いい温泉宿、おいしい料理宿

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再び訪れたいお宿探訪と趣味のブログ

洗心館 松屋【長野県 渋温泉】~昭和初期の木造建築に源泉かけ流しの温泉と手づくりの季節料理はリピーターが付くほどのコストパフォーマンス~

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 外湯文化が残る渋温泉街には歴史のある建物が立ち並びます。そのうちの1つに洗心館松屋さんがあります。昭和初期の3階建ての木造建築は、面影が変わることなく温泉街の風景に溶け込んでいます。

旅情

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 松屋さんは渋温泉街の中心に近く、外湯巡りをするにしてもとてもいい場所にありま す。車を正面につけると、駐車場が離れているということで、車をお回しして頂けます。

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 玄関を入ると何となく懐かしい気持ちになります。昔の姿はそのままに、所々は綺麗に補修されておられるようです。1階のフロントにはちょっとした小物が販売されていました。

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 まずは1階にあるロビーでお茶を頂きながら記帳をします。その後、館内の説明を受けてお部屋に案内していただきました。

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 建物は木造の3階建てとなっていて、中心にある階段を取り巻くようにお部屋があるので内廊下となっています。画像は2階から1階を見下ろしたところです。3階への階段裏には網代天井が施されています。

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 2階には共用の洗面と奥にトイレがあります。

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 2階から3階を見上げたところです。ここにも天井に変わった飾りがありました。

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 3階部分は2階よりも天井、柱、階段の欄干など細部にわたり職人さんの遊び心が感じられます。

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 洗心館松屋さんの建物は上にだけではなく、地下があって浴場とお食事処があります。この階段を降りたらすぐに浴場の入り口があります。

 お部屋には有料の飲み物が冷蔵庫にありますが、こじんまりとした館内には自動販売機や売店はありません。温泉街の商店も充足しているわけでなく、必要な物があれば事前に揃えておく方がいいかもしれません。

 

お部屋

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 案内して頂いたのは2階の204号「柏」というお部屋です。

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 間取りは本間6畳+縁側?1.5畳+踏み込み半畳です。

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 温泉街に通りに面していない一番お安いお部屋で、窓からはお隣の旅館の壁ビューです。しかし、安いお部屋といっても室内のデザインは、なかなか面白い物が多く変わっています。かつての縁側だったと思われる所には、洗面があってドライヤーも置いてあります。アメニティ類は歯ブラシ、髭剃り、タオル、浴衣の基本セット。足袋はフロントで販売していました。冷蔵庫には有料の飲み物が入っています。また、金庫がないので貴重品の管理に気を付けましょう。

 

お風呂

 内湯は男女別に1カ所ずつあり、入れ替えはありませんでした。渋温泉街に点在する外湯源泉からの混合泉となっており泉質は塩化物泉です。無味無臭で少しスベっとした感触があり、茶色の湯の華が舞っています。そして、源泉の温度がとてつもなく高いため、お客さんの手で水を足して入ることができます。加水状態になってしまうのですが、湯量もかなり多く、上手に調整すれば常に新鮮なお湯を楽しむことができます。

男湯

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 お宿の規模からすると大きめの湯舟は、4人ほどが足を伸ばして余裕をもって入れます。お風呂は地下にあるため窓はなく少し閉塞感があります。冬の時期ということもあって林檎を浮かべてありました。

f:id:SiWaSu_CaT:20200131193813j:plain 石が組まれたかけ流し口からは大量の源泉が注がれています。樋(とい)を使って源泉の投入量を調整すれば、加水せずに温度調整できますがこれがなかなかに難しい。

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 洗い場は広々としてカランは4基、シャワーは2基あります。脱衣所にはハンドソープやドライヤーがありました。アメニティとタオルはお部屋から持参です。

女湯

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 女性風呂は2人ぐらいでいっぱいになる小さな湯舟。こちらも林檎風呂になっていました。

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 温泉成分が固まった湯口からは、男性風呂と同じぐらいのお湯が注がれています。湯舟が小さいため加水してもすぐに熱くなるので、源泉を樋(とい)で半分ぐらい捨てて入りました。お湯の入れ替わりは早いが、熱過ぎるのも贅沢に悩ましい。

