いい温泉宿、おいしい料理宿

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再び訪れたいお宿探訪と趣味のブログ

福住楼【神奈川県 塔ノ沢温泉】~文化人が惚れ込んだ温泉宿は、旅情、温泉、料理、多くを語る必要がない歴史ある文化財のお宿~

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 現在の福住楼さんの建物がある場所よりも山手に、福沢諭吉の定宿であった「塔ノ沢福住」というお宿を引き継いで明治23年に創業。しかし、明治43年の大洪水によりその建物は失われてしまいます。福住楼さんは洪水以前に、現在の場所にあった「洗心楼玉の湯」さんという旅館を取得しておられたようです。同年に玉の湯さんを現福住楼として営業を再開し今日に至ります。

旅情

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 お隣にある元湯環翠楼さんや一の湯本館さんは、関東大震災で1度倒壊してしまったそうですが、福住楼さんの木造建築は震災にも耐え、この界隈では最も古い建物だそうです。しかも、洪水で流された初代福住楼よりも古い建物というのに驚愕です。

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 早川沿いに鰻の寝床の様に奥へ奥へと建物が続いています。

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 玄関棟は明治期のもので、館内の中でも大広間と並び最も古い建物だそうです。歴史的価値のある建造物であることから、国登録有形文化財に指定されています。天井明かりの細工が素晴らしい。同じような装飾を、箱根湯本の萬翠楼福住さんでも見たような。同時期の建物なのでしょうか。

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 重厚感のあるロビーには、小学校にありそうな下駄箱が設置されてありました。これを見ているだけで、館内の様子に期待が膨らみます。

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 数寄屋造りの館内は見所があり過ぎて困ります。かつて公衆電話があったと思われるレトロな電話室。すでに電話はありませんが、旅館の通し番号が張ってあったりと当時を思わせる景色が残っています。下画像は電話室から反対を見たところです。右側には鯉が泳ぐ中庭があり、左手には客間に続く階段があります。

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 階段には何の木でしょうか。おかしなところに手すりが付いています。外に面したガラス戸には組子細工や、階段の欄干には蝙蝠の彫り物があります。この欄干がまた低い。

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 お部屋の戸が開けてあり、開放されていたのか見学させて頂きました。「竹五」というお部屋です。続き4間という贅沢な間取りのお部屋です。広縁からの眺めは最高です。

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 館内廊下の所々に、お部屋と階段が設置されている構造となっています。他にも宿泊棟はあるのですが、もう1つだけ記しておきます。ここは桐という名前のお部屋がある棟です。階段の壁には月の形をした覗き窓があったり、館内の装飾物はすべて趣向が異なるあつらえになっています。

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 さらに歩みを進めると帳場のような場所があります。ここには箱根周辺にある施設のパンプレットが置いてあります。文化財プレートも飾ってありました。相方が立っている向こうにはもう1つの中庭があります。

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 帳場のような所から、中庭を取り囲むように廊下が敷かれ、これまでと同じように階段とお部屋が連なります。下の画像は大広間手前の廊下です。ここまでの道のりで従業員用のバックヤードも多数あり、それもまた昔のままで旅情を感じさせます。

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 中庭からは建物の造形とお庭の風情を楽しむことができます。お庭の手入れがなされ、見ていて飽きが来ません。私的にはこの中庭ビューのヒーリングスポットとか欲しいぐらいです。

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 玄関棟と並んで明治期に建てられた大広間です。欄間の細工も見たことのないもので、天井がとても高く、襖(ふすま)がでかい!

