いい温泉宿、おいしい料理宿

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再び訪れたいお宿探訪と趣味のブログ

湯原温泉 湯の蔵 つるや【岡山県 湯原温泉】~砂湯が有名な湯原温泉にある源泉かけ流しの宿、湯に釣られてやってきたが、予想以上に手の込んだ値段以上の料理に舌堤~

 かつては館内から湧き出る井戸水でお酒を作っていたという「つるや」さん。現在は酒造されておられないようですが、現在でも当時の「濱乃鶴」という銘柄は引き継がれているようで、この銘柄から一文字をとり「つるや」とされたと公式HPにあります。湯原温泉は湯量の多い温泉地ではありますが、源泉かけ流しを採用されておられる宿は意外と少なく、つるやさんはその希少な一軒でもあります。

※記事の内容は宿泊した当時の内容となっていますのでご参考程度に。最新の情報は各々ご確認下さい。

旅情

 こじんまりとした湯原温泉街の入り口近くに「つるや」さんはあります。公共浴場である大露天風呂の砂湯までは徒歩3分ほどの距離です。車は目の前の市営駐車場へ停めることができました。

 玄関の反対側には外来客を受け入れておられると思われるBARの入り口があります。

 鶴の紋様に染められた暖簾が正面玄関で出迎えてくれます。

 玄関からお邪魔すると吹き抜け天井は高く、表からは想像ができないほどの広々とした空間です。

 玄関入って右側のフロントで受け付けをしてチェックインです。

 流行り病下明け頃ということもあり、ウェルカム茶はありませんでした。

 フロント前の階段下階は先ほどの外からも入れるBARとなっているようでした。

 ロビーには売店もありお土産やお酒類もおいてあります。

 案内は無かったのですが、こちらにも日本酒の「のぼり」があり、なんと試飲ができます!

 訪れたのは2022年。17時から18時まで試飲のサービスがありました。さすが元酒造屋さんです。しかし、現在もサービスをされているのかは不明です。

 一口ずつですが、岡山県の地酒を1人合計60mlほどいただけます。

 湯上がりにほろりと冷たく吞み干します。

 ロビーを後にして館内を進みますと、中庭を取り囲むように建物が建っています。

 2階への階段脇を進むと自動販売機があり奥には女湯が見えます。

 湯屋の隣には、お商売上手な地物蒜山牛乳の自販機もありました。

 湯上がりにこれは飲んでしまうでしょう・・・。

 中庭はとんでもなく綺麗に手入れされていました。

 身体が半分になっても生きているという言い伝えから、「はんざきさん」と呼ばれるようになたのはオオサンショウウオです。湯原温泉では長寿のシンボルとして親しまれているそうです。

 実際に井戸水?を使っているのか中庭の水槽に天然記念物のオオサンショウウオがいました。水がとても綺麗で大事にされているのが分かります。

 

お部屋

 案内して頂いたのは303の蔵という部屋です。我が家は温泉と料理が変わらないのであれば一番安いお部屋での滞在です。

 踏み込みは2畳程あり、トイレバスが左手にあります。

 トイレバスは昔ながらのユニットバスです。

 本間8畳+広縁3畳程の大きさです。客室に従業員が入らないように事前のお布団敷スタイルです。

 縁には一枚板らしき小テーブルセットと冷蔵庫があります。

 冷蔵庫は空で自由に使えますが、寝る時には少々音が気になりました。冷水も事前に容易されていました。

 窓からは湯原温泉の小道が見えます。メインストリートよりも裏手の小道のほうが温泉街の実生活が見えたりと面白いことも多いです。

 茶請けにはパックではなく生茶葉と地物菓子も2種。

 畳縁には「つるや」さんの紋が編み込んであるという特注品でしょう・・・。他の旅館でも見たことがありますが、八ツ三館さんは襖の取っ手も自前仕様にされていました。

  良ければ八ツ三館さんの記事もどうぞ。

 アメニティ類は必要最小限です。

 

