いい温泉宿、おいしい料理宿

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再び訪れたいお宿探訪と趣味のブログ

みやこ【岐阜県 下呂温泉】~ひっそりと別荘のような佇まいは、賑わいのある下呂温泉街からは距離を置き、極旬の食材を使った変わり種の料理、小さいながらも無料の貸切風呂、心地の良い時間は清らかな時の流れ~

 大型宿泊からビジネス利用まで幅の広い宿泊ができる下呂温泉にあって、「みやこ」さんは部屋数全19室のプライベート感が溢れる湯宿です。下呂温泉の中心街から少し外れた高台にあり、静寂の空間はコンセプト通り大人の隠家といった雰囲気を醸し出し、飛騨牛を使った料理自慢のお宿でもあります。

※記事の内容は宿泊した当時の内容となっていますのでご参考程度に。最新の情報は各々ご確認下さい。

旅情

 温泉街方面から車で上がってくると見落としそうな・・・というより道路側から玄関がよく見えません。しょっぱなから隠家満載です。隣接した駐車場に車を停めると、当日は雨だったので従業員の方が傘を持って出迎えてくれました。

 駐車場から表門が直結しており、門の向こうには玄関が見えます。

 訪れたのは春。玄関前の木々は少しずつ若葉が芽吹いています。

 玄関は雪国らしく?二重玄関になっていました。

 内戸からは外履きを脱いでお邪魔致します。上がり框からは6畳間の踏み込みがあります。玄関には下足番というと今風ではないですが、常に気を配ったスタッフがおられ、出かけようとするとサッと出てきて履物を出してくれました。

 踏み込みからロビーへの移動はスリッパに履き替えます。和の玄関から趣向が変わってレトロ和洋調ロビーでチェックインの手続きを行いました。

 別角度から①フロント ②お土産処 ③茶室 ④客室、お食事処、浴場、離れへのアクセス。

 お土産というよりは陶器の器など、高級旅館のこだわりの銘品、化粧水、小物等々の販売です。

 茶室には女性への色浴衣のサービスがあります。

 女性だけの特典でザルに盛られた、好みの柄を選べるアメニティバック。中には化粧水など女性ならではのアメニティが入っています。

 ロビーからの眺めは中庭です。離れのお部屋がぐるりと中庭を囲っている様相です。雨が植木の成長を促し緑がとても清い。

 青矢印が上階への客室、黄矢印は浴場とラウンジへの下階、赤矢印はお食事処と離れへの道です。

 赤矢印の離れとお食事処前にやってきました。黒光りした案内板に離れ4室の道しるべがあります。画像左を曲がると離れで、まっすぐ進むとお食事処です。

 お食事処は半個室と個室から成りプライベートが保たれています。

 離れはお食事処前にある廊下を往きます。奥では内履きを脱いで再度外履きに履き替える必要があります。他のお宿でも何度か経験したことがありますが、ランクの高い離れになると、履き替える作業が結構めんどくさかったりすることも・・・。

 奥に進むと、逢月庵とある4部屋の離れ棟となっています。

 離れてと言っても中庭を囲むように棟があるので共有の外廊下です。「みやこ」さんはお料理は同じだが、お部屋により値段帯が変わっているプランのようにも見えます。離れはお値段お高めなので一般客室に比べてアメニティとかサービスが変わってくるのかな?

 離れと食事処入り口に戻ってきました。まず、上階の客室から。

 階段踊り場にあるリラクセーションルームはいわゆるマッサージ処です。夜には開店しておりました。

 2階のお部屋は旅館というにはホテルのように近代化された仕様です。

 3階は流行り病の影響か稼働はされていない様子でした。はやく通常モードに戻って欲しい一方で、客室数を絞ったお宿の空間を自由に楽しめるのは流行り病下だけかもしれません。

 階段は上階から地下にあるラウンジと浴場スペースへ。

 ラウンジは流行り病の影響によりclose。朝食後のコーヒーはopenでした。奥には書庫があります。

 書庫には定番の小説などがずらりと並んでいます。

 ラウンジ前の湯上がり処には製氷機と自動販売機があります。自動販売機での販売価格はお高めです。徒歩圏内には気軽に買いに出かけるお店がないので、必要があればあらかじめの用意が良いかと。