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 欄間にある富士山が描かれた絵画は、明治43年の洪水で初期福住楼と共に流されてしまいました。大事にしまわれた絵画は熱海の海に打ち上げられたそうです。そして、絵師さんを通じて福住楼さんの手に戻ったのだとか。絵画には、その何とも数奇な縁があって、福住楼さんの手に戻りましたという記述が、絵師さんによって書き足されたそうです。

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 当日は舞台がある会場では5名ほどの宴席の用意がありました。仲居さんに「大広間でも食べれますよ」と本気とも冗談ともとれる申し出がありました。それも良いかと思いましたが、次回訪れたら舞台のあるところで是非と言いたい。広間の広縁も壮観です。庭に今は使われていないであろう茶室もありました。

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 ここで終わりかと思ったら、宴会場の広縁を抜けると離れがあります。廊下がとても狭い。ここには「せきれい」と「せせらぎ」というお部屋があります。今は使われていませんが、この棟のための玄関や寝湯がありました。かつては完全に別棟だったような様相です。

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 玄関にある階段を上がると2階にBAR「帰郷」があり、かつては館内中央にあったものをこちらに移設したのだとか。もともとはビリヤード場だったと公式HPにあります。

 館内の設備については湯上がり処に良心価格の自動販売機があります。お宿正面の道路を挟んだ所にも自動販売機がありました。館内に売店はありませんが、歩いて15分程で箱根湯本駅まで行けるので、お土産やコンビニなどの買い物にも利便性が良い立地です。

 

お部屋

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 案内して頂いたのは「松二」というお部屋です。BAR「帰郷」の前にあります。

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 ウェルカム茶はお部屋で頂きました。「渋いお茶ですが・・・」と入れてもらいました。なんの、甘味のあるいいお茶を使っておられます。

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 間取りは本間10畳+次の間8畳+前室4.5畳です。この棟には、このお部屋しかなくプライベート感があるだけでなく、私的senseが絶妙にハマり居心地の良さに心酔。

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 お部屋は玄関にある階段を上がった所にあり、福住楼さんのお部屋の中では明治期からの最も古いものです。

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 福住楼さんには多くの文化人が宿泊したようで、島崎藤村さんの「春」という小説に登場するお部屋なんだそうです。

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 前室もかつては、お付きの方が使っていたような形跡がちらほら見受けられました。

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 早川に面した角部屋となっていって、広縁からは正面玄関と「千歳橋」が見下ろせます。

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 多くのお部屋はトイレと洗面がないのですが、すぐの所に共同のトイレと洗面が用意されています。「松二」のお部屋も出たところにありました。トイレはリフォームされて安心のシャワー式です。他のお部屋は分かりませんが、「松二」のお部屋は入口に施錠がありません。貴重品の保管は注意しましょう。

 お出かけにも持っていけるスマートフォンがお部屋に備えてあります。あらかじめ冷水も置いてあり、お茶セットも緑茶とほうじ茶の2種類の用意がありました。夕食時と朝食時には湯呑と急須の入れ替えもあり、サービスが行き届いています。また、お部屋には浴衣、足袋、タオル、歯ブラシのみで、他のアメニティ類はすべて湯上り処に一式ありました。設備として空の冷蔵庫、金庫が設置されています。

 

お風呂

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 福住楼さんのお風呂は、丸風呂、岩風呂、貸切風呂の3か所から成ります。丸風呂と岩風呂は男女入れ替え制になっており、貸切風呂は空いていればいつでも使用できるようになっています。メインはやはり丸風呂なのですが、訪れた時は女性利用が19:00以降からチェックアウトまでとなっていて女性に良心的な時間設定でした。しかし、湯の使いは貸切風呂や岩風呂のほうが私的には良かったです。泉質は無味無臭のアルカリ性単純温泉に温度調整のため加水してあります。また、消毒・循環なしのかけ流しになっています。湯舟によって浴感は多少異なりますが、ツルツルとして湯上りはとてもしっとりとします。

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 髭剃り、櫛、シャワーキャップ、歯ブラシは湯屋を出てすぐの洗面所に用意があります。飲水用のサーバーも置いてありました。レトロな洗面所にはドライヤーも設置されてあります。

丸風呂

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 福住楼さんの名物こと「丸風呂」です。普通は何か恰好のいい名前を付けるところですが、「小丸風呂」、「大丸風呂」とインパクトが薄い名前です。