お風呂

 露天風呂が併設された男女入れ替え制の大浴場が1カ所ずつ、貸切風呂は2カ所あります。貸切風呂の1つは開いていれば無料で何度でも利用可能です。もう1つは何故か有料の貸切風呂となっています。泉質は放射能泉ラドンを含んだアルカリ性単純温泉となっています。アルカリ性単純らしく無味無臭で、湯感はツルツルとしており、湯使いは源泉かけ流しです。湯原の湯は湯上がりはポカポカ感としっとり感が持続潤う、やさしくもデトックス的効果の高い湯となっています。

 2025年に改装工事をしたとあり、公式HPからでは大きくは変わりはないですが様相がことなるかもしれません。

紅梅の湯

 天井が伝統的湯屋の吹き抜け・・・にはなっていないのですが、傘天井のような印象です。

 湯原らしい透明な熱々の湯が満たされており、5人でも余裕のある大きさです。

 溢れ出しはしっかりと確認できるぐらいにはあります。それでも、湯口以上の溢れ出しに見えたのは不思議です。

 注ぎ口には源泉100%とあります。そろそろとした注ぎですが、源泉口は激熱でもない。湯口の下に循環湯らしき加温?注ぎ?口はあるが、溢れ出した分が戻る回復量は湯口以上の早さを感じます。

 内湯から外に出ると景色はないが、石造りの3人ぐらいがゆったりと入れる露天風呂があります。

 源泉の注ぎ口の湯量はそこまで多くはありませんが、ツルツル感は湯口付近ではさらに強く感じられます。

 溢れ出しは湯口の湯量と同等程度に岩風呂の隙間から溢れ出ています。ただ、露天風呂にも吸い込み口と、噴き出し口があり、塩素臭がないことから湯使いは加温循環なのかなと思いました。

白梅の湯

 紅梅の湯のような大きな湯舟ではなく、白梅の湯には内湯が二つあります。湯温はさほど変わりはなく溢れ出しもしっかりと見ててとれます。

 手前の湯舟は2人で快適な程で、少しあつ湯となっていました。

 湯口からの注ぎに呼応するぐらいの溢れ出しが切り口から見て取れます。

 小さな湯舟ということもあってか、紅玉の湯よりも湯量は多いように感じます。

 傍らにある岩風呂の内湯は足を伸ばして入るには2人が限界の大きさです。

  実はガラス窓の下は行き来できるようになっており露天風呂と湯舟を共有しています。

 明確な湯口は見当たらなかったのですが、3カ所ほどから溢れ出す湯口がありました。吸い込み口があったので、いずれかが源泉の湯口で溢れ出しもどの湯舟よりも多いように見えました。

 露天へ出ると3人ぐらいは余裕を持って入れる大きさの岩風呂があります。

 露天風呂には見えてる湯口があり、注ぎ口は多くもなく少なくもなく。

貸切内湯

 洗い場もあるプライベート空間ですが、窓はなく景色などはありません。

 利用した時には適温に調整された、ゆるゆるとした一定量の溢れ出しが見られました。

 景色はないが・・・この貸切風呂は湯、水、源泉の蛇口があり、もちろんかけ流しでダバダバも可能です!!純粋な100%掛け流しが堪能できる一方で、源泉の温度が高いので注ぎが多いと地獄風呂になります。つるやさんでは純粋に100%源泉が楽しめるのは、この貸切風呂なのかもしれません。実際滞在中は大浴場は一回入ったのみで、ほとんどがこの湯舟で源泉を楽しみました。

外湯

 湯原温泉の外湯と言えばダムの手前にある大露天風呂の砂湯です。

 つるゆやさんから歩いて徒歩10分ほどの距離にあり、なんと外来湯24時間無料です!!

混浴なので湯原温泉に泊まると、女性は湯浴み着をお宿で借りることができると思います。以前、泊まった油屋さんでも湯浴み着をお借りすることができました。

油屋さんの記事も良ければどうぞ。

 湯原に流れる旭川に掛かる橋の上から望遠で。赤矢汁の当たりに大露天風呂があります。今回は利用しませんでしたが、2019年に油屋さんに宿泊した際、女性を狙うワニ族わんさかで、湯浴み着を着用しているにも関わらず、違う湯舟に移動するとワニ族があとからワラワラと追従してくる珍事がありました。相方は「モテ期がきた~~~!!」と叫んでおりました。

 

