いい温泉宿、おいしい料理宿

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再び訪れたいお宿探訪と趣味のブログ

上御殿【和歌山県 龍神温泉】~三大美人の湯である龍神温泉にはお殿様が訪れたお宿がある。里山料理とツルツル良泉でデトックス~

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 上御殿さんは徳川家縁のお殿様ご用達のお宿だったようです。1度は大火事によって失われた建物は、1884年に再建されて当時の姿を残しています。といった説明書きのプレートが表に設置してあります。

旅情

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 文化財に指定されている木造建築は、間口は広いですが奥行きはあまりなく、外観は街道沿いに建つ旅籠のような佇まい。通りに面した縁側は旅人を受け入れる昔ながらの風景です。この建物の裏手には川に面した浴場があり、コンクリート造の新館も併設されています。

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 玄関戸を開けると、まず目に入るのが印象的な生花と衝立です。少しこじんまりとしていますが、大型旅館にはない厳かな重みのある玄関です。

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 玄関右手にはロビーに当たる囲炉裏があります。館内のどのガラスも曇りなく拭きあげられているのが素晴らしい。

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 玄関左手にも談話室や喫茶のようなスペースがあります。このお部屋からは食器を片づけるような音がしたので、新館のお客さんのお食事処だったのかもしれません。

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 本館の宿泊部屋は2階にあり、館内には2カ所の階段があります。1つは玄関から上がる階段です。こちらの階段を上りきって、見上げると明かり窓があります。館内は内廊下になっているので、やや薄暗い。明り取りとして昔からあるのでしょうか。

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 もう1つの階段は建物後ろにあり、新館との連絡路付近から上がることができます。

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 ここにも天井に明かり窓が設けられています。こちらも見た目は新しい。

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 階段の欄干沿い奥には共同の洗面とトイレがあります。本館のお部屋はトイレと洗面が共用なのでこちらを利用します。

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 朝食後だったので仲居さんが忙しくされていました。こういう湯治宿のような風景は、何とも言えない旅情を感じずにはいられません。

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 新館に行くまでの一画です。出書院の狭い縁側にお花が生けてあり、ちょっとしたスペースに色気を添えてあります。

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 本館と新館をつなぐ渡り廊下です。

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 渡り廊下左を向くと、恐らく昔は裏庭だっと思わる庭園があり、右側には温泉を採掘した名残があります。

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  渡り廊下を抜けると、現代的な和風建築のイメージに変わります。

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 案内の通りに進んでいくと、お風呂へと続く階段が現れます。ここには缶ビールと清涼飲料水の自動販売機が置いてありました。風呂上りに一杯やりたくなる絶妙な位置に小憎らしくあります。誘惑に負けて買ってしまったのは言うでもなく。

 館内には売店などはなく、温泉街には自動販売機などはありますが、周囲には何もない秘境のような所なので、必要な物があれば買い揃えておくほうがいいと思います。

 

お部屋

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 案内して頂いたのは「楓」というお部屋です。

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 玄関にある階段を上ってきて、すぐの所にあるお部屋です。スリッパが置いてある所が入り口になっています。

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 踏み込みなどは無く、襖を開けるとすぐにお部屋がある昔のままのスタイルです。間取りは本間6畳+広縁?1.5畳です。

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 室内の壁などは小ぎれいに手が入っており古さはあまり感じません。ただし、所々に隙間があるので、風の流れがあったりお隣の声がよく聞こえました。木造建築の醍醐味です。廊下側からの施錠はなく内鍵のみでした。お部屋には金庫があるので貴重品はそちらへ。冷蔵庫は広縁に備えてあって、アメニティは一式あります。しかし、過剰なものは置いていませんでした。本館に泊まると、お部屋の中には洗面とトイレがないので共同のものを利用します。

 

お風呂

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 お風呂は貸切露天風呂と男女別の大浴場の計3ヵ所あります。画像奥が貸切露天風呂で、右側壁沿いに男女別内湯となります。湯屋は新館裏手の川岸にあるので、本館からはそれなりに道のりがあります。泉質はナトリウム炭酸水素塩泉でラジウム含有量が多いという、美人温泉であり温熱効果も高いという贅沢な効能です。無味無臭で肌触りはツルツルとして美人の湯に偽りはありません。

貸切露天風呂

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 貸切で利用できる石造りの湯舟は循環かけ流し併用のようですが、まとわりつくツルツル感はさすが。そして、眺める情景は日高川の青さが映えます。訪れた3月はまだ寒い時期でしたが適温に調整されていました。