 ラウンジとは反対側になる浴場への廊下です。奥の自動ドアを行くと男女別の浴場と、貸切風呂があります。

 自動扉の向はガラス張りの廊下で、左に貸切風呂への案内があり、奥には男女別の浴場があります。

 

お部屋

 案内して頂いたのは「菩提樹」というお部屋です。みやこさんでは最安値の一般客室です。料理は客室に寄って多少変わるかもしれませんが、、料理の内容が恐らく同じならと判断して最安値のお部屋をチョイス。

 間取りは本間10畳+2畳程+トイレ+洗面です。古民家風の様相を残しながらもモダンな今風。

 お部屋にはいると、ほうじ茶の香りが漂う茶香が焚かれれていました。

 お部屋でウェルカム緑茶を入れてもらいました。お茶請けはウェハースの下呂銘菓です。

 玄関戸を開けると半畳程の手頃なスペースの踏み込みがあり、空の冷蔵庫にお茶セットが置いてあります。

 本間への引き戸を開けると、かなり広く使える8畳間です。

 奥には広縁のような板間があり、向かって左手には文机も設置されています。

 縁の横には洗面とシャワートイレがあります。概ね施設設備は最新式です。

 縁から振り返るとモダン客間は・・・清掃は行き届いていますが、昭和の人間からすると過ごしやすいが無機質に感じます。若者は清潔感を感じるかも。

 広縁からの眺めは貸切露天風呂がある中庭を見下ろします。

 雨が降っているのに、目の前の木には「つがい」の鳥が野営にやってきました。羽の模様からどうやら山鳩のようです。夜半の暗くなるまで滞在してクックルーと鳴いていましたが、翌朝には鳩の姿はなく。

 アメニティ類はタオルと歯ブラシ、浴場に髭剃りと櫛。女性はチェックインの時に貰った、巾着のお肌ケアセットがあります。

 お布団敷の際に冷水の用意、お湯の入れ換えがありました。ドライヤーが無かったのですが、フロントで尋ねると籠に入れて貸して下さいました。お茶セットの入れ替えなど申し出があれば快く対応してくれそうでした。

 冷蔵庫は空で冷凍庫付なので保冷が必要なお土産類にはありがたい。

 

お風呂

 「みやこ」さんには男女別の浴場が1カ所ずつ、無料貸切風呂が2カ所、有料貸切風呂が1カ所あります。有料の貸切風呂は利用はしていません。湯使いは加水、循環加温、消毒ですが、源泉の追加投入らしき湯も常時あります。源泉は無味無臭と風味に特徴はないが、循環湯であっても湯感はさすが下呂の湯です。ツルツル感が素晴らしく、しっとりとして化粧水を塗った様な湯上がり感です。脱衣所の備品はこのクラスお宿にしては、無駄なく髭剃り、櫛、ドライヤーのみです。

男湯

 浴場に入るとは天井に木を、壁には石をあしらった閉ざされた感じの空間です。三角形の湯舟は3人ぐらいは余裕で入れる大きさがあります。

 御影石の湯口は恐らく源泉で湯舟の大きさに対しては多くはなく、無味に極わずかに石灰のような香り。さらに源泉口の下にある壁からは循環湯が出ている噴出口がありました。源泉名もなかったので、どこかの源泉からの配湯なのかもしれません。

 縁からはゆるりゆるりと湯が溢れ、どうやら一番風呂だったようで湯の弱りはなくツルツル感がとても強く感じられました。むしろ、ツルツルというよりはヌルヌル感がとんでもない。これぞ下呂温泉といった湯です。

 内湯に併設されている露天風呂は、緑化の初夏が目に入ります。

 季節的に窓を全開にすると寒気もありますが、せっかくなので開放感を楽しむのと光が多く入り森林浴も楽しめます。

 湯舟の形は不思議なL字で5人ぐらいは横に並んで入れそうな大きさです。

 湯舟に身を沈めると捨て湯口に流れ出る湯を見て取れました。しかし、滞在中は画像の捨て湯口からの溢れ出しは見られませんでした。露天風呂は源泉の投入が少ないのか完全循環でしょうか。源泉の投入量が少ないためか消毒臭が少し気になりました。