お料理

 朝夕共に客室として使用していたであろうと思わせる個室のお食事処でいただきました。

 テーブルには所狭しと賑やかなお皿が並びます。食前酒、先付、前菜、造り、鍋物、台物、酢物と、後から火を入れるものや常温の物は先に配膳されています。温かい物は出来たてであとからサーブされるようになっていました。

 内容は定番の物から季節の物を盛り込んだ物となっています。全体としては丁寧な仕上げで、やや濃い目の味付の季節食材をたっぷりと味わえます。木の芽の使い方もさっぱりとした先付の一方で、酒蒸しの木の芽は青い渋みをたっぷりと含ませてありました。説明はなかったのですが、調べれば調べるほどにこれでもかと地物を盛り込んでいるのではないでしょうか。料理によって特に薬味や風味付けは独特の使い方で美味で面白く口にできます。

 献立は頂いたお品書きをもとに書いてあります。内容に関しては説明して頂いたものと、実際口にした感想を交えて記してあります。個人的な感想なのでご参考程度に見ていただければ幸いです。

夕食

【食前酒】:御前酒 萬悦

 同じ真庭市内の勝山にある御前酒蔵さんの純米酒です。アルコールが入っているそのままの日本酒です。少し辛味があり後を引かないさっぱりとした日本酒です。

 

【先付】:筍の木の芽和え

 若竹の緩い歯応えに合わせてあるのは、良く知る葉山椒の香りではなく芽吹いてすぐに摘んだ若葉の香り、もしくはそういう品種なのか。白味噌に工夫こしらえ?山椒のエグ味青味は全くない爽やかさだけを残してタケノコにまとわせた季節定番だが、上品すぎる仕立てで、これから始まる宴に口にキリリと関所を整えてくれます。装飾には木の芽と桜百合根。

 

【前菜】:①山菜真丈 ②手長海老 ③小松菜と湯葉のおひたし ④真烏賊白味噌柚子胡椒 ⑤柿バター ⑥烏賊黄身焼き ⑦牛肉八幡巻 ⑧桜もち

 ①山菜真丈はまるでカステラのように卵が濃くふわふわに解けます。山菜の風味は感じず何がはいっていたのか。 ②手長海老は素揚げにしてあり甲殻香ばしい。 ③小松菜のお浸しはまったりと甘味が満たしてありピンクのサクラエビ?も一緒に混ぜ込んでありました。 ④真イカを細かく刻み柚子胡椒味噌と和えた物です。口に入れると最初に柚子胡椒の強風味のパンチを受けてから白身が優しく撫でてくれます。不思議と辛味はなくイカを沖漬けのようにしてから和えてあるのか緩やかな磯風味。 ⑤干し柿のバターサンドです。よくあるバターではなく無塩の発酵バターのようなマイルドなテイストでワインが欲しくなります。 ⑥イカの黄身焼には青さ海苔を振ってあり、噛めば噛むほどスルメイカのような珍味が広がります。 ⑦ゴボウの産地名をとった八幡という料理。一緒に人参も巻いてあり、牛肉は焼き香ばしさが旨く焼いてから煮てあるのでしょうか。 ⑧サクラ餅は半殺しよりも細かい生地にしてあり、粘りが引くほどに柔くあんこも甘めに葉サクラの塩漬けを巻いてあります。

 

【造里】:烏賊、サーモン、天使の海老 あしらい一式

 薔薇?牡丹?を模した盛り付けのイカ。甲イカのようにスルスルとしているが、歯切れは悪くいつまでも口に留まって旨味を出し続けます。トッピングのイクラの磯味を足すと一気に口が賑やかになります。 サーモンはギラッと活かった中トロサーモン。あしらいは大根けん、大葉、わさびの台座人参、わさびです。

 天使のエビはニューカレドニアで養殖されているエビだそうです。とにかく身が青に近いグレーで歯応えは良く知るエビではなくゴリゴリしています。甘えびなどは口の中ですぐに居なくなっていましますが、こいつはいつまでも口腔内に居座ります。よくあるエビ風味は優しく透き通る甘さがあります。頭の部分は湯引きにしてありエビ味噌も独特の旨さがあります。こってりとした甘口のたまりで加味しますが、正直なところ天使のエビに関しては追い味はいらない自然の旨味があります。色々な料理で使われることが多いのは自然の旨味が強いからでしょうか。

