いい温泉宿、おいしい料理宿

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再び訪れたいお宿探訪と趣味のブログ

松田屋ホテル【山口県 湯田温泉】~明治維新の裏舞台となった文化財のお宿。志士達が集い疲れを癒した良泉と、絶品料理で歴史を体感する~

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 創業は江戸時代。松田屋ホテルさんは歴史上の偉人や文化人と共に時を刻んできた温泉宿です。中国地方や九州は幕末から明治にかけて、日本の近代化に関わった志士達を多く輩出した土地でもあります。お宿には彼らが訪れた痕跡が数多く残っており、とても愛用されていたことが分かります。

旅情

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 かつての温泉街は旅館が密集していたのでしょうか。現在の湯田温泉街は、住宅街の中に旅館やホテルが点在しています。松田屋ホテルさんも国道に面する交差点の1画にあり、見た目は昭和感のある近代的な建物です。

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 門前に車を着けるとドアマンの方が駆け寄って来てくださいました。そして、びっくりなのが、この門の中へ車を入れて駐車します。ぎりぎり入りそうだけども・・・これが思っていたよりもピッタリサイズ。門構えの誂え(あつらえ)は当時のままの趣きを残してあり、車のサイズに合わせたかの様。自信がない方はお宿の方にお任せした方が良い?かも。

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 正門は昔の物ですが、中門に当たる玄関は現代風のロビーとなっています。建物は有形文化財に指定された木造建築の、和風二階建、快活楼、群巒閣(ぐんらんかく)の3棟に加え、このロビーがある近代建築の新館があります。

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 ロビーには直結した売店とラウンジ・BARがあります。フロント前には伊藤博文さんから松田屋ホテルさんに向けて、旅館業の心得を説いた「仁居信履」の書が飾ってありました。「信(まこと)を日々繰り返しおこない、礼に基づき自分に厳しく他人には優しく、思いやりの気持ちでいなさい」何だとか。自分には無理な教訓ですな! 館内にある売店には、工芸品やお菓子等を販売してありました。

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 ラウンジ・BARは新館の建物の1階にあり、何やら興味深い掛け軸やらが展示されています。

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 よくよく見てみると、「ま、まじかよ・・・」。幕末有名人の書が・・・。レプリカ?コピー?直筆に見えますが? 感動しましたが、正直何が書いてあるか分かりません。全然分からん。しかし、ちゃんと説明書きが添えてありました。にわか歴史好きなので質問はスルーでお願いします。興味のない方はごめんなさい・・・。

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 訪れた時は、netでリピーターページにあるクーポン提示すると、特典で夏みかんジュースと偉人達の書を映した手ぬぐいをもらうことができました。「リピートでなくても受けれます」と、ありがたいお言葉。

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 探検をしていると、新館に「サビエル」という名前のお部屋がありました。こいつはインパクトがあります。宣教師フランシスコ・サビエル(サピエル、ザビエルなど所説あり)に、ちなんだものなんでしょうけども・・・。新館は完全にホテルと言った雰囲気です。

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 一旦ロビーに戻って、売店を抜けると木造の文化財棟に入ります。その道がてら松田屋ホテルさん縁の品が置いてあったり、萩焼の展示販売があったりします。

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 歩みを進めて行くと「快活樓」と掲げられた額がある歴史資料室に当たります。歴史に興味がない方には退屈な話かもしれませんが、幕末好きには涎ものの品々が展示してあります。ここには奇兵隊を指揮した高杉晋作、初代総理大臣の伊藤博文も訪れたとあります。倒幕に向けて西郷隆盛、木戸孝允、大久保利通、坂本竜馬が松田屋ホテルさんで協議したとも残されてあります。山口県では人気の吉田松陰の掛け軸も。教科書に載ってるやつですね。

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 文化財棟は確かな木造建築なのですが、内廊下の館内は所々に歴史的書物などの展示はあるものの、凝った造りはこの階段回りぐらいでしょうか。