女湯

 男湯と同じく湯量は多くはないですが、緩やかな溢れ出したがある不規則な湯舟です。湯屋の造りはほとんど同じのようです。

 露天風呂も湯舟の形は異なるが造りは同じで底には竹炭の埋没。

 女性側の方が庭は広いようです。しかし季節柄、相方は寒さにより窓を開放する気にはなれなかったようで・・・。

 源泉らしき湯口ですが、この湯量なので、やはり消毒臭が気になったようです。

 捨て湯口には程遠い水位だったようで、露天風呂の溢れ出しは確認できなかったようです。お湯に関しては無料の貸切風呂があるので、そちらで堪能するのがいいかと思います。

貸切風呂

 大浴場手前から後ろ庭にある貸切風呂への案内板があります。

 庭を進んで行くとやがて2つの入り口がある小屋が見えてきます。 2種類ある無料の貸切風呂は隣接しており湯船の形と温度が異なりました。

 暖簾をくぐり洗い場と信楽焼の湯舟が待ってましたと出迎えてくれます。

 2人で入ると芋洗いになりそうですが余裕はあります。実質1人風呂に近いかと。丸いこちら湯舟は入浴した時は「あつ湯」でした。子供さんがいたりすると家族湯にはかなり小さい。

 竹筒からは2L/分ぐらいの源泉の投入です。貸切風呂は循環なしとなっていたが、吸い込みと排出がありました。濾過式ではなく加温循環かな。源泉の投入量が湯舟の大きさに対して多いので、当然ながら大浴場よりも明らかにこちらの方がフレッシュ感あります。

 温泉地ということもあり、暖かさが増すのか、春の季節には完全に初夏の色付きの庭。

 こちらの湯無塩も信楽焼の旅情。丸型の湯舟とは対照的に常時ぬる湯で入り易い温度でした。

 源泉の投入量は丸型よりも少なく見えます。身体を沈めると、ざぶざぶ溢れる様は至福の瞬間。 無料というだけあって男女別浴場よりも、時節柄というのもあり、貸切風呂を利用しているお客さんが多かったように感じます。一番風呂では消毒臭はほとんど気にならない程度でしたが、入浴者が多くなると、湯がかき混ぜられるためか消毒臭も強くなっていました。ただ、敢えて嗅ぎにいかなければ気にはならない程度の消毒臭です。

 大浴場へは一回入っただけで、あとの入浴は貸切風呂で湯を楽しませてもらいました。

 隣には有料の貸切露天風呂があります。湯使いは分かりませんが、公式HPを見ていると大きな露天風呂のようです。family層をターゲットにした貸切風呂かと思います。

 

お料理

 朝夕ともに個室のお食事処でいただきました。献立には「卯月の御献立」とあるので、恐らく月替り会席だと思います。丁寧な手作り料理は郷土・地物だけにこだわらず、旬の良い時の素材を使い一品一品しっかりとした味付けが成されています。それ故に、実に春らしいというよりは、春しかない素材がふんだんに使用されています。下呂は山の中のお宿ですが、北にある富山湾からの仕入れと思われる、海の物も取り入れた山海会席となっています。

 献立は頂いたお品書きをもとに書いてあります。内容に関しては説明して頂いたものと、実際口にした感想を交えて記してあります。個人的な感想なのでご参考程度に見ていただければ幸いです。

夕食

 完全個室の食卓には食前酒、八寸、造りが事前配膳されてありました。

【食前酒】:飛騨の桃酒

 漆塗りの朱盃には、とてもフルーティに桃が香るお酒です。品名は分かりませんが地物の「天領酒造」の日本酒?と、立山にある酒蔵会社の白酒と桃ジュースをブレンドしたオリジナルだそうです。いわゆる日本酒のカクテルですね。ゆるやかな甘さと桃のしっとり感に後口は日本酒の大人味。煮切っているようにも感じましたが・・・のど越しは食道が熱い。アルコールが駄目な方は事前にお伝えすれば、「みやこ」さんの接客からすると桃ジュースとかに入れ換えてきそうです。

 

【前八寸】:

①春鱒小袖寿司 ②野蒜(のびる)地味噌 ③菜の花 ④一寸豆艶煮 ⑤桜長芋

⑥わかさぎ木の芽焼き ⑦つの字海老キャビア ⑧三食団子 ⑨鮎並(あいあなめ)