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 多くはないですが視覚的に気持ちがいい程に源泉が投入されていました。かけ流し口下の配管は機能しておらず、本当に循環?と思うほど。こちらの湯船は、空いていれば何度でも利用することができます。また、石鹸類は置いてありますが、洗い場らしいものはなくシャワーもありません。すぐ隣が大浴場なので洗髪洗体は、そちらを利用するのがいいのではないかと思います。

槇の湯(まきのゆ)

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 大浴場は3人ぐらいが足を伸ばして入れる大きさです。男女で様相は異なるようですが、源泉の投入量は露天風呂よりも多い。湯舟の淵から溢れるお湯は豪壮に、ツルヌル感が強くかけ流されています。湯あがりはスベツヤ感があり、いつまでも温まった状態が続くので汗が止まりません。ラジウム効果でしょうか。丁度、山桜が咲いていたので景観も楽しむことができました。こちらにはシャワー、カランのついた洗い場があり、脱衣所にはドライヤーも置いてありました。

 

お料理

 朝夕ともにお部屋食です。お野菜を中心とした郷土感のある素朴なお料理ですが、一品一品手作りで丁寧に仕上げておられます。全体としては味付けは濃くあるのですが、くどさはなくお酒にとても合います。素材もさることながら、水の美味さがお料理を引き立てているのでしょうか。また、お出汁とかを除くと全て山の物なのは好感触です。山に来たのだから山の物を食するといった内容です。

 お品書がなかったので、仲居さんから聞いた内容と、実際に口にした感触から献立を作っています。個人的な感想なのでご参考程度に見ていただければ幸いです。

夕食

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【先付】:手作り胡麻豆腐、山葵菜醤油漬け

 プルップルッでもっちもっちの胡麻豆腐です。ゴマの味はしっかりと濃厚で、醤油がなくても添え付けの山葵と風味だけで十分楽しめるお品。 3月の少し早目のワサビ葉の醤油漬けです。ワサビ独特の辛さはなく優しいワサビの香りが、ほのかに鼻から抜ける清涼な一品。

 

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【前菜】:①さつまいもレモン煮、②金柑甘露煮、③菊花大根の酢漬けと桜花、④蟹真丈、⑤ぬた酢味噌和え、⑥春巻きサラダ、⑦柚子ゆべし、⑧梅蜜煮のし梅巻き

 小さなお料理が所狭しと長皿に盛り付けられている素敵な前菜です。 サツマイモはレモンの風味は豊かに甘味も強い。 小ぶりの金柑は酸味は抑えて口当たりがよく、ぬた和えは酢を強めに炒りゴマの香りが良く合う。 蟹真丈、梅蜜煮、柚子ゆべしは調べてみると定番の前菜のようです。季節によって盛り込まれる食材が異なるようです。

 

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【造り】:鹿肉のタタキ

 冷凍での提供ですが自然解凍されていくので、半解凍されてから口の中で溶かすという感じでフワシャリ感触で食べます。馬刺しに比べると脂は少なく味もタンパクです。全て溶けてからだと少し弾力があり、やはり赤身特有の野性的な味がします。つまと薬味はミニトマトの台座、おろしにんにく、大根けん、大葉。

 

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【炊合】:椎茸、桜人参、絹さや、南京、ぜんまい

【冷鉢】:自然薯(山葵、青海苔)

 炊き合わせは全体の味付けとしては雑味のない濃い甘口醤油味です。椎茸は生のまま炊いたような感じではなく、香りは強く干し椎茸のような歯ごたえがあります。戻してあるものなら、もともとはかなりの大きさだったのでしょう。南京は角を落とさず、ほどよい硬さが残っているのに味が滲みています。ゼンマイは塩漬けからの調理で、しっかりとゼンマイの香りが残っています。 自然薯はお出汁でしっかり伸ばしてあるのか、思ったよりも粘りは丁度良く食べやすくなっています。ヤマイモ独特の風味を濃厚にしたもので、量も多く結構お腹に膨れます。朝食で出来ることは多いですが、夕食で出るのは珍しいかもしれません。他のお料理と合わせて食べると良さそうです。

 

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【珍味】:イタドリ胡麻和え

【台物】:ボタン鍋(猪肉、白葱、シメジ、豆腐、白菜、ニンジン)