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 快活樓の2階には中広間があります。間取りは当時のままに使いやすくリフォームされている感じがあります。隣には会議室らしきお部屋があり、台風やゲリラ豪雨で水漏れしたのか凄い勢いで換気が成されていました。湿気で朽ちてしまう木造ならではの弱点。建物を大切にしておられます。

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 そして、松田屋ホテルさんは庭園も文化財指定されています。確かに素人目からしても夏の深緑は美しい景色で、手入れも行き届いています。紅葉の時にはどんな情景を見せてくれるのか。本館は庭園を望むように建てられてあり、すべてのお部屋から庭を眺めることができます。

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 お庭は散策路がついており、地下水が湧き出ている場所や、かけ流しの足湯処があります。この地下水はただの湧き水ではなく、わずかな塩味に玉子の臭い。明らかな硫黄泉。ものすごい湧出量で溜め湯槽には白い湯の花がびっしり。お宿の方に聞いてみたのですが、館内で使用している源泉とは違うとのこと。是非、この湯も使って頂きたいものです。

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 この湧き水は左画像のように滝となって流れ落ち、湯気が立ち上って庭園の池へ注がれていました。そして、その温泉水の中で泳ぐ鯉!うらやましい・・・。時々、温泉を池に流しているのを見ますが、硫黄泉を鯉にとは驚きです。

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 お庭の片隅には「南洲亭」という東屋があります。かつてはここで薩長同盟の具体的な協議が行われたり、伊藤博文さんが訪れここで会談したりしたそうです。松田屋ホテルさんは本当に明治維新の歴史が詰まったお宿です。

 

お部屋

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 案内していただいたのは本館2階207号室の「松菊」というお部屋です。

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 ウェルカム茶はお部屋で用意してくれました。抹茶と「ういろう」です。えらくモチモチした「ういろう」です。

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 間取りは本間8畳+踏み込み2畳+広縁+ひのき風呂+トイレです

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 本館のお部屋は木の趣きが印象的で、内装は床棚や書院に組子細工やがありますがシンプルな1間。

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 広縁からは文化財である庭園が広がります。当日は雨でしたが、それはそれで風情があり、緑を眺めながらぼんやりする時間も良いものです。

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 広縁の奥にはトイレとお風呂があります。お風呂は源泉を好きな量に調節できます。「あつ湯」なので早めに源泉を貯めておいて、適温になるまで自然に冷めるのを待って入浴すると、加水無しの源泉100%でお湯を楽しめます。洗面回りのアメニティに不足はなく、化粧水から乳液、ロクシタンのシャンプーやリンスも付いています。お茶の入れ替えもその都度あり、冷蔵庫の飲み物は宿泊代に入っているのでフリーでした。トイレは安心のシャワートイレです。立地が住宅街の中なので徒歩10分圏にコンビニがあり、忘れものがあっても不便はなさそうです。

 

お風呂

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 訪れた時は浴場は4つ。男女入れ替え制の大浴場と貸切風呂が2カ所です。2020/5現在は新設された新しい大浴場が2つ追加され計6カ所になっているようです。貸切風呂は空いていればいつでも利用が可能です。すべての湯舟は源泉かけ流しとなっており泉質はアルカリ性単純温泉です。肌触りはツルツルとして湯上りはスベスベになります。無臭ですが薄っすらとした塩味がありました。脱衣所には化粧水から髭剃りと申し分ないアメニティがそろえてあります。どの浴室でもフェイスタオルは常に新しい物を使えるように用意してありました。

岩の湯

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 新館にある名前の通り巨石で作られた大浴場です。ライトアップされてえらく幻想的です。

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 浴場への入り口から岩が組まれて重厚感がすさまじい。

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 湯舟の淵からは気持ちよくお湯が溢れ出し、湯舟の壁からは熱い源泉が噴き出していました。湯舟の大きさに対しての源泉の投入量はそれほど多くないように感じました。浴室に入ると若干の塩素臭がしましたが、お湯からは塩素臭はなし。清掃時に消毒した名残でしょう。