⑩青唐唐揚げ 

 春の主役たちがタケノコの表皮の上で饗宴している楽しみしかない八寸です。 ①春マスとありますが旬のサクラマスでしょうか。まろみのある紅身にほんのり酸味の酢飯。青はキュウリ、黄はショウガの2色で爽やかに帯を締めます。 ②ノビルは全国的に分布する春の野草の一種でニラや行者ニンニクのような香りがします。これをお浸しにして大豆の白味噌を合せてあります。 ③菜の花は軽く熱を入れ冷水で〆てあるのかしゃきりとしている。黄色の花に見えるのは実は玉子田附を花に見立てて振ってある細かい芸。桜の花びらは百合根。 ④一寸豆はソラマメと同じ品種で、大きさが一寸だと一寸豆になります。青味は濃くかなり強い塩と出汁で炊き上げてあります。 ⑤やけにシャクシャク感があるのは桜花の型抜きした長芋です。無粋な味付けはなくイクラが添えてあります。 ⑥ワカサギは瑞々しく柔く焼き上げて木の芽はあまり感じないが清涼感はある。岐阜でワカサギは獲れるのか?  ⑦「つ」の字とは火を入れるとエビが丸くなる様相を例えた物。背を裂きキャビアを詰めてあります。  ⑧春の三食団子はお菓子風。上からウスイ豆(俗:グリーンピース)、かぼちゃ、ゆり根を練り上げて砂糖を加味してありそれぞれの風味が豊か。 ⑩アイナメの骨煎餅はカリカリに香ばしく揚げてあります。お造りにアイナメがあるので副産物かな。 ⑪青唐は素揚げにしてゆるりと塩を持たせて。

⑪飯蛸旨煮   

 イイダコは甘醤油で甘露のように煮付けてあります。これを包んであった塩抜きした桜の葉と共にいただきます。

 

【造り】:鮎並(あいなめ)焼霜、蛍烏賊、紅芯大根、レモン、葉山葵、まきキュウリ、赤水菜、さくら貝割れ、山葵、土佐醤油

 ホタルイカは軽く湯引きをしたように表面はプリっと、中はまろっとした優しい磯風味。お野菜たっぷりの彩り薬味は華やか。円錐状になっている造りには珍しい器です。

 年間を通して食されるアイナメ。産卵期を除けば春ぐらいが旬だそうです。皮へ焼きを入れてから氷水で味を引き締めた洗いのようにしてあります。そして、身は削ぐように薄く切れ目を入れてヒダを作り、醤油が絡みやすく口に入れると切れ目のおかげか口溶けが増します。加味は甘口たまりの出汁醤油です。ここで豪華食材ではなく日本海の旬の盛り込みは流石です。美味い物を旬の時に。

 

【凌ぎ】:白蒸し、汲み湯葉、大和芋とろろ、生ウニ、べっこう餡、とき山葵

 八角形?の口を持つ藍の器。蓋には腕立て伏せをしたかのような人を模した取っ手が面白い。

 白蒸しはもち米を言います。汲み上げホヤホヤのトロ湯葉を纏わせて、ヤマイモよりも粘りの強いヤマトイモをどっしりと乗せてあります。その上に、柿色が映える生ウニと薬味の本山葵が添え付けてあります。目に入った途端に口の中はウニ味の餅トロ御飯が再生され早く食べたい。

 餡には強くしょうゆを持たせたカツオが薫ります。「少し混ぜてお召し上がり下さい」とのご説明。湯葉、ヤマトイモ、ウニ、どれも濃厚タイプの食材しかなくDEEP !!! 山と海が深く混ざりあう幸せな一品。コクのある絶品ウニ飯です。

 

【替り】:活手長蛸陶板焼、白葱、胡麻油、塩

 これまた「替り」とあるだけあって、とても珍妙な物が配膳されました。手長タコは足の長さが70㎝を超える物もいるようです。

 手長タコは地物で消費されることが多いそうですが、蛸の風味はそこまでコクはないが歯応えがプリンプリンです。噛むと弾かれるので噛み切らないと食せません。みやこさんがある下呂温泉は山中にあり海とは縁がない場所。生タコを出すには当日直送でないと新鮮な物は出せないと思うのですが、どのようなルートで「みやこさん」まで辿り着いたのか。