 

【鍋物】:日本酒蒸籠蒸し 黒豚 百合根饅頭 野菜 はんざきこんにゃく

 蒸し籠の上におちょこが置かれていました。時間が掛かるということで、火を入れていただいてしばらくして、おちょこの日本酒を回し掛けて蓋をしなおしてくれます。

 時間が経つと籠から湯気が上がってきました。

 この手の蒸し物は、蒸し前はボリュームがあるように見えますが、つるやさんでは蒸し前とボリューム感は変わらず。蓋を開けると彩りのよい野菜と豚肉の香りが漂います。お野菜はニラ、南瓜、サクラ生麩、新タマネギ、キャベツです。なんとオオサンショウウオを模った「はんざきさん」こんにゃくが入っています。不思議とお野菜は生のまま蒸されたのですが、しっかりと火が入り日本酒による効果なのか、とてもまろやかでほんのり甘みを帯びています。

 肉は厚切りの黒豚ロースを一枚盛り込んであり、こちらも日本酒効果なのか臭みが全くなくとても柔い。味付には酸味が強いポン酢と、先付とは対照的なエグ味と青味が強い木の芽味噌。

 白い丸い物体はゆり根饅頭です。ほっくりとした豚まん生地のようにしてあるが、ほんのり甘いザラリとした百合根特有の舌触りは芋っぽい旨味。中身を割ると具材が入っていました。黒豚のミンチと恐らくレンコンを混ぜたものです。具材から察するに百合根生地の豚まんです。生地はゆり根の香りがぎっちり練り込まれ、もっちもっちの生地にはもち米でも混ぜ込んであるかのようです。さすがにこれはお取り寄せか・・・。

 

【焼物】:山女魚の塩焼き

 「今焼きあがったところでーす」と配膳係の方がもってきてたのは身体の赤い斑点が特徴的なヤマメです。頭からどうぞと言われたように、頭はカリカリに焼いてあり煎餅のようになっていました。かなりじっくりと火を入れたのか、余分な水分をしっかりと飛ばし旨味が凝縮されていました。塩はやや強めに振ってワタを抜いて焼き上げてあります。添え付けにはレモンとはじかみです。失礼ながらも可もなく不可もなくですが、ほくほくで一夜干しのような凝縮味です。

 

【蒸物】:茶碗蒸し

 蒸し物は熱々の蒸したてで配されました。蓋を開けるとカツオ?出汁と卵の甘い香りが沸き立ちます。表面は滑らかな光沢があり気泡の1つもないという卵豆腐かという佇まい。

 品があるというお味かと思いきや、白子のような絶妙な軟さに、しっかり目の玉子地でもないのですが、閉じ込められたお出汁が沁み出す出汁を楽しむ茶碗蒸しです。地からは食べている最中から、出汁がひたひたになりました。具材はシンプルに銀杏水煮、ほろほろのゆり根、小エビで卵と出汁の共演を楽しむ一品です。

 

【温物】:湯原蕎麦素揚げ

 特産のソバに粉を打ってカリカリに揚げ出汁に浸したお品です。揚げることでソバの風味は増す蕎麦煎餅となっています。お出汁はこれまでと同じカツオは放ちますが、醤油は強くなく、うどんやソバを食べるつゆに近い。好みで紅葉卸を溶かし込んで、グリグリとお出汁に浸し込むと、美味しい揚げ出しソバの味わいは初体験の凌ぎです。

 

【台物】:和牛朴葉焼き 柚子麹味噌

 色が豊かな野菜はピーマン、黄パプリカ、新タマネギ、その下に和牛と朴葉。朴葉はとにかくワイルドなやつで自家製でしょうか。朴葉のセットも売っているので分からず。

 お野菜にどいてもらうとあらかじめ熱が入った肉が盛られていました。フロントに岡山県ブランドの千屋牛の取り扱い認定書?が飾ってありました。もしかしたら違う品種か・・・。黒い粒は最初は胡椒かと思ったのですがどうやら違うようで、何かのハーブとかだったのかな。ユズ味噌の下ごしらえも変わっていて、水分が無くなる前は柚子ジャム?という口当たりで、ユズを蜜煮にしてから味噌に合わせているかのようです。