花柏の湯

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 5角形の湯舟の大きさは5,6人は余裕で入れる大きさがあります。源泉の湯口は視覚的に気持ちのよい量が注がれています。

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 こちらの湯屋には露天風呂が併設されています。この露天風呂も気持ちよいオーバーフローがありました。往訪した日はこの浴場は、あまり人気がなく貸切状態でした。

維新の湯

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 幕末の1860年に造られたという文化財の湯舟だそうです。その頃、志士達が松田屋ホテルさんに集まり、この湯舟に浸かったとあります。高杉晋作さんや坂本龍馬さんもこの湯舟に浸かったとか浪漫ですなぁ。

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 浴室は流石にリニューアルされていると思いますが、何ともノスタルジーな雰囲気が心地よく。歴史好きの方はこの湯屋だけを求めて来館されることもあるとか。源泉は蛇口を捻って好きなだけ投入することができます。入れたその傍らからお湯が溢れ出ていきます。

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 維新の湯は貸切風呂となっていますが、シャワーやカランの備えがしっかりとあります。昔は大浴場としての扱いだったのかな。

曙の湯

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 檜の壁が印象的な小ぶりな湯船は2人はいると窮屈な大きさ。

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 見ざる、言わざる、聞かざるの人形が置いてある湯口からは源泉がゆっくりと出ています。隣の蛇口が付いており「維新の湯」ほどではありませんが、源泉の投入量を調節することができます。

 

お料理

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 夕食、朝食ともにお部屋での配膳です。夏のスタンダード会席には魚が多く使われており、肉料理が出なかったのにはとても驚きです。内容は実に夏らしい京風料理が並び、味付けや盛りは上品かつ繊細でどれをとっても絶品です。

 献立は頂いたお品書きをもとに書いてあります。内容に関しては説明して頂いたものと、実際口にした感想を交えて記してあります。個人的な感想なのでご参考程度に見ていただければ幸いです。

夕食

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【食前酒】:甘酒

【先附】:滝川豆腐

 甘酒と思って飲むとなかなかに日本酒風味が残っています。甘酒というより、あっさり「どぶろく」です。 滝川豆腐は箸を入れると崩れてしまいそうな柔らかさです。舌触りは滑らかに濃厚な豆腐そのもののお味で、緩めのお醤油に味付けされたカツオ出汁に浸してあります。ピーマンとパプリカでカエデを飾り、紫蘇花を添えたら清涼感が増します。ところてん突きで豆腐を押し出し、水に模した波立たせるたものを滝川豆腐というようです。

 

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【前菜】

①鱧袱紗けしの実焼き ②青梅蜜煮 ③鯵押し寿司笹巻 ④白ずいき含め煮 ⑤素麺瓜白和え ⑥落子芋田楽 ⑦トウモロコシ醤油焼き

 ①②ハモが濃厚なするふんわり袱紗(ふくさ)に、青梅は定番の甘露です。 ③酢で味がグッと絞められたアジの押し寿司は柔く口当たりもいい。 ④白ズイキは昆布風味で白エビが飾られてあります。 ⑤実際にそうめんが入っているのではなく、細く素麺のように切られた瓜は酒粕の和え物。 ⑥落子(おちこ)とは小さな子イモのことを言います。赤味噌の甘味も強いですがイモ本来の甘さも良く感じられます。 ⑦トウモロコシは砂糖しょうゆで香ばしく焼いてあります。

 