 イタドリも季節早めの一品で、ゴマ和えなのですがお浸しのようです。細かく刻んでありシャクシャクした爽やかな感触が何とも言えません。 ボタン鍋は野生風味がやや強いものです。臭いというのではなく豚の甘さを抑えた赤身が肉々しい感じです。お出汁は醤油ベースの濃い目で、脂が出ると旨味がたっぷりです。猪肉よりもお出汁のほうに夢中で、最後まで干してしまいました。また、この鍋に入っているお豆腐が、硬めでしっかり大豆味が美味。

 

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【焼物】:アマゴの塩焼き、はじかみ、酢橘

 配膳時は暖かく焼きたて感があります。大振りでしたが、時期的なものか身付きはそこそこです。アマゴを出してもらえるところは少ないのでうれしいですね。

 

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【椀物】:ジャガイモ饅頭の揚げ出し

【酢物】:ちぢみコンニャク

 ジャガイモといってもコロッケのような感じではなく、お米を一緒に練り込んで揚げてあるのでモッチリしています。なかなか変わったお品でお米はしっかりと形状を残しつつ、お米の粘りが「つなぎ」になっていてます。感じ的には一風変わった芋餅といったところでしょうか。これを熱々のカツオ出汁の餡に浸し葱を散らしてあります。 酢物は見た目がもずく?と思ったのですが食べると昆布の香りがあります。コンニャクはコリコリした食感に、形にはばらつきがあり自家製でしょうか。昆布の戻し汁に酢は強くサッパリとしています。

 

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【揚げ物】:季節の野菜天ぷら

 揚げたてで配膳されたてんぷらは、椎茸、蓮根、南京、獅子唐、たらの芽です。早めのタラの芽が盛り込まれていました。薬味は和歌山らしくピンクの梅塩、大根おろし、天つゆです。

 

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【香の物】:大根菜、大根、白菜

【止椀】:鰹出汁の清汁(小餅、毬麩、三つ葉)

【食事】:谷水で炊くご飯

【水菓子】:キュウイゼリー、りんごのソース

 上品なお吸い物においしいからこそ立つ白米。香の物も季節の物ですべて揃えてあります。キウイのゼリーは杏仁豆腐?と2層になっていて、酸味が少ないリンゴのソースに浸してあります。いかにも自家製という自然な味。

朝食

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・湯豆腐、菊菜、だし昆布

・炊き合わせ:がんも、蓮根、たけのこ、巻き昆布、絹さや

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・前菜:佃煮昆布、もろみ味噌、ごぼうの煮物

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・イタドリと菊花のお浸し

・シメジと昆布の甘辛煮

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・インゲン豆のゴマ和え

・香の物:梅干し、キュウリ、ニンジン

・茶碗蒸し ・焼のり ・生卵 ・味噌汁、白米

・ヨーグルト、苺ジャム

 湯豆腐のお豆腐は、やはり大豆が濃密です。炊き合わせや小鉢類は季節によって多少変わるようです。朝食は概ね定番メニューのようですが地物が並び、生卵は黄身が重力に逆らって丸くぷりっとしていました。内容のほとんどが、お野菜なのがうれしいところ。朝からガッツリ行きたい方には、物足りないような内容に見えますが、夕食と同じく手作りで濃い目の味付けは、お米がいくらでも進みます。

 

まとめ

 立地が山奥なのでお料理が山の物で統一されていて、季節の物がしっかり盛り込まれています。また、郷土の物を使用し本来あるべき会席料理という内容が素晴らしい。温泉は3大美人の湯と言われるように文句なしの良泉でした。しかし、木造のためお隣の声が聞こえて隙間風もあるので、そこを風情と取れるかどうかで好みが分かれます。敢えて昔の旅情を楽しみたい。という方には良い時間が過ごせるのではないでしょうか。

宿泊料金

 さて、宿泊料金です。2016年の政府が支援する「ふるさと旅行券」を利用しての宿泊なので、あまり参考にはなりませんが一応掲載しておきます。この記事を書いたのが2019年ですので、お宿の情報は異なる場合があるので、気になる点は直接お問い合わせ下さい。宿泊料金の変動はあまりなく、一般客室では30000円前後税別のようです。

宿泊日:2016/3(土曜日泊)

旅行サイト:楽天トラベル

プラン:◆極みのスローフーズ懐石◆日本三美人の湯と宿自慢の懐石料理を堪能♪

部屋タイプ:文化財登録 本館山側『おもむきの間』(トイレなし)6畳一間×1部屋 登録文化財の間

合計料金:32400 円(2名)

クーポン:15000円(ふるさと旅行券)

支払い料金:17400円

獲得ポイント:174P

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