 加熱されて水分が飛ばされ味噌が濃縮。味噌の主である麦がコロコロと入っています。山陰では麦を使った味噌が多いと聞いたことがあります。甘辛の仕上がった味噌はしっかりと肉に馴染み沁み込んでおり照り照りに輝き、砂糖か味醂が甘味成分がみっちみっちです。食べ応えは弾力のあるモモの様だが肩のような脂加減があります。下ごしらえを低温調理とかにしてあるのか、口腔内の咀嚼では美味いが熟蜜された密密で、一切れで白米一善余裕の味わいです。

 

【酢物】:公魚南蛮漬け もずく酢

 交差するように盛られてあるのはワカサギです。岡山県にもワカサギが獲れるダム湖などがあるので県内産かな。南蛮酢はこってりとした酒やみりん風のようで、ホロっとした身振りに酸味は極微量で誰でも口にしやすいように仕立ててあります。 もずく酢もむせ返るほどに酢を持たせるような味付けも多い。つるやさんでは南蛮酢と同じくとて~もマイルドな酸味。むしろ、酸味を控えることでモズク本来の味に刻みミョウガで爽やかです。

 

【油物】:天婦羅 海老 野菜

 お口直しの酢の物に配されるのは和会席のスタンダード。手前には春の野草であるコゴミは青々として春の匂いを感じます。お隣にはエリンギ1/4カット。さらに隣にしし唐。

 背面にはエビと春の季節には早物のナスです。ナスは瑞々しくエキスがジュわり、エビはプリプリでジューシーエビ汁滴るように揚げてあります。コンスターチや酢を使っているのか時間が経っても、べったりとせずサクサクが持続していました。塩はニガリを感じるミネラル塩で、炒ってから当たり鉢で細かく擦ったものかと思います。

 

【止椀】:清汁

【御飯】:湯原産あきたこまち

【香物】:ひるぜん大根味噌漬け

 岡山県でまさかアキタコマチをいただくとは。程よく硬さを残した白米は、ほっこりと透き通る炭水化物の旨味です。ふりかけには胡麻香るカツオ節の佃煮です。オオサンショウウオが住まう程の水なので米も水も良ければ、当然のように米も美味。香の物は大根の醤油漬けの壺漬けで、これも一般に口にするものではなく職人仕事のように思います。こげ茶の大根は見た目は完全に奈良漬けです。しかも、献立には味噌漬けとあります。口にすると・・・いやいやいや、強い酸味があるし酒粕のような風味もないしおかしいし。麹の深みはあるが味噌漬け?という感じでもなく、奈良漬けのようなこってり感はなく醤油漬けに近い味噌漬けです。

 止椀のお澄ましは葉山椒を浮かべ、葉山椒風味が椀にどっしりとドームをこしらえています。蓋を開けると、とくにく山椒が鼻を突く。口に含むと強靭カツオ。ウグイス色?黄色?に見える素麺も地物か。岡山県には素麺の製麺所があります。真丈は赤身の断片がありエビ真丈とかでしょうか。かつおと山椒は強力なのに、醤油と塩は緩く品があり三つ葉を散らしてあります。私的には薬味は1つにしたほうが喧嘩しなくていいかも。と思いつつ、この椀では三つ葉は山椒にぼっこぼっこに殴り倒されて香味はほとんど感じず。山椒の一人勝ちでした。と言いましたが、三つ葉は緩やかに立ち上がる最終ラウンドのような余韻を持たせて立ち上がる、素の出汁は丁寧な煮出しは多く語ることのない上品京風です。

 

【デザート】:ババロア

 バッカンなどにまとめて作って、グッと掬って荒々しく盛り付けた様相です。甘さ控えめでプルプルのババロアは抹茶風味です。やんわり抹茶に生地の甘味は強くなく、どちらかと言うとおとなしい。ミルクが強く感じる生地に、生クリームとイチゴの添え付けでした。

朝食

 夕食と同じお部屋で朝食もいただきました。

 最初の配膳で焼き魚以外は全て出揃っていて、席に着くと鍋と味噌汁に火を入れてくれます。

・味鍋(豚、豆腐、桜生麩、平茸、えのき、白菜、芹)