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 湯屋に足を踏み入れると、名前とは裏腹に脱衣所の情景にインパクトを受けます。手前が大丸風呂、奥が小丸風呂の入り口です。かつては別々の浴室となっていたようです。

大丸風呂

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 浴室の扉を開けて、目を奪われる素晴らしい浴場にディープインパクト。しかも、足元湧出にしてあります。

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 4人ほど足を曲げて入れる湯舟は 淵全体からのオーバーフローにヨダレを抑えつつ、身体を沈めると豪快に溢れ出すお湯。至福の瞬間です。

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 お湯を楽しんで体を拭いていると、1分そこそこでオーバーフロー状態になり、かなりの湯量が投入していると思われます。50~60L/分でしょうか。ここにはシャワーが一基。どうせなら湯量豊富なので、湯舟からすくって洗髪洗体で楽しむのも一興です。

小丸風呂

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 こちらは2人が限界な大きさの浴槽です。この浴槽に人が入っていると、距離感が近いので相風呂をしようと思わないかも。ある意味プライべート風呂です。

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 お隣の大丸風呂に比べると、溢れ出しは視覚的には程よく少な目。こちらにもシャワーが一基あります。

岩風呂

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 かつては岩ではなく大理石のローマ風呂だったのではないでしょうか。

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 岩造りの壁からは冷たく天然水の加水があります。源泉はどこから?と探していると、赤矢印がある岩の下から熱々のお湯が勢いよく噴出していました。100m先から源泉を引き込んでいるのだとか。この周辺は源泉の温度のままなので熱く、ツルスベ具合が3つの湯屋の中では最も強く浴感は最高です。

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 噴き出し口からの源泉の流量が多いので、見た目にもかなりの溢れ出しがありました。

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 洋風な造りの湯屋は洗い場と、浴場が別に分かれています。そして、とんでも古いシャワーブースがあって、かなり昔からある湯屋と思われます。丸風呂が当たりかと思いきや歴史とお湯はこちらの方が上?

貸切風呂

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 貸切風呂は自動販売機横の通路左手にあります。奥が岩風呂の入り口です。

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 大人2人でぎゅうぎゅうの大きさです。昔の源泉口や水道なども見受けられ、湯屋は何度か改修しながら現在の造形になったように思われます。

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 何よりも凄いのが、このお風呂への源泉投入量です。浴槽の壁からは多量の気泡と共に源泉が噴き出て手を当てると水圧力を感じます。

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 湯舟の淵からなみなみと溢れるお湯は圧巻です。見た目のオーバーフローでは、この湯舟が最も多く見えました。浴槽も小さいのでお湯の入れ替わりが早くツルツル感がいい。

 

お料理

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 朝夕ともにお部屋食となっています。内容は現代的な華やかな創作性のあるような物ではありません。しかし、地味や古いという訳ではなく、純和風を基調とした素材の味を昇華する、伝統的な会席料理を食することができます。板長さんがもの凄くこだわりのある方らしく、素材選定から味付けまで、季節感たっぷりに仕上げたお料理が並びます。

夕食

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【先附】:春菜利休浸し、新筍、独活、切胡麻

 利休浸しとは胡麻を使ったお料理のことを言います。擦り胡麻ではなく包丁で切った切胡麻をお出汁と合わせて、春野菜のお浸しにしてあります。どれもほどよい柔さと硬さが融合しており、胡麻の豊かな香ばしさに春を感じる先附です。

 

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【酒肴】:末黒春の訪れ盛り合わせ

 お品書きに盛合せとだけあったので実際に口にして感じたものを。①フグの湯引きに三杯酢でさっぱりと、お野菜は白菜、芹、人参で彩りよく。②旬彩炊きは京人参の梅飾り切り、そら豆、ゼンマイ、浅利と素材の味は残しつつ全体的に甘い味付け。③芽キャベツイクラ添えは若々しいキャベツの甘味とイクラのソースは珍味。④衣の香ばしさに海老の甲殻類の旨味が絶品の海老紅白あられ揚、⑤たぶんアカムツだと思うのですが・・・。しっかり昆布締めの白身の淡泊さに、山葵たっぷりのお寿司、⑥鼻に抜ける香りと舌触りから、おそらく百合根の菱餅だと思います。ピンクの梅にヨモギの緑で季節感たっぷり。

