シワガラの滝に訪れるのは2度目ですが、前回の往訪時に比べると観光地化が進んでおり、駐車場や案内板がとんでもなく充実して迷いがありません。秘境雑誌に紹介されすぎて、現在では秘境ですらないかもしれません・・・。最初に訪れた時は野性味溢れる駐車場で、地元の方に何しに来たんだという目を向けられたのも懐かしい思い出です。
前日は七釜温泉の七釜荘にお世話になりました。よければ合わせてみて下さい。
さてさて、前述したように今や観光地化されており、駐車場がとんでもなく整備されております。最初に来た時は案内板すらなく、道が間違っているのかも分からず先人の方のレポートを頼りにしたものです。最近ではシワガラの滝は雑誌やネットで秘境として有名になり、関東ナンバーの車が停まっているほどです。
何とも有難い案内板ができていました。登山地図らしい物はほとんどないので、スマホで撮影していくのがいいかと思います。往復1時間ぐらいの道のりです。案内板と登山道は明確なので道迷いはなく、ハイキング気分で行っても問題はないくらいです。
登山届を出すようなBOXがあるので、できれば出していく方がいいかと思います。案内板のある付近から整備された階段がついています。かつては入り口を探すのにも難儀したのに、現在は案内も明確で迷うことはないかと思われます。
傍らにはケシ科のキマケンかな?
コンクリートの階段を下りると迷いようがない程に明確な踏み跡の登山道です。
足元にはスミレの花がひっそりと咲いていました
完璧な整備ですが、この1週間に嵐があったので折れ枝が道に落ちていました。
やがて、葛籠の勾配のあるダート道に変わります。滝へは一山登って一山下らなければなりません。
上がりきると桂の滝とシワガラの滝の分岐に到着します。桂の滝も落差がある見ごたえがある滝でしたが今回はスルー。赤矢印へ行きます。
上って来た反対側の斜面をトラバースするように緩やかな道を下って行きます。
そして、いきなり景色は開けます。かつては畑や萱などを栽培していた痕跡のある場所。以前はもっと手が入っているように見えましたが・・・。それでも人の軌跡がある謎の開けた場所。
小屋の横の良く踏まれたトラバース道を進みます。
看板は地面に転がっていますが500mとあります。前に来た時は案内板など皆無で踏み跡は不明確だったことを思えば、転がっていても案内があるのは安心感が違います。
滝は谷底にあるので葛籠折りで下っていきますが、こんな緩やかな広い道はなかったような・・・。案内板といい危険個所でもないところに鎖と虎ロープ。どう思い出しても整備された登山道の憶えはなく・・・滑落しそうな場所を慎重に下りていた記憶だけがよぎる・・・。
2ヵ所ほど垂直下りがありました。前はこれがずっと続いたという憶えしかない。危険個所を整備して、安全に滝見ができるように手が入れられています。事故も多かったのかもしれませんねぇ・・・。難易度が下がるのはありがたいことです。終始ゴミもなく管理が素晴らしいのでしょう。頭が上がりません。
下りきると沢が見えてきました。赤丸の所に道順の標が立っています。人の入りが多く道は明白で、画像中央にある赤丸には案内まであります。
登山道の崖には万年草が咲いていました。
足元にはニリンソウがひそやかに。花が豊かで目を奪われます。
ワイルドだけど人も多ければ足跡も明確です。マイナースポット時代に比べると、明らかに遭難しますよ雰囲気から案内も建てられて事故も遭難もないですわ。ただし、ここからは陸路が途絶えます・・・。
ここまで来るといきなり難易度が上がります。沢に着くと青矢印の対岸経路か、赤矢印の飛び石の川ポチャコースの選択です。青矢印で回避しても先で難所が待っている。赤矢印は鎖が打ってあるが浮石のような足場の渡りです。本来であれば歩いて沢歩きも出来るのですが、残雪多く水量が増しているようでした。長靴など持ってきているなら、ここから履き替えたほうがいいぐらいです。多くの若者は川ポチャで靴がずるずるになっていました。
飛び石を越えると、ここも明確に記憶のある最後の鎖場です。ここは何故かたくさん人が訪れているにも関わらず苔むし度が上がってかなり滑ります!難易度が上がりこれは以前と同じでした。
最後の鎖を上がると、ゴルジュの先にはシワガラの滝つぼがあります。そして、くさい!!臭いわ!!何でか分からんけど臭い!!!ギンナンみたいな腐乱臭がする!!水流に入らないと進めないので、ここで登山靴から沢登り用のサンダルに履き替えます。
水がかなり冷たくサンダルの足にかなり堪えます。
ちびたいわ~~~~・・・臭い!!
臭いやんけ!!
だいぶ臭い!!!冷たい!!水温は推定10度以下。
※グロ画像がございますので、苦手な方は直視を避けて下さい。
右手をみると、・・・・・・・・・・。
ふむ・・・ふむふむ・・・雌の鹿ですね。皮一枚で繋がった鹿の首がぶらんぶらんと水流に煽られて泳いでいます。水流にまかせて (゚Д゚ ≡ ゚д゚) と水の中でブラブラと首を泳がせます。そのうち首だけ流されてしまいそう。そして臭い。苦手な方は直視しないでください。冬に死んで初夏なので腐乱が始まったのでしょう。こいつは水に浸かっているのでまだマシです。
ぶれぶれ画像が丁度モザイクのようになって助かりました。赤丸の囲んだところにも鹿の屍が転がっていました。滝つぼ付近で計4匹のご遺体がありました。調べてみると野生動物でも雪深いと雪庇(せっぴ:地面はないが雪はある場所)に誤って落ちることがあるそうな。もしくは雪崩。群れが誤って谷に転落してしまったのでしょうか。さきほどの1体と違ってこちらは流木に乗りあげてしまっていたので傷みがひどくグロくかなり臭い。
鹿のご遺体を観察して振り返ると、相方が履き替えポイントに到着していました。実は赤丸のところには鹿の亡骸があり最も臭い。内臓が残ってこれが一番きつかった・・・。
苔に蔦が生えた緑のゴルジュの核心部に迫ってきました。
洞窟手前までやってきて、水の中へ入ると気温は10度以下です!!W
寒すぎる~~~wwww
それもそのはず、画像にはないですが初夏なのにこの谷には雪が残っていました。
洞窟滝と名打つにはその通りで、巨石の櫓に歩みを進めます。
よく見る洞窟内からの一枚はスタンダードに。
洞窟から見上げたワンショット。
往路では分からない復路の滝つぼからのゴルジュ。赤丸の相方の身丈から推測して頂くと、谷の深さがよく分かるかと思います。さすがの鹿もこの谷に落ちるとお亡くなりなるのが容易に想像できます。または雪の中に埋まって身動きが取れなくなったのか・・・。パウダースノーに埋もれた経験が無いと想像しにくかろうかと思いますが、雪に埋まると動けず、そのまま凍死してしまうのです・・・。
お高いカメラを持ち込んで撮っておらる方もいました。素人ながらにもこのショットは空が入っていないので、アングルは水面すれすれのショットが良かったかのかも。
水があるところだけ危険個所なので、それ以外は安全な往路の復路を戻るだけなので今回は復路の記録はありません。久々のシワガラの滝は整備が行き届きすぎて秘境感はほとんどありません。しかし、手軽な冒険心をくすぐりながらも、観光気分で一望してみたいというライトビジターのアドベンチャーに応えてくれるようになっていました。ただ、足元の水対策はしっかりとする必要があります。また、熊がでる地域であることは留意しなければならないかと思います。