 合わせに甘醤油を使ったような出汁に種類の多い具材。赤身の豚なのにたっぷりと脂が滲み出て具材を包み込みます。豆腐は元勢さんと説明だったか、地物のお取り寄せ豆腐で大豆が濃く美味しかったです。

・烏賊素麺

・ひじきと大豆煮物

 イカはスルメでしょうか。新鮮コリコリ食感でさっぱりとしたイカの旨さに、あらかじめ緩いわさび醤油で和えてありました。 ひじきの煮物はかなりこってりとした甘さを纏わせて、大豆は舌で潰せるほどにしっかりと炊き上げてあります。

・切り干し大根

・豆カレー

・生卵

 切り干し大根は一夜干しでシャキシャキと風味は豊かです。自分の鉢にはありませんでしたが、脂が浮いており鶏と一緒に炊いてあるようでした。 スパイシーでコクがある一口カレーは、調べてみると湯原特産の青大豆キヨミドリを使っているのだとか。旅館の女将さんたちが考案したお土産のお品を試食。

 生卵はぷりんぷりんに黄身が立ちまくり、むちゃくちゃ濃厚でした。もちろん玉子掛け御飯で。

・サラダ(レタス、水菜、パプリカ、紫タマネギ、ロースハム、ミニトマト、レモン、ドレッシング)

・みかん

 サラダのドレッシングが変わっていて、胡麻ドレかと思って味見してみると、マヨネーズ?仕立てだがさらにクリーミー。マヨは香っているが、とてもまろやかで生クリームを使っているかのようでした。みかんは果肉が多くでジューシーだが甘さは控えめの温州みかん?

・カレイの一夜干し

・きゃら蕗

 カレイはほんのり温かく席に着いてから配膳してくれました。背骨意外は丸っと食べれる大きさです。

・白米

・味噌汁(シジミ、揚げ)

・焼き海苔

・香の物3種(大根甘酢、高菜浅漬け?、梅干し)

 手作り感満載の朝食は品数も多く、白米は軽く2膳は食べれてしまいます。味噌汁も鍋に2杯程度つけてくれてあり、やさしい白味噌でほっこりします。香の物の味付も変わっており、特に青物の高菜?は酸味もあれば甘味もある癖になる味でした。

 

まとめ

 お宿は昔ながらの和旅館で、しっとりと落ち着いた雰囲気でゆっくりと過ごすことができます。日本酒の試飲サービスなどもあり、おとずれたのは流行り病明け直後ぐらいだったので、付かず離れずの接客でゆっくりと過ごせます。

 料理は籠蒸し、川魚の焼物、蕎麦素揚げなどの郷土料理に、ワカサギや木の芽などの季節の食材を使用し変化を持たせた会席料理はとても凝っています。、正直なところスタンダードすぎる天婦羅はいるかというと・・・レンコンやナスのエビすり身はさみ揚げなど、季節によって野菜を変え衣も胡麻とかの変わり揚げなら嬉しいところ。朝食もゴールドスタンダードで手作り感しかなく、白米が美味しく朝から食べ過ぎてしまいます。

 湯原温泉は源泉の湧出量は多いのですが、温度が熱すぎるため源泉かけ流しではないお宿もあります。その微妙な加減を貸切風呂は源泉かけ流しで提供されているのには、温泉好きとしては有難く、むしろ源泉かけ流しだから「つるや」さんを選んだというのもあります。

宿泊料金

 つるやさんの魅力は総合的な内容を見るとコスパがいいというところです。往訪時は40000円を切っていましたが、記事をしたためた2026年4月現在では時期にもよりますが、土曜泊で44000円ほどのようです。

宿泊日:2022/春

旅行サイト:じゃらん

プラン:個室食事【和牛朴葉焼き&日本酒蒸籠蒸し&湯原山女魚の塩焼き】つるやの定番☆竹会席プラン

部屋タイプ:【禁煙】一般客室和室8~10畳

合計料金:39600円(2人)

ポイント利用:21500p

クーポン:【シルバー以上会員限定】スペシャルウィーク3500円クーポン

支払い料金:14600円

加算ポイント:1188p

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