 

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【お造り】:本日の鮮魚盛り合わせ 仕入れにより

 お品書きとは内容が異なりました。あらためて、本マグロ、甲イカ、ハタ、鯛、ボタンエビです。本マグロは中トロ、小トロ、赤身と三種類の用意。ボタンエビは軽く湯引きしてから氷で締めたような仕上げ。頭は兜の殻の部分を剥いてあり、頭も食べれるように丁寧な仕込みです。ハタはスズキの仲間です。関東風の熟成タイプのようなお造りですが、緩さはなく鯛やハタはコリッした歯ざわりもあり新鮮です。つまは海藻クリスタル、大葉、山葵、蓼、紫蘇花。

 

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【茶碗蒸し】:湯葉、蟹茶碗蒸し、百合根、鱶鰭あん

 茶碗蒸しはお出汁が滲みだす、ゆるりとした玉地です。玉子の風味は優しくフカヒレ餡が絡むと口の中が至高にマイルドです。茶碗蒸しに湯葉を入れ込むというのも珍しいですが、ふわふわの中に湯葉の香りと、歯ごたえがアクセントになって飽きさせません。カニ身の上には摺りショウガが乗せてあり、玉地に溶くと二つの味が楽しめます。カニ身も小さな切り身なのに濃厚風味。もちろん熱々提供です。

 

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【台の物】:和牛ロース陶板焼き、舞茸、榎木、南瓜、菠薐草(ほうれんそう)

 脂加減が程よいロース肉に香り付けはバターです。火が消える前の柔らかいうちに頂戴しました。やや噛み応えのある肉質ではあるが、噛めば噛むほど和牛の旨味が口の中に溢れます。お野菜とキノコの新鮮さもさることながら、手作りの胡麻ダレが食材の味を増長させます。酸味はなく、炒り胡麻の芳醇な薫りと甘さが絶品。フロントで販売して欲しいぐらいです。

 

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【焼物】:鰤の甘酒焼き、杏甘露、梅花長芋、はじかみ

 鰤はふっくらとして身自体にゆるりとした塩味と甘味があります。その上に甘酒と合わせたメレンゲを乗せて両面を焼き上げたものです。もしかしたら鰤は風味を閉じ込めるように、一度蒸しているのかもしれません。メレンゲとの相乗効果で上品な味わいになり、一口大の大きさで惜しく食べるぐらいで丁度良く。杏の甘露煮は洋菓子のように仕上げてあり、お酒を使っているのかな。かわいらしい梅の花を模した長芋は、酸味をよく聞かせてあり、はじかみとお口直しに。

 

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【揚げ物】:旬の春野菜天婦羅、たらの芽、こごみ芽、酢橘

 お品書きには2種のみでしたが、これに新筍とふきのとうが盛られていました。どれも下ごしらえがいいのか、山菜独特のエグ味はなく、おいしい風味だけをいただける天ぷらです。熱々で配され、あたり鉢ですったキメの細かい塩でいただきます。

 

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【煮物】:春子蕪含め煮、鳥味噌、梅麩、菜の花

 ほんのりと温かい器の蓋を開けると春らしい彩りの食材が顔を出します。小ぶりの若蕪はほっくりホロリとした口解けに恐らく鰹のお出汁と一緒に炊いてあります。その上に盛られた鳥のお味噌は甘く赤味噌仕立てです。食事と一緒に提供されましたが、このお味噌がまた白米と合います。菜の花もお出汁で炊かれ、梅麩と共に彩りを添えて振り柚子で香り付け。

 