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 やや手狭な洗い場には、女性風呂にしては珍しくシャワーは1基だけです。脱衣所には男湯と同じように、備え付けはドライヤーとハンドソープのみです。

外湯

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 渋温泉に宿泊したお客さんだけ、外湯めぐりを楽しむことができるようになっています。松屋さんでは、お部屋にあらかじめ画像の鍵が置いてありました。鍵は外湯のマスターキーになっていて、湯屋に入るために必要となります。

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 渋温泉の外湯は9ヵ所あり、このような小さな湯舟の湯屋が温泉街の所々にあります。それぞれ源泉が異なり、違ったお湯を楽しめるようになっています。温泉街の中心にある「大湯」だけは、濁り湯となっていて他の湯屋とは一線を画す趣向となっているので、是非入ってみるべき温泉となっています。

 

お料理

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 朝夕ともに地下のお食事処でいただきます。もともとの価格帯が高くない松屋さんだったので、家庭料理かと思いきや想像以上の食材と内容にびっくりです。宿泊したのは年末だったこともあり、お正月を意識したお料理が並びます。余談ですが宴会場へのアプローチは、どう見ても昔はここが大浴場だったと想起させます。

 お品書がなかったので、仲居さんから聞いた内容と、実際に食べた感触から献立を作っています。個人的な感想なのでご参考程度に見ていただければ幸いです。

夕食

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【食前酒】:梅酒

【前菜】:胡麻豆腐、茸もずく、干し柿クリームチーズ、ほうれん草の白和え 

 梅酒は強めの甘さがあり、いかにも自家製といったお味で氷を入れてまろやかに。 胡麻豆腐の風味はゆるりとして、これに大豆のもろみをあしらってあります。 もずくにはエノキとナメコが入っており粘りが強くよく絡みます。刻みワサビがピリリとしたアクセントになって酢味と合います。彩りに紫菊花。 干し柿を観音開きにして、たっぷりのクリームチーズを挟んであります。デパートの贈答品にような干し柿の甘さにチーズが絶品。さらに中には胡桃が入っており香ばしく食感も楽しめます。 白和えは大豆の味が濃く甘味が強く感じられます。ほうれん草も冬のほうれん草で青味がたくましい。

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【造り】:紅鱒、鯉の洗い

 山の物のお刺身です。紅マスはサーモンの脂を抑えながらも、紅身魚の旨味を残して食べやすい物。歯ごたえがあり新鮮なのがよくわかります。鯉の洗いは氷で〆てコリコリにしてあり、あっさりとして口にし易くしてあります。これを塩が強めの薄口醤油でいただきます。つまは大根けん、大葉、梅人参、山葵。

 

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【碗物】:舞茸の土瓶蒸し

 鰹のお出汁にたっぷり舞茸が入ったお吸い物です。どういう舞茸を使用すればこんなに豊満な香りが出るのか不思議です。正直なところ、これほどまでに風味がでるなら松茸じゃなくても十分満足できると思わされた一品。蓋を開けると中には舞茸と椎茸のみとシンプル。熱々で配されます。

 

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【台物】:豚のしゃぶしゃぶ

 昆布出汁の小鍋で肉厚の豚をいただきます。部位はロースで程よく脂が乗っており甘味があり美味い。色鮮やかな身は「みゆきポーク」でしょうか。漬けダレは柑橘酸味と塩が強いポン酢です。付け合わせのお野菜は、白菜、水菜、白葱、梅人参、えのき、しめじ。

 

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【炊物】:大根旨煮

 鶏のお出汁で柔らかくホロホロに炊き上げた大根です。碗に鶏は盛られていないのですが、甘みと塩加減のよい出汁は、鶏の風味と共に大根に滲みています。こちらは温かく配膳されます。上には、手切りと思われる梅麩餅、小松菜、からし。

 

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【揚物】:信州サーモンの春巻き揚げ

 信州サーモンは鱒よりも脂が強く、淡水魚だけどサーモンに近い長野県の名産です。信州サーモンでカマンベールチーズを挟み込んで、さらに大葉で包み春巻きにしてあります。大葉のワンクッションと、ふわっとしたチーズとサーモンで、和洋テイストが同時に味わえる手が込んだものです。そして、極厚で潤いのある椎茸もパリッと揚げられ、彩りにししとうを添え付けてあります。