 足の大きさからすると小振りの生体です。 生食でも焼いてもいずれにしても、それぞれの美味しさがあります。生食であれば噛めば噛むほどに旨味が出るが、歯応えと柔さが共存してなかなかに噛み切れない新鮮な弾力。火をいれると焼き香ばしさで磯が増しこれはこれで別の旨さがあります。火を入れても身は硬くならずいつまでもプリンプリンである不思議。味付けのゴマ油と当たり鉢で細粒にした岩塩?でいただくと、口当たりは牛や豚の生肝のような深みがあります。

 

【煮物椀】:(清し仕立て)玉子豆腐、白魚、うるい、花びら独活(うど)、小梅、木の芽

 椀の蓋をあけるとまず飛び出す薫りは木の芽です。ウドはむちゃくちゃ薄く切られ桜の花びらに模り椀に散らしてあります。

 春の彩り山菜のウルイ下にはシラウオが泳いでいます。他の食材もそうですが、ホタルイカなどは日本海、シラウオは三河湾からでしょうか。

 玉子豆腐は箸で挟み上げられるほどの硬さを持ちながら、口に入れるとほろりとろり・・・そして、茶碗蒸しに圧をかけて固め上げたかのような濃熟玉子風味。清汁の中に茶碗蒸しがあるという、おかしな感覚になります。お出汁は京風にあっさりと塩を持たせた上品なカツオ。主張はないが小梅の盛り込みが、妙にさっぱりとした味わいがある妙な椀でもあります。

 

【地の物】:飛騨牛、ブリスケット、焼野菜、巻きレタス、塩胡椒、山葵、赤柚子胡椒、にんにく醤油

 岐阜に訪れると必ずといっていい程に登場する最強肉の飛騨牛です。みやこさんでは飛騨牛のランクや部位によってプラン分けされているので注目のお品でもあります。この記事では最安プランでの内容です。

 シイタケ、ナス、ズッキーニ、タマネギに、お口直しのサニーレタスです。赤丸のキノコはどう見ても黒マイタケのように見えます。岐阜県でも栽培しているのですか!?と聞くと、お隣の長野県産からのお取り寄せなんだとか。

 身の種類であるブリスケットは肩バラまたは三角バラです。通称は極上カルビです。カルビなので当然に脂の乗りが素晴らしいが、脂の分布の霜降が美しく当然のA5ランクです。通常国内ではA4ランクの和牛が配されることが多い。しかし、流行り病のため輸出用のA5ランクのお肉が、国内でとどまっているという噂も聞きます。

 片面を軽く焦げ目が着くぐらいに焼き上げ、反対側はレアのまま食べるのが最も美味しく食せました。口の中で噛み進めると赤身の旨味もあるかと思えば、ゆるゆるとした上質な和牛脂の薫りが鼻に残り、美味い。レア感が残ると気になる方でも、しっかりと焼いた旨汁も絶品です。刺しでも十分食べれそうな肉質です。カルビなのにカルビではない牛脂の味。

 献立にあった赤柚子胡椒はありませんでしが、添え付けのニンニクを醤油で焼いて巻いたり、造りの薬味であるワサビを取り置いて巻いて食べたり。加味はバリエーション豊かにいただきます。いずれにせよ、肩ロースやロース、ヒレが多く提供されることが多いなか、飛騨牛をA5のカルビでくるとは・・・口にするのは2回目ぐらいだろうか、脂がいいのか胃腸にも優しい上品な脂を堪能。

 

【食事】:しらすご飯、水菜

【留椀】:赤出汁

【香の物】:三種盛り

 「土鍋ご飯が炊きあがりました、お肉と一緒にお食べになられますが」と申し出がありました。若くもなく肉と米のコラボよりも、良いお肉は肉のまま、ゆったりと口で泳がし楽しみたいので、後ほどにとお願いしました。

 これは、食事が終わって、ふと覗いた釜飯ブース?流石に炭ではないとは思いますが、配膳を見計らって個別に焚いてあるという気遣い。

 保温と圧力を掛ける為の中蓋もそのままです。

 土鍋が開放されると、ほっかほっかのシラス湯気が立ち上るように温かく配膳して頂けました。

 シラスがこれでもか!!と、香ります。ゆっくりと塩が効いていたのは、シラスが元来もっていた塩加減でしょうか。水菜を混ぜ込んで青さを加えます。香の物は壬生菜浅漬け、大根酢漬け、大根?桜漬け。桜漬けは???たぶん、愛知や岐阜で栽培している、漬物専用の「守口大根」ではないかと思います。歯応えが素晴らしい。

