み出てきます。今まで口にしてきたてっさと比べると甘味がかなり濃厚です。
薬味のモミジ卸しとネギを巻いて、添え付けの湯引きを巻いて、スダチだけを搾ってとバリエーションを変えて味わえます。てっぴのポン酢と同じなのに、てっさで食べると何故かより強い酸味を感じます。スダチの風味だけでいただくのが最もトラフグの旨さをより感じることができます。しかし、フグの甘旨味が欲しい場合はポン酢がよく。
【鍋物】:てっちり
超絶ぶりんぶりん艶々で1㎝ぐらいある今まで見たことがない肉厚切り身。しかも、持ち上げた時のなんという重量!!
配膳係の方が時間になると鍋の準備に来てくれます。気分は高級料亭のようだ。先にフグのアラと皮を入れて出汁取りをしているようです。この時対応してくれた仲居さんのお話が上手なことw
お出汁には余計な味付はなく、フグ味を楽しむためシンプルに昆布だけです。野菜は白菜、菊菜、梅花人参、シイタケ、白葱、エノキです。野菜もかなりおいしかったです。いい感じに茹で上がるとフグ皮から出るゼラチン質の灰汁をとってくれます。
それでも尚、出てくる粘りのあるコラーゲン。
鍋のフグ身は色々な部位が盛られており、左はクチバシと呼ばれる軟骨である口の部分に、厚みのありしっかりと食べれる背身は魚類というよりは肉に近い。量も豊かだがバリエーションも豊かです。2人で3年トラフグ1本使用なので、食べ応えは今まで食べたてっちりの倍以上。やはり、ポン酢は同じ物なのに、てっぴやてっさよりもさらに酸味が強く感じるのは何故か? 薬味も紅葉卸とネギだけなのに何故か飽きがこない。
捌きたてなら刺しでも食せるだろうと、しゃぶしゃぶと浅く熱を入れて口にしましたが、生身は締まり過ぎて歯が通らないww しっかりと火を入れた方が美味しいです。フグは腹身の薄造りに限るというのがよく分かりました。
【蒸物】:白子茶碗蒸し
茶碗らしからぬ器でやってきたのは白子入りの茶碗蒸し。蓋を開けようとするとあっつ!と蒸し立て。表面には三つ葉とユズ皮が浮かべてあり、お出汁の薫りが漂うのですが玉子風味ではない。
ゴロっと白子が入っているのかと思ったのですが、スプーンに丁度収まるほどの大きさです。後々に茶碗蒸しの白子はこれぐらいで丁度よいと判明します。白子はしゅわしゅわと泡のように濃く深くミルキーに広がって溶けていきます。
白子の下からは出てくるわ出てくるわ具材の嵐。ウナギ、蒲鉾、シイタケ、鳥皮、ギンナン。お出汁はひたひたタイプではあるのですが、よくある薄味の玉子風味ではなく強醤油と変わっています。こういう変わった趣向の茶碗蒸しも一興。
【揚物】;ふぐ唐揚げ
背身と腹身1切れずつでしょうか。青味の彩りには青唐の素揚げ添え。それより無茶苦茶デカいんですがww 普通、トラフグの唐揚げってコロコロっとしていることが多いような・・・。見た目は鳥唐です。
やはり1㎝ぐらいの厚みがあり食べ応えがすごい。衣によりタンパク極上白身の旨汁が閉じ込められて、箸をいれると「プシッ!」と旨汁が飛びました。衣にはあらかじめ塩味を持たせてあり、レモンを垂らすことにより白身の味わいがグッと増し、口いっぱいにホクホクと頬張るとフグ汁が噛むごとに滲み出てフグたんぱく一色になります。
【凌ぎ】:ふぐ握り寿司
鍋を楽しんでいると次はお重が配されます。まだまだ続くフグ料理。
重の蓋を上げると中には2貫のフグ握り。ちんまりと乗ったフグネタが通常目線なので、こんなにもどっしりと乗ったフグネタは見た事がありません。
フグには炙りが入っているのですが、表面ではなくカツオのタタキのように丸っと一本炙りです。そこから切り身を取って、かなり酸味の強い酢飯に纏わせてあります。この酸味が厚みのある焼き香ばしいフグネタとの馴染みが素晴らしくグイグイと旨味を押し出します。合わせるのはカツオと昆布から出した土佐醤油で、寿司飯と口腔内調理で混ぜ合わせると更にフグ味が切れます。
もう一貫は雑炊用に用意してあった塩を多めに振って食しました。実は塩のほうが美味いのでは?と思っていたのですが、活けトラフグにはやはり醤油系の味付でないと旨味が立たない感じがします。お勧めの食べ方が一番か。