 

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【酢物】:南瓜素麺のなます

 最初口にしたとき触感が明らかに大根だったので、どうやって黄色に染めているのかわかりませんでした。配膳係の方に聞くと「南瓜素麺」とのこと。甘酢漬のように上品に味付けがしてあり、えらくシャキシャキしています。これにプリプリの海老と黒キクラゲを盛り込んであります。

 

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【食事】:地産の白米

【香の物】:3種盛

 信州のお米はおいしく甘く、発酵の強い野沢菜、牛蒡の浅漬け、蕪の酢漬と共に頂きます。

 

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【甘味】:バニラアイス、洋梨

 バニラアイスは生クリームが濃厚なタイプです。これに自家製と思われるブルーベリーソースがトッピングされています。加糖は抑えた自然な甘味です。洋梨も熟されておいしく。

 

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【椀】:年越しそば、お神酒

 夕食時に提供される予定のものだったようですが、年越し蕎麦としてお部屋までデリバリーしてくれました。コシの効いたしっとりとした蕎麦は乾麺ではなく生麺でしょうか。鰹出汁の麺つゆに浸した冷蕎麦です。

朝食

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・サラダ(スライスミニトマト、キャベツ、レタス、水菜)

・湯豆腐(白菜、えのき、昆布、ポン酢)

・鮭塩焼き、山葵漬け

・おせち重(赤梅甘露、栗きんとん、厚焼き玉子、紅白蒲鉾とイクラ、黒豆松葉)

・煮物(ごまめ、数の子、黄金イカ、棒鱈昆布巻き)

・焼き海苔

・香の物(大根、白菜、野沢菜)

・雑煮(焼餅、梅人参、大根、椎茸)

・地産白米

・コーヒー

 正月らしいお料理がテーブルを彩ります。ミニおせち料理を中心とし、丁寧に造られた手づくりの品々は、野菜とご飯のお供のバランスが良い。

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 かまぼこにイクラ、黒豆と梅甘露には金箔の飾りはいかにも元旦らしい演出です。

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 雑煮が特に美味しかった。きつね色に焼かれた一口大の大きさのお餅が2切れ入っています。淀みのない清汁でもおいしいですが、鶏のおすましというのも変わっています。最後に熱々のコーヒーも頂きました。

 

まとめ

 洗心館松屋さんは外湯巡りに適したロケーションだけでなく、館内のかけ流しのお風呂も湯量が豊富で贅沢に入浴できます。こじんまりとした建物は、客室数が少ないからこそゆっくりと過ごせます。お値段に対してお料理は豪華で充実のお得感です。

宿泊料金

 さて、宿泊料金です。年の暮れの宿泊で、たまたま1000円のクーポンが使えて23200円で宿泊できました。通常の平日で20000円なので年末年始の料金アップは控えめです。温泉街側のお部屋になると1人2000円程度料金があがるようです。 どうやら外国人のリピートが多いそうで、当日いた2組の外国人のグループもリピーターさんなんだとか。お風呂で一緒になった際、温泉をものすごく満喫されておられました。温泉文化も国際色になってきたものです。風情良し、お風呂良し、お料理良しでコスパがいいもんですから、そらリピーターが付くのも納得です。

宿泊日:2019/12(年末泊)

旅行サイト:楽天トラベル

プラン:【館内禁煙】【2食付!スタンダード(通常)】プラン【温泉】

部屋タイプ:温泉街に面していないお部屋【基本6畳】(not-omote-)×1部屋
各部屋にトイレはございませんが11部屋のこじんまりした旅館ですので、お部屋から近いところにトイレがございます。

合計料金:24200円

クーポン:1000円

ポイント利用:0P

支払い料金:23200円

加算ポイント:242P

渋温泉 洗心館 松屋 宿泊料金チェック

『じゃらん』

『楽天トラベル』

おまけ

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 松屋さんの軒先に、かわいらしいコケリウムが飾ってありました。お客さんの中にコケリウムをされる方がいらっしゃるそうです。どれも目を引く作品ばかりです。