 赤出汁にはアサリが沈んでおります。盛りと表現したのには訳があり、グモグモプリプリの大振りのアサリが10粒ぐらい入っていました・・・。アサリは硬くなる前に出汁として上げて、椀に盛ってあります。なので、赤出汁にアサリ出汁が染み出ています。そして、赤味噌は渋さも苦さもない、とんでもなくまろやかな品のある口当たりの赤味噌。やはり岐阜のお味噌らしく大豆か。味噌も自家製なのかも。香りが強い清い三つ葉がまたうまい。

 

【水物】:あんこと生クリームのシュークリーム、オレンジ、パイン、葡萄、かぼすのヨーグルトスムージー

 シャンパン・カクテルグラスにあるカボスのヨーグルトスムージー。本当にスムージーかというほどに舌に触る感じはなく、とんでもなく滑らかで裏ごししているのではないかと。カボスの青い柑橘の香りはあるが、酸味はとても緩やかで爽やかで、加糖してあるのかなぁ・・・柑橘の尖った酸味・エグ味は排されて、甘味があるヨーグルトはクリーミーに仕上げた上質な柑橘ヨーグルト。

 しっとりとしたシュー生地には生クリームとこしあんを入れ込み、オレンジ、パイナップル、唐竹割にしたブドウを散らしてあります。他の料理に手が取られると、さすがにシュー生地は流石に外注かなぁと想像してみる。あれもこれも手仕込みにしてたらキリがないが、みやこさんのは自家製だろうなぁ。

 こしあんには甘味をたっぷり、生クリームにもたっぷりと甘味を持たせたシューです。あんこがスムーズな舌触りの手作り感満載で、粗さがない濾し濾しの上品庵とクリームのコラボです。味のお宿なので外注に頼っているとは思えず・・・

朝食

 朝ごはんは和食と洋食のいずれかを選ぶことができます。最近は旅館でも洋食が選べるところが増えているのはインバウンド由来のB&Bによる影響でしょうか。

和食

・リンゴジュース

 リンゴジュースは荒絞りで加糖はせず、岐阜富士リンゴの地物でしょうか。自然のままの甘味を活かしたようでさっぱり。

【お盆の膳】

・納豆 ・高菜の味噌和え ・烏賊素麺 ・たらこレモン添え 

・大根菜?とちりめんの煎り胡麻 ・大和芋とろろ ・揚げと小松菜のお浸し

 白米が進み過ぎる数々のおかず。お取り寄せかなと思うのですが、口に入れてみると全てお手製かなぁというお味です。納豆とトロロ芋と合わせてもよし、トロロと高菜と合わせても良し、納豆と高菜などそれぞれで楽しむのもいいですがミックスで合わせても美味しくいただけます。

・水炊き(地鶏?、豆腐、白菜、水菜、えのき)、ポン酢

 水炊きのポン酢は酸味が強めに朝の目覚めに丁度良い。湯豆腐ではなく朝から鳥鍋とガッツリです。

・目玉焼き

 目玉焼きは陶板に割り入れてお好きなタイミングで引き上げます。黄身が良く立ち濃厚でしたが、目玉焼きでなくてもオカズを混ぜ合わせて卵焼き風に仕上げてもいいかもしれません。

・飛龍頭、ほうれん草、練り辛子

 飛龍頭は青味にほうれん草を乗せて、温かく後出しでホックリと膨らみ、箸を入れると出汁が沁み出します。

・朴葉味噌 ・カレイの一夜干し

 高菜の味噌和えがあるのに、岐阜名物の朴葉味噌もあり、カレイと白米に合せてどうぞとご説明。カレイの一夜干しは朴葉味噌と共に温かく配され何で2枚もあるんですかw 

・白米 ・シジミの味噌汁 ・香の物(白菜、赤かぶ)