【珍味】:焼き白子
どーんと金の盆皿に乗ってきた丸っと白子。で、でかい・・・こんなデカい白子初見です。10cmぐらいの長さとはち切れんばかりの詰まりきったモンスター感があります。
割ってみるとまるでクリームコロッケの中身がトロリと漏れ出したかのような光景です。無駄な味付はなくシンプルに塩焼きにしてあり、口にいれるとほわほわで崩れてミルキー&クリーミー。乳化のないクリームシチューのようだが濃密で深みはあるのに、ねっとりとしているわけではなく旨口の引きの良さ。しかも、白子特有の独特の匂いが新鮮なためかとても上品。
底に敷いてあった焼海苔でクルっと巻き上げて焼き香ばしさと共に口の中へ。これはやばいですなぁ・・・今まで口一杯に白子なんて食べたことなかったのですが、海苔との相性は猛毒級の中毒性です。海苔の磯焼き香ばしさと、さっぱりとしたコクのあるクリームが、交互に薫りを放つジャンキーさは同じ海の生物とは思えない。
【焼物】:焼きふぐ
他のお宿では焼き白子があるコースでは、焼きフグが付いてこないことが多いのですが、やぶ萬さんでは背身とアラの2種が楽しめます。
左が骨付きのアラで右が背身になります。よく見ると旨汁が滲み出ています。フグはてっちりもいいですが、タンパクな魚はやはり焼きが最も美味しい。もともと脂身が少ない筋肉質のトラフグは、焼くことで余計な水分が飛び旨味だけがその身に残ります。フグ味がとにかく濃く、どの調理法よりも旨甘味が強い。塩味を強めに付けて焼いてあるので、甘味が強調されてより味わい深くなっています。
【食事】:ふぐ雑炊
最後にはサプライズもあり、〆の雑炊を料理長さんが自ら作りにきれくれました。沸き立った出し汁の灰汁を切り、おちょこに出汁を注いで味見をしてから、雑炊用の塩を2つまみ。どうやら残り出汁の味をみてから塩加減を調整してくれているという職人技。卵を溶いて土鍋の余熱で卵が固まったら完成です。
ここで若女将さんまでご挨拶に来てくれるというサプライズ。旅館の箸入れを収集していると伝えると、裏にかいてある民謡の逸話等々話して下さいました。
ポン酢や薬味もそのまま置いてくれてあり、お漬物も糠漬けのキュウリとお新香などの加味は沢山あるのですが、料理長さんの絶品の塩加減で味付は不要に3杯ペロリといただきました。とにかく、普通では考えられない量のフグ肉を煮込んだので出汁が美味すぎます。仲居さんと料理長さんのこまめな灰汁取りがなければ、この味は出ないのでしょう。そもそもフグに灰汁がでるという発想がありませんでした。3年物ぐらい大物にあると煮込みにより雑味も出てしまうのか。
【水菓子】:果実
甘味は強くない繊維たっぷりだが柔いメロン、イチゴは中まで真っ赤で甘味が強い。パイナップルは完熟にしてあるのか、こちらもかなり甘味が強い。淡路島もフルーツ王国なのでパイナップル意外は島内産でしょうか。
朝食
朝食も夕食と同じ個室でいただきました。手作り満載の朝食で地の食材がたくさん使用されているうれいしい朝ごはんです。
・紅鮭
・ひじきの煮物
・タコの天婦羅 鱧蒲鉾
ここ最近高騰している紅鮭は厚みがあり白米に合うような塩加減を二口。甘く炊いたひじきに、天婦羅は紅ショウガを練り込んだタコ天と、夕食の茶碗蒸しに入っていたグモグモと歯応えのある旨味ギッシリかまぼこです。
・淡路産温州みかんジュース
・淡路産ヨーグルト マンゴー キウイ 苺ジャム
淡路で生産されているという温州みかんを使用したジュースは荒絞りで柑橘の酸味が優しい濃厚みかんジュース。 ヨーグルトも島内で作られたもので、苺ジャムは夕食の水菓子でいただいたイチゴで作った近隣の農家さんのお手製だそうです。
・めかぶ素麺
・しらす大根卸し
・焼き海苔