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【食事】:白飯、留め椀赤だし汁、香の物

 白飯はキレッキレっに立っていて、箱根のおいしい水で炊かれたのでしょう。国産米とだけ書き添えがありますが、旨味と甘みが広がり炊き方も上手なんでしょうねぇ。赤出汁はナメコ、豆腐、三つ葉に山椒の香りを加味して酸味はおとなしい口当たり。香の物は大根と胡瓜の素材はそのままに、とても浅く漬けられてあります。しかし、米がうまいです。

 

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【水菓子】:季節の果物

 最後のデザートは苺のムースと蜜柑(みかん)です。ムース苺の果肉はきめ細かく種のアクセントを残し甘味は控えめ。苺の匂いだけを濃縮したような上品なお菓子です。みかんのブランドは「せとか」という長崎県?愛媛県?発祥の95%果肉大トロみかんです。お隣の静岡県でも育てておられるのでしょうか。

朝食

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・鯵の一夜干し

・焼きのり

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・切り干し大根

・しらす

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・お重(金時豆、わさび漬け、かまぼこ、フキ山椒煮

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・出汁巻き玉子、昆布佃煮

・湯豆腐(エノキ、白葱)、ポン酢、薬味一式

・香の物(お新香、みぶな)

・白飯

・お味噌汁

 夕食からは一変してシンプルな旅館朝食です。ただ、味付けはお手製の物が揃っています。アジの一夜干しは脂の乗りが良くとても大きい。お重の豆やフキは自家炊きの味がしており、甘みのある出汁巻きは頬張るとお出しが滲み出してきます。醤油強めのポン酢も自家製の味で豆腐がうまく。朝食のお味噌汁は優しい白みそで胃がほっこり、白飯はやはりツヤツヤでおいしく。パっと見は一品一品少しづつなのですが、食べ終わると何故かお腹いっぱいになっています。

 

まとめ

 箱根の旅館に泊まると、従業員さんの対応はあっさりした所が多い印象です。福住楼さんはそれに比べると家庭的な旅情のある旅館でした。対応して頂いた仲居さんが気さくな方だったから余計かもしれません。また、仲居さんはお部屋付きになっているので、配膳からお布団敷きまでお任せできるのもいいです。外観と館内の木造建築ならではの趣は素晴らしく、何度も館内をうろうろし中庭を眺めては、うっとりと景色を楽しみました。何より、清掃がびっくりするぐらいに行き届いています。チェックアウト前に清掃係の方が入っていたのですが、組子細工の隅や枠も一つ一つ拭いておられました。

 仲居さんの話だと、福住楼さんの料理長はすべて手作りで仕上げているのだそうです。ポン酢から胡麻ダレのような漬けダレに至るまでなんでも手作り。それ故に、品出しの順番や、食材選び、盛り付けなどのこだわりがうるさい程だそう。洋風を混ぜたような創作性ではなく、混じり気がなく妥協のない和会席は美味。

 お風呂は趣メインでは丸風呂、岩風呂、貸切風呂です。、しかし、泉質は岩風呂、貸切風呂、丸風呂かなと思います。かけ流し量はとても多く、湯屋もその時の気分で入り分けできるのはうれしい。

 旅情、温泉、料理と3点ともに文句のつけようがないお宿ではないでしょうか。お部屋は「松二」にするか「桜二」にするか悩み、やっぱり泊まるなら一番古いお部屋だろうと「松二」にしました。次回は「桜二」に泊まってみたい。

宿泊料金

 さて、宿泊料金です。福住楼さんは値引きされているのを見たことがなく、公式からの早割の10%offか、じゃらんから稀に利用できるクーポン併用が一番安く上がるのかなと思います。今回はたまたま、復興割クーポンが使用できたので、早割10%offと10000円引きでお得に泊まることができました。

宿泊日:2020/2

旅行サイト:楽天トラベル

プラン:【早割10%引き】基本会席料理(一泊二食付)

部屋タイプ:松二(川側)

合計料金:42930円(2名)

クーポン:10000円(復興割クーポン)

支払い料金:32930円

加算ポイント:329P

塔ノ沢温泉 福住楼 宿泊予約

『じゃらん』

『楽天トラベル』