 岐阜で食べる白米は何処で食べてもピンピンの艶々で甘い。味噌汁は塩は強くなく三つ葉がたっぷりと入れ込んであります。香の物にある飛騨の名物赤かぶは外さない一品です。

洋食

・プレーンヨーグルト、蜂蜜、リンゴジュース

 リンゴジュースは和食との共通の朝ジュースです。ヨーグルトは150㏄ぐらいありそうにたっぷりと、ハチミツも地物なのか、ねっとりとまろく甘味が強い。

・サニーレタスとタマネギのサラダ、胡麻ドレッシング

 サラダには春の甘い新タマネギとサニーレタスだけというシンプルな物。タマネギは水にさらして辛味はなく甘味だけを。胡麻ドレッシングはあっさりタイプでこれも自家製のような味わい・・・。

・バターロール、フランスパン、クロワッサン、バター、イチゴジャム、ケチャップ

 パンは普通においしく、フワフワもちりとした日本人好みのテイストで下呂温泉街のパン屋さんとかに頼んでいるのかな。あれもこれも自家製なら凄いですが・・・。バターはさっぱりとしていたので発酵バターか。パン、バター、イチゴジャムは何とおかわり自由で、パンは温めて配してくれる気遣い。 今まで気にもしなったのですが、確かにご飯はおかわり自由なのにパンはおかわりできないのは不公平です。ということは自家製パンなのでしょうか。

・コーンスープ

・スクランブルエッグ、黒マイタケ、シメジ、ほうれん草バターソテー、フリルレタス

・ベーコン、ウィンナー、サニーレタス、ケチャップ

・フルーツ盛(ピンクグレープフルーツ、パイナップル、リンゴ、ブドウ、オレンジ、

 キウイ、イチゴ、チャーピル

・紅茶or珈琲

 コーンスープはあっさりタイプの牛乳仕立てで、良く親しんだ味でお取り寄せのような気がします。スクランブルエッグにはケチャップが付いています。夕食にも出た黒マイタケのバターソテーはマイタケ風味が悦です。ベーコンやウィンナーはスタンダードな物を。フルーツ盛は贅沢に7種と華やかです。

・紅茶

 紅茶は固形燃料で冷めないように保温してくれるというサービス。ただ、茶葉は途中で取り出さないとかなり渋くなってしまったようです。

 朝食後にチェックアウトまでラウンジでコーヒーのサービスがありました。

 酸味がなく優しい香りが楽しめるコーヒーでした。

 

まとめ

 宿泊した日の客層にもよるのかと思いますが、一言に総括すると「完全な大人の湯宿」です。ひっそりと食事を楽しみに来るお客さんが多いのではという印象です。滞在中の接客は感染症を意識しているが抜かりなく対応も凄く丁寧です。 源泉に拘りのある方は、わずかな消毒臭は気になり、源泉投入量は少なく感じるかもしれません。しかし、下呂のヌルツルとした浴感はしっかりとあり、貸切風呂が空いていれば下呂の湯は十分に堪能でき、温泉の湯感としては満足できるかと思います。 下呂温泉は高速道路を使っても日本海・太平洋にはほど遠く、飛騨地方でも山の物だけを使った郷土料理などを売りにしているお宿が多いです。半端な物を配するなら要らないと思いますが、「みやこ」さんのお料理は春の海幸も昇華されています。手長タコの陶板焼きは敢えて山奥のお宿で出す料理でもなく、逆に敢えて旬のこだわりを持って出してくる所は、自信があるのだなぁと思いました。山も海もとにかく春しかない会席は季節に身をゆだねて流されて戻ってこれなさそうです。少し言いたいことがあるなら、ハイクラスの宿なので、風呂好きにはバスタオルは2枚あると助かるかな・・・。

宿泊料金

 お部屋のタイプから料理のランクによって値段が大きく変化します。お高いお部屋にとまると特別なサービスがあるかは分かりません。一定数の顧客がおられるのか、基本安売りはされないお宿のようです。記事をしたためた時点では楽天スーパーセールなどへの出店も積極的だったので、高額クーポンに加えポイント還元の合った期間に予約したので、実質36000円程度で泊まれました。

宿泊日:2021/春

旅行サイト:じゃらん

プラン:【月替わり基本会席 匠-TAKUMI】下呂温泉の四季を味覚で満喫

部屋タイプ:【スタンダード】本館・和室(8帖or10帖/バス無し)

合計料金:57200円(2人)

クーポン:15000円 春セールがお得になるクーポン

支払い料金:42200円

加算ポイント:6978p(ポイント12%還元)