淡路島福良名産の素麺は、めかぶが練り込まれたもので海藻らしいとろりとした食感がおいしい。しらすも福良の名物で搾り汁を切った大根おろしでスタンダードにいただきます。淡路で海苔を作っているとは聞いたことがなかったのですが、焼き海苔も淡路の物で地産地消であまり出回っていないのかもしれません。夕食の焼白子の下に敷かれていたのも大江海苔なんでしょう。
・もずく酢
・玉葱サラダ ドレッシング2種
もずく酢はこってり甘酢に仕立ててあり、擦りショウガと蛇腹キュウリの彩り。一本一本が太めだがコリプチとしたジュンサイのようです。淡路といえば特産のタマネギですが、新タマネギを使用した生食できる甘いやつです。ドレッシングはタマネギドレッシングとごまタマネギの2種で、タマネギにタマネギを合わせるというコラボ。
・出汁巻き玉子 甘酢生姜
・甘海老の酢の物 若芽 蛇腹胡瓜
出汁巻きは出汁が滲みだしてくるタイプではなく、がっちりと硬く出汁を閉じ込めてほんのりと甘い巻きです。醤油に浸したしらす卸しを乗せて食べるとこれがまた至福です。 朝食では珍しい酢締め甘海老。酸味はあるがこれも甘さがある優しいお味です。
・豚と水菜のはりはり
この鍋のお出汁がとてもうまい。朝食の時間になると館内にカツオと昆布と思わしき薫りが充満していました。水菜と豚肉に擦りショウガを合わせた素朴な物だが、蓋を開けると柔いショウガの香りが鼻を抜け、最後までお出汁を飲み干してしまいました。
・白米
・赤出汁
・香の物(胡瓜、お新香)
赤出汁は京風のまろい赤味噌を使っておられるのか、クセがなく主張しない程度に粉山椒を振ってあります。香の物は夕食と同じ物が用意されていました。
ドレッシングなどのお取り寄せの物もあり、地物アピールのような献立もあり、気に入れば1階の売店で購入することができます。地元の農家さんや水産会社さんが丁寧に作った品々と、やぶ萬さんの手料理は品数は多いが意外と腹八分で収まる美味しい朝食でした。
まとめ
3年トラフグを食するに当たり結論から言うと大満足です。山口や広島でも本場のフグを口にしましたが、人生史上最高のフグをいただきました。フグ会席が多い愛知や福井のフグとも比較してみたい気持ちもあります。
淡路にある他のお宿でも3年物のコースはあるのですが、一本食いと表記していることは少ないのです。また、焼きフグを選ぶと揚げフグがなくなったり、焼き白子を選ぶと焼きフグがなくなったりと、全てを網羅する献立を提供してくれるところがほとんどないのです。量、質、味、バリエーションは完璧です。贅沢をいうなら生ヒレ酒が付いていたら最強かと。
部屋・風呂にあるアメニティやお茶セットの入れ換え、新聞の挿し込み、料理長と女将さんの挨拶など、人によっては必要ないかもしれないですが、サービスとしては高級旅館並です。
温泉に関しては、もともと淡路島で源泉かけ流しのお風呂に入れることは極々稀です。なので、完全循環と知って往訪したので、その点は気にしていませんでしたが、循環だとしても侮れないヌルヌル湯感は他では出会えないものがあります。
宿泊料金
自分の調べでは3年トラフグの通販は一本15000円~です。これは、活けではなく締めてあるお値段です。生きた状態で買うといくらなんでしょうか。他の御宿では30000円台のプランも目にしますが恐らく一本ではなく、やぶ萬さんのようなオールフルコースではない。活けでは一本はおおよそ4人前がとれるようです。あれもこれも調理してフルコース11品で61600円(土曜泊)。一般家庭ではまず用意できない品数と調理と思えば、フグの全てを食したいという方なら、一本を使用したコースは、他ではまず口にできないので私的にはお釣りがくる安さかなと思います。カニと同じように調理方法の好みに偏りがあるので、焼きを多めなどの相談はしてみるといいかもしれません。
宿泊日:2023/晩冬
旅行サイト:じゃらん
プラン:【冬季限定】淡路島の旬の味覚を堪能あれ★淡路島3年とらふぐ白子付≪ふくふく≫コース全11品
部屋のタイプ:和室 バス・トイレ付
合計料金:61600円(2人)
クーポン:ゴールド会員6000円クーポン
支払い料金:55600円
加算ポイント:1848p