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【造里】:スズキ洗い、車海老洗い、中トロ、あしらい一式

 スズキはともかくエビも洗いにしているのは初めてです。低温で締めてあるので、コリコリとした肉質は噛み切れない程。歯ごたえが増す一方で旨味も閉じ込めている。エビの頭はさっと湯引きしてあり、頭までいただくことができます。中トロは上質な脂がのって美味い。後から気付いたのですが、3種盛りのはずが相方の器にはカンパチのような切り身が。お宿側の手違いでしょう。加味はお醤油のほかに梅肉しょうゆも用意してくれています。これが洗いによく合います。あえて洗いにしているのはこの梅肉しょうゆの布石でしょうか。あしらいは海藻クリスタル、大葉、キュウリ台座にワサビ、海藻煮凍り。彩は紫蘇花にラディッシュ。

 

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【冷製吸物】:夏野菜摺り流し、安平

 夏野菜の摺り流しを白身魚の真薯(しんじょ)に注ぎ、生クリームでアクセントを加えてあります。外は金塗り内は銀塗りという豪華な椀です。摺り流しの中身を仲居さんに尋ねると、ジャガイモ、ナス、カボチャなど色々入っているのだとか。冬瓜と豆乳ベースかなぁと思ったのですけど、口にしただけでは何が入っているかわかりませんでした。トロミがあったのはオクラとかでしょうか。生クリームと混ぜると和製ポタージュのような香り。献立の安平(あんぺい)は大阪、京都で真薯を意味するそうです。

 

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【冷やし鉢】:冬瓜鰻挟み、大徳寺麩、三度豆

 トウガンを砂糖の甘味たっぷりに炊いてから、表皮と果肉を分けて関西風に甘辛く焼いたウナギを挟み込んであります。トウガンのやさしい瑞々しさとウナギの強味がしっとりと馴染み、エビには打ち粉がしてありお出汁によく絡みます。大徳寺麩は揚げてから煮込んだ麩のことを言います。現在は商標登録されて「利休麩」と言うようです。お出汁の滲みた味に物凄く弾力があります。浸し出汁はトウガンを炊いた物だと思われますが、このお出汁が椀全体を品のある甘味で包んでいます。

 

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【お凌ぎ】:維新瓦そば

 和そばをヤキソバのように油で香ばしく焼いてある山口県名物です。海苔と錦糸卵が振ってあり薬味はレモンとモミジおろしです。調べると、このトッピングは定番の物のようです。そばつゆはカツオにしては青魚独特の風味がきつく、西山陰辺りでよく使われる「いりこ」でしょうか。昆布の風味も?合わせかな?しょうゆが濃いだけでなく、みりんや砂糖の甘味がしっかりしています。焼いたソバとの相性が本当に良い。

 

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【焼物】:鱧鍋、玉葱、京葱、人参、三つ葉

 献立では何故か焼物となっています。入力ミスかな? お野菜はお部屋付きの仲居さんが入れてくれます。お出汁は昆布?あらためて聞いてみるとカツオでした。もしかしたら合わせだったのか。お出汁は薄く醤油味が付いており、ハモの風味を楽しむには丁度良い塩加減です。たんぱくな味がしっかり伝わってきます。鱧しゃぶもいいですが、お造りの梅肉しょうゆでもいただきました。私的には、やはりハモは梅肉が合う。

 

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【強肴】:穴子鳴門巻き、万願寺唐辛子、ヤングコーン

 何とも風変りな揚げ物が登場です。塩ゆでしたエダマメをペースト状にして、穴子で巻きさらに海苔で巻いてあります。揚げられた焼きのりの磯香しさと、エダマメの青い爽やかさは味のコントラストで口の中が楽しくなります。そこへ穴子の旨味が後押しされると感極まります。そして味付けは海老塩(えびじお)。あたり鉢であら塩と干しエビ(桜エビ?)を摺ったものだと思います。エビの甲殻香ばしさが加わると、もう何が何だか分からなくなりますが、それぞれの味はしっかりと感じられる不思議。この夕食の中では、一番おもしろ美味しい料理でした。

 

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【御飯】:鯛ご飯

【香の物】:五種盛

【止め椀】:袱紗仕立て、どんこ、若布、巻麩

【果物】:スイカ

【甘味】:いとこ煮

 鯛ご飯は濃いめの醤油味に鯛の風味がしっかり滲みています。香の物は五種盛りと豪華。どれも上品に漬けてあります。止め椀の袱紗仕立て(ふくさじたて)は合わせ味噌を使う調理法です。夏はさっぱりと赤味噌を強く滑らかに丁寧に裏ごししてあります。椀の底にはシイタケが、赤味噌にシイタケの組み合わせは稀?果物のスイカは大変甘くジューシーな上物の味です。甘味のいとこ煮にもシイタケが!?配膳して下さった仲居さんは元々山口県外の方だったのですが、最初見たときはびっくりしたとのこと。親族が団らんする時に振る舞うのが「いとこ煮」だそうです。あずきを炊く際はシイタケのお出汁を使うのだとか。東北では違う豆を合わせることを「いとこ煮」と言っていました。文化の違いが面白い。

朝食

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・ナスの揚げ浸し ・タラコ ・フキと海苔の佃煮 ・イワシの煮つけ

・かまぼこ ・牛ひき肉とレンコンのしぐれ煮 ・小松菜と揚げの煮浸し

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・卵焼き、大根おろし ・がんもとほうれん草煮浸し ・ふぐの一夜干し、紫蘇わかめ

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・いか素麺、海藻クリスタル、大葉、ワサビ、たで

・稲庭うどん?

・冷奴(カツオ出汁醤油、分葱)

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・しじみの味噌汁

・香の物(柴漬け、大根菜、大根糠漬け、梅干し)

・白米

 朝食も夕食と同じく手作り感満載のお料理が並びます。茄子の揚げびたしは上品な薄味で、イワシの甘露煮はご飯にとても合う甘辛さで濃い目の味付け。甘さが引き立つ卵焼きの大根おろしにはカツオ出汁醤油の香り。「がんも」はかっちりと揚げてあり温かく配膳。夕食で出るかなと思っていたフグは一夜干しで、井上商店さんの紫蘇ワカメのふりかけと一緒に出ました。たぶん井上商店さんのはず。お土産として売店に売ってあったから。ここでなぜか稲庭うどん風の温椀も配膳されてお腹いっぱいです。おかず盛り沢山なうえに手抜きなしです。

 

まとめ

 明治維新の歴史に興味がある方は宿泊すると倍楽しめるでしょう。館内には史跡や資料があり、当時の面影を残すものはあるものがたくさんあります。歴史に関心がなくとも、旅館としてのサービスや趣きは本物ですし、美味しい食事を楽しみながら、文化財の庭園で一日のんびり過ごすのも普段の喧騒を忘れさせてくれます。夏のお料理でここまでおいしいなら、他の季節料理もぜひに味わってみたいものです。

宿泊料金

 さて、宿泊料金です。お部屋のよって価格帯が結構変わります。基本会席プランでは新館だと40000円代から。文化財のお部屋となると50000円代からとなっていました。宿泊したお部屋は60000円代からでしたが、連休に泊まったのでお値段お高めでした。Yahooトラベル一休プランからの予約でサマーセールプラン71280円。ポイント即時利用6620円引きとクーポン5000円引きで59660円でした。同日の公式HPと楽天トラベルでは73440円だったので13000円ぐらいお得に泊まらせて頂きました。 

宿泊日:2019/7(3連休泊)

旅行サイト:一休(yahooトラベル)

プラン:【サマーセール】旬の味わいを愉しむ 長州四季料理~錦~基本会席

部屋タイプ:【本館】眺望庭園|和室8畳<内風呂:温泉>(和室)

合計料金:71280円(2名)

クーポン:5000円(yahoo!プレミアム会員特典)

ポイント:6620P(ポイント即時利用)

支払い料金:59660円

獲得ポイント:596P

湯田温泉 松田屋ホテル 宿泊予約

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